2,326 / 2,518
第2326話 進化していた人造ゴーレム
しおりを挟む
「なぁ、綾乃。こいつになんか、変な仕掛け梳かしてないか? さっきは苦労はしたけど動かせたのに、今は全く動かないんだけど……地面に張り付いているみたいな感じなんだが」
「さすがに地面に張り付いているってことは無いと思うけど、何が起きているのか分からないわね。自分で考えることは出来るけど、それを言葉として表現する方法がないのよね。言葉は理解できるのに、自分の考えていることを言葉に出せないのよ」
「だから、それはでござるな。見て聞いて学ぶことは出来ても、自分で考えているわけではないから、言葉にできないんでござるよ。人造ゴーレムは、トップダウン型のAIであって、ボトムアップ型のAIではないんでござる。考えているように見えているのは、綾乃殿が作ったゴーレムの脳が見せている幻でござるよ」
なるほどな。俺の質問には答えられないんだな。とはいえ、トップダウン型であるなら、色々確認していけばその原理が分かるかもしれないな。
人造ゴーレムへの命令権のプライオリティーは、綾乃が最上位なので命令してもらい、俺の言うことにはいいいえで答えるようにしてもらった。
とにかく色々質問していこう。
俺が転ばそうとしたときに動かなかったのは、何か特殊な技法をつかっているのか? ⇒ いいえ
でも動かないのは、普通に立っている時とは違うことをしているよな? ⇒ はい
動かないのは特殊な技法ではなく、自分の体を動かしているだけか? ⇒ いいえ
技法以外のナニカを使って、自分の体を動かなくしている? ⇒ はい
「ナニカをしていることが判明したが、何をしているかが分からないな」
「そうね。言葉にできれば、簡単に分かった事なんだけど、無い物ねだりは出来ないわね」
「そのナニカを目の前でしてもらうことは、出来ないでござるか?」
「「それだ!」」
話せなくても、目の前で再現させることは出来るので、目の前でそのナニカを行ってもらうことにしたのだ。
人造ゴーレムが防御をする構えをするが、何かが変わった様子は無い……本当にこいつは何をしているんだ?
今、俺が攻撃をした時にしていた、何かをしているんだよな? ⇒ はい
「あれでござる……何か魔力を感じないでござるか?」
「私に聞いても、分からないわよ! シュウはどうなの?」
「人造ゴーレムたちは魔力で動いているから、魔力を感じるのは当たり前だと思うけど、何か変なのか?」
「そうではないでござる。体を使っている時の魔力とは別で、違う魔力が動いている気がするでござる」
バザールが良く分からないことを言ってきた。
体を動かす魔力以外を感じる?
一応確認するために、近付いて体の隅々まで観察してみる。
そうすると、バザールの言った通り、体を動かしている魔力とは違う何かを感じ取れた。
「なんだこれ?」
思わず口に出てしまった。
体を動かす魔力の中に、さらに違い魔力があるので、感知し難かったようだ。
魔法を使って重たくしているのか? ⇒ はい
その魔法は、属性魔法か? ⇒ はい
その属性は、火・水・風・土のうちどれかか? ⇒ はい
火か水か? ⇒ いいえ
風か? ⇒ いいえ
土か? ⇒ はい
「土魔法を使っているみたいだな。土魔法を体の中に流しても、付与だったら体を強化するだけで、重くなるわけじゃなかったはずなんだが……」
「あれ? 人造ゴーレムだから、魔法使えないんじゃないっけ?」
「むむむ? そういえば、人造ゴーレムは魔法を使えなかったでござるな。では、この体の中を走っている魔力は何でござるかね?」
走っている魔力も気になるが、魔核で魔力は生み出せるので、魔法を使おうと思えば使える。俺たち人間は、魔法系のスキルで難なく使えるようになる(スキルを覚えるのに難があるが)が、人造ゴーレムはスキルがないので、魔法が使えないのだ。
いや、使えないと思っていたのだ。
目の前に魔法を使っているやつがいる……
「ってかさ、よくよく考えれば、普通のゴーレムの中でも魔法を使う奴っていたよな。そう考えれば、人造ゴーレムも使えないことは無いよな……」
「確かにそうでござるが、魔法は使えないと結論を出した覚えがあるでござる」
「私には良く分からないけど、魔法を使っているのなら、あの結論は間違っているってことでしょ。どういう風に使っているか分からないけど、使っているやつがここにいるんだからさ」
俺たちが出した結論は、目の前に実例がいるのだから、意味がなかったことは分かっている。
「それより、土魔法をどうやって使ったら動かなくなるんだ?」
ダンジョンの床の石や土と自分の体を、魔法で固定しているならまだわかるけど……そんな魔法の使い方じゃない気がするんだよな。
体の中に魔力がはしっていて、外に出るわけじゃないんだよな。体の中をぐるぐると回っている感じがして、何故か体が動かなくなるんだよな。
これ以上は、どうやって質問していいのか分からないので、その内判明するだろう。
その後も何度も模擬戦を重ねてみるが、やはりピクリとも動かせず、ムキになれば受け流されて首に棒を添えられて終わってしまった……
あれ? もしかして、俺ってこいつらに勝てなくなったのか?
