スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

１２３話・痛みの度合い

　前回説明しそびれたという内容を聞いて、更にその詳しい内容を聞く。

「簡単な所で言えば、相手とのLVの差ですね」

　とシュテンさんは答えた。

「LV差…」

　言われてみて、なる程と納得する。

「あぁ、ですが、相手のLVが高い場合でも、相手が了承した時は、ちゃんと効果は発揮します。それに、そういった効果に弱い方もいるので、LVが高いだけで、誰もが誰も効かないという訳ではないです。ただ逆に、相手のLVが自分より低い場合でも、稀に、それらの能力に対して強い抵抗力やスキルなどを持っている人がいたりしますので、その場合は、神通力を使っても効果がない場合もありますから、もし使えなかったとしても、気落ちしないで下さいね」

「そういった場合もあるんですね。分かりました」

「では、ラス君は、昼間の特訓でお疲れだと思いますから、今日はこの辺りにしておきましょうか？」

「分かりま…　あ！！」

　もう１つ聞き忘れていた事を思い出す。

「どうかしましたか？」

「あの、最後に１つだけ聞いていいですか？」

「えぇ、構いませんよ。何でしょうか？」

「それが…」

　私は、今の肉体強度で、鬼神化を使った際、１度目と２度目で、痛みの度合いに違いがあった事を話し、その理由を聞いてみる。

「それはですね、どうしても、解放の段階を上げたり、使用する時間が長いと、その分自分の体にかかる負担が大きくなってしまうんです」

　シュテンさんからは、私が予想していた通りの答えが返ってきた。

「やっぱり、そうだったんですね。これで、疑問も晴れました、ありがとうございます」

「いえいえ。ですから、コツや鍛練法を教えはしましたが、鬼神化や神通力じんつうりきの特訓をする前に、まずは、肉体強度の向上を優先させた方がいいですね」

「そう…　なりますね。分かりました」

「では、そろそろむこうに送り帰しますが、もう聞きたい事はないですね？」

「はい、大丈夫です」

　そして、２人に挨拶をし、戻して貰った。


◆


　戻って来ると、鬼神化を解除する前に、お手洗いを済ませてから、再び横になる。
　横になって、気合いを入れ直してから、鬼神化を解除する。

「！！」

　昼間同様に痛みが襲ってきた。
　だけど今回は、昼間感じた痛みよりも少しだけましで、何とか耐えれそうだったので、帰り側にセウンさんから貰っていた貴重なあれを使わずに、このまま目を閉じて眠る事にした。
　やっぱり、痛みで中々寝付けなかったが、疲れもあってか、寝てしまった後は、起きた時は、既に朝を迎えていた。