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第8章 ヴァロン王国遠征
第233話 弟子入り
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大きな胸の三人がキャアキャアと胸の話題ではしゃいでいると、奥から新たな魔物が近づいてくる気配がした。
「三人とも、そこまでよ! 何か……来るわっ!」
胸の話題に入っていないクレアがすぐさま反応し、魔法の詠唱に入る。
そして、先程ニーナが倒した魔物よりも、二周り程大きな大きな影が姿を現した所で、
「サンダーボルトッ!」
先程までクレアが使っていた魔法よりも、強力な雷撃の魔法が放たれた。
しかし、クレアの魔法が直撃したにも関わらず、魔物はそのまま真っ直ぐ歩いてくる。
「うそ……私の魔法が直撃したのに!」
「ま、待つッス! こいつは……ハイオークッス! オークの最上位種……って、それが群れで!? ヘンリーちゃん! 無謀ッス! 退却するッス!」
「わ、私が神聖魔法で結界を張るのです! 気休め程度の足止めにはなるはずだから、皆逃げるのです……って、ヘンリー隊長も、ニーナも何をしているのですっ!?」
クレアとドロシー、プリシラの三人が浮足立っているので、抱っこしていたユーリヤをおんぶに変えると、具現化魔法で愛剣クレイモアを作りだす。
……剣を握るのが、随分と久しぶりな気がしなくもないけれど……それはさておき、近くに居たハイオークを斬り捨てる。
「え……ハイオークを一撃ッスか!? というか、妹ちゃんをおんぶしたまま戦うッスか!?」
「隊長さん。こっちはボクに任せてー」
「あぁ。じゃあ、そいつはニーナに任せた」
右側の一体をニーナに任せ、華麗な連撃で倒す所を確認すると、残りを全て切り倒して行く。
「隊長さん。これくらいの魔物なら、もう少しボクに任せてくれても大丈夫だよ?」
「そうか。じゃあ、奥に少し強そうな奴がいるから、その周りの奴らを二ーナに任すよ」
「えぇっ!? ヘンリー隊長! ハイオークより強いって、どういう事なのです? 最上位のハイオークより強いとなったら、オークの王くらいし、か……」
プリシラが何か言いかけた所で、洞窟内に少し開けた場所が現れ、中央に大きな影がいるのがわかった。
俺たちの身長よりも大きなハイオークが、それらを更に一回り程大きくした魔物を守るようにして立っている。
おそらく、プリシラが言いかけたオークの王なのだろう。
「ちょ、ちょっと待つッス! ま、まさか、オークキングッスか!? こ、こんなの騎士団全員で戦う程の、災厄級の魔物ッスよっ!」
「じゃあ、ニーナ。周りのザコを任せた」
「任せた……って、ヘンリー隊長! 全部ハイオークなのです! ……って、ニーナも駆け出しちゃうのです!? ……もうっ! アジリティ・ブーストッ!」
プリシラが俺とニーナに神聖魔法で強化をしてくれたけど、これは無くても倒せるな。
というか、正直言ってドロシーたちが大袈裟過ぎるんだよ。
だって、王って言ってもオークの王だぜ?
大きな斧を振り下ろしてきたけど遅いので、当たる訳が無い。
軽く避けては、斬撃を入れ……って、生命力はあるのな。
俺に連続で斬られ、浅くない傷を負っているにも関わらず、戦意は喪失していない。
流石は王と言った所かと感心していると、数匹のハイオークが、ニーナに向かわずドロシーたちに向かって駆けて行ったので、
「ストーン・ショット」
石の弾を弾きだす魔法を使い……よし、倒した。
「ヘンリーちゃん。あ、あんなにも激しい戦いをしながら呪文詠唱を行い、それで自分たちを助けてくれたッス」
「以前、魔法学校で魔族と戦っていた時は、フローレンス様を守る事で精一杯だったから、ちゃんと見れていなかったけど……ヘンリー隊長、めちゃくちゃ強いのですー」
「ヘンリー様……凄い」
ドロシーたち三人がポカンとこっちを見ているけど、俺が強いんじゃなくて、こいつが弱いだけだからね?
生命力以外は特に特筆すべき所が無い、ちょっと強いオークと戦っているだけだしさ。
俺の魔法で数匹倒したのと、ニーナが何匹か倒したからか、
――BUMOOO!
