ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2179話 ついつい余計なことをしてしまう

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 今日は何するのかを考えていると、スカーレットが近くへやって来て、

「ご主人様、今日はお休みです。仕事はしないで1日ゆっくりしていてください。10時のおやつもありますので、いる場所をしっかりと報告お願いします」

 そう言って、俺の側を離れていった。

 俺の行動を監視するような感じだな。休みの日に仕事をしようとすると、メチャクチャ怒られるので間違いなく従っておかないと、後が本当に大変になるので大人しく従おう。

 仕事をするつもりでいたが、急遽なくなったので予定が宙ぶらりんになってしまった。

 近くにいた妻たちは、休みもなく働いていると下の人たちが休めないから、注意した方がいいといってきた。ここがディストピアならまだいいのだが、こういう駐屯地……普段と違う場所では特に注意が必要らしい。

 特にここの駐屯地のように、準戦時体制になっている場所では、しっかりとした休みは取れないが、常に気を張っている状態も望ましくない。その状況でトップの俺が休まなければ、下の者たちは休みづらくなってしまうので、スカーレットに休めと言われた感じだな。

 では、何をするかと言われると……することがないんだよな。

 何かをしなければならないということも無いので、のんびりすることにした。何かしてほしいといわれたら、お願いされたことをすればいいか。

「えっと……スカーレット、俺は庭にいるから冷たい飲み物、ミルクティーあたりを持って来てもらっていいかな? 今日は少し甘くしてもらえると嬉しい。庭で本でも読んでるから、よろしく」

 スカーレットに行く場所を報告して、庭へ向かう。

「ん~、どこでのんびりしようかな?」

 庭に出てきたのはいいが、太陽の光がサンサンと降り注いでいる中で、ブッ君は読みにくいからな。紙の本だったとしても、太陽の下で見るのは目が痛くなるんだよな。

 となればタープでも張って、日影を作り出す方がいいかもな。

 どうやってタープを張ろうか考えたが、後々の事を考えるとタープより屋根だけのスペースを作ってもいいな。きちんとすれば、雨の日だって使えるし、バーベキューだってしやすくなる! 後者は俺の趣味みたいなものだけどな。

 庭はかなり広く作られているので、中心にドカンと大きな屋根だけの建物、東屋を作ってしまおう。机はコの字になるようにして、中で調理ができるように広めにとっておこう。外側にも広く幅をとり、のんびりできるようにスペースを確保するようにしよう。

 長方形に作るので、縦に支柱を4本、横に支柱を6本を等間隔に設置できるように礎石を配置する。

 1人で出来るか考えてみたが、クリエイトゴーレムで角を含む3本の支柱を立てれば、支え無しで柱は経つので……木材を準備して、魔法で一気に加工する。

 地球だったら絶対にこんな建て方はしないだろうが、魔法のある世界ではこんなことも簡単にできてしまう。後は、このまま礎石を軸に支柱を繋げていけば問題ないので、サクッとやってしまおう。

 クリエイトゴーレムは、柱や梁も全て一体化できるので、釘などを使う必要がない。低級の魔核でも、修復機能をつけておけば、魔核が壊れない限り倒壊することは無いだろう。

 屋根は……天然ストレートという物を選んでみた。屋根の素材は良く分からないけど、検索して出てきた物の中で、高めの素材を選んだ。板を張った上に防水シートを張り、その上に天然ストレートを配置する。

 魔法で一気に加工できるため、屋根の板張りと防水シートを張るのに30分もかからなかった。思ったより簡単にできて、面白かった。

 東屋の中は机だけ簡単に作って、俺は本を読むためにくつろげるスペースに、リクライニングチェアーを配置し、ブッ君で小説を読み始める。

 最近まとめて読む時間がなかったので、新刊をほとんど読んでいなかったので、ローファンタジー系の新刊をいくつか購入していたのでそれを読むことにした。

 そう言えば、ファンタジーの中にも大きく分けるとハイファンタジーとローファンタジーに分けられるらしい。人によっては、サイエンスフィクション……SFをファンタジーと含める人もいるようだ。

 きちんとした定義が定まっていないらしく、小説サイトでもローだと思っていてもハイだったり、その逆もあったりする。

 個人的な意見として、現実世界の中に異質な原理が入ってくる物語をローと考えている。現実世界か異世界かでローとハイを分けてはどうかと思っている。現実世界でもファンタジー要素が無ければ、文芸の一種でいいのではないだろうか?

 これを議論し始めたら、キノ〇タケノ〇戦争と同じくらい無意味な争いが起こるので、あくまで俺の主観としてのローファンタジーを読んでいる。

 俺の好きなローファンタジーと言えば、優等生の妹と劣等生の兄という対照的な評価を受けているあの小説だ。機械の補助で魔法を早く使っていたりするが、現実世界では証明できないものなので、ローファンタジーと俺は考えている。

 他にローファンタジーの代表作と言えば、ゲームの世界に取り込まれてしまうあれだろう。多くの人はゲーム内でデスゲームに巻き込まれるあの小説だろう。

 俺が思い出すのはもう1つあって、天才プログラマーが愛した詩人が不慮の事故で無くなってしまい、恋が成就しなかった。そこで、プログラマーは詩人の小説を元にした世界観のゲームの原型を作り、それがMMORPGとして公開された物語の方だな。

 ゲームの中で死んだ詩人を子どもを作るためにゲームを開発したという、かなりぶっ飛んだ思考の持ち主だ。そこで生まれたのが、自己進化をするAIだったのだが、プログラマーが失踪してAIは秘密の存在となったんだったかな?

 ゲームもアニメも小説も色々出ている、メディアミックスプロジェクトだ。その中でも、ゲームを中心とする方針は、他のメディアミックスプロジェクトと違っていたようだ。

 っと、それ以外も読んでみようと思って探したのが今回の、ダンジョンが現実世界にできた話で、そこから3年経ったところから話が始まる小説だ。

 のんびりと読んでいると、チクチクと刺さる視線がこちらに……

「ご主人様……休むように言ったのに、これは何ですか?」

 食事を食べた後なので、少し時間をおいて飲み物を持って来てくれたアマレロが、笑顔のまま怒っていた。

 外で本を読もうとしたけど、ディストピア見たいに木陰がなかったから、のんびりできるように作った事を必死に説明し、何とか許しを得ることができた。
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