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第2329話 まだまだ知らないことは沢山ある
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武器と一体となって動けているのは、いい気分だったのだが、それを邪魔するように俺に声をかけてきた奴がいた。
そう思い振り返ると、ミドリがニコニコとしているが、決して笑ってはいない事が分かる怖い表情でこちらを見ていた。
ここを担当していたブラウニーたちが、アマレロの後ろにいてどういうことか確認することは出来なそうだ。
「ご主人様、訓練が楽しいのは分かりますが、食事の声掛けをしてくれているブラウニーたちを無視するのは、どういう事でしょうか?」
言われた意味が分からなかった。
俺は無視したつもりはないし、声をかけられた覚えもないのに、アマレロに怒られている。
助けを求めるために、綾乃とバザールを探すが……どこにもいなかった。
導き出される答えは……夢中になりすぎて、ブラウニーたちの声が聞こえていなかったということだろう。
声掛けに反応してくれなかった俺をどうすればいいのか悩んだ末に、シルキーたちに助けを求めて、アマレロがここに来たということだろう。
俺は頭の中で高速ではじき出した結果に……
その場で土下座をして謝ることにした。
「はぁ……私たちは、謝ってほしいわけではないのです。夢中になるのもいいですが、ご主人様が私たちに命令したことを、先に断りもなく破ることを止めてほしいと言っているだけなのです」
俺が命令した事ってなんだ?
俺の考えを読んだのか、
「ご主人様を含めたご家族様方の栄養管理などをさせてもらっています。食事は特に大切だから、食欲がなくても可能な限り食べさせてほしいと、私たちに言いましたよね? 食事がない人ならまだわかりますが、元気に武器を振っているのに、食事をないがしろにするのはどうかと思います」
言われてから思い出したが、そんなお願いをした覚えはある。だけど、命令した覚えはないんだけどな……
ともかく、俺が食事を大切にしてほしいといったのに、大切にしていなかったから怒っているということだ。同じように、ゲームをして時間を忘れてたりすると、怒られたりするんだよな。
すべてはこのお願いが元になってたってことか……何かあるなら先に連絡を入れてほしいというのも、食事をないがしろにしていないというアピールみたいなものかな。
毎回同じ状況になってしまうが、次からは気をつけます、と言って謝るのではなく、いつも感謝している、とお礼を言うことにした。
昼食ということで、準備されていたものは、高タンパク高カロリーな食べ物だった。普通なら低カロリーだと思うのだが、俺の運動量を考えると、どうしても高カロリーな食べ物にしておかないと、途中でガス欠が起こってしまう。
大量にエネルギーを消費するから、俺の行動に合わせて食事を準備してくれたりするんだよね。本当に感謝しかない。
ステータスが高くても、体を動かせば筋肉繊維が傷付き修復するのに栄養を使うので、筋肉にも配慮して高タンパク質の物も出してくれるのもありがたい。
しっかりと食べる事にしたので、午後の訓練は少し遅めに始めることにしよう。
食事をたらふく食べた俺は少しだけストレッチをして、楽な姿勢で少し休憩することにしよう。ブラウニーたちには、30分ほどで起こすようにお願いしてから、ダマが近くにいたので捕獲して胸毛に顔を埋めてからねることにした。
ダマがイヤイヤしていたが、俺の拘束から逃れることは出来なかったので、諦めの表情をしてなされるがままで耐えることになった。
声をかけられて目を覚ますと、45分程過ぎていた。
「様子を見ている限り、眠りが深かったので浅くなるまで待させていただきました。眠りが深いまま起きると、気分的によろしくないかと思いまして」
