ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2154話 従魔の合格と兵士の訓練?

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 俺が混乱していると、ウルが説明してくれた。

 この固体は、フェンリルとシャドーウルフの子どもらしい。見た目はフェンリルのそれを受け継いだのだが、体の大きさはシャドーウルフの中でも、小さい個体になってしまったらしい。見た目は子どもだけど、大人のフェンリルなんだとさ。

 この見た目の事もあって、なかなか群れに馴染めていなかったらしい。別にいじめられているとかではなく、同じ時期に生まれた子たちは自分よりはるかに大きく、後から生まれた兄弟たちよりも小さい。

 別にいじめられているわけでもないが、頭がいい魔物なのでどうしても人間のように、見た目が違うと仲間に入りにくいらしい。周りのフェンリルもウルフたちも普通にしているつもりで、どこか普通にできていない部分があり、少し孤立している子なんだとさ。

 だから、この子を自分の従魔にしたいと、ウルがお願いしてきた。本人……フェンリルも了承しているようなので、すぐにこっちへ呼び出して、ウルに引き継ぐことにした。サイズ的には、土木組の子たちに渡した狼たちより若干小さいかな?

 並べないと分からない範囲の誤差なので、あってないような物だろう。

 ウルの元へ行く前に、俺はウルに向かって圧力をかけることにした。ミリーたちも頷いており、ウルには影響のないようにガードするように、視線だけでコンタクトをとった。

 俺の動きに合わせるようにミリーとリンドが動き、ウルに気付かれないように結界を張った。

 そこへ、全力ではないが、この世界でトップクラスの戦闘力を持ってても、若干戸惑うくらいの力で威圧する。

 そうすると唸り声をあげて、ウルに受け渡した従魔が俺とウルの間に入ってきた。

 その結果をみて、俺は合格だと判断して、ウルの従魔になることを最終許可した。ウルの従魔になる時に、しつこいくらいにウルが最優先だと念話で叩き込んだので、それに従って動いたのだろう。

 ウルの周りには、俺たちしかいないことが分かっていても、ウルに危害が及ぶことは了承できないフェンリルが、俺からの威圧だと分かっていても、しっかりと間に入り俺を威嚇しかえしたので、合格点の対応だろう。ウルは混乱していたが、すぐにミリーが説明してくれたので落ち着いた。

 ちゃっかりと、スライムたちもウルの近くに集まってきていたので、お前たちもウルについていける許可をあげられるな。不意に対応は、そのモノの本質を知るのにはいい機会なんだよな。

 レイリーに聞いて、面白そうだなと思ってたので今回試してみたけど、周りに配慮してやらないと危ない事になりそうだと思った。

 レイリーから聞いたのは、護衛などの訓練中に暗部の人たちに手伝ってもらい、本気の殺意をぶつけてもらっているらしい。その時の行動で、兵士たちの訓練のレベルが分かるといっていたな。

 上官の指示があっても慌てて何もできないものは、初歩の訓練からやり直し。上官の指示があれば立て直して動くことができるなら、訓練生を卒業して正規の兵士になれる。

 取り乱すことなく、上司の指示がある前に護衛対象の守りに入れれば、上級兵士の資格が与えられるとか。混乱せずに的確に指示を出せる者は、士官候補生になるんだってさ。実力主義の輪が軍隊では、頭でっかちの現場を知らない人間は上にはいけないようだ。

 全員が現場からの叩き上げである。役職にふさわしい勉強をすることで、候補がとれるという形をとっているそうだ。とはいえ、実力主義なので戦闘技術が無ければ、どんなに頑張っても一般の兵士が限界だろうってさ。

 そうすると、兵士の数が足りなくないか? と思ったが、もう上が詰まっているので、ランキングを作って、勝ちあがっていかないといけないらしい。自分のポジションを守り、さらに上に行きたい奴らが多いので、切間琢磨して全体のレベルが上がっているから、兵士や上級兵士は沢山いるんだってさ。

 うちの軍では、戦闘のせの字も知らない上官が指揮をとるということも無いので、無謀な作戦を建てることはほとんどない。ほとんどというのは、どうしても犠牲が出るのを覚悟で動かなければいけないこともある。なので、その作戦があるからほとんどという言い方をしている。

 無謀ではあるが、やらなければいけない事なので、その中で最大限の成果をあげられるように訓練するのが、兵士たちの仕事です! とは、レイリーの言だ。

 無謀な作戦とは、たまに俺や妻たちが参加する、追撃戦などの話だ。

 俺たちクラスの人間に狙われれば、殿は確実に半壊以上すると思って行動するらしい。それでも、多くの仲間を逃がすために、殿を務める者が必要である。そう言った人たちには、無謀な作戦への強制をさせられることになる。

 初めの頃は、追いつかれたら諦める兵士が多かったが、最近は連携をとって時間を稼げるようになってきているらしい。らしいというのも、最近のには参加できていないので、妻たちから聞いた話だからだ。

 大分話が逸れたけど、今回ここにいている兵士たちは……どのレベルの兵士たちなんだろうな? 上級士官や士官もたくさんいるから、訓練兵みたいなのもいるのかね?

 ん~レイリーに相談して、明日にでも訓練させてもらおうかね? ここにきて、それなりに時間が経っているので、若干気が抜けている気がする。少し空気のゆるみがあるんだよね。常に気を張っているとは言わないが、守らなきゃいけない対象がいるのに、ちょっと緩みすぎかな?

 改めて駐屯地の様子を考えると、そんな気がしてならない。よし、レイリーを呼び出して相談してみよう。許可が出たら驚かせないように、治療師の人たちにはお知らせしておこうかね。調理関係の人たちには、ブラウニーから連絡してもらえばいいだろう。

 やること前提で俺の中では話が進んでいるが、おそらくレイリーも拒否はしないと思う。普段と違う状況なんだから、訓練通りに動けるか試す最高のチャンスだろう。

 いや~今日は単調な作業をずっとしていたから、体を動かしたかったんだよね! 兵士たちに取ってはいい迷惑だろうが、久しぶりに付き合ってもらおうかと。
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