ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2441話 限度があるって話

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 シンラが俺の肩車の位置に着くと、首に足を巻き付け髪の毛をしっかりとつかみやがった。首を絞められたのはまだいい、こいつの力じゃどうにもならないからな。でもさ、髪の毛って引っ張られると地味に痛いからやめろって言ってるのに、人の話を聞かんのよな。

 体の周りに子どもたちを纏わりつかせながら進んでいく。

 長い時間入っていたつもりはないが、もうすぐ昼食の時間になるので、子どもたちと一緒に向かう形だな。

 今日の昼食は何だろうな?

 匂いではまだわからないな。カレーみたいに強い匂いや、焼肉のように肉の焼ける匂いとかはしていないので、何の料理なのかは分からないな。中華も比較的香りの強いものが多いから、違いそうだな。

 お腹の調子は何の問題もないし、ガッツリしたものが食べたいから、そういうのが何かあればいいな。

 プラムとシオンは相変わらず俺の足に蹴りを入れてくるが、ミーシャたちは俺の腕に捕まりぶら下がったりしている。

 オレ、コドモニ、ダイニンキ!

 うん、自分で言ってみたけど、なんか違う気がする。

 到着して、匂いがあまりしなかった理由が分かった。

「ビュッフェ形式で被せものをしてたら、匂いが周りに広がらないわな。しかも前に作った、保温できる魔道具を使ってるから、しっかりと密閉されてるからなおさらだな」

 俺がここに着いた時には、既に食べられる状況になっていたのだ。

 外から見える範囲で食事の内容を確認しておく。全体的に多いのは、サンドイッチなどのパンを使った料理だな。食パンのアレンジも多いな。ピザトーストまであるわ。しかも1種類じゃなくて10種類くらい違うのが準備されている。

 飲み物は、コーンポタージュがメインっぽくて大量に準備されている。カリッカリに焼かれたクルトンもたくさん準備されていて、今日はパン曜日なのだろうか?

 パンも美味しいんだけど、あまりお腹にたまらない気がするから、今の気分とは違う気がするんだよな。かといって、別の物を頼むわけにもいかないから、この中でもお腹のたまる物を食べていくか。

 おかずパン……まぁ総菜パンの事だな。あれはパン以外の食材が多いからな。

 子どもたちを引き連れて回っていると、あるモノを見つけてしまった。パンなのに俺の希望をかなえるかの如く存在する物を発見してしまったのだ。

 パティ10枚を挟んだ、タワーバーガーだ。

 ハンバーガーは、手を汚さずに簡単に食べれるということで、作業している時とかにサンドイッチなどと一緒に出てくることはあったけど、さすがにタワーになるほどのハンバーガーは今までなかった。

 もうここまで行くと、申し訳程度にパンで挟んでいるように見える。メインは肉! って感じだな。

 これを食べるのは決まった。でも、これだけじゃ足りないから、ガツンと食べれそうな物をブラウニーたちにお願いしておこう。

 みんなが集まってきたので、子どもたちが俺から離れていく。シンラは降ろそうとしても髪の毛を掴んでくるので、椅子の所についてからおろすことになった。

 シンラたちもあれを見て、タワーバーガーを食べたいと言い出したのだが、さすがに子どもたちにはタワーは出されなかったが、3枚分のパティを挟んだものが代わりに運ばれてきた。

 さてさて、シンラたちはどう食べるのだろうか?

 俺は10枚も積み重なったパティを見て、どう食べるか迷ってしまっている。1枚ずつ肉だけを食べるのは、さすがにタワーバーガーをバカにしている行為だよな。

 持ち上げられないようなサイズではなく、持ち上げることが簡単にできてしまうタイプのタワーバーガーなのだ。それを崩して1枚ずつは冒涜だよな。

 となれば取れる食べ方は1つ!

 端から削る様に食べていく! が正解だな。

 持ち手の上の部分から、顔を横に向けかぶりつく。パンズと3枚分肉の隅の部分が口の中に入る。

 味は、チェーン店のような感じではなく、もうね、肉!!! という感じで、肉の主張が強かった。

 場所を変えかぶりついていると、少し手元がくるってしまい、肉の間に少し隙間ができてしまった。その時にかぶりついていた1枚がバーガーから離れ、俺の口にぶら下がる形でついてきた。

 これは事故による移動なので、セーフ! 2枚目3枚目と同じように食べていくが、全部事故なので問題ないよね。

 残りが5枚くらいになったところで、ギリギリ顔を建てのまま口を開けば食べられる高さになった。

 最後の掴みいきれないだろうというサイズまで頑張って食べた。最後は、お皿の上に倒してそれをフォークで食べる形となったな。

 タワーバーガーは、ロマンがあるけど食べにくいから、今度から無しな。多くても3~4枚が順当だと思うぞ。パティの厚さでは2枚だって厳しくなるから、注意してくれよな。

 ちなみにシンラは、俺の様にかぶりつくスタイルで、口の周りだけでなく何故かおでこまで汚しながら間食していた。プラムとシオンは、2枚をお肉だけで食べて最後に、普通のハンバーガーで食べていたよ。

 肉の量が多かったので、そこそこずしっと来たけど、まだまだ食べ足りないぞ!

 そこで運ばれてきたのは、カツサンド。キャベツも大盛りのソースもたっぷり。ガツンと来る一品だった。

 その後は、普通のサンドイッチを持ってこられたが、タワーバーガーとカツサンドが良かったのか、ガッツリした物でなくても満足感が高かった。お腹にたまりにくいとはいっても、量を食べればお腹にたまるわな。

 朝食を抜いただけなのに、かなりの量を食べてしまったな。俺の体はアルコールを分解する時に、とんでもないカロリーを消費したりするのだろうか? 通常の5割増しで食べていた自分にビックリだよ。

 それだけ食べればさすがにお腹も苦しくなるわけで、エアーベットの上で食休みだ。例の如く、俺と同じように食べ過ぎたシンラも近くで食休みだ。

 娘たちはみんな食べ過ぎというほどは食べず、プラムとシオン何かは、走り回って妻たちの間を楽しそうに行き来している。

 寝ようかと思ったら、ミリーが声をかけてきた。

「本当にシンちゃんは、シュウ君にそっくりね」

 俺とシンラの食休みの体勢がシンクロしていて、他の妻たちも笑ってこっちを見ていた。
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