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第9章 ドワーフ婚姻試練
第271話 幼女姉妹
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一先ずレオナを保護するために、必要な物があれば取っておいで……と話すと、
「あ、あの……いもうとが、いるの」
と、恐る恐る言ってきた。
レオナは九歳だと言うし、その妹となると、大きくても八歳で、最悪五歳とか四歳っていうユーリヤよりも幼い可能性がある。
流石に、そんな幼い子から姉まで奪って一人残す訳にもいかず、皆でその子を迎えに行く事にした。
「えっと……ここが、レオナたちのおうち」
「そ、そうか」
最初の街で匿ってもらったシュゼットの家よりも、更に一回り小さく、しかもボロボロの小屋だ。
よく、こんな場所に姉妹で暮らせているなと思える程の場所に案内され、狭いので俺とレオナだけで中に入ると、
「レオナ、おかえり。ん? そのおにいちゃんは……も、もしかして、カワイイわたしたちにごはんをくれる、パ、パト……パトラ?」
「パトロンの事か? まぁ支援するって意味ではそうかもしれないが」
支援というか、この場合は保護というか……それはともかく、レオナとそっくりの女の子が現れた。
妹と言っていたから、てっきり小さい子が出てくると思ったのだが、まさか双子とは。
これは……見分けがつかないぞ?
「まぁ何にせよ、レオナに食事と温かい寝床を用意する事を約束したんだ。君も一緒においで」
広い屋敷だし、二人くらい増えても大丈夫だろうと思いながら声を掛けたのだが、
「……な、なにが目的なのっ!? わ、わたしたちの体ねっ!? ご、ごはんでさそいだして、わたしたちにエッチなコトをするんだー!」
「エッチなこと? ルオナ。エッチなことって? おにいちゃんは、おうちにおいでって言ってくれてるだけだよ?」
「あまい。レオナはあますぎるの。おうちにおいでって言われて、おうちに行ったとたんに、わたしたちがたべられちゃうのよ!」
「えっ!? たべられちゃうの? レオナ、おいしくないよ?」
ルオナと呼ばれた双子の妹が、物凄く警戒しながら距離を取る。
一方でレオナは小首を傾げながら、距離を取らずに俺を見ているだけで……双子なのにここまで性格が違うものなのか。
「どうしたのー? みんな、さわいでどうかしたの……って、だれ? ごはん?」
「だ、だめよ、リオナ! ちかづいたら、たべられちゃうんだからっ!」
「え? じゃあ、たべられるまえに、たべちゃえ!」
そう言って、新たに現れたリオナと呼ばれる二人にそっくりな三人目の女の子が、俺に抱きついて来た。
いや、双子どころか三つ子かよっ!
さ、流石にこれ以上は増えないよな!? 四つ子とかじゃないよな!?
想定外の展開に少し驚いていると、何故か三人目のリオナが俺の腕を甘噛みしている。
「……何してるの?」
「……むー! キバでかめない……うでがかたすぎ。もっとやわらかいトコ……おなかとか?」
えっと、二人目のルオナが性的に食べられる話――そんな事しないけどさ――をしていたが、リオナは物理的に食べる話を……
「って、俺を食べようとしてるのか!?」
「……だって、レオナがつかまえてきたエサなんでしょ? ……むー、おなかでもかたい。じゃあ、おしりとか?」
「いや、エサって。あと、人のベルトをいじるな」
「あっ……はなしてよ! ……そうだ! 本気モードになれば……」
リオナが勝手に人の服を捲り、腹を甘噛みしてきたかと思うと、ズボンを脱がそうとしてきたので、一旦体から離す。
そのまま逆向きに――俺にお尻を向けさせて抱っこをすると、
「リオナ! それはダメっ!」
「そうだよー。パパやママが、ほかの人がいるトコでは、ダメって言ってたよー」
「へいきだよー! ここにはリオナたちしか、いないもん」
突然リオナの頭から、小さな動物の耳――犬耳が生えてきた。
あー、獣人だったのか。さっきから何をしているのかと思っていたけど、本気で俺を食べるつもり……って、いや獣人族でも人間は食べないだろ。
抱っこしている俺の腕にリオナが噛みつき……えっと、甘噛みだな。
「……なんで? なんで、本気なのに、たべられないの? おなかすいたー! おなかすいたよー!」
「いや、だから食べ物をあげるから、俺の家においでって言っているんだが」
「そうなの!? おにいちゃんがエサじゃなかったの!? じゃあ、行く! ねぇ、早く行こー!」
とりあえず、リオナが人の話を聞かないタイプで、ルオナは警戒心が強く、レオナは素直な子だというのは理解した。
未だに見分けはつかないが。
「ルオナー。リオナはおにいちゃんのいえに行くって。レオナも行くよー! だから、ルオナもいっしょに行こうよー」
「だ、ダメよ! パパとママが言ってたじゃない! わたしたちに、耳があるのがバレたら、ひどいめにあうって。きっとこれはワナよ! たべものでゆだんさせて、エッチなコトをするのよ!」
「エッチなこと? ……は、なにかわからないけど、リオナはおなかすいたー! 早く行きたい!」
あー、これは前にヴィクトリーヌが言っていた獣人族が差別されるって話か。
一先ずルオナの警戒を解く為には見て貰った方が早いだろう。
「アタランテー! ちょっと来てくれ」
「ん? どうしたんだい? って、貴方はどうして幼女を抱っこして……」
「ねこーっ! ねこの人がいるーっ! ……たべていい!?」
あれ? 何故か警戒心の高いルオナよりも、空腹のリオナが反応してしまった。
「あ、あの……いもうとが、いるの」
と、恐る恐る言ってきた。
レオナは九歳だと言うし、その妹となると、大きくても八歳で、最悪五歳とか四歳っていうユーリヤよりも幼い可能性がある。
流石に、そんな幼い子から姉まで奪って一人残す訳にもいかず、皆でその子を迎えに行く事にした。
「えっと……ここが、レオナたちのおうち」
「そ、そうか」
最初の街で匿ってもらったシュゼットの家よりも、更に一回り小さく、しかもボロボロの小屋だ。
よく、こんな場所に姉妹で暮らせているなと思える程の場所に案内され、狭いので俺とレオナだけで中に入ると、
「レオナ、おかえり。ん? そのおにいちゃんは……も、もしかして、カワイイわたしたちにごはんをくれる、パ、パト……パトラ?」
「パトロンの事か? まぁ支援するって意味ではそうかもしれないが」
支援というか、この場合は保護というか……それはともかく、レオナとそっくりの女の子が現れた。
妹と言っていたから、てっきり小さい子が出てくると思ったのだが、まさか双子とは。
これは……見分けがつかないぞ?
