261 / 453
79話・鏡
しおりを挟む
シュテンさんの話を聞き、漫画やアニメでよくあるあれを自分で体験するとは思わなかったけど、無事ならそれでいい。
それに、ここでの時間がむこうの一瞬なら、皆に心配をかけていないという事だし安心した。
といっても私がそう思っただけで、本当にそうなのか少し心配になったので、一応シュテンさんに確認してみる。
「なら私がむこうに戻っても、そんなに時間がたっていないって事でいいんですよね?」
「えぇ、その通りですよ。ですから、ラス君がスキルを使った際、周りにいた者たちに心配をかけるという事はないと思いますから安心して下さい」
ちゃんと言質をとれたので、
「そうですか。良かったです…」
安堵したのも束の間、
「…でもちょっと待って下さい、シュテンさん」
「ん? どうかしましたか?」
「今、私の周りにいた者って言いましたよね?」
「えぇ、言いましたよ。それがどうかしましたか?」
「どうかしましたかって、どうしてシュテンさんは、私の周りに人がいる事を知ってるんですか?」
「あぁ、その事ですか。それはですね…」
シュテンさんが指をならすと、家の奥から白◯姫で出てくる女王が持っていそうな魔法の鏡みたいな物が飛んできて、私たちの前で止まり、
「これのおかげですよ」
その鏡を指差しながらそう答える。
「…もしかして、むこうを見る事の出来る鏡とかですか?」
「そこまで分かるなんて流石ですね。正解です。ラス君が鬼神化スキルを授かったのを感じ取ったので、この支給されたこの人界を映す事の出来る鏡でラス君の事を見てたんですよ」
案の定だった。
「…それで、シュテンさん。いったいこの鏡でどこまで観たんですか?」
私は、ジト目でシュテンさんを睨み付けるように見る。
「あぁ、そこは安心して下さい。人界を映せるといっても、私の持っている鏡では、建物の中まで観る事は出来ませんし、それに、鏡に映っている人が何を言っているのかも分かりませんからね。ですから、私が観たのは、ラス君たちが建物の外でやっていた模擬戦とかですね」
「なんだ、そうだったんですね…」
特に観られて困る事をした覚えはないけど、やはり観られていい気はしなかったから、それを聞いてホッとする。
「まぁでも、知っている言語なら口パクで何を言っているのか分かりますから、暇な時によくこの鏡を使い暇潰しをしているんですよ」
「あ、そうなんですね…」
続くシュテンさんの話に、改めてシュテンさんのハイスペックさに少し呆れる。
それに、ここでの時間がむこうの一瞬なら、皆に心配をかけていないという事だし安心した。
といっても私がそう思っただけで、本当にそうなのか少し心配になったので、一応シュテンさんに確認してみる。
「なら私がむこうに戻っても、そんなに時間がたっていないって事でいいんですよね?」
「えぇ、その通りですよ。ですから、ラス君がスキルを使った際、周りにいた者たちに心配をかけるという事はないと思いますから安心して下さい」
ちゃんと言質をとれたので、
「そうですか。良かったです…」
安堵したのも束の間、
「…でもちょっと待って下さい、シュテンさん」
「ん? どうかしましたか?」
「今、私の周りにいた者って言いましたよね?」
「えぇ、言いましたよ。それがどうかしましたか?」
「どうかしましたかって、どうしてシュテンさんは、私の周りに人がいる事を知ってるんですか?」
「あぁ、その事ですか。それはですね…」
シュテンさんが指をならすと、家の奥から白◯姫で出てくる女王が持っていそうな魔法の鏡みたいな物が飛んできて、私たちの前で止まり、
「これのおかげですよ」
その鏡を指差しながらそう答える。
「…もしかして、むこうを見る事の出来る鏡とかですか?」
「そこまで分かるなんて流石ですね。正解です。ラス君が鬼神化スキルを授かったのを感じ取ったので、この支給されたこの人界を映す事の出来る鏡でラス君の事を見てたんですよ」
案の定だった。
「…それで、シュテンさん。いったいこの鏡でどこまで観たんですか?」
私は、ジト目でシュテンさんを睨み付けるように見る。
「あぁ、そこは安心して下さい。人界を映せるといっても、私の持っている鏡では、建物の中まで観る事は出来ませんし、それに、鏡に映っている人が何を言っているのかも分かりませんからね。ですから、私が観たのは、ラス君たちが建物の外でやっていた模擬戦とかですね」
「なんだ、そうだったんですね…」
特に観られて困る事をした覚えはないけど、やはり観られていい気はしなかったから、それを聞いてホッとする。
「まぁでも、知っている言語なら口パクで何を言っているのか分かりますから、暇な時によくこの鏡を使い暇潰しをしているんですよ」
「あ、そうなんですね…」
続くシュテンさんの話に、改めてシュテンさんのハイスペックさに少し呆れる。
2
お気に入りに追加
934
あなたにおすすめの小説
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜
赤井水
ファンタジー
クロス伯爵家に生まれたケビン・クロス。
神に会った記憶も無く、前世で何故死んだのかもよく分からないが転生した事はわかっていた。
洗礼式で初めて神と話よく分からないが転生させて貰ったのは理解することに。
彼は喜んだ。
この世界で魔法を扱える事に。
同い歳の腹違いの兄を持ち、必死に嫡男から逃れ貴族にならない為なら努力を惜しまない。
理由は簡単だ、魔法が研究出来ないから。
その為には彼は変人と言われようが奇人と言われようが構わない。
ケビンは優秀というレッテルや女性という地雷を踏まぬ様に必死に生活して行くのであった。
ダンス?腹芸?んなもん勉強する位なら魔法を勉強するわ!!と。
「絶対に貴族にはならない!うぉぉぉぉ」
今日も魔法を使います。
※作者嬉し泣きの情報
3/21 11:00
ファンタジー・SFでランキング5位(24hptランキング)
有名作品のすぐ下に自分の作品の名前があるのは不思議な感覚です。
3/21
HOT男性向けランキングで2位に入れました。
TOP10入り!!
4/7
お気に入り登録者様の人数が3000人行きました。
応援ありがとうございます。
皆様のおかげです。
これからも上がる様に頑張ります。
※お気に入り登録者数減り続けてる……がむばるOrz
〜第15回ファンタジー大賞〜
67位でした!!
皆様のおかげですこう言った結果になりました。
5万Ptも貰えたことに感謝します!
改稿中……( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )☁︎︎⋆。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
スキル【合成】が楽しすぎて最初の村から出られない
紅柄ねこ(Bengara Neko)
ファンタジー
15歳ですべての者に授けられる【スキル】、それはこの世界で生活する為に必要なものであった。
世界は魔物が多く闊歩しており、それによって多くの命が奪われていたのだ。
ある者は強力な剣技を。またある者は有用な生産スキルを得て、生活のためにそれらを使いこなしていたのだった。
エメル村で生まれた少年『セン』もまた、15歳になり、スキルを授かった。
冒険者を夢見つつも、まだ村を出るには早いかと、センは村の周囲で採取依頼をこなしていた。
一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!
モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。
突然の事故で命を落とした主人公。
すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。
それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。
「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。
転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。
しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。
そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。
※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる