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第2408話 まさかの事態
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一応、この死刑囚たちって何をしたんだろうか?
気になったので、連れてきた暗部の鬼人に聞いてみた。
少々お待ちください、と言ってタブレットを操作し始めた。全く無知だったこの世界の住人たちでも、時間をかければ色々吸収するんだな。
しばらくして、
「わかりました。右から、強盗殺人・強姦殺人・複数殺人みたいですね。全員が王国からお金で買った死刑囚ですね。王国や帝国では殺人を犯した者は、死刑になることが多いそうですね。2人目の死刑囚ですが、シュウ様の管理下では無い街での犯罪でしたので、実験に利用するように買った死刑囚ですね」
いくらくらいで買ったんだろうな?
「王国も帝国も、毎回公開処刑にするのも大変ですし、それなりにお金がかかるので、死刑囚を引き取ってくれるならありがたいという感じですね。ですが、後で色々言われないように、金でのやり取りをしていると聞いています」
なるほどね。死刑囚とはいえ、ただ引き取るだけだと、後でいちゃもんをつけてくる可能性があるから、金を払って奴隷を買い取るような感じにしているってことらしい。
国王とか皇帝がそんな愚かなことをしてくるとは思わないが、俺たちの実力を知らない貴族たちが騒ぐ可能性があるので、面倒ごとを回避するための措置だとのこと。
これ以上無駄に領地を広げたくないし、グリエルの取っている行動は正しいな。
よく小説では戦争をして領土を広げている描写があるが、戦争で得た領土って統治するのが大変なはずなんだよな。皆殺しにするとか、全員を奴隷にするとか、過激な方法をとらない限りは、そこに住んでいる人たちを受け入れる形をとる必要がある。
占領された町は、戦争によってイメージが悪くなっている敵国に取り込まれる形になるので、反感が強かったり家族や親類、知り合いを殺されており、統治するのに苦労するんだよな。
それ以外にも、統治する人間の準備もしないと面倒なことになる。そこの領主をそのまま使うわけにはいかないし、反乱などの危険性を減らすために、街の上層部の人間は処刑されることが多いって話だ。その代わりも準備する必要があるから、色々と面倒なんだよ。
統治には、お金もかかることが多い。街に残されている金が少なく、取る税金もほとんどなかったりするため、全部自分たちで出すことになる場合も多いみたいだ。それだけ腐った奴らが多いってことでもあるんだけどな。
その購入した死刑囚の値段は……一律、金貨10枚だそうだ。犯罪奴隷としてはかなりの高額だ。レベルを考えれば、妥当な線かもしれないな。レベル100くらいだし、使い勝手はいいから安い可能性もあるか? 鉱山なんかで働かせれば、活躍しそうだけどな。
「あまりレベルが高い奴隷は扱いにくいそうで、監督する側に同等以上のレベルの者がいない場合は、管理が面倒なので処刑になることが多いみたいです。それを高値でディストピアで買っているので、助かっている部分も多いそうですね」
あ~いくら奴隷にしていても、管理が面倒ってことか。
「あと上層部の判断で、こちら側の犯罪者と死刑囚の交換もあるそうですね」
ん? こっちでの犯罪者が死刑囚のような扱いを受けるってことか?
