2,452 / 2,518
第2452話 結局力技
しおりを挟む
綺麗に切り取られた腕を一応回収しておく。ギルドから送り出された冒険者たちが、洗脳されていたので勇者も一応洗脳していないか確認して、されていたらくっつけてもいいかと考えている。時間が進まない収納の腕輪にしまっておけば、くっつけるのに問題ないからね。
氷で保存されるより問題なく、保存が可能な収納の腕輪……相変わらずすごいよな。
傷口は既にポーションで塞いでいるけど、ポーションで治った際に少し膨らんだ部分を切り落として、保存しておいた腕をくっつけながら、ポーションを飲ませれば腕がくっ付くんだよな。
これも、手足を生やす実験を行っていた時に発見しただよね。以前からくっつくという事例は冒険者たちの中で何度もあり、しっかりと条件を調べるためにやった実験だったかな。一応それっぽい条件は発見している。
細胞が半分程生き残っている状態であれば、ポーションによってくっつけることが可能だ。傷口が綺麗であれば、ランクはⅮとかEでもくっつけることは可能だが、細胞の生き残っている具合とか傷口の状態とかで必要なランクが変わってくる。
腕を生やすことができるランクのポーションでも、細胞がほとんど死んでいる状態の腕だと、くっつかずに新しい腕を生やしてしまうので、何か条件のような物が存在するのだと考えている。
それにしても、腕を切り飛ばしたのに絶望するわけでもなく、こちらを殺してやる! とブツブツ言っているな。この状態になっても助かる見込みがあるということだろうか? いくらDPが稼げるからと言って、上質なエリクサーはかなりの負担なんじゃないか?
『なんか変でござるな。この状態になれば、もっと違う反応を見せると思うでござるが、殺すしか言わない勇者……冒険者たちより強く洗脳されているでござるかね?』
「可能性はあるけど、この勇者今まで見てきた中では、一番レベルが高いんだよな。そんな奴を催眠で洗脳できるもんなのかね? レベルが低い時から刷り込みの様にされてたら、可能だったりするのだろうか?」
『冒険者たちの件を考えれば、レベルが高くても催眠効果が発揮するのよね。時間をかけたら洗脳も可能な気がするわ』
「とりあえず洗脳は出来ると仮定して、正気に戻せるのか、ダンジョンマスターの情報は吐くのか、そこらへんが気になるところだな」
こいつを助けに現れてくれるなら何の問題もないのだが、助けに現れずに傍観されていた場合は、探すのが面倒になるんだよな……出口は1つだけだから、住人を全部外に出すか処理をすれば、いずれDPが枯渇して死ぬだろうけど、そんな持久戦に付き合う気は無いんだよな……
いくつか聞いてみたが、会話のキャッチボールが成立しない。おそらく洗脳状態が、俺の質問を答えさせないようにしていて、切れる要素がそこに含まれているという感じだな。
「洗脳状態って、元凶が死んだら元に戻ったっけ?」
『戻らないでござる。この世界の洗脳は、脳の情報を書き換えられるような感じでござる。それに対して催眠は、脳の情報を隔離して新しい情報を本当だと思わせるような状態でござる』
「となると、洗脳だったら直すのに洗脳しなおすしかないのか。催眠だったら、隔離されている情報を引きずり出せれば、問題ないってことか? そこまでしてやるつもりもないんだが……情報が手に入れられないなら、始末しておくか」
『念のため、死ぬヴィジョンを見せたら洗脳や催眠が解けるかもしれないから、試してみたらどう?』
洗脳が解けた場合、そいつってどうなるんだろうな?
拷問とかでは時間もかかるし面倒なので、確実に死ぬと思わせるような攻撃をしてやるか。
俺は久々に大斧を取り出した。勇者を磔にして、一思いに殺せる状況を作り出す。頭に刷り込むために、ダンジョンの壁に向かって大斧を全力で振るう。大斧は刃の部分を全部埋め、柄も7割ほど壁にめり込んだ。
その大斧を勇者に向かって振るう。1回目は当てなかった。死の危険を感じてはいるが、漏らすだけで終わった。そんな状態でも、こちらを罵るのを止めないあたり、完全催眠だったか? イレギュラーで発生したあれを思い出したが、チビ神が干渉してきていないので、それも違うと思う。
2回目は膝のあたりを狙って切り飛ばしたが、やはりダメなようだ。こいつは手遅れみたいだな。これ以上苦しませないように、首を落とす。
こんなことが平気で出来るようになった俺は、精神がどうにかしているのかもしれないな。
死ぬとしても碌な死に方をしないだろうと思いながら、次の行動に移ることにした。
住人を100人ほど捕まえて、質問に答えなかったら手足のどれかを切り落とす、と宣言してから質問していく。
シリウス君が20人ほどの手足のどこかを切り落としたところで、やっと質問に答えてくれる人間が現れた。街に住んでいる人間は洗脳や催眠はされていないと思っていたが、もしかしたらされてたりする可能性がでてきた。だからと言って、手を変えたりしないけどね。
手足を無くす恐怖が勝ったのか、知っていることを話してくれてはいるようなのだが、ダンジョンマスターの正確な位置を知っている者はいなかった。
保身に長けていると考えるべきだろうか?
俺がどうするか悩んでいると、シリウス君が、街の住人を一か所に集めてくれれば、そこ以外を水で埋め尽くして、霧より正確にダンジョン内を把握してくれると言ってくれた。そんなことまでできるのか……さすがだな。
死にたくなければ、広場に集まる様に指示をして、シリウス君に調べてもらうことにした。
先ほどの様子を見ていたのか、大半の人たちは問題なく集まってくれたが、一部の人は集まらず家から出ようとしなかった。
宣言はしておいたので、死んでもなんとも思わん。シリウス君、やってくれ。
氷で保存されるより問題なく、保存が可能な収納の腕輪……相変わらずすごいよな。
傷口は既にポーションで塞いでいるけど、ポーションで治った際に少し膨らんだ部分を切り落として、保存しておいた腕をくっつけながら、ポーションを飲ませれば腕がくっ付くんだよな。
これも、手足を生やす実験を行っていた時に発見しただよね。以前からくっつくという事例は冒険者たちの中で何度もあり、しっかりと条件を調べるためにやった実験だったかな。一応それっぽい条件は発見している。
細胞が半分程生き残っている状態であれば、ポーションによってくっつけることが可能だ。傷口が綺麗であれば、ランクはⅮとかEでもくっつけることは可能だが、細胞の生き残っている具合とか傷口の状態とかで必要なランクが変わってくる。
腕を生やすことができるランクのポーションでも、細胞がほとんど死んでいる状態の腕だと、くっつかずに新しい腕を生やしてしまうので、何か条件のような物が存在するのだと考えている。
それにしても、腕を切り飛ばしたのに絶望するわけでもなく、こちらを殺してやる! とブツブツ言っているな。この状態になっても助かる見込みがあるということだろうか? いくらDPが稼げるからと言って、上質なエリクサーはかなりの負担なんじゃないか?
『なんか変でござるな。この状態になれば、もっと違う反応を見せると思うでござるが、殺すしか言わない勇者……冒険者たちより強く洗脳されているでござるかね?』
「可能性はあるけど、この勇者今まで見てきた中では、一番レベルが高いんだよな。そんな奴を催眠で洗脳できるもんなのかね? レベルが低い時から刷り込みの様にされてたら、可能だったりするのだろうか?」
『冒険者たちの件を考えれば、レベルが高くても催眠効果が発揮するのよね。時間をかけたら洗脳も可能な気がするわ』
「とりあえず洗脳は出来ると仮定して、正気に戻せるのか、ダンジョンマスターの情報は吐くのか、そこらへんが気になるところだな」
こいつを助けに現れてくれるなら何の問題もないのだが、助けに現れずに傍観されていた場合は、探すのが面倒になるんだよな……出口は1つだけだから、住人を全部外に出すか処理をすれば、いずれDPが枯渇して死ぬだろうけど、そんな持久戦に付き合う気は無いんだよな……
いくつか聞いてみたが、会話のキャッチボールが成立しない。おそらく洗脳状態が、俺の質問を答えさせないようにしていて、切れる要素がそこに含まれているという感じだな。
「洗脳状態って、元凶が死んだら元に戻ったっけ?」
『戻らないでござる。この世界の洗脳は、脳の情報を書き換えられるような感じでござる。それに対して催眠は、脳の情報を隔離して新しい情報を本当だと思わせるような状態でござる』
「となると、洗脳だったら直すのに洗脳しなおすしかないのか。催眠だったら、隔離されている情報を引きずり出せれば、問題ないってことか? そこまでしてやるつもりもないんだが……情報が手に入れられないなら、始末しておくか」
『念のため、死ぬヴィジョンを見せたら洗脳や催眠が解けるかもしれないから、試してみたらどう?』
洗脳が解けた場合、そいつってどうなるんだろうな?
拷問とかでは時間もかかるし面倒なので、確実に死ぬと思わせるような攻撃をしてやるか。
俺は久々に大斧を取り出した。勇者を磔にして、一思いに殺せる状況を作り出す。頭に刷り込むために、ダンジョンの壁に向かって大斧を全力で振るう。大斧は刃の部分を全部埋め、柄も7割ほど壁にめり込んだ。
その大斧を勇者に向かって振るう。1回目は当てなかった。死の危険を感じてはいるが、漏らすだけで終わった。そんな状態でも、こちらを罵るのを止めないあたり、完全催眠だったか? イレギュラーで発生したあれを思い出したが、チビ神が干渉してきていないので、それも違うと思う。
2回目は膝のあたりを狙って切り飛ばしたが、やはりダメなようだ。こいつは手遅れみたいだな。これ以上苦しませないように、首を落とす。
こんなことが平気で出来るようになった俺は、精神がどうにかしているのかもしれないな。
死ぬとしても碌な死に方をしないだろうと思いながら、次の行動に移ることにした。
住人を100人ほど捕まえて、質問に答えなかったら手足のどれかを切り落とす、と宣言してから質問していく。
シリウス君が20人ほどの手足のどこかを切り落としたところで、やっと質問に答えてくれる人間が現れた。街に住んでいる人間は洗脳や催眠はされていないと思っていたが、もしかしたらされてたりする可能性がでてきた。だからと言って、手を変えたりしないけどね。
手足を無くす恐怖が勝ったのか、知っていることを話してくれてはいるようなのだが、ダンジョンマスターの正確な位置を知っている者はいなかった。
保身に長けていると考えるべきだろうか?
俺がどうするか悩んでいると、シリウス君が、街の住人を一か所に集めてくれれば、そこ以外を水で埋め尽くして、霧より正確にダンジョン内を把握してくれると言ってくれた。そんなことまでできるのか……さすがだな。
死にたくなければ、広場に集まる様に指示をして、シリウス君に調べてもらうことにした。
先ほどの様子を見ていたのか、大半の人たちは問題なく集まってくれたが、一部の人は集まらず家から出ようとしなかった。
宣言はしておいたので、死んでもなんとも思わん。シリウス君、やってくれ。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる