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第1章 追放された土の聖女
第17話 鉄板焼きは塩で
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「おぉ……まさか、クラーケンをこのようにして食べるとは思わなかったぞ。そして、旨いな」
という訳で、オリーブオイルをしっかり馴染ませた鉄板の上で、色んな具材を焼く鉄板焼きにしてみた。
セマルグルさんが持って来てくれた巨大なイカの足や、ジャガイモにコーンなんかを焼いていく。
ちなみに味付けは、大きなイカから滴り落ちる海水……を塩にしたもの。
巨大だっただけに、かなりの塩が採れたのは嬉しい誤算かも。
暫く塩で素材の味を堪能したら、お次はチーズを……待って! 沢山あるから! セマルグルさんも、ヴォーロスもゆっくり食べてっ!
「さてと……実は次がメインなの」
「ほう。む? その大量の野菜は何だ? それに、随分と長い芋を使うのだな」
「キャベツと山芋よ。これに小麦粉を入れて、水を注いでかき混ぜたら……鉄板へ、どーん!」
「……? クラーケンを小さくしたものや、チーズも混ぜるのか。その変わった形の鉄の棒で……おぉ、ひっくり返すのか」
蓋をして暫く蒸したら……出来上がりっ!
これが何かと聞かれたら、もちろん、お好み焼き! ……まぁ材料はいろいろと足りていないし、ソースもマヨネーズもないけどね。
マヨネーズは異世界へ来たら作る定番だし、お酢があったら是非作りたいなー。
「ほほぅ。クラーケンの量は少しで、殆どがキャベツという野菜だったにもかかわらず、これも旨いな」
「僕は、クラーケンよりもこっちの方が好きかな」
こうして皆で美味しく夕食を済ませると、川で水浴びと洗濯をして就寝なんだけど……
「セシリアよ。我は外で寝るのが普通なのだ」
「えぇーっ! せっかくのモフモフ……こほん。皆で一緒に寝ようよー!」
「いや、我にその家は狭すぎる。ヴォーロスが居るのだから良いではないか」
「そうなんだけど……雨が降ったりしたら寒いよ?」
「その時は、どこか適当な場所へ避難するから構わぬ」
セマルグルさんに、家の中へ入って寝る事を拒否されてしまった。
まぁでも、流石に狭いか。
でも、家電は仕事で沢山扱ったから、ある程度内部が分かるんだけど、家の構造って良く分からないのよね。
とりあえず、具現化魔法で鉄を使った大きな箱を作るのが手っ取り早い気もするんだけど、全てが鉄の家は良くないって聞いたような気がする。
本当は土で出来た呼吸する壁? とかが良いとか。
うーん。とりあえず、今日は就寝して、明日外が明るくなったら考えよう。
とりあえず、シロが何処かへ行ってしまわないように柵だけ作って、結界魔法を張り、
「おやすみー!」
「おやすみ、セシリア」
ヴォーロスの背中にのり、モフモフを堪能しながら就寝する。
……セマルグルさんの鳥のモフモフも楽しみたかったなぁ。
そんな事を考えながら就寝した翌朝。
「セシリア。セシリア」
「ん……セマルグルさん、おはよう。あれ? こっちでは寝ないんじゃなかったっけ? あ! 雨が降って来たとか!?」
「いや、雨ではない。だが、セシリアに客が来ているようだ」
「お客? 私に?」
一体何の事だろうと思いながら、服を着替えて外へ出ると……あれ? 誰も居ないんだけど。
「慌てるな。向こうだ……見てみよ。川の前で、獣人が顔を真っ青にしておるぞ」
「ん? あれは……マティスさんだ。どうしたんだろ。こんな所まで来て」
「言っておくが、我は奴の気配を感じた所で、この家の影に身を隠しておるから、怯えた様子なのは我のせいではないからな?」
「あはは、そんなの分かってるよー。だってセマルグルさんは、どこも怖くないじゃない。モフモフだし」
「セシリア……いや、まぁ良い。ひとまず話を聞いてやってはどうだ?」
セマルグルさんの意見も尤もなので、とりあえず結界魔法を解除して、川の近くまで歩いて行くと、
「あ! 聖女様! す、少しだけお待ちください! な、何とかこの死の川を渡ってみせますので!」
「えーっと、普通に渡れるよ?」
「さ、流石は聖女様ですね。グレート・トラウトが棲む川の中を歩いて来るなんて」
「ん? 普通に浅い川だけど……それより、どうかしたんですか?」
「そ、そうだ! あの、助けてください! リリィが……隣に住む友人の娘リリィが攫われてしまったんです!」
「な、なんですって! リリィちゃんがっ!?」
マティスさんが、とんでもない事を言い出した。
という訳で、オリーブオイルをしっかり馴染ませた鉄板の上で、色んな具材を焼く鉄板焼きにしてみた。
セマルグルさんが持って来てくれた巨大なイカの足や、ジャガイモにコーンなんかを焼いていく。
ちなみに味付けは、大きなイカから滴り落ちる海水……を塩にしたもの。
巨大だっただけに、かなりの塩が採れたのは嬉しい誤算かも。
暫く塩で素材の味を堪能したら、お次はチーズを……待って! 沢山あるから! セマルグルさんも、ヴォーロスもゆっくり食べてっ!
「さてと……実は次がメインなの」
「ほう。む? その大量の野菜は何だ? それに、随分と長い芋を使うのだな」
「キャベツと山芋よ。これに小麦粉を入れて、水を注いでかき混ぜたら……鉄板へ、どーん!」
「……? クラーケンを小さくしたものや、チーズも混ぜるのか。その変わった形の鉄の棒で……おぉ、ひっくり返すのか」
蓋をして暫く蒸したら……出来上がりっ!
これが何かと聞かれたら、もちろん、お好み焼き! ……まぁ材料はいろいろと足りていないし、ソースもマヨネーズもないけどね。
マヨネーズは異世界へ来たら作る定番だし、お酢があったら是非作りたいなー。
「ほほぅ。クラーケンの量は少しで、殆どがキャベツという野菜だったにもかかわらず、これも旨いな」
「僕は、クラーケンよりもこっちの方が好きかな」
こうして皆で美味しく夕食を済ませると、川で水浴びと洗濯をして就寝なんだけど……
「セシリアよ。我は外で寝るのが普通なのだ」
「えぇーっ! せっかくのモフモフ……こほん。皆で一緒に寝ようよー!」
「いや、我にその家は狭すぎる。ヴォーロスが居るのだから良いではないか」
「そうなんだけど……雨が降ったりしたら寒いよ?」
「その時は、どこか適当な場所へ避難するから構わぬ」
セマルグルさんに、家の中へ入って寝る事を拒否されてしまった。
まぁでも、流石に狭いか。
でも、家電は仕事で沢山扱ったから、ある程度内部が分かるんだけど、家の構造って良く分からないのよね。
とりあえず、具現化魔法で鉄を使った大きな箱を作るのが手っ取り早い気もするんだけど、全てが鉄の家は良くないって聞いたような気がする。
本当は土で出来た呼吸する壁? とかが良いとか。
うーん。とりあえず、今日は就寝して、明日外が明るくなったら考えよう。
とりあえず、シロが何処かへ行ってしまわないように柵だけ作って、結界魔法を張り、
「おやすみー!」
「おやすみ、セシリア」
ヴォーロスの背中にのり、モフモフを堪能しながら就寝する。
……セマルグルさんの鳥のモフモフも楽しみたかったなぁ。
そんな事を考えながら就寝した翌朝。
「セシリア。セシリア」
「ん……セマルグルさん、おはよう。あれ? こっちでは寝ないんじゃなかったっけ? あ! 雨が降って来たとか!?」
「いや、雨ではない。だが、セシリアに客が来ているようだ」
「お客? 私に?」
一体何の事だろうと思いながら、服を着替えて外へ出ると……あれ? 誰も居ないんだけど。
「慌てるな。向こうだ……見てみよ。川の前で、獣人が顔を真っ青にしておるぞ」
「ん? あれは……マティスさんだ。どうしたんだろ。こんな所まで来て」
「言っておくが、我は奴の気配を感じた所で、この家の影に身を隠しておるから、怯えた様子なのは我のせいではないからな?」
「あはは、そんなの分かってるよー。だってセマルグルさんは、どこも怖くないじゃない。モフモフだし」
「セシリア……いや、まぁ良い。ひとまず話を聞いてやってはどうだ?」
セマルグルさんの意見も尤もなので、とりあえず結界魔法を解除して、川の近くまで歩いて行くと、
「あ! 聖女様! す、少しだけお待ちください! な、何とかこの死の川を渡ってみせますので!」
「えーっと、普通に渡れるよ?」
「さ、流石は聖女様ですね。グレート・トラウトが棲む川の中を歩いて来るなんて」
「ん? 普通に浅い川だけど……それより、どうかしたんですか?」
「そ、そうだ! あの、助けてください! リリィが……隣に住む友人の娘リリィが攫われてしまったんです!」
「な、なんですって! リリィちゃんがっ!?」
マティスさんが、とんでもない事を言い出した。
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