275 / 453
93話・茨
しおりを挟む
「えぇ、そうですよ。茨に続いて2人目の女の子ですね」
茨の聞いてきた事は、思っていた通りの質問だったので、そう答える。
「やっぱり、そうだよね!! やったー!!」
私の答えを聞いた茨は、飛び跳ねながら喜びを全身で表す。
茨が、1番始めに鬼神化を授かってから、その後鬼神化を授かった4人は皆男性だった。そのせいか、茨が密かに、同姓の鬼人の事を待っていた事は察していた。
だから、心から喜んでいる茨を微笑ましく見ていたけど、茨は気づいているかどうか分からないが、飛び跳ねた時、茨の後ろで鏡を見ていた4人の顔すれすれを茨の拳が通りすぎたので、少し距離をとった4人から止めてくれという視線を感じた。
「茨、嬉しいのは分かりますが、とりあえず落ち着きなさい」
私がそう言うと、後ろの4人がほっとした顔をする。
「はーい!!」
茨は、元気良く返事をし、再び鏡をちらちら見ながら、
「お師匠様。この子、今神足通の練習してるみたいだけど、もしかして、もうここには来たんですか?」
私に別の質問をしてくる。
「えぇ、ちょうど鬼神化スキルを使ってくれたんで、ここに来て貰い、あなた達が戻ってくる少し前に、戻りましたね」
「!? そうなんですね…」
少し残念そうにしながら、そっと振り返り、後ろにいた星と金の事をキッと怒気の孕んだ目で睨みつける。
睨まれた星と金は、顔が少し青くなっていた。
私はそっと、星と金の2人を見た際に、宿命通を使い、何があったのか確認してみる。
確認した結果、どうやら、星と金の2人が、遠征から戻ってくる時、思ってたよりも疲れていたようで、茨の提案で、予定していた時間よりも、少し長めに休んで帰ってきたみたいだった。
「茨、そのくらいにしておきなさい」
「…分かりました」
注意された茨は、しぶしぶ視線を鏡へ戻す。
「茨、何があったのか聞きはしませんが、会える機会が失くなった訳ではないので、そこまで落ち込まなくていいと思いますよ」
「そうだった!!」
配下召喚の事を忘れていたのか、茨は、途端に元気になる。
「だから、早く会いたいかも知れませんが、楽しみが延びたと思って待ってみてはどうですか?」
「そうですね、分かりました。お師匠様の言う通り、楽しみに待っていようと思います!! だから、お師匠様も、その子が来たらすぐ教えて下さいね」
「なるべくそうするようにしますが、紹介は、ちゃんとラス君の時間がとれる時にですよ」
「はーい…」
「それじゃあ茨、その前にする事があるでしょ?」
私はそう言いながら、2人を指す。
茨は、私の指差す方を見て、
「あ!! 星と金も睨んじゃってごめんね…」
すぐ2人に謝った。
茨の聞いてきた事は、思っていた通りの質問だったので、そう答える。
「やっぱり、そうだよね!! やったー!!」
私の答えを聞いた茨は、飛び跳ねながら喜びを全身で表す。
茨が、1番始めに鬼神化を授かってから、その後鬼神化を授かった4人は皆男性だった。そのせいか、茨が密かに、同姓の鬼人の事を待っていた事は察していた。
だから、心から喜んでいる茨を微笑ましく見ていたけど、茨は気づいているかどうか分からないが、飛び跳ねた時、茨の後ろで鏡を見ていた4人の顔すれすれを茨の拳が通りすぎたので、少し距離をとった4人から止めてくれという視線を感じた。
「茨、嬉しいのは分かりますが、とりあえず落ち着きなさい」
私がそう言うと、後ろの4人がほっとした顔をする。
「はーい!!」
茨は、元気良く返事をし、再び鏡をちらちら見ながら、
「お師匠様。この子、今神足通の練習してるみたいだけど、もしかして、もうここには来たんですか?」
私に別の質問をしてくる。
「えぇ、ちょうど鬼神化スキルを使ってくれたんで、ここに来て貰い、あなた達が戻ってくる少し前に、戻りましたね」
「!? そうなんですね…」
少し残念そうにしながら、そっと振り返り、後ろにいた星と金の事をキッと怒気の孕んだ目で睨みつける。
睨まれた星と金は、顔が少し青くなっていた。
私はそっと、星と金の2人を見た際に、宿命通を使い、何があったのか確認してみる。
確認した結果、どうやら、星と金の2人が、遠征から戻ってくる時、思ってたよりも疲れていたようで、茨の提案で、予定していた時間よりも、少し長めに休んで帰ってきたみたいだった。
「茨、そのくらいにしておきなさい」
「…分かりました」
注意された茨は、しぶしぶ視線を鏡へ戻す。
「茨、何があったのか聞きはしませんが、会える機会が失くなった訳ではないので、そこまで落ち込まなくていいと思いますよ」
「そうだった!!」
配下召喚の事を忘れていたのか、茨は、途端に元気になる。
「だから、早く会いたいかも知れませんが、楽しみが延びたと思って待ってみてはどうですか?」
「そうですね、分かりました。お師匠様の言う通り、楽しみに待っていようと思います!! だから、お師匠様も、その子が来たらすぐ教えて下さいね」
「なるべくそうするようにしますが、紹介は、ちゃんとラス君の時間がとれる時にですよ」
「はーい…」
「それじゃあ茨、その前にする事があるでしょ?」
私はそう言いながら、2人を指す。
茨は、私の指差す方を見て、
「あ!! 星と金も睨んじゃってごめんね…」
すぐ2人に謝った。
2
お気に入りに追加
934
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
スキル【合成】が楽しすぎて最初の村から出られない
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
15歳ですべての者に授けられる【スキル】、それはこの世界で生活する為に必要なものであった。
世界は魔物が多く闊歩しており、それによって多くの命が奪われていたのだ。
ある者は強力な剣技を。またある者は有用な生産スキルを得て、生活のためにそれらを使いこなしていたのだった。
エメル村で生まれた少年『セン』もまた、15歳になり、スキルを授かった。
冒険者を夢見つつも、まだ村を出るには早いかと、センは村の周囲で採取依頼をこなしていた。
一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!
モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。
突然の事故で命を落とした主人公。
すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。
それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。
「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。
転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。
しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。
そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。
※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる