2,413 / 2,518
第2414話 一番厄介な敵
しおりを挟む
「シュウ、向こうが使うかわからないけど、こっちも地球の兵器を使うことを考えておいたほうがいいんじゃない? 使わないにしても、備えておいたほうがいいんじゃない? 放射能は勘弁してもらいたいけど、汚染がないタイプなら、使った後にダンジョンマスターの能力でもとに戻せるでしょ」
ふむ、言われてみればそうだな。土の汚染とかなら全部取り除いて新しいのを出せば、実質無害化できるんだよな。それでも放射能は除去しきれないと思うので、さすがに使うわけにはいかない。
「そうだな、空気を汚染しないタイプの兵器を考えるか」
「ナパームでいいでござらんか? あれは粘着性の強い可燃物を使っているのではござらんか? それをばらまいて、燃やしてしまえばいいでござるよ。それで窒息死で全部殺せるでござるよ」
「サーモバリック爆弾でもいいか?」
「サーモ? あ~、燃料帰化爆弾とかいうやつね。あれの熱なら、高レベルでも死ぬの?」
「あれって、高熱・高圧・無酸素だから、死ぬっぽいんだよね。圧力に関しては閉鎖空間でなければ、ただの衝撃波だからな。どのくらい効果があるかは分からないな。大半は戦闘不能にできるんじゃないかな? 壁に隠れていれば衝撃波は何とかなるかな? でもどうやって爆発させる?」
「飛行系の魔物に上空から落としてもらえばいいんじゃない? 使う時と同じように、高高度から落とせば運ぶ魔物に影響ないでしょ」
なるほど、頭いい。飛行機で運用するものだと思ってたから、飛行系の魔物で使う方法を考えつかなかったわ。
「おそらく大丈夫だろうけど、熱に強くてレベルの高い、レッドドラゴンを引っ張り出すか。バッハが暇つぶしに鍛えてたやつを使うか。どうせマイワールドの中で飛んで遊んでるだけだろうしな」
バッハに限らず、暇つぶしに自分より弱い魔物を育てて遊ぶ……というのは語弊があるが、鍛えていることがあり、その1匹のレッドドラゴンが強くなりすぎたので、ダンジョンで使うには微妙になってしまい、従魔用のマイワールドでのんびりさせているのを使おうという話だ。
「どうせなら衝撃波を利用して、手榴弾みたいに破片を飛ばすようにしてもいいのではござらんか? どうやって巻き付けるかは後で考えるとするでござるが、銃ではないから減算効果も入らないでござるな」
手榴弾の数十倍の爆風に鉄片とかを突っ込むのか。ありえないくらい強い衝撃波に乗せるから、やばい威力になりそうだな。十全に威力が乗らなかったとしても、かなりの威力にはなりだろう。
「それ採用。向こうがおかしなことをしてきたら、目には目を歯には歯を、の精神でやってしまうか」
サーモバリック爆弾を準備して、周りに粘土に鉄片や釘などを混ぜ込んで貼り付けていく。これでどのくらいの効果があるかわからないが、最後にラップを使ってグルグル巻きにしておいた。
爆発の勢いで多分、全部吹き飛んでくれるだろう。
「兵器のほうはこれ以外は、バザールのナパームの中の液体も大量に準備していくか」
「この2つでダメだったら、人造ゴーレムとS級スケルトンで直接仕留める形になるのかな?」
おそらくそうなるだろうな。他に使うのも微妙かもしれないけど、ナパームが燃え広がっている炎の中で活動できる、人造ゴーレムとS級スケルトンだから、問題はないはず。
「念のために、もう1つくらい兵器を用意しておいたほうがいいんじゃない?」
綾乃は、この2つでも生き残る敵がいることを前提に、もう1つ兵器を準備したほうがいいのでは? と主張している。
正直なところ、この2つと人造ゴーレム・S級スケルトンの攻撃で生き残れるやつに、勝てる気がしないのだが……やるとすれば、毒くらいか?
「じゃぁ、クダスンデスを散布するか。あれなら毒無効化も効かないし、この2つで死なない敵がいたら最適な方法かもしれないな」
これしか方法が思いつかなかったが、急に思いついたにしてはかなりいい案なのではないだろうか。
効果が表れるまでに多少時間はあるけど、魔法薬の一種なので誤算範囲だと思う。人間以外にも生物系の魔物には効果があったので、植物やゴーレムのような魔法生物とかでない限りは……
「あぁ、植物系は炎でなんとかなるけど、魔法生物のゴーレムやスライムだった場合はクダスンデスがきかないけど、人造ゴーレムやS級スケルトンに対抗できる前提の話だったら、あいつらには何が効くんだ?」
「ニコさんから増殖したスライムでもない限り、突破されることはないと思うでござるが、いた場合はどうするでござるか……」
あんな規格外なスライムが、あいつら以外にいるはずがないのだが、想定する敵として一番厄介な相手だろうな。
3人ともニコから発生したスライムのことを考えると、無言になってしまった。
敵に回したら一番厄介な魔物は、ニコたちスライムだろう。今まで気付かないふりをしていただけで、直視してしまった今……どうにもならないな。
ニコが出てきた場合は、もう隔離する以外に方法がないんだよな。あいつらが群れたら、倒せる気がしないんだよ。
「そこまでの規格外の敵が出たら、マイワールドへ隔離しよう。人間が範囲に入ってなければ交換可能だから、それで飛ばそう。クダスンデスも効かなかったら隔離にしよう」
臭い物に蓋には蓋をしよう。もう、見なかったことにする。
後は、レイリーが俺に交代を申し出るタイミングを決める必要がありそうだな。あまり、粘られて死人が増えても困るので、きちんとラインを決めておかないとな。
ふむ、言われてみればそうだな。土の汚染とかなら全部取り除いて新しいのを出せば、実質無害化できるんだよな。それでも放射能は除去しきれないと思うので、さすがに使うわけにはいかない。
「そうだな、空気を汚染しないタイプの兵器を考えるか」
「ナパームでいいでござらんか? あれは粘着性の強い可燃物を使っているのではござらんか? それをばらまいて、燃やしてしまえばいいでござるよ。それで窒息死で全部殺せるでござるよ」
「サーモバリック爆弾でもいいか?」
「サーモ? あ~、燃料帰化爆弾とかいうやつね。あれの熱なら、高レベルでも死ぬの?」
「あれって、高熱・高圧・無酸素だから、死ぬっぽいんだよね。圧力に関しては閉鎖空間でなければ、ただの衝撃波だからな。どのくらい効果があるかは分からないな。大半は戦闘不能にできるんじゃないかな? 壁に隠れていれば衝撃波は何とかなるかな? でもどうやって爆発させる?」
「飛行系の魔物に上空から落としてもらえばいいんじゃない? 使う時と同じように、高高度から落とせば運ぶ魔物に影響ないでしょ」
なるほど、頭いい。飛行機で運用するものだと思ってたから、飛行系の魔物で使う方法を考えつかなかったわ。
「おそらく大丈夫だろうけど、熱に強くてレベルの高い、レッドドラゴンを引っ張り出すか。バッハが暇つぶしに鍛えてたやつを使うか。どうせマイワールドの中で飛んで遊んでるだけだろうしな」
バッハに限らず、暇つぶしに自分より弱い魔物を育てて遊ぶ……というのは語弊があるが、鍛えていることがあり、その1匹のレッドドラゴンが強くなりすぎたので、ダンジョンで使うには微妙になってしまい、従魔用のマイワールドでのんびりさせているのを使おうという話だ。
「どうせなら衝撃波を利用して、手榴弾みたいに破片を飛ばすようにしてもいいのではござらんか? どうやって巻き付けるかは後で考えるとするでござるが、銃ではないから減算効果も入らないでござるな」
手榴弾の数十倍の爆風に鉄片とかを突っ込むのか。ありえないくらい強い衝撃波に乗せるから、やばい威力になりそうだな。十全に威力が乗らなかったとしても、かなりの威力にはなりだろう。
「それ採用。向こうがおかしなことをしてきたら、目には目を歯には歯を、の精神でやってしまうか」
サーモバリック爆弾を準備して、周りに粘土に鉄片や釘などを混ぜ込んで貼り付けていく。これでどのくらいの効果があるかわからないが、最後にラップを使ってグルグル巻きにしておいた。
爆発の勢いで多分、全部吹き飛んでくれるだろう。
「兵器のほうはこれ以外は、バザールのナパームの中の液体も大量に準備していくか」
「この2つでダメだったら、人造ゴーレムとS級スケルトンで直接仕留める形になるのかな?」
おそらくそうなるだろうな。他に使うのも微妙かもしれないけど、ナパームが燃え広がっている炎の中で活動できる、人造ゴーレムとS級スケルトンだから、問題はないはず。
「念のために、もう1つくらい兵器を用意しておいたほうがいいんじゃない?」
綾乃は、この2つでも生き残る敵がいることを前提に、もう1つ兵器を準備したほうがいいのでは? と主張している。
正直なところ、この2つと人造ゴーレム・S級スケルトンの攻撃で生き残れるやつに、勝てる気がしないのだが……やるとすれば、毒くらいか?
「じゃぁ、クダスンデスを散布するか。あれなら毒無効化も効かないし、この2つで死なない敵がいたら最適な方法かもしれないな」
これしか方法が思いつかなかったが、急に思いついたにしてはかなりいい案なのではないだろうか。
効果が表れるまでに多少時間はあるけど、魔法薬の一種なので誤算範囲だと思う。人間以外にも生物系の魔物には効果があったので、植物やゴーレムのような魔法生物とかでない限りは……
「あぁ、植物系は炎でなんとかなるけど、魔法生物のゴーレムやスライムだった場合はクダスンデスがきかないけど、人造ゴーレムやS級スケルトンに対抗できる前提の話だったら、あいつらには何が効くんだ?」
「ニコさんから増殖したスライムでもない限り、突破されることはないと思うでござるが、いた場合はどうするでござるか……」
あんな規格外なスライムが、あいつら以外にいるはずがないのだが、想定する敵として一番厄介な相手だろうな。
3人ともニコから発生したスライムのことを考えると、無言になってしまった。
敵に回したら一番厄介な魔物は、ニコたちスライムだろう。今まで気付かないふりをしていただけで、直視してしまった今……どうにもならないな。
ニコが出てきた場合は、もう隔離する以外に方法がないんだよな。あいつらが群れたら、倒せる気がしないんだよ。
「そこまでの規格外の敵が出たら、マイワールドへ隔離しよう。人間が範囲に入ってなければ交換可能だから、それで飛ばそう。クダスンデスも効かなかったら隔離にしよう」
臭い物に蓋には蓋をしよう。もう、見なかったことにする。
後は、レイリーが俺に交代を申し出るタイミングを決める必要がありそうだな。あまり、粘られて死人が増えても困るので、きちんとラインを決めておかないとな。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる