ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2508話 頑張れお父さん!

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 ドロップが両方共から出たってことは、分身とかではなく本物だったってことだよな? もう1匹は何処に隠れていたんだ?

 ドロップを拾って、リトルスケルトンを作りながら考えていると、

『シュウ殿が脇腹を切りつけた後、体の中から現れたでござるよ』

 と、バザールが教えてくれた。体が膨らんだように見えたあれは、体の中から狛犬が現れたってことか? それをガードしていて見てなかったから、俺は気付けずにどこから来たって考えていたのか……

 でもさ、そんな魔物って今までいなかったよな?

 そんなことを考えたら、バザールに方を叩かれ、ジェスチャーを見せられた。

 丸い……大福? 違う、ぷよぷよしている? 子どもたちが乗っている……スライムがどうしたんだ? スライムを千切って、丸めて……増える? 正解なのか。だから何?

 しばらくコントのように受け答えをしていると、スライムは体を分裂させて増えるから、見いたこと無いわけじゃないと思うでござる! 的な事を言われた。

 でもさ、スライムたちって、分裂する時レベルも分けるから、今回の狛犬とはまた話がちゃうやろ! とツッコんでみたが、魔物の生態なんて良く分からんのだから、狛犬たちはお互いの体の中に入れる……みたいな特殊能力があったのかもしれんな。

 調べるためには、こんなに不自由な所ではなく、こちらのホームである世界で戦うか、召喚できるようにならないとダメだろう。

 とにかく今は、マップを広げていきたい。その一心でリトルゴーレムを大量に作り出している。

 罠があるところは、魔法で埋めたりして作動自体ができないか、作動させた状態で固定したりして、完全に回避できるようにした。

 次の目的地は、推定Aランクの魔物がチームを組んで、通路を歩いているところだ。

 素早く移動し、鏡を使って通路を覗き込んで魔物の姿を確認する。

 このダンジョンとはミスマッチな、クマ型の魔物が歩いている。四足歩行ではなく、二足歩行というクマとして考えると、不利しかない体勢で移動している。

 リトルスケルトンが破壊される様子を見ると、それなりの威力があるようだ。いくら低ランクの魔物だからと言って、粉砕されるには相当な力があり。

 弓を構えて一矢を放つ。

 先頭の頭を狙ったつもりなのだが、矢が重いのか狙いより若干下へ行ってしまったのだろう。人間でいう所の鎖骨の間あたり、Aランクであろうクマの魔物は死ぬことはなかったが、かなり苦しみ矢を何とかしようとごろごろ転がったため、矢が深く刺さりほぼ死に体となった。

 弱弱しく鳴くが、矢が埋まってしまった以上摘出はかなり厳しい。矢尻を押して貫通させれば摘出話できるかもしれないが、かなりの痛みが伴うことになるだろう。まぁ殺す相手なので助けようとは思わない。

 腐ってもAランクの魔物だった。2射目以降が致命傷になることはなく、体に刺さることは刺さるのだが、ガードした腕や足が精いっぱいだった。

 それでも過剰な威力だったため、腕に刺さった分は鏃の部分が貫通して飛び出してしまい、クマの魔物はそれを噛んで強引に矢を引き抜いている。やっぱり、こいつらって人並みに頭がいいよな。

 ほとんどの動物は抜こうとしないからな。抜くための手があるのが、人間に近い種だけだから仕方がない部分もある。それでも人間なら、すぐに抜かずに正しく治療のできる人の所まで行くか……

 そう考えると、抜かない方が正解ともいえるが、目的と手段を考えれば人間だけが正しく判断でキルではあるか? ちゃんと学んでいればの話だが。

 それでも腕を貫通すれば体力が削られるし、足に刺されば動きの阻害もされる。無駄ではないのだ。

 距離も近くなり武器を持ち替える。前衛にS級スケルトンがいるので俺のところまでは来ないだろうが、転がっているクマ以外に2匹がこちらへ走ってきている状況だ。

 S級スケルトン2体ずつで1匹を抑え、余っている1体が遊撃となり倒していく。最後に死に体となったクマにも止めが刺され、ドロップ品に変わった。

 DPは……よし、増えてる。リスクを考えれば、Sランクの魔物を1体倒すより、Aランクの魔物をたくさん倒す方が、俺にとっては安全だな。できればSランクの魔物とは戦いたくない。

 今回の4匹は、相性が良く簡単に勝てているが、俺でも勝てない相手は存在する。特にダンジョンのような閉鎖空間では、ダゴンのように水を操る特殊タイプの魔物だと、俺は勝つことができなくなるだろう。

 力でごり押ししてくるタイプは、苦戦したとしても最終的に負けることはないと思っている。複数になったり余計なことが無ければ……という前提ではあるけどな。

 回収できるDPの量がAとSでは50倍以上の差があるが、これからも手数が増えていくのでリポップするなら、激的に回収量は増えていくはずだ。

 確認できている魔物を全部狩り終え、罠は全部埋めたりして対処をしてからコアルームへ戻った。

 そこでは、元気になったシンラたちが走り回っていた。

 俺に気付いた3人が、運動するために泳ぐ! と騒ぎ出したので、3人と一緒に準備をして、プールへ向かった。

 運動が終われば、おやつを食べ一緒に寝る! と騒ぎ昼寝をし、起こされてからはゲームをするようにねだられ、子どもたちのためにお父さんは頑張った……
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