40 / 45
おじさん、探索する
第40話 おじさん、また尋問する
しおりを挟む
「くっ……! ふざけるな貴様ら……! 殺すならさっさと殺せ、薄汚い人間どもが!」
両手両足を縛り付けられてなお威勢の良いレイン。
けど、ふふふ。
その態度もいつまでもつかな?
そぉ~。
俺のうねる指がレインに迫る。
「なんだその手は……!? くっ……どんな非道な辱めを受けようともこのレイン、簡単に仲間は売ら……」
こちょ。
「ぶひゃ」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょ~!
「ぶひゃひゃひゃひゃっ!」
俺のスキル『超感覚』によってレインの足の裏は「こそばゆ」の調を奏でていく。
「これ、きっついんだよなぁ……」
「テンも食らったんだっけ?」
「あぁ、二度と思い出したくないね……」
「テンがそこまで言うとはよっぽどなんだな」
「死んだほうがマシだって思ったよ……」
エルとテンがしみじみと話す中。
「ぶひゃひゃ……こ、殺せっ! 視てるんだろ!? 俺を殺せ、死神吸血鬼ぁぁぁ!」
レインが叫ぶと、どこからともなく一匹のコウモリが宙に現れた。
パシュッ──!
間髪おかずコビット・セッターの矢がコウモリを捕える。
コウモリはゆらりと揺らぐと真っ黒な小さな玉となり、ぐるぐると回転して姿を変えていく。
「なに者か知らんが死ねバケモノ」
イタチのような動きで一瞬で背後に回ったテンが変化しかけた黒玉の首元に短刀を突きつける。
宙に溶けてそれをかいくぐった黒玉から腕が生え、テンを掴んで放り投げる。
「大丈夫?」
「ああ、ナイスキャッチだヤリス」
巨漢のヤリスがテンを受け止める。
と同時に。
キングとエルが同時に飛び上がり黒玉に斬りかかる。
「くっ……鬱陶しい……」
黒玉から出てきかけていた目の周りに赤の線の入った女はそう言うとギュルリと黒玉の中に戻り──。
「潜る──」
標的のレインへと向かう途中。
俺に斬られた。
「……は?」
手応えあり。
魔力そのものは斬れない。
でも、魔力によって作り出されたこの「現象」なら──。
斬れる。
「ぐわっ……! なぜ、なぜ人間ごときに第三階位吸血鬼の私が……! なぜ私の真核の場所がわかったぁ~!?」
「なぜって……潜ったから?」
「……は? 意味のわからぬことを……こうなったらこの命と引換えに貴様ら全員道連れにしてやろう! 絶命引換人間強制即死魔法!」
「うわぁぁぁぁぁ! 危ないですぅぅぅぅ!」
ぱしゅうぅ……。
魔法回避。
「……は?」
盾を構えてやけくそ気味に突っ込んできたジャンヌの魔法防御力? によって魔物の最後の悪あがきは不発に終わる。
俺はすかさず魔物曰くの真核を微塵に斬り捨てた。
さらさら……。
死神吸血鬼と呼ばれた魔物──黒玉はそのまま辞世の句すらなく塵となって消え去っていく。
「ほんとに……なんなんだ、お前らは……」
「俺の仲間だ。すげ~だろ。これが冒険者と騎士だ」
「いや、俺が言ってるのはお前のことだ……」
「俺? 俺はただの──」
元冒険者?
いや、今も冒険者と言っていいのか?
それとも騎士団の指南役?
え、なんなんだろう、俺って……。
あ~、うん。
とりあえず。
まぁ、これかな。
「俺はただの、おじさんだよ」
その言葉にレインは目を見開く。
そしてす肩を落としてため息を吐いた後──。
「あぁ、わかった……。なにがおじさんだよクソが……。もうどうにでもなれだ、チキショウ……。話してやるよ、全部な……!」
と、半ば逆ギレ気味に供述を始めた。
両手両足を縛り付けられてなお威勢の良いレイン。
けど、ふふふ。
その態度もいつまでもつかな?