「さすがに地面に張り付いているってことは無いと思うけど、何が起きているのか分からないわね。自分で考えることは出来るけど、それを言葉として表現する方法がないのよね。言葉は理解できるのに、自分の考えていることを言葉に出せないのよ」
「だから、それはでござるな。見て聞いて学ぶことは出来ても、自分で考えているわけではないから、言葉にできないんでござるよ。人造ゴーレムは、トップダウン型のAIであって、ボトムアップ型のAIではないんでござる。考えているように見えているのは、綾乃殿が作ったゴーレムの脳が見せている幻でござるよ」
なるほどな。俺の質問には答えられないんだな。とはいえ、トップダウン型であるなら、色々確認していけばその原理が分かるかもしれないな。
人造ゴーレムへの命令権のプライオリティーは、綾乃が最上位なので命令してもらい、俺の言うことにはいいいえで答えるようにしてもらった。
とにかく色々質問していこう。
俺が転ばそうとしたときに動かなかったのは、何か特殊な技法をつかっているのか? ⇒ いいえ
でも動かないのは、普通に立っている時とは違うことをしているよな? ⇒ はい
動かないのは特殊な技法ではなく、自分の体を動かしているだけか? ⇒ いいえ
技法以外のナニカを使って、自分の体を動かなくしている? ⇒ はい
「ナニカをしていることが判明したが、何をしているかが分からないな」
「そうね。言葉にできれば、簡単に分かった事なんだけど、無い物ねだりは出来ないわね」
「そのナニカを目の前でしてもらうことは、出来ないでござるか?」
「「それだ!」」
話せなくても、目の前で再現させることは出来るので、目の前でそのナニカを行ってもらうことにしたのだ。
人造ゴーレムが防御をする構えをするが、何かが変わった様子は無い……本当にこいつは何をしているんだ?
今、俺が攻撃をした時にしていた、何かをしているんだよな? ⇒ はい
「あれでござる……何か魔力を感じないでござるか?」
「私に聞いても、分からないわよ! シュウはどうなの?」
「人造ゴーレムたちは魔力で動いているから、魔力を感じるのは当たり前だと思うけど、何か変なのか?」
「そうではないでござる。体を使っている時の魔力とは別で、違う魔力が動いている気がするでござる」
バザールが良く分からないことを言ってきた。
体を動かす魔力以外を感じる?
一応確認するために、近付いて体の隅々まで観察してみる。
そうすると、バザールの言った通り、体を動かしている魔力とは違う何かを感じ取れた。
「なんだこれ?」
思わず口に出てしまった。
体を動かす魔力の中に、さらに違い魔力があるので、感知し難かったようだ。
魔法を使って重たくしているのか? ⇒ はい
その魔法は、属性魔法か? ⇒ はい
その属性は、火・水・風・土のうちどれかか? ⇒ はい
火か水か? ⇒ いいえ
風か? ⇒ いいえ
土か? ⇒ はい
「土魔法を使っているみたいだな。土魔法を体の中に流しても、付与だったら体を強化するだけで、重くなるわけじゃなかったはずなんだが……」
「あれ? 人造ゴーレムだから、魔法使えないんじゃないっけ?」
「むむむ? そういえば、人造ゴーレムは魔法を使えなかったでござるな。では、この体の中を走っている魔力は何でござるかね?」
走っている魔力も気になるが、魔核で魔力は生み出せるので、魔法を使おうと思えば使える。俺たち人間は、魔法系のスキルで難なく使えるようになる(スキルを覚えるのに難があるが)が、人造ゴーレムはスキルがないので、魔法が使えないのだ。
いや、使えないと思っていたのだ。
目の前に魔法を使っているやつがいる……
「ってかさ、よくよく考えれば、普通のゴーレムの中でも魔法を使う奴っていたよな。そう考えれば、人造ゴーレムも使えないことは無いよな……」
「確かにそうでござるが、魔法は使えないと結論を出した覚えがあるでござる」
「私には良く分からないけど、魔法を使っているのなら、あの結論は間違っているってことでしょ。どういう風に使っているか分からないけど、使っているやつがここにいるんだからさ」
俺たちが出した結論は、目の前に実例がいるのだから、意味がなかったことは分かっている。
「それより、土魔法をどうやって使ったら動かなくなるんだ?」
ダンジョンの床の石や土と自分の体を、魔法で固定しているならまだわかるけど……そんな魔法の使い方じゃない気がするんだよな。
体の中に魔力がはしっていて、外に出るわけじゃないんだよな。体の中をぐるぐると回っている感じがして、何故か体が動かなくなるんだよな。
これ以上は、どうやって質問していいのか分からないので、その内判明するだろう。
その後も何度も模擬戦を重ねてみるが、やはりピクリとも動かせず、ムキになれば受け流されて首に棒を添えられて終わってしまった……
あれ? もしかして、俺ってこいつらに勝てなくなったのか?
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる