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第2167話 訓練Part9
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俺の質の使った魔法は、津波……タイダルウェーブだ。英語で津波を訳すと、TSUNAMIでも通じるらしいのだが、このTSUNAMIは地震などで起きたモノで、タイダルウェーブは満潮の際の津波をさすらしい。
詳しく調べたわけではないので違うかもしれないが、人為的に起こした津波をタイダルウェーブと俺たちは勝手に言っている。ちなみに、魔法名でTSUNAMIと言わないのは、タイダルウェーブの方がカッコいいかな? って思っただけなんだよね。魔法っぽいしね。
妻たちは、TSUNAMIの方がいいといっていたが、それは俺の国の言語だからであって、言葉の響きなどで決めたわけではなさそうだったので、却下している。
タイダルウェーブは、放射線状に広がっていき、距離が遠くなればなるほど効果が弱くなっているのが分かる。倒れている兵士がいなくなった辺りが、耐えられるラインということだな。
何の対策も無く津波が襲い掛かってくれば、何もできずに流されてしまうだろう。身長ではなく、胸の高さまであれば押し流されてしまうだろう。
いくら力があっても、アンカーも支えも何もなく水の流れに逆らえるわけがない。浮力があるし踏ん張るにも、全身が押し流されている状態では、いくら力が強くても対抗できない。
有効効果範囲は30メートル……は無いな。津波ってこんなに威力が減算するものだったか? 良く分からないが、目の前で起きている事なので、それが事実なのだろう。
ただ、予想以上に被害が大きかった。
津波だけなら、押し流されて地面などにぶつかるだけで済むのだが、今回は重装備の人間を押し流したわけで、その圧力の所為か中盤以降にいた兵士たちが、押しつぶされて所々骨折して要るっぽいな。
この程度なら俺たちもこのくらいの怪我なら、訓練でよくしているので、治療師もいることだし問題ないだろう。それでも200人ほど削れただけなので、数比べではこっち側が圧倒的に不利だな。
倒れている兵士たちに追い打ちをかけることはせずに、乗り越えて駐屯地側の敵に突っ込む指示が出た。
人を踏んづけて進んでいくのは、気がいいものではないが起きられる前に、先へ進みたいのでピーチの指示に従って進んでいく。
救護が始まっているが……さすがに俺たちがフリーの状況で救護を始めるのは、マイナスだぞ。救護を始めようとした兵士たちに、少し重めの矢が突き刺さっている。いや刺さってないな、めり込んでいるという表現が正しいな。
吹っ飛びはしなかったがのけぞるくらいには思い矢だったらしい。
周囲の兵士が驚いた表情をしているってことは、俺たちから目を離したのだろう。自分たちの方に向かってくるとは考えていなかったのだろう……戦闘中だというのに……
倒れている兵士の上では安定しないので、シュリを先頭に先ほどと同じように突っ込んでから、全周囲防御を固める。もう少し先まで進みたかったようだが、敵の守りが固くなっており、予想より進めなかった。
前衛は機動を重視していたのか、前衛には重装備がいなかったのだが、このあたりには重装備が配置されているな。そのせいで進めなかった。
もう少し進めば、土嚢や壁に到達できるのだが……守りが固いな。
遊撃が攻撃を仕掛けているが、しっかりと守りを固めており、大きなダメージを与えられえていない。大楯を使って、きっちりと防ぎやがるな。
塹壕や壁などの後ろで戦わ無いのは、少人数の俺たちの方が有利になってしまうだらだろうが……あれ? そうなると、何であの防衛陣を作ったんだ?
俺は疑問に思って考えようとするが、体制を整えた防衛部隊が波状攻撃でこちらを攻めたてるため、休む余裕がなく思考が飛び散ってしまっている。
先ほどの班分けを諦めて、各班の隊長に指揮を渡して、その場の判断で交換できるように変更したのが功を奏しているように見える。50人ほどで1班を作っており、それが流動的に波状攻撃を仕掛けてくるため、こちらは攻めきれずに体力だけが削られている。
タイダルウェーブも使ってみたのだが、2回目以降は7割以上防がれてしまっていた。対策をすぐにできるあたり、しっかりと相手の事を見ているな。
各部隊の戦闘指揮は隊長が行っているようだが、対策の方は上からしっかりと指示が出ているようだな。こちらが嫌がることを的確にやってくるな……
ここの指揮をとっているやつは、しっかりと集団戦を勉強しているな。いくらこっちが強くても、理不尽な差じゃなければ、こうやって押しとどめられるという実例になってしまっているな。
時間がかかっているため、後ろにいたはずの部隊は、回って俺たちの行く手を阻む位置に移動されてしまっている。
合間合間で考えるのだが、あの壁や塹壕が何で作られたのか考えがまとまらない。俺たちが攻めてきたことを察知して作ったと思うので、数が少ないのは分かっていたのに、何で作ったのかが分からない。
内部まで入り込まれない前提で、魔法や矢の撃ち合いをするのには向いているが、普通に考えてこっちに有利になるのに何で作ったんだ……分からん!
考えれば考えるほど分からなくなり、突撃する前に何で気付かなかったのか……
不吉なものを感じながらも、何も対策をできていない。何の根拠もないが、このままではいけない気がしている。せめて、そう感じている理由が分からなければ、みんなに伝えるのは戸惑う。
陣地までの距離が徐々に縮まっているので、焦っている自分がいる。
詳しく調べたわけではないので違うかもしれないが、人為的に起こした津波をタイダルウェーブと俺たちは勝手に言っている。ちなみに、魔法名でTSUNAMIと言わないのは、タイダルウェーブの方がカッコいいかな? って思っただけなんだよね。魔法っぽいしね。
妻たちは、TSUNAMIの方がいいといっていたが、それは俺の国の言語だからであって、言葉の響きなどで決めたわけではなさそうだったので、却下している。
タイダルウェーブは、放射線状に広がっていき、距離が遠くなればなるほど効果が弱くなっているのが分かる。倒れている兵士がいなくなった辺りが、耐えられるラインということだな。
何の対策も無く津波が襲い掛かってくれば、何もできずに流されてしまうだろう。身長ではなく、胸の高さまであれば押し流されてしまうだろう。
いくら力があっても、アンカーも支えも何もなく水の流れに逆らえるわけがない。浮力があるし踏ん張るにも、全身が押し流されている状態では、いくら力が強くても対抗できない。
有効効果範囲は30メートル……は無いな。津波ってこんなに威力が減算するものだったか? 良く分からないが、目の前で起きている事なので、それが事実なのだろう。
ただ、予想以上に被害が大きかった。
津波だけなら、押し流されて地面などにぶつかるだけで済むのだが、今回は重装備の人間を押し流したわけで、その圧力の所為か中盤以降にいた兵士たちが、押しつぶされて所々骨折して要るっぽいな。
この程度なら俺たちもこのくらいの怪我なら、訓練でよくしているので、治療師もいることだし問題ないだろう。それでも200人ほど削れただけなので、数比べではこっち側が圧倒的に不利だな。
倒れている兵士たちに追い打ちをかけることはせずに、乗り越えて駐屯地側の敵に突っ込む指示が出た。
人を踏んづけて進んでいくのは、気がいいものではないが起きられる前に、先へ進みたいのでピーチの指示に従って進んでいく。
救護が始まっているが……さすがに俺たちがフリーの状況で救護を始めるのは、マイナスだぞ。救護を始めようとした兵士たちに、少し重めの矢が突き刺さっている。いや刺さってないな、めり込んでいるという表現が正しいな。
吹っ飛びはしなかったがのけぞるくらいには思い矢だったらしい。
周囲の兵士が驚いた表情をしているってことは、俺たちから目を離したのだろう。自分たちの方に向かってくるとは考えていなかったのだろう……戦闘中だというのに……
倒れている兵士の上では安定しないので、シュリを先頭に先ほどと同じように突っ込んでから、全周囲防御を固める。もう少し先まで進みたかったようだが、敵の守りが固くなっており、予想より進めなかった。
前衛は機動を重視していたのか、前衛には重装備がいなかったのだが、このあたりには重装備が配置されているな。そのせいで進めなかった。
もう少し進めば、土嚢や壁に到達できるのだが……守りが固いな。
遊撃が攻撃を仕掛けているが、しっかりと守りを固めており、大きなダメージを与えられえていない。大楯を使って、きっちりと防ぎやがるな。
塹壕や壁などの後ろで戦わ無いのは、少人数の俺たちの方が有利になってしまうだらだろうが……あれ? そうなると、何であの防衛陣を作ったんだ?
俺は疑問に思って考えようとするが、体制を整えた防衛部隊が波状攻撃でこちらを攻めたてるため、休む余裕がなく思考が飛び散ってしまっている。
先ほどの班分けを諦めて、各班の隊長に指揮を渡して、その場の判断で交換できるように変更したのが功を奏しているように見える。50人ほどで1班を作っており、それが流動的に波状攻撃を仕掛けてくるため、こちらは攻めきれずに体力だけが削られている。
タイダルウェーブも使ってみたのだが、2回目以降は7割以上防がれてしまっていた。対策をすぐにできるあたり、しっかりと相手の事を見ているな。
各部隊の戦闘指揮は隊長が行っているようだが、対策の方は上からしっかりと指示が出ているようだな。こちらが嫌がることを的確にやってくるな……
ここの指揮をとっているやつは、しっかりと集団戦を勉強しているな。いくらこっちが強くても、理不尽な差じゃなければ、こうやって押しとどめられるという実例になってしまっているな。
時間がかかっているため、後ろにいたはずの部隊は、回って俺たちの行く手を阻む位置に移動されてしまっている。
合間合間で考えるのだが、あの壁や塹壕が何で作られたのか考えがまとまらない。俺たちが攻めてきたことを察知して作ったと思うので、数が少ないのは分かっていたのに、何で作ったのかが分からない。
内部まで入り込まれない前提で、魔法や矢の撃ち合いをするのには向いているが、普通に考えてこっちに有利になるのに何で作ったんだ……分からん!
考えれば考えるほど分からなくなり、突撃する前に何で気付かなかったのか……
不吉なものを感じながらも、何も対策をできていない。何の根拠もないが、このままではいけない気がしている。せめて、そう感じている理由が分からなければ、みんなに伝えるのは戸惑う。
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