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第2057話 到着前に問題が増えた
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起きた時にはラディッツについていたが、あの騒動があったので予定していた時間より、1時間は遅れて街を出発することになった。
フルメンバーで移動するのは久しぶりな気がする。メンテナンスや掃除はしていたが久しぶりに乗った馬車は、かなり懐かしく感じている。結構な人数で移動することになっても、この馬車は使っていなかったので、最後に使った時期を思い出せていない。
野営地を簡単に作れるように、サイドタープのように幌馬車の幌の部分が伸ばせるようになっている、便利機能を詰め込んだ馬車だ。ジェノサイドキャラバンの馬車は、野営地を簡単に作れる機能だけだが、俺たちの馬車は連結可能で移動時にゲームで遊べるようにも改造されている。
他にもキッチン馬車も持ち出しているし、簡単に張ることのできるテントとお風呂用の馬車やテントも準備している。
ちなみに、お風呂用の馬車というのは、前に使った際にはなかった綾乃の作った馬車の1つだ。
馬車自体がお風呂なのではなく、お風呂を沸かすための機能を詰め込んだ馬車と表現するのが正しい。そしてこのお風呂用の馬車なのだが、鍛冶の炉としても使えるように魔改造されている。
お風呂に関してはダンジョンマスターの能力で、ちょちょいのちょいのつもりだったが、どうなるか分からない場所でダンジョンマスターの能力で作った物を置いておくのは、良くないのではないか? ということで、この馬車を持ち出している。
お風呂を沸かす機能は至極簡単だ。馬車の上部にタンクがあり、そこへ水を吸い込むためのホースがある。炉の近くを九十九折のようにウネウネと曲げたパイプがあり、その中を通った水がお湯に変わるというものだ。
水源とお湯を溜める場所があれば、簡単にお風呂が作れるという仕組みだ。鍛冶の炉と一体になっているため、両方とも稼働している時はとてもうるさいので、使用時は注意が必要である。
とはいえ、今回派遣されてくる予定の兵士の数は、5000人を超えているので、4台持って来ていたとしてもこの馬車の処理能力だけでは、賄えないのではないだろうか?
5000人に対して、湯舟が4つという時点で非常に少ないと言わざるを得ない。お湯を沸かす速度だけを考えれば、高温のお湯を貯めて置く場所と、適温にして入れる湯舟を準備して、1つの馬車で4つ分くらいの湯舟を造れれば話は変わってくるかな?
あ、俺たちが滞在する場所には、専用の設備を整えるつもりなので、カウントには入ってないよ。俺たちが出ていった後は、ここに駐屯する人たちが利用する場所なのに、専用の設備がない方が不便だからね。
4つの馬車で4つずつの湯舟……16個の湯舟があれば、何とかなるか? しっかりとマナーを守って入ってくれるのであれば、1つの湯舟で300人ちょっとを処理できればいいしな。
さすがに毎日浸かるのは無しにしても、体をキレイにするために利用はさせる必要があるからな。衛生面を考えると、絶対に必要になってくる。
清潔とは言い難い難民たちを直接相手にするので、健康面はしっかりとしておかないと、病気が蔓延しかねないからな。治療院で働いている人たちも来るので、怪我の面に関してはかなり安心している部分がある。
初期の予定では連れてくるつもりは無かったのだが、治療院で腹炊いている人たちは自分たちの境遇と重ね合わせてしまい、どうしてもということで戦場にはならない予定なので、こっちへ来ることを許可している。
ただ、安全を確保するために、兵士の中でも精鋭の兵士たちのガードの中でのみの活動を許可している。今回は特に今後の見通しがどうなるか分かっておらず、不穏分子になる可能性が高いので、可能な限り難民と接触させたくない上層部の意向でそうなった。
上層部とは、俺以外の偉い人の事ね。俺、決まってからそれ聞いたからね。教えてもらったのも、ラディッツを出てから送られてきたメールを見て知った事である。
置いてきぼりは寂しいけど、俺は俺でしていることがあり、俺無しの話し合いで決まった話が上がってくるだけマシかね。たまに、俺が関係なければ放置されることもあるからね。
その話があったので、治療院の人たちが住む場所の選定もするようにお願いが来ている。
とはいえ安全面を考えれば、いくら精鋭が守るとはいえ限界があるので、俺たちの住む場所の近くに住むことになるだろう。そして問題は、俺が子どもたちを連れていくのであれば、安全は確保されているはずなので自分たちもお願いします……だとさ。
仕事が無くて、身売りするか心中するか、どうにもならない状況の人たちだったはずなのに……こうなると、母って強いんだな。あの時は選択肢がなかったからボロボロだったけど、今はいくらでも選択肢があるからな。こうなった母親には勝てんな。
