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第5章 新たな試練
第89話 ユーリヤ学校へ行く
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フラフラになりながらお風呂を終えた翌朝。
目を覚ますと、何があったのかは分からないが、俺の左右にエリーとアタランテが並び、その上――俺の胸の上でユーリヤがすやすやと眠っていた。
……今は幼女の姿だから構わないが、寝ぼけて変身魔法が解除されたら、確実に死ぬな。
体重は幼女並なのに、攻撃力はドラゴン並……どういう理屈なのかは分からないが、これって反則じゃね?
というか、寝返りを打った時に手が当たってしまっただけでも、死んでしまいそうなのだが。
『おそらくですが、攻撃意志が無ければ大丈夫じゃないですかね? ……まぁただの勘ですけど』
(大賢者のアオイが勘なのかよ)
『だって、そもそも変身に用いているのが、竜の使う魔法――竜言語魔法ですからね。正直、私たちとは魔法のレベルが違うので、どうなっているのかなんて少しも分かりませんよ』
(そうなのか。アオイが分からないなら、俺にはお手上げだな)
『一つ言えるのは、子供にしか見えないユーリヤさんですが、間違いなく反則級の能力を持って居ると思いますよ』
(あぁ、それは良く知ってる)
三人に囲まれて動けないため、脳内でアオイと雑談をしていると、
「……おはようございます。主様」
「おわっ! ジェーン……そんな所で寝れたのか?」
「仮眠は取らせていただきました。夜間、特に問題はありませんでした」
「……そ、そっか。あんまり無理しないでくれよ?」
「お心遣い、ありがとうございます」
俺が起きた事に気付いたジェーンが、頭上から話しかけてきた。
どうやら、ベッドの隣にずっと居たらしい。
ジェーンは身体を壊さないか心配になるな。
一方のアタランテは、朝から一人でファッションショーをしていた。
まぁ服を大量に買った後だしね。好きにさせておこう。
それから三人も起き出し、朝食を済ませ、
「じゃあ、ユーリヤ。俺とエリーは学校へ行ってくるから、お姉ちゃんたちと留守番を……」
「やだっ! にーにといっしょ!」
予想通り、ユーリヤがゴネだした。
これが同じ子供でも、ルミだったとしたら無視して学校へ行く所だが、ユーリヤはダメだ。
万が一にも暴れ出したら、死者が出るし。
暫くユーリヤと話したけれど俺と一緒に行くの一点張りなので、先ず俺とユーリヤだけワープ・ドアの魔法で学校の教員室へ行き、イザベル先生に事情――昨日、エリーに話した同じ設定――と、一緒に居たいと言って離れない旨を伝える。
すると、
「じゃあ、その女の子が嫌じゃなければ、教室へ連れて来ても良いわよ」
「え? 良いんですか?」
「えぇ。他ならぬヘンリー君のお願いだしね。少しくらいは融通を利かせるわよ」
予想と違って、教室へ連れて来ても良い事になってしまった。
そしてユーリヤを連れて教室へ行くと、教室に居た女の子たちに囲まれ……って、長いっ!
回想が長いよっ! これだけ長いと本気で死にそうになるよっ!
物凄く長い脳内再生から現実へと戻った俺は、空気を求めて立ち上がる。
あのまま椅子に座って居たら、冗談抜きで、おっぱいで窒息死する所だ。
おっぱいに囲まれて窒息死とか……ちょっとだけ嬉しいけど、デメリットが大き過ぎるっ!
「にーに、にーに!」
「ごめんごめん。空気が欲しかったんだ」
女子生徒に囲まれながらも、俺の脚にしがみつくユーリヤを抱きかかえると、
「きゃー! にーにですってー!」
「私も、私も抱っこしたいー!」
「ねぇ。私の事を、ねーねって呼んでくれないかしら」
再び黄色い声が教室中に飛び交う。
ユーリヤに過大なストレスが掛かり、元の姿へ戻ったり、突然魔法を使われたりするのは避けなければと、女子生徒から庇うようにして抱っこを続けていると、
「はーい、みんなー。席に着いてー。授業を始めるわよー」
イザベル先生が入って来て、集まって居た皆を席に戻す。
流石だ。この基礎魔法コースへ転科してから、久々にイザベル先生の行動に感謝した気がする。
これまで、自分の年齢を顧みずに肌を出し過ぎだの、話が長いだの、エリーを押し付けただのと、心の中で悪い評価を付けていてゴメン。
イザベル先生もやる時はやるんだねと、見直していると、
「先生。あの、にーに……じゃなくて、ヘンリー君が女の子を連れて来ています」
「先生。何か事情があるとは思いますが、にーに……ではなくて、ヘンリー君が勉強に集中出来るように、私たちで女の子の面倒を見るというのはどうでしょう」
「先生。にーに……もといヘンリー君の連れて来た女の子が可愛過ぎて、気になって授業に集中出来ません! というか、そもそもどういう関係ですか? 娘や妹って訳ではないですよね?」
女子生徒たちが好き勝手に言い出したのだけど、君たちは、にーにって言いたいだけだよね?
一先ず、事情を説明した方が良さそうなので、これまでと同じ説明を話そうとすると、
「皆さん。ヘンリー君は、家庭の事情で親戚のお子さんを預かっているそうです。ですから、可能な範囲で良いので、ヘンリー君を助けてあげてくださいね」
「はーい!」
イザベル先生が俺より先に余計な事を言い、教室に再び黄色い声が響き渡ってしまった。
目を覚ますと、何があったのかは分からないが、俺の左右にエリーとアタランテが並び、その上――俺の胸の上でユーリヤがすやすやと眠っていた。
……今は幼女の姿だから構わないが、寝ぼけて変身魔法が解除されたら、確実に死ぬな。
体重は幼女並なのに、攻撃力はドラゴン並……どういう理屈なのかは分からないが、これって反則じゃね?
というか、寝返りを打った時に手が当たってしまっただけでも、死んでしまいそうなのだが。
『おそらくですが、攻撃意志が無ければ大丈夫じゃないですかね? ……まぁただの勘ですけど』
(大賢者のアオイが勘なのかよ)
『だって、そもそも変身に用いているのが、竜の使う魔法――竜言語魔法ですからね。正直、私たちとは魔法のレベルが違うので、どうなっているのかなんて少しも分かりませんよ』
(そうなのか。アオイが分からないなら、俺にはお手上げだな)
『一つ言えるのは、子供にしか見えないユーリヤさんですが、間違いなく反則級の能力を持って居ると思いますよ』
(あぁ、それは良く知ってる)
三人に囲まれて動けないため、脳内でアオイと雑談をしていると、
「……おはようございます。主様」
「おわっ! ジェーン……そんな所で寝れたのか?」
「仮眠は取らせていただきました。夜間、特に問題はありませんでした」
「……そ、そっか。あんまり無理しないでくれよ?」
「お心遣い、ありがとうございます」
俺が起きた事に気付いたジェーンが、頭上から話しかけてきた。
どうやら、ベッドの隣にずっと居たらしい。
ジェーンは身体を壊さないか心配になるな。
一方のアタランテは、朝から一人でファッションショーをしていた。
まぁ服を大量に買った後だしね。好きにさせておこう。
それから三人も起き出し、朝食を済ませ、
「じゃあ、ユーリヤ。俺とエリーは学校へ行ってくるから、お姉ちゃんたちと留守番を……」
「やだっ! にーにといっしょ!」
予想通り、ユーリヤがゴネだした。
これが同じ子供でも、ルミだったとしたら無視して学校へ行く所だが、ユーリヤはダメだ。
万が一にも暴れ出したら、死者が出るし。
暫くユーリヤと話したけれど俺と一緒に行くの一点張りなので、先ず俺とユーリヤだけワープ・ドアの魔法で学校の教員室へ行き、イザベル先生に事情――昨日、エリーに話した同じ設定――と、一緒に居たいと言って離れない旨を伝える。
すると、
「じゃあ、その女の子が嫌じゃなければ、教室へ連れて来ても良いわよ」
「え? 良いんですか?」
「えぇ。他ならぬヘンリー君のお願いだしね。少しくらいは融通を利かせるわよ」
予想と違って、教室へ連れて来ても良い事になってしまった。
そしてユーリヤを連れて教室へ行くと、教室に居た女の子たちに囲まれ……って、長いっ!
回想が長いよっ! これだけ長いと本気で死にそうになるよっ!
物凄く長い脳内再生から現実へと戻った俺は、空気を求めて立ち上がる。
あのまま椅子に座って居たら、冗談抜きで、おっぱいで窒息死する所だ。
おっぱいに囲まれて窒息死とか……ちょっとだけ嬉しいけど、デメリットが大き過ぎるっ!
「にーに、にーに!」
「ごめんごめん。空気が欲しかったんだ」
女子生徒に囲まれながらも、俺の脚にしがみつくユーリヤを抱きかかえると、
「きゃー! にーにですってー!」
「私も、私も抱っこしたいー!」
「ねぇ。私の事を、ねーねって呼んでくれないかしら」
再び黄色い声が教室中に飛び交う。
ユーリヤに過大なストレスが掛かり、元の姿へ戻ったり、突然魔法を使われたりするのは避けなければと、女子生徒から庇うようにして抱っこを続けていると、
「はーい、みんなー。席に着いてー。授業を始めるわよー」
イザベル先生が入って来て、集まって居た皆を席に戻す。
流石だ。この基礎魔法コースへ転科してから、久々にイザベル先生の行動に感謝した気がする。
これまで、自分の年齢を顧みずに肌を出し過ぎだの、話が長いだの、エリーを押し付けただのと、心の中で悪い評価を付けていてゴメン。
イザベル先生もやる時はやるんだねと、見直していると、
「先生。あの、にーに……じゃなくて、ヘンリー君が女の子を連れて来ています」
「先生。何か事情があるとは思いますが、にーに……ではなくて、ヘンリー君が勉強に集中出来るように、私たちで女の子の面倒を見るというのはどうでしょう」
「先生。にーに……もといヘンリー君の連れて来た女の子が可愛過ぎて、気になって授業に集中出来ません! というか、そもそもどういう関係ですか? 娘や妹って訳ではないですよね?」
女子生徒たちが好き勝手に言い出したのだけど、君たちは、にーにって言いたいだけだよね?
一先ず、事情を説明した方が良さそうなので、これまでと同じ説明を話そうとすると、
「皆さん。ヘンリー君は、家庭の事情で親戚のお子さんを預かっているそうです。ですから、可能な範囲で良いので、ヘンリー君を助けてあげてくださいね」
「はーい!」
イザベル先生が俺より先に余計な事を言い、教室に再び黄色い声が響き渡ってしまった。
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