ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,310 / 2,518

第2310話 そこそこ忙しい

しおりを挟む
 指示を出し終わり、今日の分の仕事は一応終了だな。決裁するには担当者に聞く必要があるので、これらのサインについては夕方の会議次第だな。絶対に幹部クラスと担当者は参加させるように! もし参加できない理由があるなら、昼までに理由を書いて提出する事。

 ディストピアやゴーストタウンなど、俺と深くかかわっている人間ならこれで分かると思うのだが、生半可な理由では参加できない理由にはならない。

 言ってしまえば、怪我全般であればエリクサーを使ってでも治すし、距離が遠いのであればゲートで迎えに行く。会合なんかがあっても、こちらの会議を優先させるべきだと考えている。

 相手には申し訳ないが、多額の金を払ってでも後日再度集まってもらうように都合をつけてもらう。それができないようなら、その相手は付き合う相手として不十分であると判断する。

 ここらへんは上から目線で、対応も横柄ではあるが、現状で俺が下手に出るような対応をすると、相手がつけあがるので上からお願いではなく、命令形で指示を出すようにグリエルたちから言われているからだ。

 下手に出たところ、相手がつけあがるのであれば付き合いを止めてしまえばいいのだが、その場合こちらが悪かったという話になることがあるので、始めから付け入るスキを与えないように命令してほしいんだとさ。

 都合をこちらの勝手でキャンセルするのに命令は、付け入るスキにならないのか? と思ったが、圧倒的にこちらの方が立場が上なので、そのくらいの対応をするべきなんだってさ。

 俺が直接相手方に言うわけではないが、命令という形で先方に話を通すのも現場の仕事だとか。

 俺には分からんがそういう物らしいので、深い事は考えずに言われた通りにしている。

 内容を確認する必要があるので、食事をここで摂る必要がありそうだ。秘書も含め10人集まることになったので、ブラウニーたちに連絡しておかないとな。

 ゲートを使って訓練場へ移動する。掃除をしていたブラウニーを発見したので、昼食の事を伝えて俺の執務室に10人分の食事を準備してもらうようにお願いした。ゲートを使っていいので、空いているスペースに机を入れて準備をしてもらう。

 訓練を始める上で、1つ迷っていることがある。メインの武器の事だ。

 現状で言うと、刀と大薙刀の2つが俺のメイン武器の候補である。大薙刀は狭い空間では使い難いが、広い場所では刀とは比べ物にならないほどの威力を発揮する。刀は取り回しが良く、手数の方面で考えれば扱いやすい武器ではあるが、相手が大物になると長さが足りない。

 大型の魔物と対峙した場合は、魔法を中心にするのであれば刀でもいいのだが、付与魔法や他の事を考えると大薙刀の方が戦いやすいと考えている。

 最終的には、この2つがメインとサブになることを考えると……やっぱり先に来るのは、大薙刀かな?

 どちらにも言えることだが、大薙刀がメインになった場合、狭いところ以外ではおそらく刀を使うことは無い。刀がメインになった場合は、大型の魔物を相手にするとき以外には大薙刀の出番は無いだろう。

 どっちもどっちなのだが、やはり個人的には大薙刀をメインにしていきたいな。集団戦では使い難い武器ではあるが思い入れがあるからな。大薙刀が満足できるくらい動けるようになったら、刀を訓練しよう。

 よし、決めた!

 刀の方が連携の面も考えればいいということは頭の中で分かっていたが、一番愛用していた大薙刀を選ぶことにした。理屈じゃなかったんだよな。

 カエデ作って、リンドと2人で強化を続けてくれている、俺の相棒『紅孔雀』を取り出した。

 色々ある武器の中でも、重量級に分類される重さがある。普通の薙刀であれば、2キログラムから5キログラムほどらしいが、この大薙刀は俺の膂力にも耐えられるように、柄の部分には鉄心が入っているし、大薙刀に比べれば刃の部分もかなり大きため、30キログラムは軽く超えている。

 それでも振り回せるのは、この世界に来て手に入れたステータスのおかげだろうな。

 まずは中段に構えてみる。次に上段、最後に下段……個人的には、下段が一番構えやすいかな? 足下から登ってくる攻撃、対処し難いよな。

 重心の辺りを両手で持って、クルクルと回しながら左右へ動かす。技と言っていいのか分からないが、ある程度の攻撃なら弾くことができるだろう。まぁ、棒じゃないのでバランスが良くないな。

 次にイメージしながら武器を振るっていく。長距離、中距離、近距離、超近距離と射程距離を変えながら武器を振るっていく。

 相手をイメージして、俺の攻撃に反応して避けていく。特に近距離と超近距離に関しては、取れる行動が多くない。しっかりと間合いを計りながら、足元をすくい止めをさそうとする動きまで行う。

 相手は転んでいるので、イメージでは倒せている。そしてすぐに新しい相手がすぐに現れる。

 所詮イメージはイメージ、俺に不利になるような動きになのに、自分でイメージしているため対応できてしまう。

 刀術だけになった時のような動きはできない……俺の限界を引き出してくれたような動きが……

 あの時は、どうやったんだっけ?

 刀にだけ集中して、周りの音が消えて、幻覚の俺が現れてシャドーが始まる。俺の攻撃はいけ止められ、幻の俺の攻撃は当たる。そんな事を繰り返して、回避をして攻撃、受けて攻撃、攻撃されないように攻撃。

 とにかく攻撃をした。がむしゃらに攻撃をして、俺の限界に近付いていったんだよな。

 ん~、やっぱりシャドーはまだ違う気がする。自分のイメージ通りに動けるようになるのが最優先か。

 上段からの振り降ろし、下段からの振り上げ、中段からの突き。

 動くことはできている。だけど、やっぱりイメージと実際の動きには差異が出る。スキルがあった時も誤差と言えるくらいには差異があったが、今は明らかにズレている。

 何が原因だろうか?

 俺の重心の所為か? それとも色々な武器に浮気したためか、体の動かし方が変になってしまったとか?

 原因は分からないが、イメージに近く動けるようにならないとな。そこから応用が始まるのだと思う。

 色々考えるのではなく、ただただひた向きに大薙刀を振るっていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り

あおアンドあお
ファンタジー
俺...光野朔夜(こうのさくや)には、大好きな彼女がいた。 しかし親の都合で遠くへと転校してしまった。 だが今は遠くの人と通信が出来る手段は多々ある。 その通信手段を使い、彼女と毎日連絡を取り合っていた。 ―――そんな恋愛関係が続くこと、数ヶ月。 いつものように朝食を食べていると、母が母友から聞いたという話を 俺に教えてきた。 ―――それは俺の彼女...海川恵美(うみかわめぐみ)の浮気情報だった。 「――――は!?」 俺は思わず、嘘だろうという声が口から洩れてしまう。 あいつが浮気してをいたなんて信じたくなかった。 だが残念ながら、母友の集まりで流れる情報はガセがない事で 有名だった。 恵美の浮気にショックを受けた俺は、未練が残らないようにと、 あいつとの連絡手段の全て絶ち切った。 恵美の浮気を聞かされ、一体どれだけの月日が流れただろうか? 時が経てば、少しずつあいつの事を忘れていくものだと思っていた。 ―――だが、現実は厳しかった。 幾ら時が過ぎろうとも、未だに恵美の裏切りを忘れる事なんて 出来ずにいた。 ......そんな日々が幾ばくか過ぎ去った、とある日。 ―――――俺はトラックに跳ねられてしまった。 今度こそ良い人生を願いつつ、薄れゆく意識と共にまぶたを閉じていく。 ......が、その瞬間、 突如と聞こえてくる大きな声にて、俺の消え入った意識は無理やり 引き戻されてしまう。 俺は目を開け、声の聞こえた方向を見ると、そこには美しい女性が 立っていた。 その女性にここはどこだと訊ねてみると、ニコッとした微笑みで こう告げてくる。 ―――ここは天国に近い場所、天界です。 そしてその女性は俺の顔を見て、続け様にこう言った。 ―――ようこそ、天界に勇者様。 ...と。 どうやら俺は、この女性...女神メリアーナの管轄する異世界に蔓延る 魔族の王、魔王を打ち倒す勇者として選ばれたらしい。 んなもん、無理無理と最初は断った。 だが、俺はふと考える。 「勇者となって使命に没頭すれば、恵美の事を忘れられるのでは!?」 そう思った俺は、女神様の嘆願を快く受諾する。 こうして俺は魔王の討伐の為、異世界へと旅立って行く。 ―――それから、五年と数ヶ月後が流れた。 幾度の艱難辛苦を乗り越えた俺は、女神様の願いであった魔王の討伐に 見事成功し、女神様からの恩恵...『勇者』の力を保持したまま元の世界へと 帰還するのだった。 ※小説家になろう様とツギクル様でも掲載中です。

あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗
ファンタジー
 異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。  その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。  途方に暮れたカイトは彷徨った。  そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。  元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。  見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。 【登場人物】(メインキャラ) 主人公 :カイト   / 男 / 商人 ヒロイン:ルナ    / 女 / メイド ヒロイン:ソレイユ  / 女 / 聖騎士 ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ ***忙しい人向けの簡単な流れ*** ◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち ◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます ◇自分たちだけのお店を開きます ◇みんな優しいです ◇大儲けしていきます ◇元ギルドへの反撃もしていきます ◇世界一の帝国へ移住します ◇もっと稼ぎまくります

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

異世界転移したら~彼女の"王位争い"を手助けすることになった件~最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します~

そらら
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑ とある大陸にあるローレスト王国 剣術や魔法、そして軍事力にも長けており隙の無い王国として知られていた。 だが王太子の座が決まっておらず、国王の子供たちが次々と勢力を広げていき王位を争っていた。 そんな中、主人公である『タツキ』は異世界に転移してしまう。 「俺は確か家に帰ってたはずなんだけど......ここどこだ?」 タツキは元々理系大学の工学部にいた普通の大学生だが、異世界では《精霊使い》という最強スキルに恵まれる。 異世界に転移してからタツキは冒険者になり、優雅に暮らしていくはずだったが...... ローレスト王国の第三王女である『ソフィア』に異世界転移してから色々助けてもらったので、彼女の"王位争い"を手助けする事にしました。

バランスブレイカー〜ガチャで手に入れたブッ壊れ装備には美少女が宿ってました〜

ふるっかわ
ファンタジー
ガチャで手に入れたアイテムには美少女達が宿っていた!? 主人公のユイトは大人気VRMMO「ナイト&アルケミー」に実装されたぶっ壊れ装備を手に入れた瞬間見た事も無い世界に突如転送される。 転送されたユイトは唯一手元に残った刀に宿った少女サクヤと無くした装備を探す旅に出るがやがて世界を巻き込んだ大事件に巻き込まれて行く… ※感想などいただけると励みになります、稚作ではありますが楽しんでいただければ嬉しいです。 ※こちらの作品は小説家になろう様にも掲載しております。

処理中です...