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第2477話 頑張るか
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激痛に眩暈を感じながら、治療される左腕も見る。変な方向に曲がることはなかったが、腕の骨が折れてズレていたので必要な行為だ。痛くても我慢が必要だな。
久しぶりに感じた痛みだったけど、かなりきつかったな……昔はもうちょっと痛みに耐性があった気がするけど、心が弱くなっちまったのかな?
訓練以外で痛みを感じることが無くなってから久しい。最近は体を動かしても、ここまでハードな訓練をしていなかったな。もう少し、本腰を入れて訓練をするべきだな。体が本調子に戻ったら、訓練に費やす時間を増やすかな。
それよりも今だな。
「ご主人様、さすがにこれ以上の無茶は止めさせていただきます。ひとまず休憩してください。特性のハチミツレモンソーダを準備しましたので、水分もしっかりとってください」
訓練を続けようとしたところで、アマレロに止められた。
シルキーたちに止められたのに、続行する勇気は俺にもシュリにもない。シュリは食事の面で、シルキーたちには俺以上に頭があがらないだろう。
自分でも料理を作ることは出来るが、準備した食事を常に食べ続ける形になってしまうから、本当に感謝しているだろうな。そのおかげで違うことに集中できるからな。
治療も終わり床に座り、アマレロが運んできてくれたハチミツレモンソーダを飲む。ソーダなのは、俺が注文していたからだな。運動の後に炭酸は良くないとか言われるけど、俺には関係ない! 飲みたい時に飲みたいものを飲むのだ。
ハチミツレモンソーダというよりは、レモンスカッシュだな。
クイーンハニービーの王蜜を使っているので、甘さは控えめなのだが奥深い蜜と酸味の強いレモンは、疲れた体に染みわたり疲れを取ってくれる。
そんな気がするだけで、本当に疲れが取れているかは不明だ……
シュリに手伝ってもらい、体をほぐしていく。折れた左腕は回復魔法で治ったが、治した弊害で引きつっているような感覚になるんだよな。それを協力してほぐしてもらっている。
「体が大分硬くなってるね。3週間は長かったんですね。最近は訓練もあまりしてませんでしたが、最後に一緒に訓練した時も、特に変わった様子はなかったのに」
寝込む前の2か3回前の訓練、多分1ヶ月ちょっと前の訓練では、今までと変わらない可動域だったのに、体が硬くなっていることにシュリは驚いていた。
シュリで例えるなら、1週間まともに食事をできなかったらかなり痩せるだろう。それを取り戻すのに時間がかかるのと一緒なんだよな。俺だってまだ戻っていないのに、シュリだったらもっと時間がかかるだろうな。それと同じくらい、体の柔軟性を取り戻すのには時間がかかるだろう。
「この後は、武器を使いますか?」
「いや、武器を持ったら危険かもしれないから、今回は止めておくよ。今日はずっと徒手格闘で訓練を続けよう。俺に合わせてギアを上げ下げしてくれたのは、助かったよ。そうしてもらわないと、相手にならないってことにショックを受けているけどね」
この1ヶ月弱が俺の体に与えた影響は本当に大きい。これを取り戻すのにどれくらいかかるのやら。
グリエルたちには、仕事の事は気にせず体を元に戻すことを優先してください、って伝言があったくらいなので、しっかりと体を直してから戻らないと小言が多くなるだろうな。
少し休憩を挟み、また体を動かす。初めから全力ではなく、段々とギアをあげていく感じだ。
俺に合わせてシュリが上げてくれる感じで、俺が先に限界が来て重い一撃をくらい、ダウンをして体勢を立て直しもう一度挑む……という流れだ。
妻たちは、俺より真剣に戦闘訓練を続けているから、本当に強くなっている。俺の体が万全ではないのとは別に、シュリの技術があがっているおかげで、この状況が生まれているのだろう。
妻より弱い事を悔いているわけじゃないけど、なんか悔しいな。今までは俺の方が少しだけ強かったのに、今は圧倒的に負けてる……悔しい。こんな感情がまだあったんだな。
息を整え、訓練の続きを始める。
5~10分程度の組手で終わっていた訓練が、次第に長くなっていきお昼の時間になるころには、20分程粘ることができるようになっていた。
昼食は、高カロリー高タンパクの食事が準備され、体に良い物となっている。普通ならここで低カロリーのものなのだが、俺の体には栄養の他にもカロリーも足りていないので、アマレロの配慮でこういった食事になっている。
食事後のデザートの代わりに、バナナミルクスムージーだ。筋トレの後などにはプロテインもいいけど、牛乳もいいといわれているようで、消化吸収の良いバナナと牛乳を組み合わせてくれたようだ。ここにも王蜜が入っているので、当分の取り過ぎでは? と思わなくもないが、食事量を考えれば誤差かな。
食事をした後は、少し寝るように言われたので、スライムたちに包まれて寝ることにした。
久しぶりに感じた痛みだったけど、かなりきつかったな……昔はもうちょっと痛みに耐性があった気がするけど、心が弱くなっちまったのかな?
訓練以外で痛みを感じることが無くなってから久しい。最近は体を動かしても、ここまでハードな訓練をしていなかったな。もう少し、本腰を入れて訓練をするべきだな。体が本調子に戻ったら、訓練に費やす時間を増やすかな。
それよりも今だな。
「ご主人様、さすがにこれ以上の無茶は止めさせていただきます。ひとまず休憩してください。特性のハチミツレモンソーダを準備しましたので、水分もしっかりとってください」
訓練を続けようとしたところで、アマレロに止められた。
シルキーたちに止められたのに、続行する勇気は俺にもシュリにもない。シュリは食事の面で、シルキーたちには俺以上に頭があがらないだろう。
自分でも料理を作ることは出来るが、準備した食事を常に食べ続ける形になってしまうから、本当に感謝しているだろうな。そのおかげで違うことに集中できるからな。
治療も終わり床に座り、アマレロが運んできてくれたハチミツレモンソーダを飲む。ソーダなのは、俺が注文していたからだな。運動の後に炭酸は良くないとか言われるけど、俺には関係ない! 飲みたい時に飲みたいものを飲むのだ。
ハチミツレモンソーダというよりは、レモンスカッシュだな。
クイーンハニービーの王蜜を使っているので、甘さは控えめなのだが奥深い蜜と酸味の強いレモンは、疲れた体に染みわたり疲れを取ってくれる。
そんな気がするだけで、本当に疲れが取れているかは不明だ……
シュリに手伝ってもらい、体をほぐしていく。折れた左腕は回復魔法で治ったが、治した弊害で引きつっているような感覚になるんだよな。それを協力してほぐしてもらっている。
「体が大分硬くなってるね。3週間は長かったんですね。最近は訓練もあまりしてませんでしたが、最後に一緒に訓練した時も、特に変わった様子はなかったのに」
寝込む前の2か3回前の訓練、多分1ヶ月ちょっと前の訓練では、今までと変わらない可動域だったのに、体が硬くなっていることにシュリは驚いていた。
シュリで例えるなら、1週間まともに食事をできなかったらかなり痩せるだろう。それを取り戻すのに時間がかかるのと一緒なんだよな。俺だってまだ戻っていないのに、シュリだったらもっと時間がかかるだろうな。それと同じくらい、体の柔軟性を取り戻すのには時間がかかるだろう。
「この後は、武器を使いますか?」
「いや、武器を持ったら危険かもしれないから、今回は止めておくよ。今日はずっと徒手格闘で訓練を続けよう。俺に合わせてギアを上げ下げしてくれたのは、助かったよ。そうしてもらわないと、相手にならないってことにショックを受けているけどね」
この1ヶ月弱が俺の体に与えた影響は本当に大きい。これを取り戻すのにどれくらいかかるのやら。
グリエルたちには、仕事の事は気にせず体を元に戻すことを優先してください、って伝言があったくらいなので、しっかりと体を直してから戻らないと小言が多くなるだろうな。
少し休憩を挟み、また体を動かす。初めから全力ではなく、段々とギアをあげていく感じだ。
俺に合わせてシュリが上げてくれる感じで、俺が先に限界が来て重い一撃をくらい、ダウンをして体勢を立て直しもう一度挑む……という流れだ。
妻たちは、俺より真剣に戦闘訓練を続けているから、本当に強くなっている。俺の体が万全ではないのとは別に、シュリの技術があがっているおかげで、この状況が生まれているのだろう。
妻より弱い事を悔いているわけじゃないけど、なんか悔しいな。今までは俺の方が少しだけ強かったのに、今は圧倒的に負けてる……悔しい。こんな感情がまだあったんだな。
息を整え、訓練の続きを始める。
5~10分程度の組手で終わっていた訓練が、次第に長くなっていきお昼の時間になるころには、20分程粘ることができるようになっていた。
昼食は、高カロリー高タンパクの食事が準備され、体に良い物となっている。普通ならここで低カロリーのものなのだが、俺の体には栄養の他にもカロリーも足りていないので、アマレロの配慮でこういった食事になっている。
食事後のデザートの代わりに、バナナミルクスムージーだ。筋トレの後などにはプロテインもいいけど、牛乳もいいといわれているようで、消化吸収の良いバナナと牛乳を組み合わせてくれたようだ。ここにも王蜜が入っているので、当分の取り過ぎでは? と思わなくもないが、食事量を考えれば誤差かな。
食事をした後は、少し寝るように言われたので、スライムたちに包まれて寝ることにした。
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