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知らない本音と俺
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その言葉に思わず大声を出す。
「俺だってソレイルのこと大好きだ!俺が1番近くでソレイルのこと見てきたし、ソレイルのいいところもたくさん知ってる!ソレイルは優しいし、賢いし、かっこいいし、俺だって不安になる!今だってステラ嬢にソレイルが奪われないか悩んでるんだ!」
長い長い沈黙が続いた。
俺の顔は茹で蛸のように真っ赤に染まった。
自分でも気づかなかった。俺ってソレイルのことが好きだったんだ。俺は初めて俺のことがわからなくなった。
恋心の自覚とはとても恥ずかしいものらしい。
俺は気がついたら走り出そうとしていた。
「待って!」
ソレイルが俺の腕を掴む。
恥ずかしさのあまりソレイルの顔を見ることができない。
「もう一回言って、大好きって。」
言えるか!と言い返そうとして、ソレイルの顔が真っ赤なことに気づいて何も言い返せずにいた。ソレイルの目は今までにないほどに熱を帯び、ドクドクと心臓の音が聞こえてきそうだ。
「…ソレイルのこと大好きだから。」
ソレイルは声にならない叫びをあげて、俺を抱きしめた。
「キスしてもいい?」
「いつも許可なくしてるじゃん。」
「口にしたい。」
ソレイルは律儀なことに口にキスはしてきたことはない。頬や手ばかりだ。
「…婚約者なんだからそんなこと聞くなよ。」
「アース…。」
ソレイルは俺の口に優しくキスをした。
「なんかあった?」
マーズが出会い頭にそう聞いてきた。
「え!な、何にもないけど!!」
「隠すの下手すぎんだろ。
ソレイルがいつにも増して酷いけどそれはどう説明するんだ?」
俺にはいつもの変わらないように見えるが、幼馴染は気付いたようだ。
「いつもより目に熱がこもってるからな。
どうした?とうとう俺も好きって言ったのか?」
…幼馴染には隠し事はできないらしい。
「昨日ソレイルのことが好きだって気づいて…好きだって伝えた。」
「おっそ!誰が見てもアースはソレイルのことが好きだったぞ。」
「え?」
「ソレイルにだけ甘いし、特別扱いするし。」
…自覚がなかった。本当にそうだったのだとしたら恥ずかしすぎる。
「俺、これからソレイルに厳しく接する。」
「おい、マーズ。」
マーズは俺日直だった!と校舎へ駆けて行った。
「見ました?」
「もちろんしっかりと目に焼き付けましたわ!」
「今日のお二人はいつにも増して甘い雰囲気でしたわね。」
「お二人の美しさに私もう…」
コホンっとシーア・オーシャンが咳払いをする。
すると今までガヤガヤしていた少女たちは静まり返り、シーアに目を向ける。
「皆様、お集まりいただきまして誠に有難う御座います。
本日、学園に在籍する『薔薇の君を愛でる会』会員の皆様をお呼びしたのは、他でもありません。アース様のある噂についてでございますわ。
この中の何人かはその噂について耳にしたことがある方もいらっしゃるのでしょう。
その噂とは、
『アース・フレイムは王子のことを愛してなどいない。王妃の権力にしか興味のない男だ。性格は悪く、自分より身分の低いものをいじめている。』
というものですわ。」
会員たちはざわつく。
「全く見当違いの噂だわ!」
「根も葉もないことです!」
「いったい誰がこんなことを!?」
「早いうちから私にこの噂の報告が上がり、大きな噂になる前に対処したから良かったものの、誰かがアース様に悪意があることには変わりはありませんわ。
皆様、『薔薇の君を愛でる会』会員としてアース様たちをより、全力でお守り致しましょう!」
会員たちは犯人をとっ捕まえてやると息巻いた。
「俺だってソレイルのこと大好きだ!俺が1番近くでソレイルのこと見てきたし、ソレイルのいいところもたくさん知ってる!ソレイルは優しいし、賢いし、かっこいいし、俺だって不安になる!今だってステラ嬢にソレイルが奪われないか悩んでるんだ!」
長い長い沈黙が続いた。
俺の顔は茹で蛸のように真っ赤に染まった。
自分でも気づかなかった。俺ってソレイルのことが好きだったんだ。俺は初めて俺のことがわからなくなった。
恋心の自覚とはとても恥ずかしいものらしい。
俺は気がついたら走り出そうとしていた。
「待って!」
ソレイルが俺の腕を掴む。
恥ずかしさのあまりソレイルの顔を見ることができない。
「もう一回言って、大好きって。」
言えるか!と言い返そうとして、ソレイルの顔が真っ赤なことに気づいて何も言い返せずにいた。ソレイルの目は今までにないほどに熱を帯び、ドクドクと心臓の音が聞こえてきそうだ。
「…ソレイルのこと大好きだから。」
ソレイルは声にならない叫びをあげて、俺を抱きしめた。
「キスしてもいい?」
「いつも許可なくしてるじゃん。」
「口にしたい。」
ソレイルは律儀なことに口にキスはしてきたことはない。頬や手ばかりだ。
「…婚約者なんだからそんなこと聞くなよ。」
「アース…。」
ソレイルは俺の口に優しくキスをした。
「なんかあった?」
マーズが出会い頭にそう聞いてきた。
「え!な、何にもないけど!!」
「隠すの下手すぎんだろ。
ソレイルがいつにも増して酷いけどそれはどう説明するんだ?」
俺にはいつもの変わらないように見えるが、幼馴染は気付いたようだ。
「いつもより目に熱がこもってるからな。
どうした?とうとう俺も好きって言ったのか?」
…幼馴染には隠し事はできないらしい。
「昨日ソレイルのことが好きだって気づいて…好きだって伝えた。」
「おっそ!誰が見てもアースはソレイルのことが好きだったぞ。」
「え?」
「ソレイルにだけ甘いし、特別扱いするし。」
…自覚がなかった。本当にそうだったのだとしたら恥ずかしすぎる。
「俺、これからソレイルに厳しく接する。」
「おい、マーズ。」
マーズは俺日直だった!と校舎へ駆けて行った。
「見ました?」
「もちろんしっかりと目に焼き付けましたわ!」
「今日のお二人はいつにも増して甘い雰囲気でしたわね。」
「お二人の美しさに私もう…」
コホンっとシーア・オーシャンが咳払いをする。
すると今までガヤガヤしていた少女たちは静まり返り、シーアに目を向ける。
「皆様、お集まりいただきまして誠に有難う御座います。
本日、学園に在籍する『薔薇の君を愛でる会』会員の皆様をお呼びしたのは、他でもありません。アース様のある噂についてでございますわ。
この中の何人かはその噂について耳にしたことがある方もいらっしゃるのでしょう。
その噂とは、
『アース・フレイムは王子のことを愛してなどいない。王妃の権力にしか興味のない男だ。性格は悪く、自分より身分の低いものをいじめている。』
というものですわ。」
会員たちはざわつく。
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「根も葉もないことです!」
「いったい誰がこんなことを!?」
「早いうちから私にこの噂の報告が上がり、大きな噂になる前に対処したから良かったものの、誰かがアース様に悪意があることには変わりはありませんわ。
皆様、『薔薇の君を愛でる会』会員としてアース様たちをより、全力でお守り致しましょう!」
会員たちは犯人をとっ捕まえてやると息巻いた。
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