オークキングが眷族であるハイオークの群れを召喚した。
そうだった。ある程度強い魔物は、弱い魔物を召喚するんだったな。
というわけで、久々にニーナのストレス発散――もとい、十分に剣を振るわせてあげられたし、二人の実力もだいたい分かったので、終わらせようか。
オークキングの大きな脚と腕を斬り落とし、それを足場にして高く跳ぶと、その首を一刀両断。
少しして、大きな音と共にオークキングが倒れ、眷族であるハイオークたちも消滅した。
「よし。周囲に魔物の気配は残って居ないし、洞窟から出ようか。隊列は来た時と同じな。じゃあ、行こうか」
「えっ!? へ、ヘンリーちゃん。休憩とかは要らないッスか!?」
「休憩? 大した事はしてないから別に良いよ。ニーナはどうだ?」
そう言ってニーナを見ると、笑顔で「え? 要らないけど?」とキョトンとしている。
まぁそうだよな。本当に大した事はしていないからさ。
「あの……ヘンリー隊長、強かったのですー」
「まぁ隊長だし、魔族も倒しているしね」
「正直、遠征の準備とか出来ない人で、心配だったのですー。けど、そういう事を差し引いても、十二分にお釣りが来る程の強さだったのですー」
プリシラが褒めてくれているはずなんだけど、遠征の準備が出来ない人は厳しいな。
ある意味ではその通りなんだけど、遠征の準備が必要ないからなんだってば。
「しかし、ヘンリーちゃんがオークキングを倒したのは未だわかるッス。けど、ニーナちゃんがハイオークを楽々倒せるのは、驚きッス。あの、おっぱいしか取りえが無いっていう噂は何だったッス?」
「ひ、酷い……。けど、確かに隊長さんや、ジェーンさんに特訓してもらわなかったら、ボクはここんな風に剣を振れていなかったと思うよ?」
「特訓!? ジェーンさんって!?」
「隊長さんの右腕というか、一番の古株というか、ボクの師匠かな。でもやっぱり、ジェーンさんより隊長さんの方が強いけど」
「つまり、ニーナちゃんはヘンリーちゃんに特訓してもらって強くなったッスね? ……わかったッス! ヘンリーちゃん、いえヘンリー隊長! 自分も特訓して欲しいッス! 弟子にして欲しいッス!」
洞窟を出たすぐの所で、ニーナの話を聞いて居たドロシーが、俺に弟子入りを志願してきた。
「三人とも、そこまでよ! 何か……来るわっ!」
胸の話題に入っていないクレアがすぐさま反応し、魔法の詠唱に入る。
そして、先程ニーナが倒した魔物よりも、二周り程大きな大きな影が姿を現した所で、
「サンダーボルトッ!」
先程までクレアが使っていた魔法よりも、強力な雷撃の魔法が放たれた。
しかし、クレアの魔法が直撃したにも関わらず、魔物はそのまま真っ直ぐ歩いてくる。
「うそ……私の魔法が直撃したのに!」
「ま、待つッス! こいつは……ハイオークッス! オークの最上位種……って、それが群れで!? ヘンリーちゃん! 無謀ッス! 退却するッス!」
「わ、私が神聖魔法で結界を張るのです! 気休め程度の足止めにはなるはずだから、皆逃げるのです……って、ヘンリー隊長も、ニーナも何をしているのですっ!?」
クレアとドロシー、プリシラの三人が浮足立っているので、抱っこしていたユーリヤをおんぶに変えると、具現化魔法で愛剣クレイモアを作りだす。
……剣を握るのが、随分と久しぶりな気がしなくもないけれど……それはさておき、近くに居たハイオークを斬り捨てる。
「え……ハイオークを一撃ッスか!? というか、妹ちゃんをおんぶしたまま戦うッスか!?」
「隊長さん。こっちはボクに任せてー」
「あぁ。じゃあ、そいつはニーナに任せた」
右側の一体をニーナに任せ、華麗な連撃で倒す所を確認すると、残りを全て切り倒して行く。
「隊長さん。これくらいの魔物なら、もう少しボクに任せてくれても大丈夫だよ?」
「そうか。じゃあ、奥に少し強そうな奴がいるから、その周りの奴らを二ーナに任すよ」
「えぇっ!? ヘンリー隊長! ハイオークより強いって、どういう事なのです? 最上位のハイオークより強いとなったら、オークの王くらいし、か……」
プリシラが何か言いかけた所で、洞窟内に少し開けた場所が現れ、中央に大きな影がいるのがわかった。
俺たちの身長よりも大きなハイオークが、それらを更に一回り程大きくした魔物を守るようにして立っている。
おそらく、プリシラが言いかけたオークの王なのだろう。
「ちょ、ちょっと待つッス! ま、まさか、オークキングッスか!? こ、こんなの騎士団全員で戦う程の、災厄級の魔物ッスよっ!」
「じゃあ、ニーナ。周りのザコを任せた」
「任せた……って、ヘンリー隊長! 全部ハイオークなのです! ……って、ニーナも駆け出しちゃうのです!? ……もうっ! アジリティ・ブーストッ!」
プリシラが俺とニーナに神聖魔法で強化をしてくれたけど、これは無くても倒せるな。
というか、正直言ってドロシーたちが大袈裟過ぎるんだよ。
だって、王って言ってもオークの王だぜ?
大きな斧を振り下ろしてきたけど遅いので、当たる訳が無い。
軽く避けては、斬撃を入れ……って、生命力はあるのな。
俺に連続で斬られ、浅くない傷を負っているにも関わらず、戦意は喪失していない。
流石は王と言った所かと感心していると、数匹のハイオークが、ニーナに向かわずドロシーたちに向かって駆けて行ったので、
「ストーン・ショット」
石の弾を弾きだす魔法を使い……よし、倒した。
「ヘンリーちゃん。あ、あんなにも激しい戦いをしながら呪文詠唱を行い、それで自分たちを助けてくれたッス」
「以前、魔法学校で魔族と戦っていた時は、フローレンス様を守る事で精一杯だったから、ちゃんと見れていなかったけど……ヘンリー隊長、めちゃくちゃ強いのですー」
「ヘンリー様……凄い」
ドロシーたち三人がポカンとこっちを見ているけど、俺が強いんじゃなくて、こいつが弱いだけだからね?
生命力以外は特に特筆すべき所が無い、ちょっと強いオークと戦っているだけだしさ。
俺の魔法で数匹倒したのと、ニーナが何匹か倒したからか、
――BUMOOO!
オークキングが眷族であるハイオークの群れを召喚した。
そうだった。ある程度強い魔物は、弱い魔物を召喚するんだったな。
というわけで、久々にニーナのストレス発散――もとい、十分に剣を振るわせてあげられたし、二人の実力もだいたい分かったので、終わらせようか。
オークキングの大きな脚と腕を斬り落とし、それを足場にして高く跳ぶと、その首を一刀両断。
少しして、大きな音と共にオークキングが倒れ、眷族であるハイオークたちも消滅した。
「よし。周囲に魔物の気配は残って居ないし、洞窟から出ようか。隊列は来た時と同じな。じゃあ、行こうか」
「えっ!? へ、ヘンリーちゃん。休憩とかは要らないッスか!?」
「休憩? 大した事はしてないから別に良いよ。ニーナはどうだ?」
そう言ってニーナを見ると、笑顔で「え? 要らないけど?」とキョトンとしている。
まぁそうだよな。本当に大した事はしていないからさ。
「あの……ヘンリー隊長、強かったのですー」
「まぁ隊長だし、魔族も倒しているしね」
「正直、遠征の準備とか出来ない人で、心配だったのですー。けど、そういう事を差し引いても、十二分にお釣りが来る程の強さだったのですー」
プリシラが褒めてくれているはずなんだけど、遠征の準備が出来ない人は厳しいな。
ある意味ではその通りなんだけど、遠征の準備が必要ないからなんだってば。
「しかし、ヘンリーちゃんがオークキングを倒したのは未だわかるッス。けど、ニーナちゃんがハイオークを楽々倒せるのは、驚きッス。あの、おっぱいしか取りえが無いっていう噂は何だったッス?」
「ひ、酷い……。けど、確かに隊長さんや、ジェーンさんに特訓してもらわなかったら、ボクはここんな風に剣を振れていなかったと思うよ?」
「特訓!? ジェーンさんって!?」
「隊長さんの右腕というか、一番の古株というか、ボクの師匠かな。でもやっぱり、ジェーンさんより隊長さんの方が強いけど」
「つまり、ニーナちゃんはヘンリーちゃんに特訓してもらって強くなったッスね? ……わかったッス! ヘンリーちゃん、いえヘンリー隊長! 自分も特訓して欲しいッス! 弟子にして欲しいッス!」
洞窟を出たすぐの所で、ニーナの話を聞いて居たドロシーが、俺に弟子入りを志願してきた。
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