となると、シンラたちを含めた託児所みたいなのを作る方がいいかもしれないな。全員が赤ちゃんみたいな年端もいかない子どもではなく、ウルたちより年上の子たちだっているはずだから、託児所というよりは子どもの集まる家みたいなイメージかね。
妻たちの何人かと、ブラウニーたちにお願いしておけば、トラブルなんかは問題ないだろう。食事も大丈夫だろう。一番問題になるのは、シンラたちかもしれないな……あの子たちはまだ、近くの子どもたちとたまにふれあうくらいしか、外との接点がないからな。
俺たちにするような対応をしていたら、おそらく他の子どもたちを物理的にも精神的にも傷をつけてしまいそうだ。そこらへんは……妻や姉たちに何とかしてもらうしかないだろうか? それとも、シンラたちだけ別にしておくべきか。悩ましいところだな。
俺がしなければならないないよとしては、建物を2~3追加で建てればいいだけなのだが、その内側には問題が沢山潜んでるな。
ニコを近くに呼び寄せて、重要人物一人ひとりにスライムたちをつけても、数は足りるのか聞いてみる。
言葉は喋れないが、しっかりと言葉を理解して、触手で言葉を作るので意思疎通が可能になっている。
何人くらいにスライムをつけるのか聞かれるかと思ったが、1人に対して何匹つけるのかと聞かれてビビった。ニコの話では、兵士たち5000人に10匹ずつつけても、倍くらいの数は余る……と言われた。
それを聞いた俺は、固まってしまった。10万匹はスライムがいると言うことだ。10万匹いることはまだいい。問題なのは、活動できるスライムが10万匹以上いることなのだ。
こいつらスライムは分裂すると、生まれた側のスライムは大して強くないのだ。Lvが低いということだな。なので、ある一定の数が生まれると、ダンジョンで訓練を始め一定以上Lvが上がったものが、そこらへんで見かけるスライムたちなのだ。
戦闘をこなせるスライムたちが10万匹……1匹がSランクの冒険者を倒せる程の実力がある。もうね、強さのインフレが止まらない。
えっと、情報を収集するのはシャドーたちに任せるから、警護を頼みたい。特に、兵士以外でここに来る人たちだな。あ~、ドワーフたちは気にしなくていい。子どもたちと治療院の人たちは、念入りに警護してほしいんだ。
だからといって、みっちりついていくのは無しで、2~3匹その人について、影から何匹かで見守る感じで対応してもらいたい。頑張れば、子どもたちにほめてもらえると思うぞ。もしかしたら、体を洗ってもらえるかもな。
数が増えてからは、手で洗ってもらえることが減ったので、功労賞で体を洗ってもらえる権利をやろうと思ったのだ。子どもたちも、我が侭で付いてきているのだから、それくらいしてもらおう。
フルメンバーで移動するのは久しぶりな気がする。メンテナンスや掃除はしていたが久しぶりに乗った馬車は、かなり懐かしく感じている。結構な人数で移動することになっても、この馬車は使っていなかったので、最後に使った時期を思い出せていない。
野営地を簡単に作れるように、サイドタープのように幌馬車の幌の部分が伸ばせるようになっている、便利機能を詰め込んだ馬車だ。ジェノサイドキャラバンの馬車は、野営地を簡単に作れる機能だけだが、俺たちの馬車は連結可能で移動時にゲームで遊べるようにも改造されている。
他にもキッチン馬車も持ち出しているし、簡単に張ることのできるテントとお風呂用の馬車やテントも準備している。
ちなみに、お風呂用の馬車というのは、前に使った際にはなかった綾乃の作った馬車の1つだ。
馬車自体がお風呂なのではなく、お風呂を沸かすための機能を詰め込んだ馬車と表現するのが正しい。そしてこのお風呂用の馬車なのだが、鍛冶の炉としても使えるように魔改造されている。
お風呂に関してはダンジョンマスターの能力で、ちょちょいのちょいのつもりだったが、どうなるか分からない場所でダンジョンマスターの能力で作った物を置いておくのは、良くないのではないか? ということで、この馬車を持ち出している。
お風呂を沸かす機能は至極簡単だ。馬車の上部にタンクがあり、そこへ水を吸い込むためのホースがある。炉の近くを九十九折のようにウネウネと曲げたパイプがあり、その中を通った水がお湯に変わるというものだ。
水源とお湯を溜める場所があれば、簡単にお風呂が作れるという仕組みだ。鍛冶の炉と一体になっているため、両方とも稼働している時はとてもうるさいので、使用時は注意が必要である。
とはいえ、今回派遣されてくる予定の兵士の数は、5000人を超えているので、4台持って来ていたとしてもこの馬車の処理能力だけでは、賄えないのではないだろうか?
5000人に対して、湯舟が4つという時点で非常に少ないと言わざるを得ない。お湯を沸かす速度だけを考えれば、高温のお湯を貯めて置く場所と、適温にして入れる湯舟を準備して、1つの馬車で4つ分くらいの湯舟を造れれば話は変わってくるかな?
