ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,463 / 2,518

第2463話 疲れた

しおりを挟む
 国王は疲れていると思いきや、かなりいい笑顔をしている。余程邪魔な人間を排除できることが嬉しいんだろうな。俺が囮に使われたことを考えると、少し腹立たしいではあるけど、公爵の件以外は仕込みではなかったので、許してやろう。

 三男と縦ロールと近衛騎士は、イレギュラーだったわけで……イレギュラーの方が数が多いってどういうことだよ!

 ったく、嫌になっちまうぜ。

 俺のすることは終わったので、後はグリエルとガリアに任せて、ゆっくり休むべさ。

 今日はデカ猫のお腹を背もたれにして、ふわふわの腹毛に埋もれて寝てしまおう。ランの呼吸に合わせてお腹が動くので、ゆりかご的な感じでなんか心地いい気がする。

 猫の呼吸って早い気がするけど、ランは体が大きいからか魔物なのかは分からないが、呼吸がゆっくりしていて落ち着く。

 そのまま眠りについた。



 お昼ご飯の時間になりブラウニーたちが呼びに来てくれたが、俺の足が何やら重い。

 股の間にはいつもの様にと言ってはおかしいのだが、シンラが陣取っており俺のお腹を背もたれに浸かって寝ていた。足が重いのは、プラムとシオンが俺の足の上で寝ているからだ。

 この2人が自主的に俺の側で寝るとは思えないので、シンラがいるからここで寝てるんだろうな。その宝庫にシンラの服の一部を握ったまま寝ている。くっついていないだけ成長したと言っていいのだろうか?

 俺の太ももを抱いて寝ているような状態なので、頬を太ももに押し付けている状態だ。この状態になると何が起きるか……よだれでズボンがべとべとだ。

 3人を起こして、ランたちに連れて行ってもらう。どうしても起きなかったので、プラムとシオンがランに襟を咥えられて、シンラはライに襟を咥えられたまま移動している。

 親猫が子猫を運ぶときのような感じだな。首が締まらないような服なので、こういったことができるんだよな。でもこの光景は初めて見る気がする。先に食堂へ向かっててくれ。

 俺は軽くシャワーを浴びて服を着替えてから食道へ……

 いつも元気な下の子3人が静かなので、食堂が静かに感じられる。静かに感じるだけで本当に静かってわけではなく、妻たちも土木組の子たちもいるので、賑やかではある。

 そういえば、何で下の子たちは俺の近くで寝ていたのだろうか?

 原因はシンラだったようで、俺が猫部屋で寝ているのに気付くと、俺の股の間に居座って動こうとしなかったらしい。それに折れたプラムとシオンが一緒に寝る形になりあの状態だったんだと。

 寝起きは悪くないと思うのだが、3人が半分寝ている状態で食堂にいるのは珍しい。

 それでも食欲はあるのか、いい匂いがするため手を伸ばしてスプーンやフォークを探している。なんか幽霊みたいだな。

 仕方が無いといった雰囲気で、手の空いている妻たちが、3人に食事を食べさせている。1歳くらいの時は、こうやって食べさせてた気がするな。こういう姿を見ると可愛いのだが、殴ったりされると心が痛くなるよ……

 それにしても食べる姿が、親鳥の運んでくる食事を待っている小鳥のように口を広げている……やってることは一緒だけど、なんか違うな。

 あれ? そういえばこの子たちに食事を食べさせたことあったっけ? ミーシャたちの食事は食べさせてあげたことはあったけど……下の子たちは覚えがないな~多分シンラは食べさせたことあると思うんだけどな。

 プラムとシオンは、オムツを変えるだけでもギャン泣きされた覚えしかないし……

 それにしても、昼食が美味いな。定番になりつつある、丼ビュッフェ……と言っていいのか謎だが、色んな種類の丼物が出てきて嬉しい。

 こういう時によく食べるのは、親子丼とかカツ丼が多いんだけど、今日はしらす丼とかネギトロ丼の海鮮系をガッツリと食べた。海鮮系の丼物だと賛否が分かれるが、個人的には酢飯の方が好きなので、俺の好みに合わせて食事を準備してくれている。

 醤油をちょっと垂らして、木のスプーンで酢飯と一緒にしらすをかっこむ。ネギトロも美味い!

 子どもたちも目が覚めたのか、目の前にある丼をみて目を輝かせている。お前たち、寝ながら食ってたけど、覚えてないよな?

 丼を2つ食べたのだが、微妙に物足りない……かといっていつもみたいに親子やカツ丼は違う気がする。魚介類と考えると、天ぷらもありっちゃありだけど天丼になるから、ここはいくらとサーモンの親子丼にするか!

 前に食べた時美味かった気がするからな。サーモンはネギトロの様に骨の近くを削いでもらったやつがいいんだよね。

 お肉もそうだけど、魚も骨の近くって美味しいんだよな。あれをスプーンでそいだ物が美味いんだよね。

 出てきたのはいくら丼だった……親は何処だ? ほじくるようにご飯を探すと、いくらの下に隠されていた。いくらの量が多く親が見れなかっただけのようだ。いくらは醤油漬けにされているので、子霊廟の味付けは必要ないな。

 食事を食べ終わると、元気いっぱいになった下の子たちは、走りだして庭へ行ってしまった。

 そういえば猫たちは……もう食事を食べ終えていたな。ミーシャたちが餌をあげてくれたのかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

処理中です...