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第2325話 人造ゴーレムの謎
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「人間として考えたら……攻撃を受ける時に完全に硬直するのは、不自然だと思う。俺たち人間はどんなに頑張っても、何かを受け止めようとすれば少しは体が動くけど、このゴーレムたちにはそれが全くないね。それに人間であれば硬直して受けずに、威力を吸収するように動くな。
だけど、その受け方のおかげといっていいのか、俺の手が痺れてしまっているけどな。例えるなら、全力でコンクリートを打ち付けた時のような痺れがあるな。てかさ、いくら重いからと言って、ここまで動かないようにできるものなのか?」
「それなんだけど……人造ゴーレムたちがどんな技術を覚えたかは、私には分からないのよね。その完全硬直? とでも呼べばいいのかな、それをどうやってるか迄はわからないのよね。受ける時に吸収するようにした方がいいなら、そう動くように命令するけど、どうする?」
完全硬直は、それはそれで価値はあるのだが、練習相手として考えると……どうなんだろうな。動かそうと全力で叩いているのが受けずに逸らされたら、それはそれでかなり嫌な戦法ではあるな。
「いや、そのまま完全硬直で受けるようにしてもらいたい。ただ付け加えると、回数はランダムで受け流すこともしてもらえると助かる」
「ん? たまに受け流すでいいの?」
「訓練の一部で考えるとさ、完全硬直のように守りの硬い敵を倒す時に、急に受け流されたりしたら危ないだろ? 全力で攻撃するときに全身で武器を振るうけど、それを受け流されると大きな隙になるから、それを回避するための訓練にもなるかと思ってな」
「そうなのね。じゃぁ、判断は任せる方向でいいのよね? 一応命令してみるけど、この子たちにとっては初めての事だから、上手くいくか分からないけどそれでもいいわよね?」
「失敗してもしなくても、訓練の一部だと思えばそれはそれでありだと思う。もし支障が出るなら、その都度言うからそれでいいんじゃないかな」
綾乃は訓練には興味がないが、自分で作った人造ゴーレムたちが強くなっていることに興味がある感じだな。受ける技術は、あいつにとって興味のある物ではないようだ。
体の損傷を気にしなくてもいいのなら、こいつらは受ける必要がないからな。攻撃は最大の防御なり! って言葉を体現したような存在だからな。
手の痺れも治まったので、模擬戦を再開する。
再びギアをトップへと入れる。
そこからは、考えるより早く体が動いている。実際には考えているのだが、今までもイメージしている通りに体を動かしているので、考えているというよりはイメージを実現している方が表現的には正しいと思う。
体は、イメージを実現するために動きながら、可能な限り重たい攻撃をするように選択している。
やっぱり指示が不完全なのか、人造ゴーレムたちが俺の攻撃を受け流すことがないな。2分程攻撃を続けても、受け流す動作が見られなかった。そもそも知識に無い可能性もあるのかな?
攻撃の回転数を上げていく。
手が痺れないようにインパクトの瞬間だけ手の力を抜いて、受け止められた際の衝撃を回避して、再び力を入れなおして押し込むように攻撃をしている。
痺れは少なくなったが、人造ゴーレムの体制を崩すまでには至っていない。
次第に俺もムキになってしまっていた。
どうにかして、転ばしてやろうと躍起になっているのを自覚しているが、この模擬戦自体が遊びなのでこのくらいはいいだろう。
体の上側に攻撃が集中しても転ばせられないので、足を中心に狙ってみるのもいいかもな。
大薙刀を自分の回転に巻き込み、すくい上げるように攻撃をしてみる。
どういう方法で無効しているのかは分からないが、こいつくらいの体重であれば浮くくらいの力は込めたつもりなんだけどな……
何度も試してみるが、ピクリとも動かない……マジでどうなってるんだ?
もう少し強めに……って、あれ?
思いっきりブッ叩いたつもりが、何かにぶつかることもなく攻撃が宙を切った……
あっ!
攻撃を逸らされたんだな。少したってそのことに気付けた。
受け流された大薙刀の勢いを殺せずに、かなり体が流れてしまった。
なるほど……ここ一番という時に、受け流すのも効果的だな。
全部受け流されるのも面倒だが、ここぞという時に受け流されると、ここまで効果的なんだな……身をもって知ることができたな。
攻撃をしなかったが、耐性が受け流された俺の首に持っていた棒を当てていた。
これは参った。これ以上ないほど完璧に負けたな。
少し息を整えてから、再び相対する。
今度は、少し趣向を変える。
超接近戦で挑ましてもらおう。最近まで柔術をしていたので、それを応用した攻撃をしてもいいかもしれないな。打撃で体を浮かせたり、転ばせようとしても無理だったので、投げに近い方法で攻撃をしてもいいかもしれない。
まずは、大薙刀を振るって超接近戦へ持ち込む。
足を救い上げるように、大薙刀の柄尻を地面に滑らせて、膝のあたりをひっかけて転ばそうと思ったのだが、膝に当たった瞬間に俺の体の動きが止まった……マジか、地面に足が張り付いてるんじゃねえか、これ?
その次の瞬間にまら首に棒を当てられた。
「綾乃、一回ストップ」
模擬戦を止めて、疑問に思ったことを確認するために、人造ゴーレムの動きを完璧に止めてもらった。
俺の力で持ち上げられるのか確認する。
重すぎて持ち上げることは出来なかったが、梃子の原理を使えば少しは人造ゴーレムの体を浮かすことができた。
これで俺がこいつを動かせられないことは無いと証明されたが、武器の重さも乗っているのに、ピクリとも浮かすことができなかったのは何故だろうか?
人造ゴーレムに攻撃を受けとめる時と同じように、体を完全硬直してもらうように指示を出してもらい、改めて転ばすように色々してみるが……動かない。
何だこれ?
だけど、その受け方のおかげといっていいのか、俺の手が痺れてしまっているけどな。例えるなら、全力でコンクリートを打ち付けた時のような痺れがあるな。てかさ、いくら重いからと言って、ここまで動かないようにできるものなのか?」
「それなんだけど……人造ゴーレムたちがどんな技術を覚えたかは、私には分からないのよね。その完全硬直? とでも呼べばいいのかな、それをどうやってるか迄はわからないのよね。受ける時に吸収するようにした方がいいなら、そう動くように命令するけど、どうする?」
完全硬直は、それはそれで価値はあるのだが、練習相手として考えると……どうなんだろうな。動かそうと全力で叩いているのが受けずに逸らされたら、それはそれでかなり嫌な戦法ではあるな。
「いや、そのまま完全硬直で受けるようにしてもらいたい。ただ付け加えると、回数はランダムで受け流すこともしてもらえると助かる」
「ん? たまに受け流すでいいの?」
「訓練の一部で考えるとさ、完全硬直のように守りの硬い敵を倒す時に、急に受け流されたりしたら危ないだろ? 全力で攻撃するときに全身で武器を振るうけど、それを受け流されると大きな隙になるから、それを回避するための訓練にもなるかと思ってな」
「そうなのね。じゃぁ、判断は任せる方向でいいのよね? 一応命令してみるけど、この子たちにとっては初めての事だから、上手くいくか分からないけどそれでもいいわよね?」
「失敗してもしなくても、訓練の一部だと思えばそれはそれでありだと思う。もし支障が出るなら、その都度言うからそれでいいんじゃないかな」
綾乃は訓練には興味がないが、自分で作った人造ゴーレムたちが強くなっていることに興味がある感じだな。受ける技術は、あいつにとって興味のある物ではないようだ。
体の損傷を気にしなくてもいいのなら、こいつらは受ける必要がないからな。攻撃は最大の防御なり! って言葉を体現したような存在だからな。
手の痺れも治まったので、模擬戦を再開する。
再びギアをトップへと入れる。
そこからは、考えるより早く体が動いている。実際には考えているのだが、今までもイメージしている通りに体を動かしているので、考えているというよりはイメージを実現している方が表現的には正しいと思う。
体は、イメージを実現するために動きながら、可能な限り重たい攻撃をするように選択している。
やっぱり指示が不完全なのか、人造ゴーレムたちが俺の攻撃を受け流すことがないな。2分程攻撃を続けても、受け流す動作が見られなかった。そもそも知識に無い可能性もあるのかな?
攻撃の回転数を上げていく。
手が痺れないようにインパクトの瞬間だけ手の力を抜いて、受け止められた際の衝撃を回避して、再び力を入れなおして押し込むように攻撃をしている。
痺れは少なくなったが、人造ゴーレムの体制を崩すまでには至っていない。
次第に俺もムキになってしまっていた。
どうにかして、転ばしてやろうと躍起になっているのを自覚しているが、この模擬戦自体が遊びなのでこのくらいはいいだろう。
体の上側に攻撃が集中しても転ばせられないので、足を中心に狙ってみるのもいいかもな。
大薙刀を自分の回転に巻き込み、すくい上げるように攻撃をしてみる。
どういう方法で無効しているのかは分からないが、こいつくらいの体重であれば浮くくらいの力は込めたつもりなんだけどな……
何度も試してみるが、ピクリとも動かない……マジでどうなってるんだ?
もう少し強めに……って、あれ?
思いっきりブッ叩いたつもりが、何かにぶつかることもなく攻撃が宙を切った……
あっ!
攻撃を逸らされたんだな。少したってそのことに気付けた。
受け流された大薙刀の勢いを殺せずに、かなり体が流れてしまった。
なるほど……ここ一番という時に、受け流すのも効果的だな。
全部受け流されるのも面倒だが、ここぞという時に受け流されると、ここまで効果的なんだな……身をもって知ることができたな。
攻撃をしなかったが、耐性が受け流された俺の首に持っていた棒を当てていた。
これは参った。これ以上ないほど完璧に負けたな。
少し息を整えてから、再び相対する。
今度は、少し趣向を変える。
超接近戦で挑ましてもらおう。最近まで柔術をしていたので、それを応用した攻撃をしてもいいかもしれないな。打撃で体を浮かせたり、転ばせようとしても無理だったので、投げに近い方法で攻撃をしてもいいかもしれない。
まずは、大薙刀を振るって超接近戦へ持ち込む。
足を救い上げるように、大薙刀の柄尻を地面に滑らせて、膝のあたりをひっかけて転ばそうと思ったのだが、膝に当たった瞬間に俺の体の動きが止まった……マジか、地面に足が張り付いてるんじゃねえか、これ?
その次の瞬間にまら首に棒を当てられた。
「綾乃、一回ストップ」
模擬戦を止めて、疑問に思ったことを確認するために、人造ゴーレムの動きを完璧に止めてもらった。
俺の力で持ち上げられるのか確認する。
重すぎて持ち上げることは出来なかったが、梃子の原理を使えば少しは人造ゴーレムの体を浮かすことができた。
これで俺がこいつを動かせられないことは無いと証明されたが、武器の重さも乗っているのに、ピクリとも浮かすことができなかったのは何故だろうか?
人造ゴーレムに攻撃を受けとめる時と同じように、体を完全硬直してもらうように指示を出してもらい、改めて転ばすように色々してみるが……動かない。
何だこれ?
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