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第一章 覚醒
37話 討伐依頼(前編)
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俺はジュリアと共に、冒険者パーティを編成してゴブリン討伐へと挑む運びとなった。片道40分という距離を考えると、多少の苦労を覚悟していたが、幸いにもバトルブーツの装備スキルにある『疲労軽減』の恩恵により、疲労感をほとんど感じることはなかった。それは、ジュリアも同じであり、予定よりも10分も早く目的地に到達することができた。
( 王都マルロム 南東部 ウエス森林 )
ウエス森林は、新緑が豊かに茂り、爽やかな風と、樹々の隙間から差し込む陽光が、まばゆいばかりに土地を包み込んでいた。そこは、思わず森林浴を楽しんでしまいたくなるような、魅惑的な場所だった。
今回の依頼は、ウエス森林に生息するゴブリンを駆逐することである。我々は、ゴブリンの数や規模についての正確な情報を得ていないが、彼らの高い繁殖力を踏まえると、彼らを排除しなければ、彼らの数は爆発的に増加し、近隣の町や村を攻撃し、人々や農作物、物資などに壊滅的な被害をもたらすことになるだろう。そのため、ゴブリン討伐の依頼は、冒険者ギルドにおいても、よく見かける依頼の一つである。
まずは、敵の情報収集のため、探索アプリを使用することにする。
「北条 響が発動する!スキル『探索』!」
アプリが起動する。探索をするためのキーワードにゴブリンと入力し、探索を実行する。すると、GOGOMAP上に32匹ものゴブリンの表記が表れたのである。
「ジュリア、ここから400メートル北東に32匹ものゴブリンを発見したよ。これから2人で殲滅に向かう。大丈夫かい?」
「は、はい!だ…大丈夫です!」
(どうやらだいぶ緊張している様子だ。初めてだし無理もない。それでは…。)
「ジュリア。これを渡しておく。このアイテムは、賢者のジョブを持つジュリアならきっと役に立つはずだよ。」
名前 ウィザードロッド
ランク R ( レア )
レベル 100 ( MAX )
補正値 MT +100 AT +20 MAT +100 INT +80
機能 魔法『アトミックレイ』
ジュリアに渡したのは、FFWのレア装備であるウィザードロッドである。魔法に関係する能力値の補正と、魔法『アトミックレイ』を扱うことができるようになる。
「あっ、これを手にした瞬間に、アトミックレイという魔法が使えるようになりました。」
「よし、それなら大丈夫だね。魔法関係の能力も上がっているから安心して。戦姫もサポートに顕現しておくから。」
「はい。安心しました。ありがとうごさいます。」
「北条 響が命ずる!戦姫ヨハンナ。前へ!」
「はい!」
俺の掛け声に反応して、ヨハンナがスマホ画面に表れる。俺はヨハンナの存在を確認して指示を与える。
「顕現せよ!!」
俺の合図と同時に、スマートフォンの画面からヨハンナの姿がスッと消え、スマートフォンから多数の光粒子が放たれた。散乱していた光粒子が一つにまとまり、やがて大きな光となり、ヨハンナの形が浮かび上がっていった。
名前 ヨハンナ
年齢 125歳
性別 女性
種族 エルフ族
ランク R ( レア )
ジョブ 狩人
レベル 125 (MAX)
HP 640
MP 550
AT 680
MAT 590
DEF 600
MDEF 600
DEX 750
INT 650
AGI 700
スキル 天罰の矢
説明 エルフの狩人。弓矢の扱いに長けており、100メートル先の目標にも正確に命中させられる。接近戦は、短剣での戦いを得意とする。
「団長!久しぶりッス。」
「おう。ヨハンナ。主にジュリアのサポートを頼む。」
「情報共有で状況は把握しているッス!任せて下さいッス!」
俺たちは、スマホの情報を頼りにゴブリンの生息している場所の近くまで移動した。
「シーッス。もうゴブリンのテリトリーッスよ。団長、どの様に戦うッスか?」
「俺が先に切り込み、ゴブリンを引き付けながら殲滅して行く。ジュリアは、最適な位置に移動しながら、遠距離からゴブリンを倒してくれ。ヨハンナは、ジュリアに危険が及ばない様にサポートして欲しい。」
「了解ッス!」
俺は、改めて敵の分布状況をアプリで確認する。分布している範囲の中央の辺りに12匹が集まっており、5匹程度のグループが3ヵ所に分かれている。まずは、中央のグループに突入しようと思う。ジュリアにおいては、ヨハンナと一緒に行動し、最適な位置に移動しながら攻撃を行って貰う。
「ナビィいるかい?」
「いるよ。」
ホログラムの姿のナビィが姿を現した。
「今回は、積極的に戦いを仕掛けるよ。敵の位置などサポートを頼んだ。」
「わかった。」
「じゃあ、先にいくよ。ジュリア。ヨハンナ。宜しく頼んだ。」
「はい!」「了解ッス!」
突如として、俺は中央に群がるゴブリンの陣営へ、急速かつ果敢に侵入した。全身全霊を傾けて駆け抜ける喜びは、今迄に感じたことのない躍動感を湛えていることを自覚する。それは、神秘的なFFWのレアアイテムが、俗なる俺のステータスを著しく強化してくれている成果と言っても過言ではなかった。
「おーりゃ!」
Zaku!
Gyaah!
俺は、敵集団の手前に立ち、態勢を整えた。先手を打ち、グレードソードの切れ味鋭い斬撃を繰り出し、ゴブリンの首元に深い傷を負わせた。散り散りになって、体液を大量にまき散らしながら、倒れ伏せるゴブリンを目の前にして、俺は満足の表情を浮かべた。
しかし、即座に反撃を仕掛けてくる敵の態勢が整いつつある。獰猛な爪や噛みつきによる攻撃が俺に向けられている。しかし、俺は敵の隙を突くことができると同時に、どこに攻撃が来るかを直感的に察知することができた。その狭間で、俺は敵の攻撃を巧みに回避しつつ、反撃を仕掛けるのである。
Zuba!
Gyaah!
群がるゴブリンたちを一掃するため、俺は続々と繰り出される攻撃を駆使し、戦いを繰り広げた。かつて、初めてスライムとの闘いに挑んだ際とはまるで異なる、俊敏で力強い動きが自分自身を取り巻くことを自覚する。
何といっても、神秘的なレアアイテムのステータス補正が、その驚くべき能力向上の大きな支援となっているのは間違いない。しかも、グレードソードの装備スキルである『剣術の素質(レベル1)』の補助効果も非常に強力であることを忘れてはならない。その力が、俺のような戦闘素人ですら、複数の敵相手に大立ち回りを成し遂げることを可能にしたのである。
本当に、FFWのアイテムは、大変優れており、まさに驚異的なチート能力を有するのである。
「団長!後ろから2匹。攻撃くるよ!」
「オッケー!」
(こちらは、順調なスタートだ。ジュリアの方は大丈夫だろうか?)
―――― to be continued ――――
( 王都マルロム 南東部 ウエス森林 )
ウエス森林は、新緑が豊かに茂り、爽やかな風と、樹々の隙間から差し込む陽光が、まばゆいばかりに土地を包み込んでいた。そこは、思わず森林浴を楽しんでしまいたくなるような、魅惑的な場所だった。
今回の依頼は、ウエス森林に生息するゴブリンを駆逐することである。我々は、ゴブリンの数や規模についての正確な情報を得ていないが、彼らの高い繁殖力を踏まえると、彼らを排除しなければ、彼らの数は爆発的に増加し、近隣の町や村を攻撃し、人々や農作物、物資などに壊滅的な被害をもたらすことになるだろう。そのため、ゴブリン討伐の依頼は、冒険者ギルドにおいても、よく見かける依頼の一つである。
まずは、敵の情報収集のため、探索アプリを使用することにする。
「北条 響が発動する!スキル『探索』!」
アプリが起動する。探索をするためのキーワードにゴブリンと入力し、探索を実行する。すると、GOGOMAP上に32匹ものゴブリンの表記が表れたのである。
「ジュリア、ここから400メートル北東に32匹ものゴブリンを発見したよ。これから2人で殲滅に向かう。大丈夫かい?」
「は、はい!だ…大丈夫です!」
(どうやらだいぶ緊張している様子だ。初めてだし無理もない。それでは…。)
「ジュリア。これを渡しておく。このアイテムは、賢者のジョブを持つジュリアならきっと役に立つはずだよ。」
名前 ウィザードロッド
ランク R ( レア )
レベル 100 ( MAX )
補正値 MT +100 AT +20 MAT +100 INT +80
機能 魔法『アトミックレイ』
ジュリアに渡したのは、FFWのレア装備であるウィザードロッドである。魔法に関係する能力値の補正と、魔法『アトミックレイ』を扱うことができるようになる。
「あっ、これを手にした瞬間に、アトミックレイという魔法が使えるようになりました。」
「よし、それなら大丈夫だね。魔法関係の能力も上がっているから安心して。戦姫もサポートに顕現しておくから。」
「はい。安心しました。ありがとうごさいます。」
「北条 響が命ずる!戦姫ヨハンナ。前へ!」
「はい!」
俺の掛け声に反応して、ヨハンナがスマホ画面に表れる。俺はヨハンナの存在を確認して指示を与える。
「顕現せよ!!」
俺の合図と同時に、スマートフォンの画面からヨハンナの姿がスッと消え、スマートフォンから多数の光粒子が放たれた。散乱していた光粒子が一つにまとまり、やがて大きな光となり、ヨハンナの形が浮かび上がっていった。
名前 ヨハンナ
年齢 125歳
性別 女性
種族 エルフ族
ランク R ( レア )
ジョブ 狩人
レベル 125 (MAX)
HP 640
MP 550
AT 680
MAT 590
DEF 600
MDEF 600
DEX 750
INT 650
AGI 700
スキル 天罰の矢
説明 エルフの狩人。弓矢の扱いに長けており、100メートル先の目標にも正確に命中させられる。接近戦は、短剣での戦いを得意とする。
「団長!久しぶりッス。」
「おう。ヨハンナ。主にジュリアのサポートを頼む。」
「情報共有で状況は把握しているッス!任せて下さいッス!」
俺たちは、スマホの情報を頼りにゴブリンの生息している場所の近くまで移動した。
「シーッス。もうゴブリンのテリトリーッスよ。団長、どの様に戦うッスか?」
「俺が先に切り込み、ゴブリンを引き付けながら殲滅して行く。ジュリアは、最適な位置に移動しながら、遠距離からゴブリンを倒してくれ。ヨハンナは、ジュリアに危険が及ばない様にサポートして欲しい。」
「了解ッス!」
俺は、改めて敵の分布状況をアプリで確認する。分布している範囲の中央の辺りに12匹が集まっており、5匹程度のグループが3ヵ所に分かれている。まずは、中央のグループに突入しようと思う。ジュリアにおいては、ヨハンナと一緒に行動し、最適な位置に移動しながら攻撃を行って貰う。
「ナビィいるかい?」
「いるよ。」
ホログラムの姿のナビィが姿を現した。
「今回は、積極的に戦いを仕掛けるよ。敵の位置などサポートを頼んだ。」
「わかった。」
「じゃあ、先にいくよ。ジュリア。ヨハンナ。宜しく頼んだ。」
「はい!」「了解ッス!」
突如として、俺は中央に群がるゴブリンの陣営へ、急速かつ果敢に侵入した。全身全霊を傾けて駆け抜ける喜びは、今迄に感じたことのない躍動感を湛えていることを自覚する。それは、神秘的なFFWのレアアイテムが、俗なる俺のステータスを著しく強化してくれている成果と言っても過言ではなかった。
「おーりゃ!」
Zaku!
Gyaah!
俺は、敵集団の手前に立ち、態勢を整えた。先手を打ち、グレードソードの切れ味鋭い斬撃を繰り出し、ゴブリンの首元に深い傷を負わせた。散り散りになって、体液を大量にまき散らしながら、倒れ伏せるゴブリンを目の前にして、俺は満足の表情を浮かべた。
しかし、即座に反撃を仕掛けてくる敵の態勢が整いつつある。獰猛な爪や噛みつきによる攻撃が俺に向けられている。しかし、俺は敵の隙を突くことができると同時に、どこに攻撃が来るかを直感的に察知することができた。その狭間で、俺は敵の攻撃を巧みに回避しつつ、反撃を仕掛けるのである。
Zuba!
Gyaah!
群がるゴブリンたちを一掃するため、俺は続々と繰り出される攻撃を駆使し、戦いを繰り広げた。かつて、初めてスライムとの闘いに挑んだ際とはまるで異なる、俊敏で力強い動きが自分自身を取り巻くことを自覚する。
何といっても、神秘的なレアアイテムのステータス補正が、その驚くべき能力向上の大きな支援となっているのは間違いない。しかも、グレードソードの装備スキルである『剣術の素質(レベル1)』の補助効果も非常に強力であることを忘れてはならない。その力が、俺のような戦闘素人ですら、複数の敵相手に大立ち回りを成し遂げることを可能にしたのである。
本当に、FFWのアイテムは、大変優れており、まさに驚異的なチート能力を有するのである。
「団長!後ろから2匹。攻撃くるよ!」
「オッケー!」
(こちらは、順調なスタートだ。ジュリアの方は大丈夫だろうか?)
―――― to be continued ――――
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