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第2411話 テンプレ領主現る
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襲われた街の領主を探してみるが、街の中や今連れていかれている人たちの中にはいないな。
「殺されたのかしら? 最後まで戦って死んだのか、邪魔だから殺されたのか、どっちなのかしら?」
「ちょっと待つでござる。街から大分離れたところに人の集団があるでござるよ。逃げた可能性もあるのでござるよ。この時間であれば、街へ近づくのは安全を確保するのに移動することはあるでござるが、離れていっているのはおかしいでござる」
バザールの言う通り、街から5キロメートル以上離れた位置に、移動している一団があった。俺は商人の一段かと思っていたが、バザールは距離が離れていっていることが怪しいと指摘していた。
そういわれると、この時間に移動するなら安全な街側へ移動して、街の近くで野営をするはずだよな。この時間から離れるように移動するのは、違和感しかない。
調べてみると、襲われた街の領主一族のようだな。しかも、上位の騎士たちも同行しているようだ。街の前で戦闘をしていたはずなのだが、なんでこの位置に上級騎士が複数もいるんだ? 街の外での戦闘に、こいつらが参加してなかった?
「こいつら、街を見捨てて逃げたな。しかも、街を守るために指揮する騎士たちが、現場を放棄して領主たちと逃げてるとか……領主を守るのが最優先とか言って、責任回避とかするんだろうな。まぁ、住人を見捨てて逃げたのは変わらないから、王国でも死刑になるんじゃないか?」
「おそらくそれがわかっているからか、金目の物をかなり持ち出しているわよ。人数に対して馬車の数が多いから、金目の物を賄賂とかに使ってどこかに逃げるんじゃない?」
積み荷を詳しく調べてみると、お金や財宝などが馬車に詰め込まれているので、綾乃の推測があっていそうだな。賄賂なのか、逃亡先で生活資金にするかはわからないが、民を見捨てて逃げたこいつらに、先はないだろうな。
勇者の仲間たちが、領主たちの逃げた側の街中で何やら動いていたので、壁の上から見える位置まで移動してみると、馬を準備していて追撃をしようとしているのがわかる。
夜の追撃は危険だというのに、躊躇なく追撃するのは、準備している馬が魔物で夜目がきくし、勇者の仲間たちはこの世界にないナイトビジョンを身に着けているのがわかった。
「2人とも隠れろ。あいつら、ナイトビジョンを使ってる。スキルや魔法で夜目がきくようにできないから、科学の力を使ってる。ほぼ100パーセント手を組んでいることがわかってたけど、これで完璧に勇者とダンジョンマスターが繋がっていることが判明したな」
「面倒でござるね。数を揃えられないでござろうが、必要経費としてナイトビジョンを召喚できるだけの余裕があるってことでござるからな」
「装備だけで強さが決まるわけじゃないからそこはどうでもいいけど、余裕があるってところが面倒なところだな。いざとなれば疑似反乱のようなことをして、魔物をけしかけることが出来るってことだよな。俺たちが手出しをできない状況で一番困る、数の暴力はやめてほしいんだよな……」
街に被害が出るなら俺も動くことはできるが、兵士たちの被害が増えるだけなら、俺は動くことが出来ない。そういう約束をレイリーとしているからな。万が一にも救援を求められれば話は変わるだろうが、レイリーの様子から考えると、それは限りなく低い可能性だな。
安価なゴブリンでも数万数十万と召喚できれば、いくらレベル差があったとしても、いずれ飲み込まれてしまうだろう。俺だって1人で戦えば……
「なぁ、バザール。お前ってさ、100万匹のゴブリンに囲まれても生き延びれるか?」
「無限に湧き出るゴブリンに嫌気がさすと思うでござるが、キングでもいない限りは負けることはないでござるな」
肉体があるのとないのでは、かなり違うみたいだな。俺なら100万匹に囲まれれば、おそらくギリギリの戦いになると思う。アイテムの使用が無制限ならどうとでもなるが、制限があったら必ず限界が訪れるからな。俺がグロッキーの時に武器でたたきつけられれば、さすがにダメージが入るし負ける可能性はある。
100万匹じゃ少ないかもしれないけど、今はそういうことが言いたいわけじゃない。
生身がある俺には限界が存在するということだ。兵士たちも生身なので限界が存在し、大群に囲まれればどうにもならないということだ。
だけど、骨の存在であるバザールの場合は、規格外の魔物ということで、骨自体の強度がかなり高いせいで、上位種が混ざっていても問題ないようだ。いわゆる、基礎的な防御力のようなものが、俺よりバザールのほうが高いということだ。
その反面、属性の相性次第では、簡単にダメージを折ってしまうのがアンデッドだろう。
そう考えると、ゴーレムとかリビングアーマーって、タフではあるけど防御力は高くない可能性が高いな。素材のおかげでヒットポイントが高いのだろう。
「大量に召喚されたところで、壁をはさんでの戦闘であれば、そこまで被害は出ないでしょ。シュウは少し考えすぎなんじゃない?」
そっか、平原で正面からぶつからないのであれば、被害はそこまで大きくならないか。
レベル100以上あれば、ただの投擲でもオークを殺すことが出来ることを考えれば、被害は小さいか。
レイリーのことだから、危険がある追撃はさせないだろうし、不利な場所でわざわざ戦うようなことはしないよな。だから、城門のある壁で戦うわけだし、打って出る時は有利な状況を作ってからだよな。
勇者たちの仲間なら壁を上ってくることもできるだろうけど、そうなればレイリーも対応方法を変えるだろうから、大きな被害は出ないと思いたい。
少数精鋭で乗り込んできても、ツーマンセル以上で遅滞戦闘をしていれば、レイリーや副官たちが何とかできるか……不安はいろいろあるが、レイリーに任せた部分は考えないようにしよう。
「あ~、領主一行が捕まったな。逃げた騎士じゃ足止めにもならなかったか。お金や財宝の回収は、DPに還元するためかな? そうでなければ、わざわざ追う価値もない奴らだからな」
「そうでござるな。いったん帰って、また出撃する感じでござるか? 住人を連れての移動であれば、3~4日は余裕が出来そうでござるな」
余裕ができたとはいっても、あの移動速度なので、油断はできないよな。
「殺されたのかしら? 最後まで戦って死んだのか、邪魔だから殺されたのか、どっちなのかしら?」
「ちょっと待つでござる。街から大分離れたところに人の集団があるでござるよ。逃げた可能性もあるのでござるよ。この時間であれば、街へ近づくのは安全を確保するのに移動することはあるでござるが、離れていっているのはおかしいでござる」
バザールの言う通り、街から5キロメートル以上離れた位置に、移動している一団があった。俺は商人の一段かと思っていたが、バザールは距離が離れていっていることが怪しいと指摘していた。
そういわれると、この時間に移動するなら安全な街側へ移動して、街の近くで野営をするはずだよな。この時間から離れるように移動するのは、違和感しかない。
調べてみると、襲われた街の領主一族のようだな。しかも、上位の騎士たちも同行しているようだ。街の前で戦闘をしていたはずなのだが、なんでこの位置に上級騎士が複数もいるんだ? 街の外での戦闘に、こいつらが参加してなかった?
「こいつら、街を見捨てて逃げたな。しかも、街を守るために指揮する騎士たちが、現場を放棄して領主たちと逃げてるとか……領主を守るのが最優先とか言って、責任回避とかするんだろうな。まぁ、住人を見捨てて逃げたのは変わらないから、王国でも死刑になるんじゃないか?」
「おそらくそれがわかっているからか、金目の物をかなり持ち出しているわよ。人数に対して馬車の数が多いから、金目の物を賄賂とかに使ってどこかに逃げるんじゃない?」
積み荷を詳しく調べてみると、お金や財宝などが馬車に詰め込まれているので、綾乃の推測があっていそうだな。賄賂なのか、逃亡先で生活資金にするかはわからないが、民を見捨てて逃げたこいつらに、先はないだろうな。
勇者の仲間たちが、領主たちの逃げた側の街中で何やら動いていたので、壁の上から見える位置まで移動してみると、馬を準備していて追撃をしようとしているのがわかる。
夜の追撃は危険だというのに、躊躇なく追撃するのは、準備している馬が魔物で夜目がきくし、勇者の仲間たちはこの世界にないナイトビジョンを身に着けているのがわかった。
「2人とも隠れろ。あいつら、ナイトビジョンを使ってる。スキルや魔法で夜目がきくようにできないから、科学の力を使ってる。ほぼ100パーセント手を組んでいることがわかってたけど、これで完璧に勇者とダンジョンマスターが繋がっていることが判明したな」
「面倒でござるね。数を揃えられないでござろうが、必要経費としてナイトビジョンを召喚できるだけの余裕があるってことでござるからな」
「装備だけで強さが決まるわけじゃないからそこはどうでもいいけど、余裕があるってところが面倒なところだな。いざとなれば疑似反乱のようなことをして、魔物をけしかけることが出来るってことだよな。俺たちが手出しをできない状況で一番困る、数の暴力はやめてほしいんだよな……」
街に被害が出るなら俺も動くことはできるが、兵士たちの被害が増えるだけなら、俺は動くことが出来ない。そういう約束をレイリーとしているからな。万が一にも救援を求められれば話は変わるだろうが、レイリーの様子から考えると、それは限りなく低い可能性だな。
安価なゴブリンでも数万数十万と召喚できれば、いくらレベル差があったとしても、いずれ飲み込まれてしまうだろう。俺だって1人で戦えば……
「なぁ、バザール。お前ってさ、100万匹のゴブリンに囲まれても生き延びれるか?」
「無限に湧き出るゴブリンに嫌気がさすと思うでござるが、キングでもいない限りは負けることはないでござるな」
肉体があるのとないのでは、かなり違うみたいだな。俺なら100万匹に囲まれれば、おそらくギリギリの戦いになると思う。アイテムの使用が無制限ならどうとでもなるが、制限があったら必ず限界が訪れるからな。俺がグロッキーの時に武器でたたきつけられれば、さすがにダメージが入るし負ける可能性はある。
100万匹じゃ少ないかもしれないけど、今はそういうことが言いたいわけじゃない。
生身がある俺には限界が存在するということだ。兵士たちも生身なので限界が存在し、大群に囲まれればどうにもならないということだ。
だけど、骨の存在であるバザールの場合は、規格外の魔物ということで、骨自体の強度がかなり高いせいで、上位種が混ざっていても問題ないようだ。いわゆる、基礎的な防御力のようなものが、俺よりバザールのほうが高いということだ。
その反面、属性の相性次第では、簡単にダメージを折ってしまうのがアンデッドだろう。
そう考えると、ゴーレムとかリビングアーマーって、タフではあるけど防御力は高くない可能性が高いな。素材のおかげでヒットポイントが高いのだろう。
「大量に召喚されたところで、壁をはさんでの戦闘であれば、そこまで被害は出ないでしょ。シュウは少し考えすぎなんじゃない?」
そっか、平原で正面からぶつからないのであれば、被害はそこまで大きくならないか。
レベル100以上あれば、ただの投擲でもオークを殺すことが出来ることを考えれば、被害は小さいか。
レイリーのことだから、危険がある追撃はさせないだろうし、不利な場所でわざわざ戦うようなことはしないよな。だから、城門のある壁で戦うわけだし、打って出る時は有利な状況を作ってからだよな。
勇者たちの仲間なら壁を上ってくることもできるだろうけど、そうなればレイリーも対応方法を変えるだろうから、大きな被害は出ないと思いたい。
少数精鋭で乗り込んできても、ツーマンセル以上で遅滞戦闘をしていれば、レイリーや副官たちが何とかできるか……不安はいろいろあるが、レイリーに任せた部分は考えないようにしよう。
「あ~、領主一行が捕まったな。逃げた騎士じゃ足止めにもならなかったか。お金や財宝の回収は、DPに還元するためかな? そうでなければ、わざわざ追う価値もない奴らだからな」
「そうでござるな。いったん帰って、また出撃する感じでござるか? 住人を連れての移動であれば、3~4日は余裕が出来そうでござるな」
余裕ができたとはいっても、あの移動速度なので、油断はできないよな。
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