ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第2094話 禁断の方法

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 スライムたちに暴れて怒っているグレンを見つけ、改めてスライムたちの恐ろしさを実感した。

 まずは、その数だよな……激高状態のグレンを連携して、拘束し続けているんだよね。ステータス的には半分くらいしかないと思うが、それでも問題なく拘束出来ているんだから、そのポテンシャルの高さは凄いと思う。

 それに、赤と青のスライムたちがまとわりついているので、火に強い構成のスライムがグレンに張り付いているのだろう。グレンの纏う火は、普段は熱を持たないのだが、戦闘状態に入ると自然と灼熱を身に纏う。その火は、全てを焼き尽くす炎となって、敵を攻撃する武器となるのだ。

 そんな状態のグレンだから、熱とかに強いスライムたちがまとわりついているんだろうな。それでも、ダメージは負ってしまうので、白色の回復できるスライムが周囲で待機して、随時回復している。

 暴れているグレンは、俺を見ると少し落ち着いてきたが、それでもスライムたちへの怒りが収まっていないため、体にまとわりついているスライムたちにくちばしで攻撃を始めた。

 待った待った! 落ち着けって! 暴れているグレンに近付き、暴れているグレンを撫でる。まだ燃えているので、俺をあぶってくるが……氷魔法を発動して温度を下げるが、それでも熱が貫通してくる。

 俺の肉体強度のおかげで耐えられているが、それでも熱いな……

 怒りが収まらないな。しょうがない、最終手段を使うか。今まで使った事なんてほとんどなかったが、隷属魔法の影響による、強制命令だ。動きを止めるだけでは、スライムたちへの怒りはしばらくおさまらないだろうから、強制的に睡眠状態へ落とした。

 闇魔法による睡眠の効果のある魔法は、レベルが高くなればなるほど人間も魔物もそれ以外も、効果が低くなっていく。そう言う意味では、俺たちも四聖獣もほとんど効果は無い。受け入れるつもりがあるのであれば、耐性は無くなるが、怒っているグレンはまず受け入れないだろう。

 なので、隷属魔法による完全支配の影響を使って、眠りにつかせることにした。

 抗えない眠りにつくグレンを優しく抱きかかえ、ゆっくりと地面に寝かせる。体を大きくしている状態で眠らせてしまったので、対処に少し苦労してしまった。

 スライムたちには、起きたらグレンに謝るように伝えておく。今回したことは、子どもたちを危険にさらさないために警戒していたスライムたちが、ミスで起こしてしまったものだが、ミスだから許されるというものではない。

 素直に謝って、許してもらうように言いつける。いつものようにのらりくらりと、かわすように逃げるようなら、それなりの対応をとると脅しておいた。ニコの反応を見る限り、かなり焦ってはいるようだから、さすがに謝らないなんてことは無いだろう。

 念のために、シエルに見守ってもらおう。シエルなら、何があっても確実に押さえきれるからな。結界がグレンにとって相性の悪い魔法だから、拘束するだけならシエルの方が圧倒的に有利である。もし本気で戦えば、攻撃力の高いグレンの方が圧倒的に有利なんだけどね。

 攻撃のグレン、鉄壁のシエルだから、攻め切れないシエルは、最終的にグレンには勝てないんだよね。シエルに攻撃性能が付いたら、手に負えなくなるからちょうどいいんだろうけどね。守っていれば負けることは無いから、実質引き分けというところだね。

 さて、拘束は出来ても落ち着かせることは、シエルには無理だろうから、援軍を頼むしかないよな。ということで、メグちゃん、頼みます! スライムたちが悪いんだけどグレンが暴れれば、子どもたちに危険が及ぶので、安全を確保するという意味でお願いします。

 メグちゃんは、子どもたちの安全にかかわることであれば、不可能でない限り必ず引き受けてくれるので、本当に最終防壁的存在だな。

 時間を消費してしまったが、レイリーたちが到着する前に、整地だけは終わらせておかないとな……

 持ち場に戻って設計図を見ながら、担当するエリアの中心地に立つ。まずはこのあたり一帯を整地する。地面を平らにならして、草などは全部水堀へ落とすように誘導する。流れがそれなりにあるので、最終的にはダンジョンに吸収されるだろう。

 草とかに付いていた土や一緒に落としてしまった土の分、周囲より低くなってしまっているので、少し間らないといけなくなった。

 魔力で生み出すと疲れるのでDPで土を準備してから、魔法で一気に土台を作り上げる。移動して、細かい所を調整する。

 こんなもんだろう。次に区画整理をしていかないとな。区画整理って言うとちょっとイメージと違うが、簡単に言えばキャンプの区画サイトみたい感じで、テントなどを建てる場所を1つ1つ指定する場所を作る感じだな。

 後は、男女で分かれさせたり、下士官クラスの人が中心になるように、いくつかエリアを分けるといった感じだな。塀ほど高くなく、コンクリートブロックを建てたくらいの高さだ。

 少し精密な作業が必要になってくるので、6分割して1つ1つ作っていく。整地の時に固めてしまった地面は多少柔らかくして、その上に細かめの砂利を少し敷き詰めている。

 地面をむき出しにしておくと草が生えやすくなるし、少しの雨なら降っても水たまりになりにくいので、こんな感じでいいだろう。

 今日の午後はスライム層を作って、時間があれば入浴施設かね。鍛冶の施設が稼働しないと、お湯が作れないんだが、それまでは兵士の中の魔法部隊に頑張ってもらいますか。しばらくは戦闘は無いだろうし、俺たちがいるから問題ないだろう。

 細かい調整が終わるころになると、作業を終えたカエデとリンドが俺を迎えに来てくれた……おかしいな。俺には護衛が付いているのに、カエデとリンドには護衛が付いていない……

「シュウの身に何かあったら、私たちが暴走するからよ。それと、突拍子もない事をしないように、見張らせておくためでもあるのよ」

 俺だって家族に何かあれば、暴走するんだけどな……それは考慮に入っていないのかな?

 俺だけが見張られる形になってしまっていた。
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