ある1人の復讐劇

復讐を終えた先に

「なん…で…なんで今、真奈からメールが届くんだよ？」

悠生は驚いていた。当然のことだった。なぜなら、もう届くはずの無い人からメールが届いたのだから…悠生は戸惑いながらもメールをひらいた。

悠生へ
このメールが届いた時、悠生は多分驚いてるよね。最近のメールって面白いね、時間を指定してメールを送れるなんて。あなたは私が死んで悲しむと思うし、いじめっ子達を恨むと思う。けど私は復讐なんて望まないよ。
けどもしこのメールが届く前に殺してしまっていたのなら、ちゃんと自首をしてね。自殺して会いに来たりなんかしたら、怒るからね！ちゃんと犯した罪を償ってちゃんと寿命を終えてから会いに来てね。私はいつまでも待っているから…じゃあね悠生

メールと一緒にボイスメッセージも付いていた。

「悠生、愛してるよ」

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れてきた。一生しきれないほどの後悔をした。自分がやっていた行動は真奈のためにはなっていなかった。真奈の望むことではなかった。悠生はその場で泣き崩れた。泣いて、泣いて、泣きじゃくった。

数分間ずっと泣いて、やっと泣き止めた。そして悠生は決意した。

「分かったよ…真奈との…約束はちゃんと守るよ…」

そう言って悠生は廃墟をあとにした。

雪が降る寒い夜、街の灯りはキラキラと輝き、街路樹綺麗に装飾されていた。
その夜、笠原悠生は自首をした。