「まぁ何にせよ、レオナに食事と温かい寝床を用意する事を約束したんだ。君も一緒においで」
広い屋敷だし、二人くらい増えても大丈夫だろうと思いながら声を掛けたのだが、
「……な、なにが目的なのっ!? わ、わたしたちの体ねっ!? ご、ごはんでさそいだして、わたしたちにエッチなコトをするんだー!」
「エッチなこと? ルオナ。エッチなことって? おにいちゃんは、おうちにおいでって言ってくれてるだけだよ?」
「あまい。レオナはあますぎるの。おうちにおいでって言われて、おうちに行ったとたんに、わたしたちがたべられちゃうのよ!」
「えっ!? たべられちゃうの? レオナ、おいしくないよ?」
ルオナと呼ばれた双子の妹が、物凄く警戒しながら距離を取る。
一方でレオナは小首を傾げながら、距離を取らずに俺を見ているだけで……双子なのにここまで性格が違うものなのか。
「どうしたのー? みんな、さわいでどうかしたの……って、だれ? ごはん?」
「だ、だめよ、リオナ! ちかづいたら、たべられちゃうんだからっ!」
「え? じゃあ、たべられるまえに、たべちゃえ!」
そう言って、新たに現れたリオナと呼ばれる二人にそっくりな三人目の女の子が、俺に抱きついて来た。
いや、双子どころか三つ子かよっ!
さ、流石にこれ以上は増えないよな!? 四つ子とかじゃないよな!?
想定外の展開に少し驚いていると、何故か三人目のリオナが俺の腕を甘噛みしている。
「……何してるの?」
「……むー! キバでかめない……うでがかたすぎ。もっとやわらかいトコ……おなかとか?」
えっと、二人目のルオナが性的に食べられる話――そんな事しないけどさ――をしていたが、リオナは物理的に食べる話を……
「って、俺を食べようとしてるのか!?」
「……だって、レオナがつかまえてきたエサなんでしょ? ……むー、おなかでもかたい。じゃあ、おしりとか?」
「いや、エサって。あと、人のベルトをいじるな」
「あっ……はなしてよ! ……そうだ! 本気モードになれば……」
リオナが勝手に人の服を捲り、腹を甘噛みしてきたかと思うと、ズボンを脱がそうとしてきたので、一旦体から離す。
そのまま逆向きに――俺にお尻を向けさせて抱っこをすると、
「リオナ! それはダメっ!」
「そうだよー。パパやママが、ほかの人がいるトコでは、ダメって言ってたよー」
「へいきだよー! ここにはリオナたちしか、いないもん」
突然リオナの頭から、小さな動物の耳――犬耳が生えてきた。
あー、獣人だったのか。さっきから何をしているのかと思っていたけど、本気で俺を食べるつもり……って、いや獣人族でも人間は食べないだろ。
抱っこしている俺の腕にリオナが噛みつき……えっと、甘噛みだな。
「……なんで? なんで、本気なのに、たべられないの? おなかすいたー! おなかすいたよー!」
「いや、だから食べ物をあげるから、俺の家においでって言っているんだが」
「そうなの!? おにいちゃんがエサじゃなかったの!? じゃあ、行く! ねぇ、早く行こー!」
とりあえず、リオナが人の話を聞かないタイプで、ルオナは警戒心が強く、レオナは素直な子だというのは理解した。
未だに見分けはつかないが。
「ルオナー。リオナはおにいちゃんのいえに行くって。レオナも行くよー! だから、ルオナもいっしょに行こうよー」
「だ、ダメよ! パパとママが言ってたじゃない! わたしたちに、耳があるのがバレたら、ひどいめにあうって。きっとこれはワナよ! たべものでゆだんさせて、エッチなコトをするのよ!」
「エッチなこと? ……は、なにかわからないけど、リオナはおなかすいたー! 早く行きたい!」
あー、これは前にヴィクトリーヌが言っていた獣人族が差別されるって話か。
一先ずルオナの警戒を解く為には見て貰った方が早いだろう。
「アタランテー! ちょっと来てくれ」
「ん? どうしたんだい? って、貴方はどうして幼女を抱っこして……」
「ねこーっ! ねこの人がいるーっ! ……たべていい!?」
あれ? 何故か警戒心の高いルオナよりも、空腹のリオナが反応してしまった。
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