43 / 51
第ニ章 遡及編
第43話 偽浮気写真の回避
しおりを挟む
◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
目を覚ます。そこは、私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことを理解する。
前の周回では、山本君との証拠写真を撮られないように加奈にも頼んで対策したのに、今度は酒井君が現れて証拠写真を撮られる結果を招いてしまったのであった。
(山本君が近寄って来なくなったら、今度は酒井君が来るなんておかしいわ。強い意志のような物が働いてこのような結構を招いているよう…。でも、わからないわ。何でそこまでするのかしら?)
考えてみるが、まだまだ分からないことだらけである。
それでも私が今できることは、変わりないので、もう一度挑戦することにする。
◇ 21:14 居酒屋『寄ってって』出発 ◇
一次会が終わり、二次会に向かう私たち。
前回は、山本君が私に近づくことを防ぐために策を弄したが、結局は酒井君が接近してしまい、写真を撮られてしまった。
今回は別のルートを提案したが、残念ながら店はホテル街の先に位置しているため、却下されてしまった。
そこで、女性陣に協力してもらって決定的な写真が撮られないように行動することを思いついた。
私は加奈と咲の中央に立ち、絢香と舞華も近くにいてくれるようにお願いした。
皆が酔っていたので、何かゲーム要素があると勘違いして、ノリノリで協力してくれた。
ホテル街に近づいていくと、山本君や酒井君も何故か私たちに寄ってきたが、私とツーショットになることはなく、女性陣に叩かれる始末だった。
「ウザイ!キモイ!」と罵られ、ショックを受けて去っていった。
(やったわ!今回は上手くいったわ。これで証拠写真はなくなるわ…。)
私は、一安心する。
このまま予定通りに進めば、未来を修正することができるだろうと確信した。
満足そうな気持ちに浸っていたが、その時、声をかけられた。
「真由さん?ちょっとこっちに来てくれる?」
BARの近くに見覚えのある女性が立っていた。
女性は佐々木恵美さんだった。
今回までの過去ループでは、彼女との接触は全く無かったので大変驚いた。
彼女と再会することになったが、社会人時代に見た彼女とは外見が大きく異なっていた。
ファッションに無縁な服装と、無造作に放置された髪。
顔立ちは決して悪くはないのだが、化粧はしておらず、暗い雰囲気が漂っていた。
サークル仲間に先に店に入ってもらい、私は彼女の前に立った。その瞬間…。
《グサッ!》
「うぅ…。」
激しい痛みに襲われ、視線を下に向けると、ナイフが深くお腹に突き刺さっていた。
血液が溢れ出し、気絶しそうになる。私は膝をついて倒れ込んでしまった。
「これで目的は達成されたわね…。」
「恵美さん…あなたは、なぜ…。」
満足気な恵美さんの表情が印象的だった…。
◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
私が目を覚ますと、そこは私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことに気づく。
そして、私が殺されたことも思い出した。
傷は消え、苦痛もなくなっていたが、私は再び恵美さんに殺されてしまったのだ。
なぜ私が彼女にそこまで憎まれているのか、理解できない。
そして、彼女が発した最後の言葉、「目的は達成された」とは何だったのか。
私は、今までのことを整理することにした。
まず、『未来の分岐点』を正しい道に戻すためには、私と拓弥さんが別れないことが最優先される。
そのために、偽浮気写真を回避する必要があった。
私は、男性サークル仲間と二人きりになることを避け、偽浮気写真の回避に成功した。
しかし、その直後に恵美さんが突然現れて、私を殺害した。
(恵美さんの行動は理解できない。彼女は何か別の目的があるのだろうか…。)
私は、恵美さんのことは置いておいて、偽浮気写真を回避できたことを収穫として考えた。
今後、恵美さんとどう向き合っていくかは未定だが、とりあえずは偽浮気写真の回避が成功したことに安心して再び挑戦することを決意したのであった…。
目を覚ます。そこは、私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことを理解する。
前の周回では、山本君との証拠写真を撮られないように加奈にも頼んで対策したのに、今度は酒井君が現れて証拠写真を撮られる結果を招いてしまったのであった。
(山本君が近寄って来なくなったら、今度は酒井君が来るなんておかしいわ。強い意志のような物が働いてこのような結構を招いているよう…。でも、わからないわ。何でそこまでするのかしら?)
考えてみるが、まだまだ分からないことだらけである。
それでも私が今できることは、変わりないので、もう一度挑戦することにする。
◇ 21:14 居酒屋『寄ってって』出発 ◇
一次会が終わり、二次会に向かう私たち。
前回は、山本君が私に近づくことを防ぐために策を弄したが、結局は酒井君が接近してしまい、写真を撮られてしまった。
今回は別のルートを提案したが、残念ながら店はホテル街の先に位置しているため、却下されてしまった。
そこで、女性陣に協力してもらって決定的な写真が撮られないように行動することを思いついた。
私は加奈と咲の中央に立ち、絢香と舞華も近くにいてくれるようにお願いした。
皆が酔っていたので、何かゲーム要素があると勘違いして、ノリノリで協力してくれた。
ホテル街に近づいていくと、山本君や酒井君も何故か私たちに寄ってきたが、私とツーショットになることはなく、女性陣に叩かれる始末だった。
「ウザイ!キモイ!」と罵られ、ショックを受けて去っていった。
(やったわ!今回は上手くいったわ。これで証拠写真はなくなるわ…。)
私は、一安心する。
このまま予定通りに進めば、未来を修正することができるだろうと確信した。
満足そうな気持ちに浸っていたが、その時、声をかけられた。
「真由さん?ちょっとこっちに来てくれる?」
BARの近くに見覚えのある女性が立っていた。
女性は佐々木恵美さんだった。
今回までの過去ループでは、彼女との接触は全く無かったので大変驚いた。
彼女と再会することになったが、社会人時代に見た彼女とは外見が大きく異なっていた。
ファッションに無縁な服装と、無造作に放置された髪。
顔立ちは決して悪くはないのだが、化粧はしておらず、暗い雰囲気が漂っていた。
サークル仲間に先に店に入ってもらい、私は彼女の前に立った。その瞬間…。
《グサッ!》
「うぅ…。」
激しい痛みに襲われ、視線を下に向けると、ナイフが深くお腹に突き刺さっていた。
血液が溢れ出し、気絶しそうになる。私は膝をついて倒れ込んでしまった。
「これで目的は達成されたわね…。」
「恵美さん…あなたは、なぜ…。」
満足気な恵美さんの表情が印象的だった…。
◇ 真由のマンション 2025年11月9日 16:35 ◇
私が目を覚ますと、そこは私のマンションのベッドの上だった。
再びループが発動したことに気づく。
そして、私が殺されたことも思い出した。
傷は消え、苦痛もなくなっていたが、私は再び恵美さんに殺されてしまったのだ。
なぜ私が彼女にそこまで憎まれているのか、理解できない。
そして、彼女が発した最後の言葉、「目的は達成された」とは何だったのか。
私は、今までのことを整理することにした。
まず、『未来の分岐点』を正しい道に戻すためには、私と拓弥さんが別れないことが最優先される。
そのために、偽浮気写真を回避する必要があった。
私は、男性サークル仲間と二人きりになることを避け、偽浮気写真の回避に成功した。
しかし、その直後に恵美さんが突然現れて、私を殺害した。
(恵美さんの行動は理解できない。彼女は何か別の目的があるのだろうか…。)
私は、恵美さんのことは置いておいて、偽浮気写真を回避できたことを収穫として考えた。
今後、恵美さんとどう向き合っていくかは未定だが、とりあえずは偽浮気写真の回避が成功したことに安心して再び挑戦することを決意したのであった…。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
妻と愛人と家族
春秋花壇
現代文学
4 愛は辛抱強く,親切です。愛は嫉妬しません。愛は自慢せず,思い上がらず, 5 下品な振る舞いをせず,自分のことばかり考えず,いら立ちません。愛は傷つけられても根に持ちません。 6 愛は不正を喜ばないで,真実を喜びます。 7 愛は全てのことに耐え,全てのことを信じ,全てのことを希望し,全てのことを忍耐します。
8 愛は決して絶えません。
コリント第一13章4~8節
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
葉月とに
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる