ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2334話 今日は何する?

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 めいいっぱい露天風呂を楽しみ部屋へ戻ると、すぐに眠りについてしまった。

 深く眠っていたのか、気付いたら朝を迎えており、あまり眠った実感がなかった。

 魔力の枯渇で丸一日は寝ていたのだが、それでも体が寝足りないと言っていたのか、危うく朝食を寝過ごすくらいに寝ていたのには、自分でも驚いている。

 食堂へ行けば、いつものように賑やかなシンラたちがいて、それを嗜めるようにミーシャたちが世話をしていて、それを微笑ましそうに見ている妻たちがいる。

 いつもの光景が食堂にはあった。

 本当にシンラたちは飽きもせずに、毎日毎日同じことをしているな。幼稚園とか保育園に通っている時の子どもたちって、こんな感じだったっけ? それともこの世界ならではなのだろうか? それともシンラたちだけが特別なのだろうか?

 さて、騒がしくも落ち着けるこの食堂の雰囲気は好きだな。家族団らんと言っていいのか分からんが、みんな愛しい家族だからな。

 食事も終わり、1日寝てたからたまっている仕事をしに庁舎へ向かおうとする……が、スタートダッシュは、シンラによって阻止してしまった。

「おとー、きょうはしごとダメ。シルキーたちにおこられるよ」

 おっと、シンラは俺の事を思って止めてくれたようだ。

 って思ってたのに、心配など微塵もしていなかった……

 俺の移動を止めたシンラは、スカーレットにほめられて頭を撫でられていた。そして、口の中に飴を入れてもらい喜んでいた。こいつ……飴のために俺を売ったのか!?

 約束守ったから、飴頂戴って言っていたので、こいつらの間に何かしらの約束事があったのは明らかだな。

 ミーシャたちではなく、シンラを使って足止めをしようと考えたのは、誰の作戦だろうな? 娘たちも効果的だが、シンラは男同士のつながりがあるから、足を止めると思われたか? 確かにシンラは、ミーシャたちと違う意味で可愛いけど、上手く使われたかたちだな。

 っと、何で仕事に行ったら怒られるんだ?

「ご主人様、昨日は倒れて一日寝ていたのですから、今日は大人しくしていてください。運動や仕事はせずにのんびりと過ごすようにと、グリエルさんたちに言われていますので、今日庁舎へ行っても仕事はありませんよ」

 おや? グリエルたちから依頼されたのか。心配性と思うが、この世界では魔力の枯渇は結構危ない事らしいので、このくらいは普通なのかもしれないな。

 予期せず暇になってしまったな。

 綾乃とバザールも今日はすることが無くなったと分かっていたようで、難民街の方に行っているようだ。バザールは視覚共有ができるので、情報収集に役立つけど、綾乃は役に立たんだろ。

 とか思ってすいませんでした!

 情報収集という意味では、バザールより綾乃の方が上だった。

 ドローンを使って高高度から街の様子を監視したり、小型ドローンを街の至る所に配置して音を拾ったり、小動物ゴーレムを屋根裏などに配置して情報を収集したりしているらしい。

 自分1人で情報を処理できないため、レイリーの部下たちを借りて情報を集めているようだな。

 ふむ……何するか?

 子どもたちはいつものように勉強をするらしいが、俺は来るなとシルキーたちに言われているので、大人しくしているしかない。

 体を動かすのはダメらしいので、子どもたちがやっている畑にも行くことは禁止されている。ん~、ゲームや小説を……って気分でもないんだけど、今日はそっちの方がいいのかな?

 することが無く手持ち無沙汰だったため、近くにいたダマを捕獲してお腹をモフモフして、気分を紛らわしていると、スライムたちがだるまさんが転んだをしているのかのごとく、じりじりと這い寄ってきている。

 遊びたいのか?

 でも体を動かす系は全般禁止されているけど、それでも遊べることなのか?

 スライムたちは監視も兼ねているようで、シルキーたちからしっかりと言い含められているようだ。

 そんなスライムたちがもってきた遊びというか、したい事というのが、どこで聞きつけたのか船の露天風呂風に行きたいと言い始めたのだ。いや、喋ってはいないがそうアピールしてくる。

 無駄に頭がいいからなんか腹立つんだよな……都合が悪くなると、言葉が分からないみたいな仕草をするし、本当に面倒だけど使える奴らだからな、相手をしてやらないとな。

 俺は夜にまた浸かるつもりなので、今は足風呂だけで済ませるかな。

 行きたいスライムたちを呼びよせて、船へと移動するが……お前ら何匹来るんだよ。

 冷たいのが好きな奴らも要るっぽいけど、一応温泉風だからお湯だぞ?

 どうもお風呂にはいらない奴らは、船を探検したり、船の浮いている湖の水にダイブするらしい。各々にしっかりとした理由があって船に行くみたいだ。

 でもさ、船の近くにスライムが大量発生して、知らない人がみたら船が飲み込まれていると勘違いしそうだな。

 っと、海の近くで働いている人たちに一応連絡しておかないとな。ディストピアの住人たちは、スライムたちの奇行には慣れているが、念のためにね。

 その連絡に行くのも、俺の手紙を持ったスライムってところが、なんとも言えないな。

 そんなことを済ませて甲板の露天風呂へ行くと……既に露天風呂の中は、スライムたちでみっちみちになっていた。

 相変わらず、すごい光景だよな。もう慣れたけどな。

 スライムたちは自由にしている中で、俺に寄り添ってきたスライムが1匹……おぉ、ニコじゃないか。久々にお前を見た気がするけど、ハクと一緒にどこかに隠れてたんじゃないよな?

 そんなことを考えていると、俺の腕におさまるくらいだったハクが、抱きかかえるのには大きいくなりすぎているな。いつのまにそんなにデカくなったのか?

 初期からいる俺の従魔だが、最近どこにいるか全くわからなかったんだよな。

 元気に何かをしていることは分かっていたので、気にしてはいなかったが久しぶりに見ると、かなり心配していたんだと感じるものがあった。
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