26 / 81
第一章 ジンディオールの復讐編
第26話 ジュリアの想い(ジュリア視点)
しおりを挟む
◇ ジュリア視点 ◇
昨夜、私は思い切ってジンさんのベッドに潜り込んだ。
こんな大胆な行動をとることは、私の性格からして、本来有り得ないことだった。
それは、おじいちゃんや村のみんなから、「大胆にアプローチすべき」と助言されたことを思い出したからだ。
ギリギリまで悩んだが、勇気を振り絞って実行することを決断した。
女の私から迫るなんて、はしたないと思われるかも知れないが、一緒に悩んでくれた村のみんなの顔や、「ジュリアなら大丈夫だよ!」と掛けてくれた言葉を思い出すと、勇気が湧いてきた。
いざ行動に移してみたら、ジンさんは驚いた表情をしていた…。
「なぜジュリアまで同じ部屋で同じベッドなんだ?」
「いいじゃないですか!旅を共にする仲ですもん!」
「いや、だがな…。」
「ジンさん、私と同じベッドは嫌ですか?」
「いや、そんなことはない。そんなことはないんだ…。」
ジンさんは、私の言葉に慌てた素振りを見せていた。普段は見られない一面に嬉しくなった。
「うふふ。じゃあ、一緒に寝ましょ!」
拒絶されることを心配したが、嫌な顔をされなくて安心した。
私は毛布の中で、二人の関係が進展することを期待して待っていた…。
しかし、ジンさんはとうとう私に触れることすらしなかった…。
(やはり、私には魅力が足りないのかしら…。)
そう思うと妙に切なく感じるが、それでも諦めるつもりはなかった。
これは、私にとって初めて芽生えた大切な感情なのだから…。
◇ ◇ ◇
あの日…。
棺から救い出したジンさんとの出会いが、私の人生を一変させた。
それは、彼が村で暮らし始めて間もない頃のことだった。
ふとしたきっかけで、ジンさんの裸体を目撃してしまい、驚きとともに未知の感情が胸に湧き上がった。
長い髪で女性に見えることもあるが、細くてもしなやかな筋肉が際立つ体は、男らしさを感じさせた。
そして、私たちとは少し違う顔立ちだったが、それがかえって魅力的に映り、心を奪われた。
同年代の異性がほとんどいないこの村で、ジンさんの裸を見たあとは、どうしようもなく気になってしまった。
その後、二人で山や森に出かけては、野草や果実を採ったり、話をしたりして、楽しい時間を過ごした。
山で足を挫いた時には、優しく手を差し伸べて、私を背負って下山してくれた。
その時、私は彼の背中で彼の体温を感じながら、自分の鼓動が強く高鳴っていることを感じたのであった…。
また、村がゴブリンの襲撃に遭ったときには、ジンさんは勇敢に戦って、村人たちを守ってくれた。
強くて優しいジンさんの姿に、私はますます惹かれていった。
ジンさんも、村人たちと打ち解けて、異種族であることを気にせず、笑顔で過ごしていた。
しかし、ジンさんが村を去ると言い出したとき、私の心は砕け散る思いだった。
ジンさんは、私にとって懸想を抱く存在になっていたからだ。
私は悲しみに暮れ、自分の運命を呪った。
でも、おじいちゃんや村の人たちの後押しのお陰で、ジンさんと一緒に旅に出られたのだ。
私は幸せ者だ。
これからもジンさんの傍で、この世界の不思議や美しさを感じていきたい。
努力した結果、もしも私の望みが叶わなかったとしても、彼の傍に立っていたいと願ったのであった…。
昨夜、私は思い切ってジンさんのベッドに潜り込んだ。
こんな大胆な行動をとることは、私の性格からして、本来有り得ないことだった。
それは、おじいちゃんや村のみんなから、「大胆にアプローチすべき」と助言されたことを思い出したからだ。
ギリギリまで悩んだが、勇気を振り絞って実行することを決断した。
女の私から迫るなんて、はしたないと思われるかも知れないが、一緒に悩んでくれた村のみんなの顔や、「ジュリアなら大丈夫だよ!」と掛けてくれた言葉を思い出すと、勇気が湧いてきた。
いざ行動に移してみたら、ジンさんは驚いた表情をしていた…。
「なぜジュリアまで同じ部屋で同じベッドなんだ?」
「いいじゃないですか!旅を共にする仲ですもん!」
「いや、だがな…。」
「ジンさん、私と同じベッドは嫌ですか?」
「いや、そんなことはない。そんなことはないんだ…。」
ジンさんは、私の言葉に慌てた素振りを見せていた。普段は見られない一面に嬉しくなった。
「うふふ。じゃあ、一緒に寝ましょ!」
拒絶されることを心配したが、嫌な顔をされなくて安心した。
私は毛布の中で、二人の関係が進展することを期待して待っていた…。
しかし、ジンさんはとうとう私に触れることすらしなかった…。
(やはり、私には魅力が足りないのかしら…。)
そう思うと妙に切なく感じるが、それでも諦めるつもりはなかった。
これは、私にとって初めて芽生えた大切な感情なのだから…。
◇ ◇ ◇
あの日…。
棺から救い出したジンさんとの出会いが、私の人生を一変させた。
それは、彼が村で暮らし始めて間もない頃のことだった。
ふとしたきっかけで、ジンさんの裸体を目撃してしまい、驚きとともに未知の感情が胸に湧き上がった。
長い髪で女性に見えることもあるが、細くてもしなやかな筋肉が際立つ体は、男らしさを感じさせた。
そして、私たちとは少し違う顔立ちだったが、それがかえって魅力的に映り、心を奪われた。
同年代の異性がほとんどいないこの村で、ジンさんの裸を見たあとは、どうしようもなく気になってしまった。
その後、二人で山や森に出かけては、野草や果実を採ったり、話をしたりして、楽しい時間を過ごした。
山で足を挫いた時には、優しく手を差し伸べて、私を背負って下山してくれた。
その時、私は彼の背中で彼の体温を感じながら、自分の鼓動が強く高鳴っていることを感じたのであった…。
また、村がゴブリンの襲撃に遭ったときには、ジンさんは勇敢に戦って、村人たちを守ってくれた。
強くて優しいジンさんの姿に、私はますます惹かれていった。
ジンさんも、村人たちと打ち解けて、異種族であることを気にせず、笑顔で過ごしていた。
しかし、ジンさんが村を去ると言い出したとき、私の心は砕け散る思いだった。
ジンさんは、私にとって懸想を抱く存在になっていたからだ。
私は悲しみに暮れ、自分の運命を呪った。
でも、おじいちゃんや村の人たちの後押しのお陰で、ジンさんと一緒に旅に出られたのだ。
私は幸せ者だ。
これからもジンさんの傍で、この世界の不思議や美しさを感じていきたい。
努力した結果、もしも私の望みが叶わなかったとしても、彼の傍に立っていたいと願ったのであった…。
1
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる