ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2265話 日常っぽい

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 ミーシャたちは、もう少し4人でお話ししてから寝るようで、パジャマパーティーのような感じだな。一応ベッドは人数分の4つは準備しているのだが、一緒に寝ることが多いので、大きなベッドも1つ置いてある。

 ベッドを並べても良かったのだが、そうするとベッドとベッドの間が気になるようなので、大きなベッドを別に準備することにしたのだ。

 荷物を置いたり寝たりするだけの部屋なので、ベッドでスペースが圧迫されても気にしないようだ。部屋を増やして寝室も準備しようと考えたこともあるが、娘たちがいらないといったので作っていない。

 もっと大きくなったら、個人の部屋を欲しがるかもしれないので、その時に部屋を拡張しよう。

 下の子たちは……シンラは欲しがるかもしれないが、プラムとシオンはいらないと言いそうだな。四六時中一緒で疲れないのだろうか? まだ幼いから分からないのかもしれないけど、1人部屋というか1人になれる場所もあった方がいいと思うんだよな。

 子どもたちの将来の部屋を考えながら、のんびりと自分の部屋へ戻る。

 今日は珍しく、妻たちが待っており、少し話をしてから一緒に寝ることになった……ベッドに入っただけで、俺は寝れてないんだけどな。休むように言われていたのに、反対に搾り取られて疲れる事になってしまった。

 体は加護のおかげか素直に反応しても、俺の体力がもたない……

 朝日が差し掛かる時間になって、ようやく終了した。妻たちは順番で寝たりしているので元気なのだが、俺はずっと起きていたから、かなりしんどいよ。

 シャワーだけ浴びて寝ようとしたが、寝る前に食事を取るように言われ、結構ガッツリとした物を食べた。体は正直と言いますか、空腹だったのでガッツリとね。

 食べてすぐ寝るのはいけないと分かってはいても、眠気には勝てなかったのでベッドに倒れ込む。

 顔と胸の辺りを叩かれている感覚で目を覚ます。

 胸の辺りはシンラがお腹の上に載って叩いており、顔は左右からプラムとシオンが叩いていた。

 どういう状況かつかめずに、シンラに聞いてみると、もう昼食の時間らしい。俺を起こす仕事を任されたから起こしに来たようだ。

 ん~もう昼食か、寝てたからさっき朝食を食べ感じがするが、お腹はしっかりと空いているようだな。

 近くにスライムたちが待機していたので、シンラたちをスライムの上に座らせて、準備してもらっていた服に着替える。

 早く昼食を食べたいシンラは、俺の手を引っ張るようにグイグイと進んでいく。

 叩かれた感覚で目を覚ますのはいいけど、シンラがお腹に乗った段階でなんで目を覚まさないんだろうな? 子どもだから油断でもしているのかな?

 少しピリピリしている時は、物音でも簡単に目が覚めるのに、リラックスしている時は、物理的接触があっても目覚めないことがあるから、いつも不思議に思うんだよな。

 俺の歩く速度が遅くなったことに気付いたシンラが、早く早くと急かしてくる。

 急いでも食べる時間が1分も早くならないのに、なんでこんなに急かすのやら。

 そんなことを考えていると、プラムとシオンも一緒になって俺を引っ張って食堂へ急ごうとしてきた。よくわからんが、急がないと後で面倒になりそうだな。

 少し早歩きになり、食堂へ向かった。

 食堂はいつも通りの光景なので、何で急いだのかは俺には分からない。それでも満足している下の子たちなので、これでいいのかな?

 挨拶も終わり、シンラはいつものようにバクバクと食べている。左右ではプラムとシオンが、自分のおかずではなくシンラのおかずに手を伸ばしており、シンラは2人のおかずを食べている。

 本当に変な光景だよな。ブラウニーたちが注意をしても治らないので、もう少し大きくなるまで様子を見ているそうだ。初めは効果があった気がするのだが、最近はダメみたいだな。

 そのことを了承しているのか、シンラのおかずを食べてしまうような時は、シンラのおかずを2倍にして、プラムたちのおかずを半分にしているみたいだ。通りでシンラのおかずが多いわけだ。

 プラムとシオンが食べるから2倍で、シンラの分になる2人のおかずが半分ずつで1人前ってことか。

 こういうことは甘やかさない方がいいのだが、言って分かることとそうでないことがあるみたいで、あまり深く干渉しない方針を取っているんだってさ。それでも、大きくなって学校とかに通う前には、矯正するつもりらしい。

 プラムとシオンが、シンラ以外のおかずも食べてしまうのなら、今すぐにでも矯正するのだが、そうではないみたいなので様子を見ながらってことのようだ。

 学校に行って、人のを無理やり食べたとなると問題だもんな。食べたことも問題だけど、俺の……領主の子どもだからと言って何でも許されていたら、傲慢になっていくから問題である。何してもいいんだとは考えてほしくない。

 それは俺もそうだけど、妻たちも嫌う悪徳領主そのものなので、絶対に許さない。

 もしそうなるようだったら、矯正させるまでブラウニーたちに指導してもらう必要があるな。

 甘やかされて誰からも怒られず、したい事をさせていたら、フレデリクの領主親子みたいになるのかね?

 この世界で一番初めに出会った、テンプレのような最低なやつだったからな。

 街は小さな国みたいなもので、その領主であれば王様のようなものだ。だから何をしてもいいと考えるのだろうが、それが本来間違いだったりするのに気付けないのは、頭が弱いのか考えが足らないのか、それとも国の方針なのか分からない。

 領民は私腹を肥やしたり、好き勝手にするためにいるわけではなく、税金を納めてもらってそのお金を使い、住んでいる民を守るのが本来の領主の役目なのにな。

 よくわからん貴族の付き合いも必要かもしれないが、必要以上にお金を使うのは問題だろう。自分の力、財力を周りに示すためとはいえ、民を苦しめるなら意味がないんだけどな。

 理想論を語っても今は意味がないか。そういう貴族もいるが、しっかり義務を果たしている貴族もいるのだ。そう言った貴族の街には俺の商会があるので、次第に格差がついて義務を果たしていない領主たちは、いずれ大半がいなくなるだろう。

 ……

 何でこんなこと考え始めたんだっけ?

 自分の思考の飛び方に驚愕することとなる。
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