なるほどね。俺の事を考えての事だったようだ。
ぐったりとしているダマを、駄目になるクッションにのせてやり、俺は体の動きを確かめる。
寝起きということを考えれば、こんなものだろう。
訓練場へ戻ると、俺の事を見捨てて逃げた、綾乃とバザールが人造ゴーレムの準備を始めていた。
恨めしく見ていると、気付いているのにあえて知りませんよ! というスタンスで、俺の事を無視している。
何もなかったかのように、準備が終わったと俺に声をかけてきた。
さて、第2ラウンド、いきますかね。
午前中の事を思い出して、魔力によって肉体を強化していく。
併用して雷魔法を付与すれば、意識を加速させることもできるが、併用すると魔力をドカ食いするからな。使いたくない技である。
まさか、このレベルにもなって、チビ神に強化改造してもらった体で、魔力運用に苦労するとは思わなかったな。
今まで魔力を限界まで使うことなんて、数えるくらいしかないからな。すぐに思い出せると言えば、質量魔法とでも呼ぶメテオを使った時くらいだな。
体を動かすだけではなく、魔力と一緒に運用できるようにならないと、この先人造ゴーレムに勝てないだろう。人造ゴーレムが目標ではないけど、良い実験台になってくれそうだな。
理想は、振り出しや攻撃が当たる瞬間、加速する時などに瞬間的に使って、魔力の消費を抑えながら戦うことだろう。
いきなりそんな器用なことをできる訳もないので、振る前から降り終わるまでくらいで制御できればと思っている。
こういった技術は慣れも必要だけど、何度も何度も使うことで練度をあげていき、感覚を研ぎ澄ませていくことで、次第に息を吸うようにできるようになる……というのが目標だな。
武器を振るう時に魔力を注いで、振り終わりに魔力を抜く。
自分の魔力だから吸収できないか試しながらやったが、一度変異させてしまったものは、どうやっても吸収することは出来なそうだった。使い終わったら放出する形だな。
この魔力が還元されて、大地が吸収しているようだ。
それをまた俺たちが吸収して、サイクルができているのかもな。違う可能性もあるけどな。
込めるのは思ったより簡単というか、いつもやっているからそこまで苦にならないが、魔力を意識的に抜くって言うのは思ったより難しかった。
途中で抜かなくてもいいのでは? と思ったのだが、抜くと抜かないのでは魔力の消費が全然違ったのだ。
魔力を抜かないと、ずっと魔力を吸い続けるため、こまめにオンオフをしないと、魔力の節約ができないようだ。
原理は分からないが、今までは戦う時に使ってた場合は、常に強化し続けていたから気付かなかった事実だった。
そう思い振り返ると、ミドリがニコニコとしているが、決して笑ってはいない事が分かる怖い表情でこちらを見ていた。
ここを担当していたブラウニーたちが、アマレロの後ろにいてどういうことか確認することは出来なそうだ。
「ご主人様、訓練が楽しいのは分かりますが、食事の声掛けをしてくれているブラウニーたちを無視するのは、どういう事でしょうか?」
言われた意味が分からなかった。
俺は無視したつもりはないし、声をかけられた覚えもないのに、アマレロに怒られている。
助けを求めるために、綾乃とバザールを探すが……どこにもいなかった。
導き出される答えは……夢中になりすぎて、ブラウニーたちの声が聞こえていなかったということだろう。
声掛けに反応してくれなかった俺をどうすればいいのか悩んだ末に、シルキーたちに助けを求めて、アマレロがここに来たということだろう。
俺は頭の中で高速ではじき出した結果に……
その場で土下座をして謝ることにした。
「はぁ……私たちは、謝ってほしいわけではないのです。夢中になるのもいいですが、ご主人様が私たちに命令したことを、先に断りもなく破ることを止めてほしいと言っているだけなのです」
俺が命令した事ってなんだ?
俺の考えを読んだのか、
「ご主人様を含めたご家族様方の栄養管理などをさせてもらっています。食事は特に大切だから、食欲がなくても可能な限り食べさせてほしいと、私たちに言いましたよね? 食事がない人ならまだわかりますが、元気に武器を振っているのに、食事をないがしろにするのはどうかと思います」
言われてから思い出したが、そんなお願いをした覚えはある。だけど、命令した覚えはないんだけどな……
ともかく、俺が食事を大切にしてほしいといったのに、大切にしていなかったから怒っているということだ。同じように、ゲームをして時間を忘れてたりすると、怒られたりするんだよな。
すべてはこのお願いが元になってたってことか……何かあるなら先に連絡を入れてほしいというのも、食事をないがしろにしていないというアピールみたいなものかな。
毎回同じ状況になってしまうが、次からは気をつけます、と言って謝るのではなく、いつも感謝している、とお礼を言うことにした。
昼食ということで、準備されていたものは、高タンパク高カロリーな食べ物だった。普通なら低カロリーだと思うのだが、俺の運動量を考えると、どうしても高カロリーな食べ物にしておかないと、途中でガス欠が起こってしまう。
大量にエネルギーを消費するから、俺の行動に合わせて食事を準備してくれたりするんだよね。本当に感謝しかない。
ステータスが高くても、体を動かせば筋肉繊維が傷付き修復するのに栄養を使うので、筋肉にも配慮して高タンパク質の物も出してくれるのもありがたい。
しっかりと食べる事にしたので、午後の訓練は少し遅めに始めることにしよう。
食事をたらふく食べた俺は少しだけストレッチをして、楽な姿勢で少し休憩することにしよう。ブラウニーたちには、30分ほどで起こすようにお願いしてから、ダマが近くにいたので捕獲して胸毛に顔を埋めてからねることにした。
ダマがイヤイヤしていたが、俺の拘束から逃れることは出来なかったので、諦めの表情をしてなされるがままで耐えることになった。
声をかけられて目を覚ますと、45分程過ぎていた。
「様子を見ている限り、眠りが深かったので浅くなるまで待させていただきました。眠りが深いまま起きると、気分的によろしくないかと思いまして」
なるほどね。俺の事を考えての事だったようだ。
ぐったりとしているダマを、駄目になるクッションにのせてやり、俺は体の動きを確かめる。
寝起きということを考えれば、こんなものだろう。
訓練場へ戻ると、俺の事を見捨てて逃げた、綾乃とバザールが人造ゴーレムの準備を始めていた。
恨めしく見ていると、気付いているのにあえて知りませんよ! というスタンスで、俺の事を無視している。
何もなかったかのように、準備が終わったと俺に声をかけてきた。
さて、第2ラウンド、いきますかね。
午前中の事を思い出して、魔力によって肉体を強化していく。
併用して雷魔法を付与すれば、意識を加速させることもできるが、併用すると魔力をドカ食いするからな。使いたくない技である。
まさか、このレベルにもなって、チビ神に強化改造してもらった体で、魔力運用に苦労するとは思わなかったな。
今まで魔力を限界まで使うことなんて、数えるくらいしかないからな。すぐに思い出せると言えば、質量魔法とでも呼ぶメテオを使った時くらいだな。
体を動かすだけではなく、魔力と一緒に運用できるようにならないと、この先人造ゴーレムに勝てないだろう。人造ゴーレムが目標ではないけど、良い実験台になってくれそうだな。
理想は、振り出しや攻撃が当たる瞬間、加速する時などに瞬間的に使って、魔力の消費を抑えながら戦うことだろう。
いきなりそんな器用なことをできる訳もないので、振る前から降り終わるまでくらいで制御できればと思っている。
こういった技術は慣れも必要だけど、何度も何度も使うことで練度をあげていき、感覚を研ぎ澄ませていくことで、次第に息を吸うようにできるようになる……というのが目標だな。
武器を振るう時に魔力を注いで、振り終わりに魔力を抜く。
自分の魔力だから吸収できないか試しながらやったが、一度変異させてしまったものは、どうやっても吸収することは出来なそうだった。使い終わったら放出する形だな。
この魔力が還元されて、大地が吸収しているようだ。
それをまた俺たちが吸収して、サイクルができているのかもな。違う可能性もあるけどな。
込めるのは思ったより簡単というか、いつもやっているからそこまで苦にならないが、魔力を意識的に抜くって言うのは思ったより難しかった。
途中で抜かなくてもいいのでは? と思ったのだが、抜くと抜かないのでは魔力の消費が全然違ったのだ。
魔力を抜かないと、ずっと魔力を吸い続けるため、こまめにオンオフをしないと、魔力の節約ができないようだ。
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