2,383 / 2,518
第2383話 下っ端の切実な悩み
しおりを挟む
工房に呼んで評価してもらう訳にはいかなかったので、ひとまず1セット分の馬車3つを繋げたモノを準備して、レイリーたちの元へ運ぶことにした。
呼ぶわけにはいかなかったのは、別の地で任務についている軍人に、組織のトップとはいえ任務を放棄してこっちに来いということは出来ないからだ。それに、俺ならゲートが無条件に使えるから、俺から出向くのが筋ってもんだろう。
「というわけで、試作品として完成した馬車を持ってきたから、習熟訓練とでも言って、2つの評価を暫定的でいいからつけてほしいので、待機や休みじゃない人たちを60人ほど呼んでもらっていいかな?」
「また突然ですね……30分もすれば昼食になるので、訓練組がそろそろ戻ってきますが、汗をかいたりしている状態でも、問題ないですか?」
「気にしないでいいさ。まだ試作品だから拙い所が沢山あるからな。汗をかいた状態で入ると、匂いがこもるのか、みたいなことの実験になっていいかもな」
訓練組が戻ってくるまでに、レイリーに簡単に今回の違いについて説明した。
「席の数で悩んでいるということですか……10人も12人もかなり贅沢な馬車の使い方になりますので、文句は出ませんと思いますが、何を比べればいいのですか?」
「見てわかる通り、10人の方は横を気にせずにゆったりできるけど、12人の方に比べると席の間隔が狭い。12人の方から見れば、10人の方より足を自由にできるスペースが広いけど、横に人がいるのでゆっくりできるかどうかって感じだな」
「今の馬車は、荷物の箱を使ったりして座ったりしますが、椅子と呼べるものはありませんし、基本はみっちり乗るのでどちらでも、天国みたいなものだと思いますね。箱馬車なので、空調が気になるくらいですかね?」
空調に関しては、魔道具を採用してもいいと考えていたのだが、用意する数が厳しい事になるので、10人に1人の割合で氷魔法を使えるように訓練するのはどうかという提案をしている。
「魔法を使える人間が増えれば、戦術の幅が広がるのでありがたいですね。訓練の一部として組み込む形でもよろしいですか?」
ってか、今まで魔法を訓練に取り入れてなかったんだな。覚えるのに時間がかかるし、剣術とかと違って魔法スキルを得られなければ、訓練すらできないからな……それで、相性が悪いと覚えられなかったりするのが魔法なので、そんなことに時間を割くなら剣の訓練の方が有用的だと言われた。
この世界は、種族によって得手不得手は無いのは、昔から分かっていたことだが、実は環境要因で得手不得手が存在することが、最近の研究結果で分かってきている。
この世界の人たちが、種族特性だと思っていたことが、実は環境要因によるものだったということだ。
エルフは、森と生きるので精霊と相性がいい、みたいに思われているが、生活している場所と生活様式がマッチして、精霊を使えるようになるということだ。エルフ以外の種族でも、エルフと同じように生まれた時から同じ生活をしていると、精霊と相性が良くなる。
探してみると、実際に似たような事例がいくつもあったので、たどり着いた結論だったりする。
ドワーフだけは、何故か肉体的な特徴があるため、確定寄りの仮説として俺たちの共通認識になっている。
「とりあえず、希望者全員に訓練をさせてみて、才能が有りそうな人間だけを抽出する方向でいいんじゃないか?」
「強制させないでいいのでござるか?」
「いくら軍とはいえ、内心やりたくないと思っている魔法を無理やりって言う話になるなら、士気や意欲に関わってくるから、やらない方がいいだろう。それでもダンジョンの中で訓練するなら、参加者が半分だったとしても、10人に1人割合は確保できると思うぞ」
綾乃は興味なしと言わんばかりに、副官の2人に中を説明していた。バザールは、軍人なんだから強制すればいいんじゃないか? みたいなことを言っている。
自分の意思で参加した場合と、強制された場合では、取り組み方に差が出ると感じたので、こういった提案をしている。
レイリーも納得したようで、文言を考えて訓練を実施してみることにすると言っていた。
訓練組がやってきたので、そのまま馬車の中へ入ってもらう。一応空気が流れるように窓は作っているが、涼しいかと言われれば微妙な感じだ。
今回レイリーに提案した、氷魔法を使って空間を冷やしてあげると、歓声が上がった。訓練をした後だから、涼しいのが心地よかったのだろう。思わず歓声を上げてしまう気持ちも分かる。
昼食前まで馬車を走らせたりして、試作品を体験してもらった。
評価は、どちらも今までの馬車の何倍も良いものだとの事だ。2つを比べた場合、どちらがいいかと聞かれれば、10人の方が横の事を気にしなくていいので、ゆっくりと休めそうだとの事。
5列で狭いというが、前の座席の下に足を伸ばせるので、そこまで気にならないとのことだ。一番前も足が伸ばせるように、御者の座る下に足を伸ばせるようになっているので、どこに座っても一緒の造りとなっている。
やっぱり、贅沢を言えば横が気になるか。
レイリーの判断とすれば、横3列の縦5列で15席でもいいくらいだ、と言っていた。馬車の数は増えるけど、魔物の馬1匹で3台引けるのなら、3分の2の数で済むので騎兵に流用できると言っていたな。
馬車の中に入ると警戒がどうしても甘くなってしまうので、馬車の上に乗れるのであれば、そこで警戒できるようにしておいてもらえると、嬉しいと体験した軍人さんが言っていたな。
通路の一番後ろに梯子をつけて、天井に扉をつければ屋根に登れる馬車になるからそれでいいかな。
そこらへんは、これからの改良で使い心地を確認しながらだな。
レイリーたちが帰る時に、軍人の1人が周りに聞こえないように、
「馬車の掃除も考えると、複雑なものは大変なので、出来るだけ掃除がしやすいつくりでお願いします」
って言われたよ。そっか、掃除するのは軍人たちだから、あんまりゴチャゴチャしていると掃除が大変か……その点、今の馬車は平面に箱を積んだりして椅子にしていただけで、箱をどかせば掃除が簡単なので手間はそんなになかったのだろう。
だけど、椅子という異物が1つあるだけで、掃除の手間が増えてしまうか……
そこらへんは用検討が必要になりそうだな。戻ってから話し合うか。
呼ぶわけにはいかなかったのは、別の地で任務についている軍人に、組織のトップとはいえ任務を放棄してこっちに来いということは出来ないからだ。それに、俺ならゲートが無条件に使えるから、俺から出向くのが筋ってもんだろう。
「というわけで、試作品として完成した馬車を持ってきたから、習熟訓練とでも言って、2つの評価を暫定的でいいからつけてほしいので、待機や休みじゃない人たちを60人ほど呼んでもらっていいかな?」
「また突然ですね……30分もすれば昼食になるので、訓練組がそろそろ戻ってきますが、汗をかいたりしている状態でも、問題ないですか?」
「気にしないでいいさ。まだ試作品だから拙い所が沢山あるからな。汗をかいた状態で入ると、匂いがこもるのか、みたいなことの実験になっていいかもな」
訓練組が戻ってくるまでに、レイリーに簡単に今回の違いについて説明した。
「席の数で悩んでいるということですか……10人も12人もかなり贅沢な馬車の使い方になりますので、文句は出ませんと思いますが、何を比べればいいのですか?」
「見てわかる通り、10人の方は横を気にせずにゆったりできるけど、12人の方に比べると席の間隔が狭い。12人の方から見れば、10人の方より足を自由にできるスペースが広いけど、横に人がいるのでゆっくりできるかどうかって感じだな」
「今の馬車は、荷物の箱を使ったりして座ったりしますが、椅子と呼べるものはありませんし、基本はみっちり乗るのでどちらでも、天国みたいなものだと思いますね。箱馬車なので、空調が気になるくらいですかね?」
空調に関しては、魔道具を採用してもいいと考えていたのだが、用意する数が厳しい事になるので、10人に1人の割合で氷魔法を使えるように訓練するのはどうかという提案をしている。
「魔法を使える人間が増えれば、戦術の幅が広がるのでありがたいですね。訓練の一部として組み込む形でもよろしいですか?」