「向こうから見ると、ちょうどいいレベルの扱いやすい犯罪者が多いので、交換している形です。殺人とかではないのですが、重い犯罪を犯しているので、刑期の長い犯罪者を他国に渡しているので、シュウ様の懸念しているようなことはないです」
あ~、冒険者による軽度な犯罪、いざこざが多いと聞いているが、そういうやつらを交換に出しているのではなく、もっと重い犯罪を犯しているやつらを交換に出しているそうだ。
扱いやすい犯罪奴隷は、待遇がいいらしく便利に危険なところでの作業に当たらせているそうだ。レベル50もあれば頭から地面に落ちない限り、10メートルくらいなら平気なので、高所作業とかをやらせやすかったりするようだ。
ほかにも便利に使えるから、かなり喜ばれているんだとか。
重い犯罪者が交換の対象になっているのなら、俺は特に言うことはないな。グリエルとガリアの判断だから、俺が口をはさむことでもないな。
実験結果から、今回使うことに問題はなさそうだと判断できる。
「問題は、敵側の勇者やダンジョンマスターが対策をしていた場合だよな……」
何かしらの対策がされていた場合は、ドームの中でかなり不利な戦闘を強いられることになるので、悩みどころではある。瞬時に対策をできるほど温い罠ではないが、元々対策をされているとほとんど無意味になってしまう方法なので、しっかりと対応を考える必要があるんだよな。
「シュウ、実力がなくても1人で相手をさせるわけじゃないんでしょ? 時間稼ぎができるメンバーで組ませておくんだから、対策を取られていた場合を考えても仕方がないわよ。暗部の話では、ダンジョンマスターの方は外に出てこないだろうから、勇者に気を付けておけばいいと思うわよ」
いつの間にか来ていた綾乃が、俺の思考を読んで答えてきた。近くにはバザールもいるので、一緒に暇つぶしにでも来たんだろうな。それより、準備は終わったのか?
「必要数の人造ゴーレムは準備しているわよ。もともとパーツは暇なときに作ってたから、つなげるだけで問題なかったわ」
やることをやって戻ってきた感じか。
「この世界でこんな方法をとる人間なんていないでござるから、無理に色々する必要はないと思うでござる」
骨の体の持ち主には、聞かない攻撃方法だからって気にしなさすぎだろ。
「実際に、シュウ殿も気にして戦っていることなんてないでござるよな? 相手も同じでござろうから、隊長たちには無理せずに戦わせるといいと思うでござる」
基本は無理させなければいいだけか。一度見つければ、マップ先生でマークすることは可能だから、しっかりと発見報告を上げるようにしておくべきだな。
中隊長以上は、魔道具の壁を壊せるようになってもらわないと……
そう考えていると、
「シュウ様、どうやら勇者たちが動き出したようです。ここまでは距離がありますが、防衛体勢に入ったほうがよろしいかと思います」
まさか、こっちの準備が整う前に動いてくるとは……事前に準備ができていたのかもしれないな。
気になったので、連れてきた暗部の鬼人に聞いてみた。
少々お待ちください、と言ってタブレットを操作し始めた。全く無知だったこの世界の住人たちでも、時間をかければ色々吸収するんだな。
しばらくして、
「わかりました。右から、強盗殺人・強姦殺人・複数殺人みたいですね。全員が王国からお金で買った死刑囚ですね。王国や帝国では殺人を犯した者は、死刑になることが多いそうですね。2人目の死刑囚ですが、シュウ様の管理下では無い街での犯罪でしたので、実験に利用するように買った死刑囚ですね」
いくらくらいで買ったんだろうな?
「王国も帝国も、毎回公開処刑にするのも大変ですし、それなりにお金がかかるので、死刑囚を引き取ってくれるならありがたいという感じですね。ですが、後で色々言われないように、金でのやり取りをしていると聞いています」
なるほどね。死刑囚とはいえ、ただ引き取るだけだと、後でいちゃもんをつけてくる可能性があるから、金を払って奴隷を買い取るような感じにしているってことらしい。
国王とか皇帝がそんな愚かなことをしてくるとは思わないが、俺たちの実力を知らない貴族たちが騒ぐ可能性があるので、面倒ごとを回避するための措置だとのこと。
これ以上無駄に領地を広げたくないし、グリエルの取っている行動は正しいな。
よく小説では戦争をして領土を広げている描写があるが、戦争で得た領土って統治するのが大変なはずなんだよな。皆殺しにするとか、全員を奴隷にするとか、過激な方法をとらない限りは、そこに住んでいる人たちを受け入れる形をとる必要がある。
占領された町は、戦争によってイメージが悪くなっている敵国に取り込まれる形になるので、反感が強かったり家族や親類、知り合いを殺されており、統治するのに苦労するんだよな。
それ以外にも、統治する人間の準備もしないと面倒なことになる。そこの領主をそのまま使うわけにはいかないし、反乱などの危険性を減らすために、街の上層部の人間は処刑されることが多いって話だ。その代わりも準備する必要があるから、色々と面倒なんだよ。
統治には、お金もかかることが多い。街に残されている金が少なく、取る税金もほとんどなかったりするため、全部自分たちで出すことになる場合も多いみたいだ。それだけ腐った奴らが多いってことでもあるんだけどな。
その購入した死刑囚の値段は……一律、金貨10枚だそうだ。犯罪奴隷としてはかなりの高額だ。レベルを考えれば、妥当な線かもしれないな。レベル100くらいだし、使い勝手はいいから安い可能性もあるか? 鉱山なんかで働かせれば、活躍しそうだけどな。
「あまりレベルが高い奴隷は扱いにくいそうで、監督する側に同等以上のレベルの者がいない場合は、管理が面倒なので処刑になることが多いみたいです。それを高値でディストピアで買っているので、助かっている部分も多いそうですね」
あ~いくら奴隷にしていても、管理が面倒ってことか。
「あと上層部の判断で、こちら側の犯罪者と死刑囚の交換もあるそうですね」
ん? こっちでの犯罪者が死刑囚のような扱いを受けるってことか?
「向こうから見ると、ちょうどいいレベルの扱いやすい犯罪者が多いので、交換している形です。殺人とかではないのですが、重い犯罪を犯しているので、刑期の長い犯罪者を他国に渡しているので、シュウ様の懸念しているようなことはないです」
あ~、冒険者による軽度な犯罪、いざこざが多いと聞いているが、そういうやつらを交換に出しているのではなく、もっと重い犯罪を犯しているやつらを交換に出しているそうだ。
扱いやすい犯罪奴隷は、待遇がいいらしく便利に危険なところでの作業に当たらせているそうだ。レベル50もあれば頭から地面に落ちない限り、10メートルくらいなら平気なので、高所作業とかをやらせやすかったりするようだ。
ほかにも便利に使えるから、かなり喜ばれているんだとか。
重い犯罪者が交換の対象になっているのなら、俺は特に言うことはないな。グリエルとガリアの判断だから、俺が口をはさむことでもないな。
実験結果から、今回使うことに問題はなさそうだと判断できる。
「問題は、敵側の勇者やダンジョンマスターが対策をしていた場合だよな……」
何かしらの対策がされていた場合は、ドームの中でかなり不利な戦闘を強いられることになるので、悩みどころではある。瞬時に対策をできるほど温い罠ではないが、元々対策をされているとほとんど無意味になってしまう方法なので、しっかりと対応を考える必要があるんだよな。
「シュウ、実力がなくても1人で相手をさせるわけじゃないんでしょ? 時間稼ぎができるメンバーで組ませておくんだから、対策を取られていた場合を考えても仕方がないわよ。暗部の話では、ダンジョンマスターの方は外に出てこないだろうから、勇者に気を付けておけばいいと思うわよ」
いつの間にか来ていた綾乃が、俺の思考を読んで答えてきた。近くにはバザールもいるので、一緒に暇つぶしにでも来たんだろうな。それより、準備は終わったのか?
「必要数の人造ゴーレムは準備しているわよ。もともとパーツは暇なときに作ってたから、つなげるだけで問題なかったわ」
やることをやって戻ってきた感じか。
「この世界でこんな方法をとる人間なんていないでござるから、無理に色々する必要はないと思うでござる」
骨の体の持ち主には、聞かない攻撃方法だからって気にしなさすぎだろ。
「実際に、シュウ殿も気にして戦っていることなんてないでござるよな? 相手も同じでござろうから、隊長たちには無理せずに戦わせるといいと思うでござる」
基本は無理させなければいいだけか。一度見つければ、マップ先生でマークすることは可能だから、しっかりと発見報告を上げるようにしておくべきだな。
中隊長以上は、魔道具の壁を壊せるようになってもらわないと……
そう考えていると、
「シュウ様、どうやら勇者たちが動き出したようです。ここまでは距離がありますが、防衛体勢に入ったほうがよろしいかと思います」
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