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第2120話 不意の祭り
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さすがに5個の治療室を作ってから戻るとなると、昼食の時間を少し過ぎてしまった。残り1個を作り始めた所で、昼食の時間だったのだが、戻ってまたここに来る事を考えると、無駄な時間が多くなってしまうので、シルキーに連絡して遅くなることを伝えている。
今日のお昼は何かな。
ワクワクしながら拠点に戻ると、スパイシーな匂いがしている。久々のカレー祭りかな? いろんな種類のカレーをいろんな食べ方で食べられる、夢のような祭りである。日本にいた頃には、絶対にできないであろう贅沢だよな。
今日は、インド・ネパールのカレーをチョイスして、鉄板のチーズナンとチキンカレーを始めに注文した。焼きたてのチーズナンとチキンカレーの爆発力は、何度食べても印象が変わらず、美味しいな……
希望をしていないのに、カレー祭りをしているのはなんでなんだろう? おかわりのナンを頼んだ時に、ブラウニーに聞いてみた。
「駐屯地で人数が多いので、作れる料理が限られてくるため、兵士たちの士気を高めるために、カレーのレシピを調理の協力をしてくださる方たちに教えるために、今日は複数のカレーの作り方を教えた時に、一緒に作りましたので、お昼に出させていただきました」
なるほど、カレーは一度に大量に作ろうと思えば作れるからな。それとパンやお米と一緒に食べれば、腹のふくらみも悪くないからね。
2枚目のナンは、プレーンのシンプルなヤツ。それでも、焼くときにバターを使っているので、バターの甘みが引き立ち、ナンが美味い。チーズの方にも乗ってるのだが、あっちはチーズの味が引き立つからな。
ふと上げた視線の先で、ウルが豆のカレーを食べていた。そういえば、インドやネパールでは、豆のカレーもスタンダードなんだっけ? 今まで、うちでは出てなかったけど、今回出したのには意味があるのかな?
どうやら、栄養価の高い豆を使うことで、兵士たちの体のメンテナンスに役立つように、と作られたカレーの1つだそうだ。
味が気になったので、豆のカレーも持って来てもらう。これも、ナンで食べるカレーだったので、ちょうどいい。
う~~ん、使っている豆が少しもそもそしているのかな? 口に残る感じはあるが、これはこれで悪くないな。栄養価が高い事を考えれば、そう悪いものではないかな?
あっ、ディストピア産の豆を使ったやつもあるんだね。それももらっていいかな?
あれ? こっちは、全然もそもそしてないな……何か違いがあるのかな?
鮮度が違うそうで、鮮度がいいともそもそ感が無くなるそうだ。取ってから劣化を始める野菜たちらしい性質だな。採れたてなら、ソラマメとかも生でくれるっていうしな。
鮮度って大事なんだな。まぁ、ディストピアのクオリティーの所為もあるだろうが、やっぱり鮮度は重要なんだとか。この世界で新鮮な野菜は、街の外の村に住んでいるような人たちしか食べられないのだ。
街の近くでも栽培しているところは多いが、そういうものは高所得層の食事に使われるため、街の人は端っこの方しか食べられない。そうするだけの値段はつけられるので、売り渋ることはないそうだ。価値に見あわない値段であれば、自分たちで食べるか、高級レストランに売れば問題ないのだ。
世の中上手く回っているようだな。
豆も美味い! これなら、主力メンバーに入れても問題ない美味しさだな。他にも、変わり種のカレーが色々あった。
特に、魔物を使ったカレーは、癖があるな。これって、何の肉なんだ?
「これは、肉食の魔物の肉ですね。ラディッツの冒険者ギルドで買ってきてもらったお肉ですので、詳しいことは分かりませんが、ドロップで出てくるものなので、肉食の動物よりは美味しいのだと思います」
肉食か、クマ肉とか癖があるって聞いたことあるけど、こういった味なのかな? 狼とかも肉だすっけ?
そんな事を考えながら、カレーを食べているクロとギンに視線を向けると、首を振って返してきた。
オオカミ系は、肉を出さないみたいだな。あれ? でも、ドラゴンは肉食じゃないのか? あの肉は上手いよな……どういう事だろうな? 神が作った世界だから、そういう事もあると考える事にした。
トッピングの野菜たちも美味いので、食が進んでしまうな。お替り自由のカレーは、食いすぎ注意だな。
シンラたちは、際限なく食べそうだったので、ブラウニーたちに制限されている。初めは、不貞腐れているような様子だったが、自分たちが満腹だったことに気付いて、不満な様子を見せなくなった。
食べている時には気付いていなかったけど、落ち着いたら気付けるレベルだったのだろう。
俺もこのあたりでやめないと、お腹が危ないことになりそうだ。いくら日本にいたときに比べてたべるようになって、体を改造したことでさらに食べる量が増えているが、常人の数倍も食べられるわけではない。
唯一の例外は、シュリ……あ、ライガも同じだったな。あいつ、この遠征に着いてきてないのかね? あいつの戦闘力を考えれば、今回の難民の相手は向かない仕事だからな。何処かで、戦闘訓練の相手を務めているのかね?
こういう時のシュリは、羨ましいな。美味しい物を思う存分食べられるんだからな。
でも、しっかりと食べられる状況でないと、死ぬほどひもじい思いをするらしいからな……確率的な問題で、お金持ちの家系に生まれることは極稀なので、大半が満足な食事も出来ずに餓死してしまうようだ。
食べられる家系に生まれた時は、無駄飯食らいと処分されるか、英雄として名をはせる事になるらしい。王国か帝国の初代が、シュリと同じ呪いを使って、統一したとか逸話があるんだとか。事実は良く分からないけどな。
シュリには、思う存分食べてもらいたいところだな。何も気にせず、食べていいんだぞ。
最後に、マンゴーラッシーを飲んで口の中をさっぱりさせる。少し酸味のある飲み物なので、食欲が刺激されるが……我慢我慢。
今日のお昼は何かな。
ワクワクしながら拠点に戻ると、スパイシーな匂いがしている。久々のカレー祭りかな? いろんな種類のカレーをいろんな食べ方で食べられる、夢のような祭りである。日本にいた頃には、絶対にできないであろう贅沢だよな。
今日は、インド・ネパールのカレーをチョイスして、鉄板のチーズナンとチキンカレーを始めに注文した。焼きたてのチーズナンとチキンカレーの爆発力は、何度食べても印象が変わらず、美味しいな……
希望をしていないのに、カレー祭りをしているのはなんでなんだろう? おかわりのナンを頼んだ時に、ブラウニーに聞いてみた。
「駐屯地で人数が多いので、作れる料理が限られてくるため、兵士たちの士気を高めるために、カレーのレシピを調理の協力をしてくださる方たちに教えるために、今日は複数のカレーの作り方を教えた時に、一緒に作りましたので、お昼に出させていただきました」
なるほど、カレーは一度に大量に作ろうと思えば作れるからな。それとパンやお米と一緒に食べれば、腹のふくらみも悪くないからね。
2枚目のナンは、プレーンのシンプルなヤツ。それでも、焼くときにバターを使っているので、バターの甘みが引き立ち、ナンが美味い。チーズの方にも乗ってるのだが、あっちはチーズの味が引き立つからな。
ふと上げた視線の先で、ウルが豆のカレーを食べていた。そういえば、インドやネパールでは、豆のカレーもスタンダードなんだっけ? 今まで、うちでは出てなかったけど、今回出したのには意味があるのかな?
どうやら、栄養価の高い豆を使うことで、兵士たちの体のメンテナンスに役立つように、と作られたカレーの1つだそうだ。
味が気になったので、豆のカレーも持って来てもらう。これも、ナンで食べるカレーだったので、ちょうどいい。
う~~ん、使っている豆が少しもそもそしているのかな? 口に残る感じはあるが、これはこれで悪くないな。栄養価が高い事を考えれば、そう悪いものではないかな?
あっ、ディストピア産の豆を使ったやつもあるんだね。それももらっていいかな?
あれ? こっちは、全然もそもそしてないな……何か違いがあるのかな?
鮮度が違うそうで、鮮度がいいともそもそ感が無くなるそうだ。取ってから劣化を始める野菜たちらしい性質だな。採れたてなら、ソラマメとかも生でくれるっていうしな。
鮮度って大事なんだな。まぁ、ディストピアのクオリティーの所為もあるだろうが、やっぱり鮮度は重要なんだとか。この世界で新鮮な野菜は、街の外の村に住んでいるような人たちしか食べられないのだ。
街の近くでも栽培しているところは多いが、そういうものは高所得層の食事に使われるため、街の人は端っこの方しか食べられない。そうするだけの値段はつけられるので、売り渋ることはないそうだ。価値に見あわない値段であれば、自分たちで食べるか、高級レストランに売れば問題ないのだ。
世の中上手く回っているようだな。
豆も美味い! これなら、主力メンバーに入れても問題ない美味しさだな。他にも、変わり種のカレーが色々あった。
特に、魔物を使ったカレーは、癖があるな。これって、何の肉なんだ?
「これは、肉食の魔物の肉ですね。ラディッツの冒険者ギルドで買ってきてもらったお肉ですので、詳しいことは分かりませんが、ドロップで出てくるものなので、肉食の動物よりは美味しいのだと思います」
肉食か、クマ肉とか癖があるって聞いたことあるけど、こういった味なのかな? 狼とかも肉だすっけ?
そんな事を考えながら、カレーを食べているクロとギンに視線を向けると、首を振って返してきた。
オオカミ系は、肉を出さないみたいだな。あれ? でも、ドラゴンは肉食じゃないのか? あの肉は上手いよな……どういう事だろうな? 神が作った世界だから、そういう事もあると考える事にした。
トッピングの野菜たちも美味いので、食が進んでしまうな。お替り自由のカレーは、食いすぎ注意だな。
シンラたちは、際限なく食べそうだったので、ブラウニーたちに制限されている。初めは、不貞腐れているような様子だったが、自分たちが満腹だったことに気付いて、不満な様子を見せなくなった。
食べている時には気付いていなかったけど、落ち着いたら気付けるレベルだったのだろう。
俺もこのあたりでやめないと、お腹が危ないことになりそうだ。いくら日本にいたときに比べてたべるようになって、体を改造したことでさらに食べる量が増えているが、常人の数倍も食べられるわけではない。
唯一の例外は、シュリ……あ、ライガも同じだったな。あいつ、この遠征に着いてきてないのかね? あいつの戦闘力を考えれば、今回の難民の相手は向かない仕事だからな。何処かで、戦闘訓練の相手を務めているのかね?
こういう時のシュリは、羨ましいな。美味しい物を思う存分食べられるんだからな。
でも、しっかりと食べられる状況でないと、死ぬほどひもじい思いをするらしいからな……確率的な問題で、お金持ちの家系に生まれることは極稀なので、大半が満足な食事も出来ずに餓死してしまうようだ。
食べられる家系に生まれた時は、無駄飯食らいと処分されるか、英雄として名をはせる事になるらしい。王国か帝国の初代が、シュリと同じ呪いを使って、統一したとか逸話があるんだとか。事実は良く分からないけどな。
シュリには、思う存分食べてもらいたいところだな。何も気にせず、食べていいんだぞ。
最後に、マンゴーラッシーを飲んで口の中をさっぱりさせる。少し酸味のある飲み物なので、食欲が刺激されるが……我慢我慢。
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