ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
2,233 / 2,518

第2233話 わらび餅って……

しおりを挟む
 昔の事を思い出して感傷に浸っていたつもりが、懐かしいだけであの頃の記憶だけが残ってるだけなんだよな。なんというか、夢の中の話だった感じかね?

 ちなみに、金1000グラムで買える鉄……普通の人に想像しやすい鉄筋だと、65トンは買えるそうだ。そう考えると、65000倍の重量を買うことができるということだな。時代の違いはあるけど、こういった比較って単純に分かりやすい数字で出るから、面白いんだよな。

 懐かしく思うだけで、それ以外あまり何も感じなくなってるんだよな。思い出す回数も減ってるし、しっかりと記憶が残っている期間で言えば、こっちに来てからの方がもう長いもんな。もしかしたら、こっちに来てからの方が長いかもしれないけどな。

 シンラの操縦するドローンは、同じところを行ったり来たりしているが、違う高さを飛んでいたり、向いている方向が違ったりしているせいか、新しいところだと思って嬉々として探索を続けている。

 シンラたちは普段、自分で歩いたりスライムに乗ってたり、抱っこされたりしているが、抱っこされているとき以外は、大体同じ目線で物を見ているため、初めてくる場所で高さが変わると同じ場所だと認識できないみたいだな。

 ウルは同じ場所だと気付いているが、シンラが楽しそうに操縦しているので、裏方に徹してサポートしているようだな。ミーシャたちは、表情を見る限り半々って感じだと思う。分かる場所と分からない場所があるみたいだな。

 そもそも、似ている造りで石が積み上げられているから、初めて見た場所なのかそうではないのか判断できていない場所があるみたいだな。

 上から眺めている俺には、丸わかりである。

 っと、おやつの時間っぽいな。ブラウニーたちから声がかかると、ドローンを待機状態にしてすぐにおやつの席に着いた。変わり身が早いな。

 おや? 今日のおやつは……スライムか? そう思うと、近くにいたスライムたちがスススっと離れていった。

 さすがに分かってるよ。小さめなスライム状の食べ物の他に、黒蜜ときな粉が準備されてるんだから、これで分からない方が不思議だわ。理由は分からないけど、今日のおやつはわらび餅だ。

 あの木の根みたいなのが、加工されるとこうなるのか……未だに信じられん。片栗粉と同じで、水分くわえて熱するとドロドロになって、その内スライム状になるのは知ってるんだけど、未だに信じられんのよな。

 だってさ、加工途中の映像見たことあるか?

 木の根みたいだから洗うのは分かる。だけどさ細いから皮だけを剝くってわけにはいかないから、全体を叩き潰すんだけど……その搾り汁がどう見ても、ネバネバな泥水なんだよ。しかも潰してるから、ろ過をしないと汚いんだよ。

 誰が一番初めに加工して食べたんだろうな……飢饉で草や根を食べたならまだわかるんだが、誰があんな加工を始めたのか本当に意味が分からない。あれを見る限り、食べられるものになるとは思えないのにな。

 ちなみに、うちのわらび餅は、わらびから採ったわらび粉から作っているので、泥水みたいなあの加工をしてわらび粉を作ってから、わらび餅に加工している。きれいな水を使って、沈殿させてを何回か繰り返して、純度を高めているらしい。

 そこまでする必要があるのか分からないが、回数を重ねれば多少色が変わるので、キレイにはなっているのかもしれない。

 前は片栗粉も使って作っていたけど、わらび粉で作った方が美味いので、最近はわらび粉を使っている。

 スーパーやコンビニで売られているわらび餅とは違い丸い形ではなく、京都で見るようなわらび餅だ。

 何で京都と分かるかと言えば、DPで取り寄せて食べたから知っているだけで、京都出身だからではない。

 東京でわらび餅というと丸い形だが、京都だと定まった形は無くかなり柔らかい状態の物を食べるているようだ。

 今日は、その京都風のわらび餅を俺は楽しんでいる。

 ツルっと食べられるから、美味いんだよな。丸い形のわらび餅も好きなんだが、京都風のわらび餅が美味しくて、最近はもっぱらこっちなんだよな。

 子どもたちも同じものを食べているけど、少し食べ方が汚い。子どもには食べにくいから、お皿に口をつけてすするような食べ方をしているな。

 下の子たちは、美味しそうに食べてるな……子どもが食べる姿って、本当に美味しそうに食うな。ただ、テレビのCMに使うには、食べ方が汚い気がするな。

 とはいえ、美女が食べていればいいという物でもない気がする。わらび餅のCMがあるなら、京都的な何かがあった方が売り上げが伸びるかな? 着物と日本庭園みたいな感じかね? ちょっと違うかもしれないが、着物はいい線を行っていそうだ。

 子どもたちが食べ終わると、自分で汚した机をキレイにしている。ちょっと前から、汚したら自分で拭く習慣を身につけさせているので、前よりはきれいに食べるようになったかな。

 掃除するのが大変だと分かって、キレイに食べる意識が出たのだろう。だけど、物によっては綺麗に食べれないので、食べた後に一生懸命きれいにする形だな。きな粉が少し掃除しにくいから、一生懸命拭いている姿も微笑ましかった。

 水分が多いせいか、ずっしりとお腹にたまるみたいだな。すぐにこなれては来るのだが、食べた後は若干重い感じがするみたいで、少し休むようだ。

 シンラがスライムクッションでくつろぎ始めると、プラムとシオンが両側をキープしてすぐに抱き枕にしてスヤスヤと眠り始める。オンとオフの切り替えが早くてびっくりだな。

 ウルたちは、自分たちで操縦して色々探索をしてみるようだ。妻たちに貸し出していた3台も使って、全員で競争しながら遺跡を飛び回っている。俺のドローンは妻たちが操作して、ウルたちの様子を上から眺めている。

 俺は、子どもたちの操縦するドローンの画面を見ながら、コーヒーを飲んでくつろいでいる。登山をしてきたわけではないが、こういった景色を見ると何故かコーヒーが飲みたくなるので、ブラウニーたちに準備してもらっている。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

処理中です...