あ、俺たちが滞在する場所には、専用の設備を整えるつもりなので、カウントには入ってないよ。俺たちが出ていった後は、ここに駐屯する人たちが利用する場所なのに、専用の設備がない方が不便だからね。
4つの馬車で4つずつの湯舟……16個の湯舟があれば、何とかなるか? しっかりとマナーを守って入ってくれるのであれば、1つの湯舟で300人ちょっとを処理できればいいしな。
さすがに毎日浸かるのは無しにしても、体をキレイにするために利用はさせる必要があるからな。衛生面を考えると、絶対に必要になってくる。
清潔とは言い難い難民たちを直接相手にするので、健康面はしっかりとしておかないと、病気が蔓延しかねないからな。治療院で働いている人たちも来るので、怪我の面に関してはかなり安心している部分がある。
初期の予定では連れてくるつもりは無かったのだが、治療院で腹炊いている人たちは自分たちの境遇と重ね合わせてしまい、どうしてもということで戦場にはならない予定なので、こっちへ来ることを許可している。
ただ、安全を確保するために、兵士の中でも精鋭の兵士たちのガードの中でのみの活動を許可している。今回は特に今後の見通しがどうなるか分かっておらず、不穏分子になる可能性が高いので、可能な限り難民と接触させたくない上層部の意向でそうなった。
上層部とは、俺以外の偉い人の事ね。俺、決まってからそれ聞いたからね。教えてもらったのも、ラディッツを出てから送られてきたメールを見て知った事である。
置いてきぼりは寂しいけど、俺は俺でしていることがあり、俺無しの話し合いで決まった話が上がってくるだけマシかね。たまに、俺が関係なければ放置されることもあるからね。
その話があったので、治療院の人たちが住む場所の選定もするようにお願いが来ている。
とはいえ安全面を考えれば、いくら精鋭が守るとはいえ限界があるので、俺たちの住む場所の近くに住むことになるだろう。そして問題は、俺が子どもたちを連れていくのであれば、安全は確保されているはずなので自分たちもお願いします……だとさ。
仕事が無くて、身売りするか心中するか、どうにもならない状況の人たちだったはずなのに……こうなると、母って強いんだな。あの時は選択肢がなかったからボロボロだったけど、今はいくらでも選択肢があるからな。こうなった母親には勝てんな。
となると、シンラたちを含めた託児所みたいなのを作る方がいいかもしれないな。全員が赤ちゃんみたいな年端もいかない子どもではなく、ウルたちより年上の子たちだっているはずだから、託児所というよりは子どもの集まる家みたいなイメージかね。
妻たちの何人かと、ブラウニーたちにお願いしておけば、トラブルなんかは問題ないだろう。食事も大丈夫だろう。一番問題になるのは、シンラたちかもしれないな……あの子たちはまだ、近くの子どもたちとたまにふれあうくらいしか、外との接点がないからな。
俺たちにするような対応をしていたら、おそらく他の子どもたちを物理的にも精神的にも傷をつけてしまいそうだ。そこらへんは……妻や姉たちに何とかしてもらうしかないだろうか? それとも、シンラたちだけ別にしておくべきか。悩ましいところだな。
俺がしなければならないないよとしては、建物を2~3追加で建てればいいだけなのだが、その内側には問題が沢山潜んでるな。
ニコを近くに呼び寄せて、重要人物一人ひとりにスライムたちをつけても、数は足りるのか聞いてみる。
言葉は喋れないが、しっかりと言葉を理解して、触手で言葉を作るので意思疎通が可能になっている。
何人くらいにスライムをつけるのか聞かれるかと思ったが、1人に対して何匹つけるのかと聞かれてビビった。ニコの話では、兵士たち5000人に10匹ずつつけても、倍くらいの数は余る……と言われた。
それを聞いた俺は、固まってしまった。10万匹はスライムがいると言うことだ。10万匹いることはまだいい。問題なのは、活動できるスライムが10万匹以上いることなのだ。
こいつらスライムは分裂すると、生まれた側のスライムは大して強くないのだ。Lvが低いということだな。なので、ある一定の数が生まれると、ダンジョンで訓練を始め一定以上Lvが上がったものが、そこらへんで見かけるスライムたちなのだ。
戦闘をこなせるスライムたちが10万匹……1匹がSランクの冒険者を倒せる程の実力がある。もうね、強さのインフレが止まらない。
えっと、情報を収集するのはシャドーたちに任せるから、警護を頼みたい。特に、兵士以外でここに来る人たちだな。あ~、ドワーフたちは気にしなくていい。子どもたちと治療院の人たちは、念入りに警護してほしいんだ。
だからといって、みっちりついていくのは無しで、2~3匹その人について、影から何匹かで見守る感じで対応してもらいたい。頑張れば、子どもたちにほめてもらえると思うぞ。もしかしたら、体を洗ってもらえるかもな。
数が増えてからは、手で洗ってもらえることが減ったので、功労賞で体を洗ってもらえる権利をやろうと思ったのだ。子どもたちも、我が侭で付いてきているのだから、それくらいしてもらおう。
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