ってか、今まで魔法を訓練に取り入れてなかったんだな。覚えるのに時間がかかるし、剣術とかと違って魔法スキルを得られなければ、訓練すらできないからな……それで、相性が悪いと覚えられなかったりするのが魔法なので、そんなことに時間を割くなら剣の訓練の方が有用的だと言われた。
この世界は、種族によって得手不得手は無いのは、昔から分かっていたことだが、実は環境要因で得手不得手が存在することが、最近の研究結果で分かってきている。
この世界の人たちが、種族特性だと思っていたことが、実は環境要因によるものだったということだ。
エルフは、森と生きるので精霊と相性がいい、みたいに思われているが、生活している場所と生活様式がマッチして、精霊を使えるようになるということだ。エルフ以外の種族でも、エルフと同じように生まれた時から同じ生活をしていると、精霊と相性が良くなる。
探してみると、実際に似たような事例がいくつもあったので、たどり着いた結論だったりする。
ドワーフだけは、何故か肉体的な特徴があるため、確定寄りの仮説として俺たちの共通認識になっている。
「とりあえず、希望者全員に訓練をさせてみて、才能が有りそうな人間だけを抽出する方向でいいんじゃないか?」
「強制させないでいいのでござるか?」
「いくら軍とはいえ、内心やりたくないと思っている魔法を無理やりって言う話になるなら、士気や意欲に関わってくるから、やらない方がいいだろう。それでもダンジョンの中で訓練するなら、参加者が半分だったとしても、10人に1人割合は確保できると思うぞ」
綾乃は興味なしと言わんばかりに、副官の2人に中を説明していた。バザールは、軍人なんだから強制すればいいんじゃないか? みたいなことを言っている。
自分の意思で参加した場合と、強制された場合では、取り組み方に差が出ると感じたので、こういった提案をしている。
レイリーも納得したようで、文言を考えて訓練を実施してみることにすると言っていた。
訓練組がやってきたので、そのまま馬車の中へ入ってもらう。一応空気が流れるように窓は作っているが、涼しいかと言われれば微妙な感じだ。
今回レイリーに提案した、氷魔法を使って空間を冷やしてあげると、歓声が上がった。訓練をした後だから、涼しいのが心地よかったのだろう。思わず歓声を上げてしまう気持ちも分かる。
昼食前まで馬車を走らせたりして、試作品を体験してもらった。
評価は、どちらも今までの馬車の何倍も良いものだとの事だ。2つを比べた場合、どちらがいいかと聞かれれば、10人の方が横の事を気にしなくていいので、ゆっくりと休めそうだとの事。
5列で狭いというが、前の座席の下に足を伸ばせるので、そこまで気にならないとのことだ。一番前も足が伸ばせるように、御者の座る下に足を伸ばせるようになっているので、どこに座っても一緒の造りとなっている。
やっぱり、贅沢を言えば横が気になるか。
レイリーの判断とすれば、横3列の縦5列で15席でもいいくらいだ、と言っていた。馬車の数は増えるけど、魔物の馬1匹で3台引けるのなら、3分の2の数で済むので騎兵に流用できると言っていたな。
馬車の中に入ると警戒がどうしても甘くなってしまうので、馬車の上に乗れるのであれば、そこで警戒できるようにしておいてもらえると、嬉しいと体験した軍人さんが言っていたな。
通路の一番後ろに梯子をつけて、天井に扉をつければ屋根に登れる馬車になるからそれでいいかな。
そこらへんは、これからの改良で使い心地を確認しながらだな。
レイリーたちが帰る時に、軍人の1人が周りに聞こえないように、
「馬車の掃除も考えると、複雑なものは大変なので、出来るだけ掃除がしやすいつくりでお願いします」
って言われたよ。そっか、掃除するのは軍人たちだから、あんまりゴチャゴチャしていると掃除が大変か……その点、今の馬車は平面に箱を積んだりして椅子にしていただけで、箱をどかせば掃除が簡単なので手間はそんなになかったのだろう。
だけど、椅子という異物が1つあるだけで、掃除の手間が増えてしまうか……
そこらへんは用検討が必要になりそうだな。戻ってから話し合うか。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる