ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2439話 始めてやっちまった

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 シンラは1人で大の字に寝ているな。プラムとシオンがくっ付いていないのが、違和感しかないないのだが……その2人は、姉たちに抱き枕のようにされているな。本人たちも嬉しそうに姉に抱きついているので、シンラでなくてもいいのでは? という疑いが出てきた。

 成長してきたし、そこらへんの認識が変わってきたのかね?

 シンラが1人で寂しそうに見えるが、プラムとシオンから解放されているためか、寝ているのに滅茶苦茶ニッコニコで、反対に不気味になってくるわ……

 そんなことをシンラの顔を覗き込んで考えていたら、急にシンラが放屁をした……いきなりすぎてびっくりしたわ。そして臭いんだが……お前の内臓大丈夫か?

 急にフワッと風が流れると、シンラの胸の上にテトが着地して眠り始めた。そのテトを抱いてさらにニッコニコになったシンラは、なんか不気味だな。

 子どもたちは従魔たちに任せて、俺は妻たちの下へ。音がここまで聞こえてきているので、防音結界を張っておこう。

 妻たちが好きな映画は基本的に銃撃戦やアクション多めの映画だ。この世界の人でも難しいような動きをする俳優が、妻たちにはうけているようだ。

 何度も見ている映画で有名どころは、全世界の中二病が歓喜したリベ〇オン、マト〇ックスなどを何度も見ているな。カーアクションのワイ〇ドスピードも好きだったな。スピード感が好きだとか言ってたな。

 今日は何を見てるんだろうな。

 妻たちがお酒を飲みながら……あれ? 全員飲んでないか? あ、下の子たちは飲んでないな。もう20歳は過ぎているから飲んでも問題はないのだが、この世界なら15歳とかから飲んでいるんだったっけか?

 そこらへんはどうでもいいか。

 流れている映画は……珍しいと言っていいのか、トラン〇ポーターの初代作品だった。君たち見たこと無かったんだっけ? 地球の文化を学んで入るけど、この映画は意味が分からなかったりするんじゃないか?

 そんなことは関係ないみたいだな。ストーリー何かは二の次で、映像を見て楽しんでいるって感じだな。

 ストーリーは、アニメや漫画で楽しむ! とか言っているので、酔いも回っていて、スピード感のある映画が面白いのかもな。

 ん~、俺もお酒飲もうかな。なんか子どもたちの相手をしていたら小腹が空いてるんだよな……本当にこの体、燃費が悪くなったな。いくらでも食べられる状況で、太らないのなら問題はないか。

 ブラウニー、夕食で出たチキンティッカってまだあるか? それに合うお酒も持って来てくれないかな。

 そう注文をするとすぐに運ばれてきた……

「チキンティッカは良いんだけど、これってマンゴーラッシーじゃないのか?」

「マンゴーラッシーではありますが、きちんとしたお酒でもありますよ」

 謎かけか? とりあえずチキンティッカにかぶりついて、出された飲み物を飲む。

「うん、マンゴーラッシーだけどお酒だな。ただお酒を混ぜただけなのか?」

「マンゴーを濃いめにいれたラッシーに、ヨーグルトの度の強めのお酒を混ぜています。だから、マンゴーラッシーの味をほとんど崩さずに成功しました」

 うん、すごいんだけどさ。そこまでする意味ってあったのか?

「飲みやすいですよね? 美味しくないですか? ブラウニーの中では甘いお酒なので、人気が高いんですよ」

 なるほど、自分たちで美味しいと思ったものを、俺に出してくれたのね。確かに美味いよ、それにラッシーはインドネパール料理店で出るくらいには、地域の食べ物と合う飲み物だからね。唐揚げとビールくらい合う組み合わせかもね。

 俺は、ビールが苦手だから分からないけど、チキンティッカを口に含むと無性に飲みたくなる感じがすごいと思う。でもさ、俺が知る範囲でこんなお酒は無かったのだが、自分たちで考えたのかな?

「多分に多様な飲み物はあったと思いますが、ダンジョン農園のマンゴーの味に勝てるラッシーを作ったら、今度はお酒で飲みたくなりまして、工夫に工夫を加えたのです!」

 ジャジャーンと効果音がするように両手を広げて、声高らかに言い放った。

 思わず拍手をしてしまったけど、仕事の傍らでこんなことしてたんだな。本当に衣食住に関しては手を抜くことを知らんな。

 まあ、美味いからいいわ! ナンも持って来てくれ、チキンカレーも追加で!

 カレーにお酒ってどうかと思ったけど、これはこれで悪くないな。チキンカレーにナンを付けて……一口。飲み込んだ後にマンゴーラッシー酒とでも呼ぶべき飲み物を口に含む。甘いお酒は嫌いではないので、美味しく感じる。

 妻たちは半分がビールで、半分がサワー系を飲んでる感じだな。あっ、カエデとリンドは泡盛を今日は飲んでるな。あの2人はドワーフだから特別枠だな。

 すごいアクションをすると妻たちから歓声が上がる。ん~俺が知っている映画鑑賞ってこんなだったっけ?

 まぁいいや。食べ物も飲み物も美味しいから何でもいい気がしてきた。

「ご主人様、次からは果物と一緒にお酒を飲んでほしいです」

 出されたのは……イチゴミルクか? お酒じゃなくね? えっ? まさか、これもお酒なの?

「マンゴーラッシーのお酒を作ったあたりから、ブラウニーたちの間ではやり始めたお酒なのですが、ミルクを使ったお酒に果物を混ぜています。フルーツミルクのお酒バージョンですね」

 フルーツミルクの酒と果物を食べろってか? 果糖の取り過ぎにならんか?

 この体なら何の問題もないか。

 今日のお酒や食べるものは全部任せたんだから、持って来てくれるものなら何でも口に入れたる! こいつらの持ってくるものに外れなんて今の所なかったからな。

 その日俺は、いつまで飲んだのか、いつ寝たのか覚えのないまま、次の日の朝を迎えた。
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