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薔薇の君を愛でる会と俺
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学園にソレイルと共に登校する。もちろん手を繋いで。
俺は恥ずかしくて嫌なのだが、ソレイルのお願いには昔から弱かった。
「おはよう!」
「おはよう、ソレイル、アース。」
「マーズ!カストロ!おはよう!」
「おはよう。」
「昨日は寝れたか?デネブ寮はどんな感じなんだ?やっぱり豪華か?」
「めっちゃベッドがフカフカだった!食事も美味しいし!」
「ソレイルに寝込みを襲われていない?」
「マーズ…そんなことするわけない。アースの部屋に行って一緒に寝ただけだ。」
「一緒に寝てるじゃねぇか!まぁ、でもソレイルにしたら我慢した方か?」
「アース、ソレイルには十分に気をつけろよ…。」
マーズが俺を心配そうに見てくる。
「大丈夫だって!お前らはソレイルのことなんだと思ってるんだ?」
「そうだ。それにもしそうなっても婚約者だから問題はない。」
「「アース、逃げろ!」」
「1時間目は魔法学です。皆さん、魔法のことは知っていますね。この中には使えるという方が多いのではないでしょうか。ですので、説明は大雑把にしますね。魔法とは生命エネルギーの一部を魔法エネルギーに変換することです。この魔法エネルギーを使うことで、空を飛んだり、炎を出したりすることができます。最初のこの時間には、まず初級魔法から習っていきます。
では皆さん…」
「アースは魔法が上手いね。」
ソレイルが褒める。
「昔から魔法は好きなんだ!ほらこんなことだってできるぞ。」
俺はソレイルの髪を魔法で逆立たせた。
「うわっ!」
「あははは!ごめんな。」
俺はソレイルの髪を撫でて元に戻す。
「ちょっといちゃつかないでくれる?目障りだから。」
マーズが相変わらず辛辣なことを言う。
「もし、そこの貴方!聞き捨てならないお言葉ですわね!」
現れたのは悪役令嬢、シーアだった。
「シーア嬢、何か問題でも?」
「問題大アリですわ!この尊い光景に対して目障りだなんて…!!」
「僕たちは友達なんです、シーア嬢。関係ない貴女に口を挟まれなくないですね。」
「いいえ!関係大アリですわ!
私は『薔薇の君を愛でる会』会長ですもの!」
「「は?」」
俺とマーズの声が被る。
「ばらのきみをめでるかい?」
「そうでございますわ!ソレイル殿下とアース様のことを応援する団体でございますの。お2人がいつまでも仲睦まじく過ごされるのを陰ながら応援したり、見つめたり…。」
「何それ!?そんな恥ずかしいことやめて下さい!」
「あら、お嫌でしたか…?ソレイル殿下に御承認頂きましたので、アース様も受け入れてくださっているのだとばかり…。」
「え?ソレイル?どう言うこと?」
「そのままの意味だよ。2年前に設立の話をされてね。それで害もないし、外堀を埋めるのにもちょうど良かったから了承したんだ。」
「2年前!?」
そんな前から?いつの間にできていたんだ。
「お2人はどの集まりでも一緒に参加さなっていて、そしてとても仲睦まじそうで、自然と応援したいと思う方が出てきましたのよ。それで私が2年前に立ち上げましたの。会員数は30人ですわ。」
「30人も!?」
「はい。皆さん、お2人の魅力に引きこまれてしまったのです。
ソレイル殿下のいつもクールで近寄りがたい雰囲気なのに、アース様の前だけでは優しくよく微笑んでおられるお姿、アース様のソレイル殿下に対する砕けた態度と信頼していることがわかる距離感。そして何よりも…」
「もういい!もう何も言わないで!恥ずかしいから!」
「あら?そうでしたか。それは申し訳ございませんわ。」
シーアはオホホホと笑う。
「ソレイル…しばらくくっつくの禁止にしようか。」
「ええ!?何で。嫌だよ。」
ソレイルがぎゅっと抱きしめて、俺の首にキスをする。
シーア嬢は鼻血を出して倒れた。
えっと…大丈夫?
俺は恥ずかしくて嫌なのだが、ソレイルのお願いには昔から弱かった。
「おはよう!」
「おはよう、ソレイル、アース。」
「マーズ!カストロ!おはよう!」
「おはよう。」
「昨日は寝れたか?デネブ寮はどんな感じなんだ?やっぱり豪華か?」
「めっちゃベッドがフカフカだった!食事も美味しいし!」
「ソレイルに寝込みを襲われていない?」
「マーズ…そんなことするわけない。アースの部屋に行って一緒に寝ただけだ。」
「一緒に寝てるじゃねぇか!まぁ、でもソレイルにしたら我慢した方か?」
「アース、ソレイルには十分に気をつけろよ…。」
マーズが俺を心配そうに見てくる。
「大丈夫だって!お前らはソレイルのことなんだと思ってるんだ?」
「そうだ。それにもしそうなっても婚約者だから問題はない。」
「「アース、逃げろ!」」
「1時間目は魔法学です。皆さん、魔法のことは知っていますね。この中には使えるという方が多いのではないでしょうか。ですので、説明は大雑把にしますね。魔法とは生命エネルギーの一部を魔法エネルギーに変換することです。この魔法エネルギーを使うことで、空を飛んだり、炎を出したりすることができます。最初のこの時間には、まず初級魔法から習っていきます。
では皆さん…」
「アースは魔法が上手いね。」
ソレイルが褒める。
「昔から魔法は好きなんだ!ほらこんなことだってできるぞ。」
俺はソレイルの髪を魔法で逆立たせた。
「うわっ!」
「あははは!ごめんな。」
俺はソレイルの髪を撫でて元に戻す。
「ちょっといちゃつかないでくれる?目障りだから。」
マーズが相変わらず辛辣なことを言う。
「もし、そこの貴方!聞き捨てならないお言葉ですわね!」
現れたのは悪役令嬢、シーアだった。
「シーア嬢、何か問題でも?」
「問題大アリですわ!この尊い光景に対して目障りだなんて…!!」
「僕たちは友達なんです、シーア嬢。関係ない貴女に口を挟まれなくないですね。」
「いいえ!関係大アリですわ!
私は『薔薇の君を愛でる会』会長ですもの!」
「「は?」」
俺とマーズの声が被る。
「ばらのきみをめでるかい?」
「そうでございますわ!ソレイル殿下とアース様のことを応援する団体でございますの。お2人がいつまでも仲睦まじく過ごされるのを陰ながら応援したり、見つめたり…。」
「何それ!?そんな恥ずかしいことやめて下さい!」
「あら、お嫌でしたか…?ソレイル殿下に御承認頂きましたので、アース様も受け入れてくださっているのだとばかり…。」
「え?ソレイル?どう言うこと?」
「そのままの意味だよ。2年前に設立の話をされてね。それで害もないし、外堀を埋めるのにもちょうど良かったから了承したんだ。」
「2年前!?」
そんな前から?いつの間にできていたんだ。
「お2人はどの集まりでも一緒に参加さなっていて、そしてとても仲睦まじそうで、自然と応援したいと思う方が出てきましたのよ。それで私が2年前に立ち上げましたの。会員数は30人ですわ。」
「30人も!?」
「はい。皆さん、お2人の魅力に引きこまれてしまったのです。
ソレイル殿下のいつもクールで近寄りがたい雰囲気なのに、アース様の前だけでは優しくよく微笑んでおられるお姿、アース様のソレイル殿下に対する砕けた態度と信頼していることがわかる距離感。そして何よりも…」
「もういい!もう何も言わないで!恥ずかしいから!」
「あら?そうでしたか。それは申し訳ございませんわ。」
シーアはオホホホと笑う。
「ソレイル…しばらくくっつくの禁止にしようか。」
「ええ!?何で。嫌だよ。」
ソレイルがぎゅっと抱きしめて、俺の首にキスをする。
シーア嬢は鼻血を出して倒れた。
えっと…大丈夫?
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