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還ってきた「辺境の街」編
第104話 相殺
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ぱちくり。
ゼウスが目を覚ます。
「ん……? ふ……ふわ~っはっはっはっ! 囚えられとる! ワシが! 人間ごときに! ふふふっ、ふははははっはっ! あ~、これは可笑しい! いやいや、たまには来てみるもんじゃの、人間界にも!」
デカい笑い声。
シンプルにうるさい。
おまけに、なんかキラキラ輝く夜空みたいな目が絶妙にキモい。
『なぁ、オレ様たちみたいな不変に近い存在にとって、最大の敵ってのはなんだと思う?』
急にサタン(核)が頭の中に話しかけてきた。
(なんだよ、いきなり? わかんないよ)
『それはな、退屈──ってやつだよ。ずっと生きて……いや、存在してるとな……何を見ても何をしても、退屈で退屈で心が死んでいくんだ』
(だからゼウスは囚えられて喜んでるわけ?)
『そういうことだ。新鮮なんだろ、奴にとっては』
(え~、それってなんか……)
めんどくさっ。
『けど、お前はこいつを引き止めとく必要がある。フィードが脱出する時間稼ぎのためにな』
(このめんどくささも、時間稼ぎに使えるってことか)
『だな。ってことで、お前はこいつを飽きさせないように色々仕掛けて、人間界に足止めするんだ。その隙にフィードが抜け出してきてバチコーン! ってなもんよ』
なるほど……。
それなら接待なんかよりよさそうだ。
うん、なんだかちょっと頑張れそうな気がしてきたぞ。
「わはは……ごほんごほんっ……! んっ、んんんっ! いかんいかん、久しぶりに大笑いしたもんだから痰詰まりが……。この肉体、もうちょっと若いほうがいいか? ふむ……そうだな、我が麗しのアイドルちゃんと並んで絵になるくらいの若さまで……むんっ!」
シュルルルルウゥン。
ゼウスが全身に力を入れると、年齢不詳なおっさんだった肉体がみるみる若返っていく。
「うわっ、こんなこと出来るなんてマジで神なのね、こいつ……!」
リサが絶句する。
と同時に、ボクたち女子一堂は密集してひそひそ話。
あ、一応ボクも女子で、うん。
「あらぁ、随分とマシな造形になったじゃなぁい?」
「ふむ、白眉の美青年、じゃな」
「えぇ、でもなんかナルシストっぽくない?」
「私はフィードさん以外の男の人には興味ないです」
「サタンも色々姿を変えてるし、こういうのもありってことか……」
キョロキョロと辺りを見渡す神官ラルクくん。
「はい? みなさん何を仰ってるんですか?」
「え、そのゼウ……不審者、若返ったでしょ、今」
ラルクくんには、この男がゼウスだって言わないほうがいいかな。
神官だし、なんとなく面倒くさいことになりそう。
「へ? この人、前からこんな感じでしたが?」
「へ?」
「へ?」
『たぶん……信仰心ってやつが影響してるんじゃないか? 神の都合のいいように事象が改変されても、信者たちは気づけないってわけだ』
(そうなんだ、じゃあラルクくんに「彼がゼウスだ」って打ち明けても……)
『聞こえないか、もしくは無視されるかだろうな』
(なるほど)
ヒソヒソヒソヒソ。
さっそく、その状況を女子一堂で共有。
なんだろう、女子同士で情報の共有をしてると不思議と胸がワクワクしてくるのは。
「がははは~っ! そっちのメス──いや、女、いやアイドルちゅわぁぁんと、その一味! 貴様らは信心が薄いようじゃな! もっと神を讃えたほうがよいぞ!」
姿が若返っても発言の内容は相変わらず。
しかも、ボクらのことをメスだなんて。
こいつ……強引で女好きってだけじゃなくて、もしかして。
──クズ?
ラルクくんが知ったら悲しむだろうなぁ。
自分が信仰してる神がこんなやつだなんて。
まぁ、ラルクくんは神官だから気づきようがないんだけど。
「ふむ……囚えられるのにも飽きてきたのぅ。よし! こんなもんはワシのスーパーパワーで引きちぎって……ふんっ!」
し~ん。
「あ、あれ……? ふんんっ!」
し~ん。
あいにくテスの縛った縄はびくともしない。
「むり。絶対に、関節に力が入らない、結び方をした。どれだけ、強力な力を持っていても、自力でほどくことは、ふかのう」
おやおやテス、『博識』の数%しか復活してなかったはずなのに、そりゃまぁずいぶんとマニアックな知識が残ってたもので。
「ふははははっ! つるぺた幼女にがんじがらめにされるワシ! それもまた一興! しかし! ワシをあなどるでないぞ、人間ごときの分際で! ってことでぇ! なんでも都合よく世界を動かせるワシのスキル──勧善……」
『おい! 撃てっ!』
【勧善懲悪】
【勧悪懲善】
ぱひゅぅん……。
とっさに出した魔神サタンのスキルが、ゼウスの放ったスキルを打ち消す。
(おお……相殺された……)
『ああ、元々オレ様とあいつは対の存在だ。やつがスキルを使いそうな時は……』
(こうやって打ち消せるってことだね)
『って、もう一発来るぞ』
「ふぬ? おかしいのぅ……」
【勧善懲悪】
【勧悪懲善】
ぱひゅぅん……。
またしても相殺。
「そ、そんな……ワシはとうとう、縄をほどくことすらできないくらい衰えてしまったのか……」
ガックシとうなだれるゼウス。
どうやらボクが打ち消したことには気づいてないようだ。
『くくく……まさかゼウスの野郎も、人間ごときにスキルを打ち消されてるとは夢にも思わないだろうな』
(でも、ゼウスにはスキル阻害のバリアがあるんじゃなかった?)
『それは防護に関しての結界だな。今のは現象に現象をぶつけて打ち消しただけだから全然違うわな』
(ああ、火を起こすマッチには干渉できないけど、着いた火自体には干渉できるみたいなこと?)
『大体そんなとこだ』
縛られたまましょぼくれてるゼウスの横で、ラルクくんがケラケラと笑っている。
「アハハ! なんでも都合よく世界を動かせるスキルなんてあるわけないじゃないですか! まったく子供じゃないんですから! アハハハハ!」
ラ、ラルクくん……?
あんまり馬鹿にしないであげてね?
その人、一応キミの信仰する神様らしいからさ。
「まさに、知らぬが仏ってやつじゃな」
ボクの横でテスが小さく、そう呟いた。
ゼウスが目を覚ます。
「ん……? ふ……ふわ~っはっはっはっ! 囚えられとる! ワシが! 人間ごときに! ふふふっ、ふははははっはっ! あ~、これは可笑しい! いやいや、たまには来てみるもんじゃの、人間界にも!」
デカい笑い声。
シンプルにうるさい。
おまけに、なんかキラキラ輝く夜空みたいな目が絶妙にキモい。
『なぁ、オレ様たちみたいな不変に近い存在にとって、最大の敵ってのはなんだと思う?』
急にサタン(核)が頭の中に話しかけてきた。
(なんだよ、いきなり? わかんないよ)
『それはな、退屈──ってやつだよ。ずっと生きて……いや、存在してるとな……何を見ても何をしても、退屈で退屈で心が死んでいくんだ』
(だからゼウスは囚えられて喜んでるわけ?)
『そういうことだ。新鮮なんだろ、奴にとっては』
(え~、それってなんか……)
めんどくさっ。
『けど、お前はこいつを引き止めとく必要がある。フィードが脱出する時間稼ぎのためにな』
(このめんどくささも、時間稼ぎに使えるってことか)
『だな。ってことで、お前はこいつを飽きさせないように色々仕掛けて、人間界に足止めするんだ。その隙にフィードが抜け出してきてバチコーン! ってなもんよ』
なるほど……。
それなら接待なんかよりよさそうだ。
うん、なんだかちょっと頑張れそうな気がしてきたぞ。
「わはは……ごほんごほんっ……! んっ、んんんっ! いかんいかん、久しぶりに大笑いしたもんだから痰詰まりが……。この肉体、もうちょっと若いほうがいいか? ふむ……そうだな、我が麗しのアイドルちゃんと並んで絵になるくらいの若さまで……むんっ!」
シュルルルルウゥン。
ゼウスが全身に力を入れると、年齢不詳なおっさんだった肉体がみるみる若返っていく。
「うわっ、こんなこと出来るなんてマジで神なのね、こいつ……!」
リサが絶句する。
と同時に、ボクたち女子一堂は密集してひそひそ話。
あ、一応ボクも女子で、うん。
「あらぁ、随分とマシな造形になったじゃなぁい?」
「ふむ、白眉の美青年、じゃな」
「えぇ、でもなんかナルシストっぽくない?」
「私はフィードさん以外の男の人には興味ないです」
「サタンも色々姿を変えてるし、こういうのもありってことか……」
キョロキョロと辺りを見渡す神官ラルクくん。
「はい? みなさん何を仰ってるんですか?」
「え、そのゼウ……不審者、若返ったでしょ、今」
ラルクくんには、この男がゼウスだって言わないほうがいいかな。
神官だし、なんとなく面倒くさいことになりそう。
「へ? この人、前からこんな感じでしたが?」
「へ?」
「へ?」
『たぶん……信仰心ってやつが影響してるんじゃないか? 神の都合のいいように事象が改変されても、信者たちは気づけないってわけだ』
(そうなんだ、じゃあラルクくんに「彼がゼウスだ」って打ち明けても……)
『聞こえないか、もしくは無視されるかだろうな』
(なるほど)
ヒソヒソヒソヒソ。
さっそく、その状況を女子一堂で共有。
なんだろう、女子同士で情報の共有をしてると不思議と胸がワクワクしてくるのは。
「がははは~っ! そっちのメス──いや、女、いやアイドルちゅわぁぁんと、その一味! 貴様らは信心が薄いようじゃな! もっと神を讃えたほうがよいぞ!」
姿が若返っても発言の内容は相変わらず。
しかも、ボクらのことをメスだなんて。
こいつ……強引で女好きってだけじゃなくて、もしかして。
──クズ?
ラルクくんが知ったら悲しむだろうなぁ。
自分が信仰してる神がこんなやつだなんて。
まぁ、ラルクくんは神官だから気づきようがないんだけど。
「ふむ……囚えられるのにも飽きてきたのぅ。よし! こんなもんはワシのスーパーパワーで引きちぎって……ふんっ!」
し~ん。
「あ、あれ……? ふんんっ!」
し~ん。
あいにくテスの縛った縄はびくともしない。
「むり。絶対に、関節に力が入らない、結び方をした。どれだけ、強力な力を持っていても、自力でほどくことは、ふかのう」
おやおやテス、『博識』の数%しか復活してなかったはずなのに、そりゃまぁずいぶんとマニアックな知識が残ってたもので。
「ふははははっ! つるぺた幼女にがんじがらめにされるワシ! それもまた一興! しかし! ワシをあなどるでないぞ、人間ごときの分際で! ってことでぇ! なんでも都合よく世界を動かせるワシのスキル──勧善……」
『おい! 撃てっ!』
【勧善懲悪】
【勧悪懲善】
ぱひゅぅん……。
とっさに出した魔神サタンのスキルが、ゼウスの放ったスキルを打ち消す。
(おお……相殺された……)
『ああ、元々オレ様とあいつは対の存在だ。やつがスキルを使いそうな時は……』
(こうやって打ち消せるってことだね)
『って、もう一発来るぞ』
「ふぬ? おかしいのぅ……」
【勧善懲悪】
【勧悪懲善】
ぱひゅぅん……。
またしても相殺。
「そ、そんな……ワシはとうとう、縄をほどくことすらできないくらい衰えてしまったのか……」
ガックシとうなだれるゼウス。
どうやらボクが打ち消したことには気づいてないようだ。
『くくく……まさかゼウスの野郎も、人間ごときにスキルを打ち消されてるとは夢にも思わないだろうな』
(でも、ゼウスにはスキル阻害のバリアがあるんじゃなかった?)
『それは防護に関しての結界だな。今のは現象に現象をぶつけて打ち消しただけだから全然違うわな』
(ああ、火を起こすマッチには干渉できないけど、着いた火自体には干渉できるみたいなこと?)
『大体そんなとこだ』
縛られたまましょぼくれてるゼウスの横で、ラルクくんがケラケラと笑っている。
「アハハ! なんでも都合よく世界を動かせるスキルなんてあるわけないじゃないですか! まったく子供じゃないんですから! アハハハハ!」
ラ、ラルクくん……?
あんまり馬鹿にしないであげてね?
その人、一応キミの信仰する神様らしいからさ。
「まさに、知らぬが仏ってやつじゃな」
ボクの横でテスが小さく、そう呟いた。
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