ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2390話 突然舞い込む問題

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 シンラたちの食べ過ぎによるノックダウンから回復したのは、食事が終わってから3時間後くらいだった。

 食事を食べてグロッキーにはなっていたが、休んで元気がいっぱいになったためか、元気よく遊び始めてしまった。あまり騒ぎすぎると怒られてしまうのだが、どうするかな……

 ミーシャたちが、まだお風呂に入っていないから、お風呂で騒がせた方がいいんじゃないかと、俺に助言をしてくれた。お風呂入れば疲れるし、この元気の良さも多少落ちるだろう。

 走り回りそうな勢いのシンラを捕まえて小脇に抱える。そうすればプラムとシオンもついてくるので、そのままお風呂へ連れて行ってしまおう。ミーシャたちも様子を見ていたので、お風呂に入っていないらしい。

 あっ! どうせなら、新しく作った温泉エリアに連れて行ってやろう。ここでお風呂に入るなら、俺か妻たちと一緒じゃないとダメだということにして、みんなに連絡を入れておこう。スライムたち、ケットシーたち、ミーシャたちはまぁいいとして、シンラたちが入ろうとしたら止めるんだぞ。

 ブラウニーたちから下の子たちの着替えを受け取り、そのままシンラを拉致したままゲートを通る。プラムとシオンもついてきてるな。後ろからミーシャたちも来ているので、はぐれないように様子を見てくれている。

「今日は、いろんな温泉を作ったから、好きなのを選んで入れるぞ。今日は付き添いが俺しかいないから、1つずつしか回れないけど、今日はめいいっぱい付き合うから楽しんでいいぞ」

 シンラたちは良く分かっていないが、ミーシャたちは喜んでいる。姉たちの様子を見てプラムとシオンも喜びだしたが、シンラだけは置いてきぼりをくらっている。まぁ、お風呂にはいれれば問題ないだろうから、服を脱ぎ終わっても少し待っているんだぞ。姉たちはずっと付き添っててくれたんだからな。

 心配していたように、シンラは服を脱ぎ捨てると、さっさとお風呂へ入りに行こうとしてしまうため、俺は上を脱いだところでシンラを抱きかかえる。バタバタと暴れるが、今日のメインはお前じゃなくて、姉たちだから少し大人しくしてなさい。最低でも俺が脱ぐまでまて!

 俺たちより体……いや、髪の毛を洗うのに時間がかかるから、近くの温泉で待機することになるだろうけど、家のお風呂と違うのだから、1人で行っても困るだけだぞ。

「先に体を洗って、近くの温泉で待ってるから、洗い終わったら呼びに来てくれ」

 ミーシャたちにそう言い残して、俺とシンラは温泉エリアに足を踏み入れた。

 広がるいくつもの温泉に、限界突破したかのように騒ぎ出したシンラをなだめ、まずは体を洗う所へ移動する。いつの間にか準備されているシンラ用の洗い椅子……スライムたちが先回りして準備してくれたのかな?

 いつものように髪の毛を洗ってやり、体を洗うための垢すりを渡して自分で洗わせる。その間に俺は髪の毛を洗い、体を洗おうとしたところでシンラが移動を開始しようとしたので、スライムたちに命令して拘束してもらった。

 ブーブー文句を言ってくるが、俺の事を待てと言っているのに、本当にいうことを聞かん奴やな。

 綺麗に体を洗い終えたところで、シンラの拘束を解く。

 おや? 声の数が多いと思ったら、ウルも合流したみたいだな。ミーシャたちだと心配だけど、ウルがいるなら自由行動でもいいかな? でも、初めての場所だから今回は一緒の方がいいか。

 シンラの両脇に手を入れて持ち上げ、ブラーンとした状態で運ぶと、不服そうにブーブー言っている。

 一先ず一番近くの温泉に入り、ミーシャたちが来るのを待とう。温めの温泉なので、シンラも長く入っていても問題ないだろう。女性のお風呂、特に髪の毛や体を洗うのは、時間がかかるからな。お風呂に浸かる時間だけなら俺も長いけど、洗う時間はほどほどだな。

 シンラがスライム浮き輪に乗ってバシャバシャと遊んでいるので、指で水鉄砲を作りシンラにかけてみた。

 怒ってこちらに水をかけようとするが、浮き輪にはまっているため、手がギリギリで温泉につくくらいしか触れずに、俺への攻撃はあまり成功していない。

 あまりイジメると本当に怒って泣き出してしまうので、ほどほどのところでやめて、タオルで顔を拭いてあげる。

 不満は無くならないが、プラムとシオンが来たため、俺を盾にして2人から距離を取っている。

 風呂が好きなシンラも、邪魔されたくないのか知恵を使っている。この2人は姉たちと一緒に入ると、半々の確率でシンラの側にいないから、俺を盾にする必要はないんじゃないか?

 ミーシャたち3人は温泉の案内図を見て、どの温泉に入ろうか考えているようだ。

 入り口に地図を建てているので、それを見ている形だが……遠くに行ったらそれって見えないよな。なら、ぬれても大丈夫なような地図を作ればいいんじゃないか?

 そう思って俺は、ラミネートの様な物に入れられた地図を作って召喚する。タブレットへ情報を送るのではなく現物で用意したのは、子どもたちがお風呂でタブレットを使うのは危ないという判断からだ。

 何でもかんでも便利にすればいいというモノでもないと思っている。俺が言っても説得力はないが、やっぱり多少の不便も楽しめるようになる方がいいと思う。

 最近は、いつでもどこでも買える電子書籍が便利なので、現物の書籍は減ってきている。電子書籍であればスペースも取らないし、インストールされている媒体があればいいので、もち運びにも便利だ。

 でもさ、紙には神の良さがあると俺は思うんだよね。電子書籍が悪いとは言わないけど、紙の書籍を無くすのは個人的には止めてほしいと思っている。

 今の地球の様子を見る限りでは、その内本屋さんが無くなりそうな気がする。紙を媒体とするものが全部無くなるのではないだろうか? 学校の教科書もデータになるのではないだろうか。

 そんなことを考えている間に、ミーシャたちが入る温泉を決めて移動を開始した。ちょっと離れているが、このマイワールド全体が温かく保たれているので、風邪をひく心配はないだろう。

 まさか初めに選んだ温泉が、白濁温泉とはな。白く濁っているのに興味を持ったらしく、入ってみたいというのが子どもたちの感想。これが妻たちだったら、美白効果とか肌にいいとか効能につられて入っていたことだろう。

 俺はシンラと戯れながら娘たちの様子を見ている。他の場所に移動するようなことは無く、1つの温泉をゆっくり楽しんでいるようだな。

 のんびりと温泉に入っていると、慌てた様子のブラウニーが俺を呼びに来た。

 焦り方から、何か問題が起きたのだろう……大きなトラブルは無かったと思うが、何が起きたのやら。
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