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第2446話 色々が面倒になる
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2日間休んで、とうとう問題の日がやってきた。
子どもたちと一緒に朝食食べて何をしようか考えた時、急に連絡が入る。
『シュウ、緊急事態が発生したから、戻ってきて』
少し切羽詰まった綾乃の声で連絡が入ったため、妻たちに断りを入れてからバザールと綾乃の待つ部屋へ移動する。
そこには苦笑いをした綾乃と、どうしていいのか分からないといった表情のバザールがいた。
事の発端は、監視していたダンジョンの出口から、制圧しに行った冒険者たちが出てきたことだ。
バザールと綾乃は、制圧が終わったのかと思い、監視を終了しようとしたところ、スプリガンの人から連絡が来て、様子がおかしいということで、監視を継続すると……制圧に行った冒険者たちが、ダンジョンから出てきた敵と共に行動をしていたらしい。
理由は分からないが、一緒に行動しているのが事実なので、俺に連絡が来たということだ。
やはり俺らが予想したように、先に攻めてきた兵士たちは捨て駒だったようだな。それに捨て駒たちよりレベルが高い……面倒だな。
もうね、色々が面倒になってきた。
全部をぶち壊したくなるくらい面倒だな……子どもたちとの時間を邪魔されたのもあるけど、何で冒険者が敵と一緒にいるんだよ……俺の街へ来てからの行動といい、ダンジョンに移動するまでの行動といい、今現在の行動といい、全てが癇に障るんだよな。
何か理由があるのだろうけど、俺には関係ない……
「なぁ、こいつらって一緒に行動するってことは、もう敵でいいんだよな?」
バザールも綾乃も肯定するので、もうね、全部殲滅しよう。今攻めてきている敵も、ダンジョンも全てをぶっ壊してやろう。
「2人は、もう監視しなくていいよ。全部終わらせてくる……あ、でもその前に準備をするから、その間だけ頼む」
様子の変わった俺を見て、2人はほどほどにね~、と呑気なセリフと共に手を振られた。
俺はまず、シリウス君のもとへ行く。
「シリウス君、着いてこい。少し荒事になるから協力するように」
普段と違う様子だったためか、近くにいたメグちゃんが行ってくるように促していた。自分はここに残って守りを固めると言ってくれた。
「後は……四聖獣たちもよんで、移動用にバッハがいれば問題ないな。スライムたちは、経験値になるかもしれないから、今回は出番なしだ。いや、作業が終わった後に必要かもしれないから、ある程度は準備していてくれ」
方々に指示を出して、準備を整えていく。
よし、問題ないな。
準備も終わり出発する前に綾乃とバザールのもとへ顔を出しておく。
「準備ができたから、もう日常に戻っていていいよ。後は俺が全部やっておくから」
「無茶はしないと思うけど、危ない事はしちゃだめだからね。後、勝手に別に様子を見ている分には構わないよね?」
もちろん、自分たちで勝手に残って見ている分には問題ないな。
じゃぁ、行ってくる。
……おい、スライムの出番はないって言っただろ? ニコ、お前の出番は終わってからだ。だから降りろっての。
必死になって引き剥がそうとするが、ニコたちのようなスライムにとっては、糠に釘のような状態だな。
仕方がないので連れていくことにしたが、命令には従うんだぞ。
バッハに飛んでもらい、移動をしようとしたところで、後ろを追いかけてきたバッハに何かを投げ渡された。
「耳につけるでござるよ~」
空を飛んでいる間に渡された物を確認する。ハンズフリーの片耳ヘッドセットだ。渡されたということは、つけろってことだよな?
装着すると、バザールと綾乃の声が聞こえた。なるほど、通信機なのね。
『シュウ、大人数の敵はどうするの?』
「ん? 原液のクダスンデスを空から大量に投下するよ。それを連れているシリウス君に拡散してもらう予定だよ」
『またあれを使うでござるか? 阿鼻叫喚のあれをまたでござるか……』
「見たくなければ見なければいいだろうに。どうせシリウス君に全部流してもらうことになるから、関係ないだろうけどね。そういえば、グリエルに連絡入れてないや……どっちか今日中に終わるかもしれないって連絡入れといて」
連絡は2人に任せて、収納の腕輪の中のアイテムを確認していく。
クダスンデス改の数は問題なさそうだな。シリウス君にこの前と同じことをするように説明しておく。
さすが空飛ぶ竜、移動の時間が本当に短い。準備している間につくことができた。
「シリウス君、瓶を落とすから全部割って、下の敵に吸収させるようにしてくれ。いくぞ」
そういって、瓶を大量に投げ落とす。
その瓶の中の液体を操作して破裂するようにして、散布していく。
今回はわざわざ薄く散布するのではなく、濃い霧状にして呼吸時に大量に入る様に調整してもらう。液体を扱わせれば、右に出る者はいないな。本当に頼りになるやつだ。
『この後はどうするでござるか?』
「敵が動けなくなったら、シリウス君に頼んでダンジョンの中に流し込んでもらって、そのままダンジョンの攻略に乗り出すよ」
『大丈夫でござるか?』
「シリウス君に任せるから問題ないだろ」
『そっちじゃなくて、敵の方でござるよ。後、中に連れていかれた人間たちをどうするかでござるな』
「はぁ? どうもしないよ。俺は、あいつらの代わりにダンジョンを攻略するだけで、後の事は向かってきている騎士団の人に任せるよ」
『なるほどでござる』
敵の事はもう知らん! こんな訳の分からんことに、これ以上時間を使わされるのは勘弁してほしい。
子どもたちと一緒に朝食食べて何をしようか考えた時、急に連絡が入る。
『シュウ、緊急事態が発生したから、戻ってきて』
少し切羽詰まった綾乃の声で連絡が入ったため、妻たちに断りを入れてからバザールと綾乃の待つ部屋へ移動する。
そこには苦笑いをした綾乃と、どうしていいのか分からないといった表情のバザールがいた。
事の発端は、監視していたダンジョンの出口から、制圧しに行った冒険者たちが出てきたことだ。
バザールと綾乃は、制圧が終わったのかと思い、監視を終了しようとしたところ、スプリガンの人から連絡が来て、様子がおかしいということで、監視を継続すると……制圧に行った冒険者たちが、ダンジョンから出てきた敵と共に行動をしていたらしい。
理由は分からないが、一緒に行動しているのが事実なので、俺に連絡が来たということだ。
やはり俺らが予想したように、先に攻めてきた兵士たちは捨て駒だったようだな。それに捨て駒たちよりレベルが高い……面倒だな。
もうね、色々が面倒になってきた。
全部をぶち壊したくなるくらい面倒だな……子どもたちとの時間を邪魔されたのもあるけど、何で冒険者が敵と一緒にいるんだよ……俺の街へ来てからの行動といい、ダンジョンに移動するまでの行動といい、今現在の行動といい、全てが癇に障るんだよな。
何か理由があるのだろうけど、俺には関係ない……
「なぁ、こいつらって一緒に行動するってことは、もう敵でいいんだよな?」
バザールも綾乃も肯定するので、もうね、全部殲滅しよう。今攻めてきている敵も、ダンジョンも全てをぶっ壊してやろう。
「2人は、もう監視しなくていいよ。全部終わらせてくる……あ、でもその前に準備をするから、その間だけ頼む」
様子の変わった俺を見て、2人はほどほどにね~、と呑気なセリフと共に手を振られた。
俺はまず、シリウス君のもとへ行く。
「シリウス君、着いてこい。少し荒事になるから協力するように」
普段と違う様子だったためか、近くにいたメグちゃんが行ってくるように促していた。自分はここに残って守りを固めると言ってくれた。
「後は……四聖獣たちもよんで、移動用にバッハがいれば問題ないな。スライムたちは、経験値になるかもしれないから、今回は出番なしだ。いや、作業が終わった後に必要かもしれないから、ある程度は準備していてくれ」
方々に指示を出して、準備を整えていく。
よし、問題ないな。
準備も終わり出発する前に綾乃とバザールのもとへ顔を出しておく。
「準備ができたから、もう日常に戻っていていいよ。後は俺が全部やっておくから」
「無茶はしないと思うけど、危ない事はしちゃだめだからね。後、勝手に別に様子を見ている分には構わないよね?」
もちろん、自分たちで勝手に残って見ている分には問題ないな。
じゃぁ、行ってくる。
……おい、スライムの出番はないって言っただろ? ニコ、お前の出番は終わってからだ。だから降りろっての。
必死になって引き剥がそうとするが、ニコたちのようなスライムにとっては、糠に釘のような状態だな。
仕方がないので連れていくことにしたが、命令には従うんだぞ。
バッハに飛んでもらい、移動をしようとしたところで、後ろを追いかけてきたバッハに何かを投げ渡された。
「耳につけるでござるよ~」
空を飛んでいる間に渡された物を確認する。ハンズフリーの片耳ヘッドセットだ。渡されたということは、つけろってことだよな?
装着すると、バザールと綾乃の声が聞こえた。なるほど、通信機なのね。
『シュウ、大人数の敵はどうするの?』
「ん? 原液のクダスンデスを空から大量に投下するよ。それを連れているシリウス君に拡散してもらう予定だよ」
『またあれを使うでござるか? 阿鼻叫喚のあれをまたでござるか……』
「見たくなければ見なければいいだろうに。どうせシリウス君に全部流してもらうことになるから、関係ないだろうけどね。そういえば、グリエルに連絡入れてないや……どっちか今日中に終わるかもしれないって連絡入れといて」
連絡は2人に任せて、収納の腕輪の中のアイテムを確認していく。
クダスンデス改の数は問題なさそうだな。シリウス君にこの前と同じことをするように説明しておく。
さすが空飛ぶ竜、移動の時間が本当に短い。準備している間につくことができた。
「シリウス君、瓶を落とすから全部割って、下の敵に吸収させるようにしてくれ。いくぞ」
そういって、瓶を大量に投げ落とす。
その瓶の中の液体を操作して破裂するようにして、散布していく。
今回はわざわざ薄く散布するのではなく、濃い霧状にして呼吸時に大量に入る様に調整してもらう。液体を扱わせれば、右に出る者はいないな。本当に頼りになるやつだ。
『この後はどうするでござるか?』
「敵が動けなくなったら、シリウス君に頼んでダンジョンの中に流し込んでもらって、そのままダンジョンの攻略に乗り出すよ」
『大丈夫でござるか?』
「シリウス君に任せるから問題ないだろ」
『そっちじゃなくて、敵の方でござるよ。後、中に連れていかれた人間たちをどうするかでござるな』
「はぁ? どうもしないよ。俺は、あいつらの代わりにダンジョンを攻略するだけで、後の事は向かってきている騎士団の人に任せるよ」
『なるほどでござる』
敵の事はもう知らん! こんな訳の分からんことに、これ以上時間を使わされるのは勘弁してほしい。
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