そぉ~。
俺のうねる指がレインに迫る。
「なんだその手は……!? くっ……どんな非道な辱めを受けようともこのレイン、簡単に仲間は売ら……」
こちょ。
「ぶひゃ」
こちょこちょこちょこちょこちょこちょ~!
「ぶひゃひゃひゃひゃっ!」
俺のスキル『超感覚』によってレインの足の裏は「こそばゆ」の調を奏でていく。
「これ、きっついんだよなぁ……」
「テンも食らったんだっけ?」
「あぁ、二度と思い出したくないね……」
「テンがそこまで言うとはよっぽどなんだな」
「死んだほうがマシだって思ったよ……」
エルとテンがしみじみと話す中。
「ぶひゃひゃ……こ、殺せっ! 視てるんだろ!? 俺を殺せ、死神吸血鬼ぁぁぁ!」
レインが叫ぶと、どこからともなく一匹のコウモリが宙に現れた。
パシュッ──!
間髪おかずコビット・セッターの矢がコウモリを捕える。
コウモリはゆらりと揺らぐと真っ黒な小さな玉となり、ぐるぐると回転して姿を変えていく。
「なに者か知らんが死ねバケモノ」
イタチのような動きで一瞬で背後に回ったテンが変化しかけた黒玉の首元に短刀を突きつける。
宙に溶けてそれをかいくぐった黒玉から腕が生え、テンを掴んで放り投げる。
「大丈夫?」
「ああ、ナイスキャッチだヤリス」
巨漢のヤリスがテンを受け止める。
と同時に。
キングとエルが同時に飛び上がり黒玉に斬りかかる。
「くっ……鬱陶しい……」
黒玉から出てきかけていた目の周りに赤の線の入った女はそう言うとギュルリと黒玉の中に戻り──。
「潜る──」
標的のレインへと向かう途中。
俺に斬られた。
「……は?」
手応えあり。
魔力そのものは斬れない。
でも、魔力によって作り出されたこの「現象」なら──。
斬れる。
「ぐわっ……! なぜ、なぜ人間ごときに第三階位吸血鬼の私が……! なぜ私の真核の場所がわかったぁ~!?」
「なぜって……潜ったから?」
「……は? 意味のわからぬことを……こうなったらこの命と引換えに貴様ら全員道連れにしてやろう! 絶命引換人間強制即死魔法!」
「うわぁぁぁぁぁ! 危ないですぅぅぅぅ!」
ぱしゅうぅ……。
魔法回避。
「……は?」
盾を構えてやけくそ気味に突っ込んできたジャンヌの魔法防御力? によって魔物の最後の悪あがきは不発に終わる。
俺はすかさず魔物曰くの真核を微塵に斬り捨てた。
さらさら……。
死神吸血鬼と呼ばれた魔物──黒玉はそのまま辞世の句すらなく塵となって消え去っていく。
「ほんとに……なんなんだ、お前らは……」
「俺の仲間だ。すげ~だろ。これが冒険者と騎士だ」
「いや、俺が言ってるのはお前のことだ……」
「俺? 俺はただの──」
元冒険者?
いや、今も冒険者と言っていいのか?
それとも騎士団の指南役?
え、なんなんだろう、俺って……。
あ~、うん。
とりあえず。
まぁ、これかな。
「俺はただの、おじさんだよ」
その言葉にレインは目を見開く。
そしてす肩を落としてため息を吐いた後──。
「あぁ、わかった……。なにがおじさんだよクソが……。もうどうにでもなれだ、チキショウ……。話してやるよ、全部な……!」
と、半ば逆ギレ気味に供述を始めた。
11
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~
つくも
ファンタジー
Fランク冒険者エルクは外れスキルと言われる固有スキル『成長率鈍化』を持っていた。
このスキルはレベルもスキルレベルも成長効率が鈍化してしまう、ただの外れスキルだと馬鹿にされてきた。
しかし、このスキルには可能性があったのだ。成長効率が悪い代わりに、上限とされてきたレベル『99』スキルレベル『50』の上限を超える事ができた。
地道に剣技のスキルを鍛え続けてきたエルクが、上限である『50』を突破した時。
今まで馬鹿にされてきたエルクの快進撃が始まるのであった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる