2,044 / 2,518
第2044話 書類が多い理由
しおりを挟む
ライラに促されて、仕事に戻る。俺の仕事は妻たちとは違い、いつもと同じ書類の確認と決裁だから問題は無い。あるとすれば、いつもより書類の量が多い事だろう。仕分けされていない書類を、俺が俺の感覚で処理している。
書類の量は……大体10倍くらいはある気がする。妻たちはいつもこの書類たちを、俺が見るのに必要な物だけを抽出して、渡してくれるのだろう。俺から見れば、何が違うのか分からない書類もあるが、妻たちから見ると、俺が見る必要がない書類もあるのだとか。
「う~~ん、分からん。だって、ほぼ同じ内容じゃん。なのにこっちは確認してほしくて、こっちは別に俺じゃなくてもいいんだろ? 何が違うんだ?」
「シュウ様は分からないかもしれないですが、書類を書いている人ですね。こっちは、領主代行をして長い人で、こっちは領主代行になって間もない人ですね。他にもこれとこれなのですが、報告の上がったに日時ですね。こっちは4日前の事、こっちは昨日の事ですので、昨日のは確認してもらう必要がありますね」
何で4日前だと確認が必要なくて、昨日だと確認が必要なんだ?
「4日前のものであれば、シュウ様がわざわざ確認する必要はありません。もう解決しているか、解決できなかったためあげられた書類ということになります」
「後者なら、俺が確認する必要があるんじゃないか?」
「後者の方が確認する必要ありませんね。自分が無能だと言っているような物です。そんな者の報告書を読んでもら必要はありません。この者に関していえば、教育のし直しが必要ですので、提出された報告書を使い再教育することになりますね」
良く分からんが、妻たちやグリエルたちには、きちんとした基準があり俺が確認する必要がないと考えているのなら、それは間違っていないのだろう。気にするだけ無駄というのはあれだが、遅れて報告するような奴は邪魔ということかな。
対処できるかできないかは別として、問題が起きたならすぐに報告するべきだということは分かった。言われるまで気付かなかったが、言われてみれば確かに報告が遅くなったことは問題だ。だけど、そんな報告書を読む必要がない……というのはわからん。
問題があるのだから、反対に俺が読む必要だあるのではないかと感じている。
妻たちの話では、読んだところで意味は無いので、時間の無駄だと言われた。読んだところで、どんな問題が起こりどうして解決できないのかが分かるだけで、俺の時間を使うだけで何の線の無い事だ! と言い切られてしまった。
それなら、再教育が終わった後に、結果だけを報告するのが正解だとのことだ。
俺が再教育をするわけではないので、そんなどうでもいい報告書に俺の時間を使うくらいなら、子どもたちと一緒に遊んでいる方が俺のためでもある、と言い切られた。
俺が全てをやっているのであれば、このいい分は無視も出来るだろうが、俺は色々な人に協力してもらい、その人たちのおかげで色々自由に行動することができている。
ならば、ここは妻たちやグリエルたちの方針に従うべきだな。仕事の量を減らしてもらっているのに、文句を言ってはいけないよな。
おっと、話してないで仕事をしないとな。気になることを聞いていると、仕事が進まなくなりそうだ。時間がある時に聞けばいいだろう。
ふむふむ……ぺったんぺったん。
あ~、これも報告後少し遅いな。2日前の奴を今頃か。妻たちからするとこれはどっちなんだい? これもアウトなのか。だけど、再教育ではなく忠告で済ませるみたいだな。2日はギリセーフで、3日以降はアウトらしい。
2日と言っても、俺が呼んでいる報告書は昨日のものなので、実質1日が猶予ってところみたいだな。2日でもきちんと解決しているなら、問題ないらしい。ここら辺が一つの線引きらしい。
次いこか。
いつも読んでいない報告書は新鮮ではあるけど、確かに読まなくても問題ないものが多いな。どうでもいいとまではいは無いが、上申する報告書や日常の街のトラブルについてなど、細かい報告も多い。
うちの報告書は細かいことが多いが、これには理由がある。
厚生労働省でもピックアップされているヒヤリハットだが、多くの場合現場では、細かいヒヤリハットを書くことが難しい。
難しい理由は現場それぞれだろうが、書く暇がない・このくらいなら問題ない・書こうと思っていて業務に忙殺される・書き始めたらきりがない・そもそもヒヤリハットだと思っていない……等々、理由は様々だが、自主性に任せるヒヤリハット報告は、数が少なくなる傾向がある。
酷い所では終業後に書いて帰れみたいなところもあると聞いている。大きな事故を防ぐための物なのだが、時間外労働を無償で強制させられることで、大きな事件に発展しまったケースもあるのだとか。
高校時代の友達から、その友達の父親の働いている会社の違う部署で、時間外労働を強制させていたらしく、現場の声を無視して営業していた結果、乱雑に積まれた資材が崩れて部署の偉い人が怪我をしたという事故が起きたそうだ。
その事故があったため、その偉い人が現場の人間に責任があるとして、現場の人間に頭ごなしに怒ったそうだ。訴えを無視して、タダで強制的に働かさせられていたため、現場の人間が爆発して傷害事件に発展したそうだ。
もちろん裁判になったのだが、強制的な違法の時間外労働と理不尽な叱責など、色々なことが加味された結果、心神喪失状態にあったとして傷害を起こした社員は無罪。怪我した偉い人と会社は、反対に強制的に違法な時間外労働をさせたとして訴えられ、敗訴し多額の罰金を払ったらしい。
業績の良かった友達の父親が働いていた部署もとばっちりを受け、内部改革のため忙しくて、家に帰ってきても不機嫌だと言っていたな。
大きな事件を防ぐためとはいえ、問題になることをしては意味がない。
ならば報告書(日報に近い)として、業務の一環で書いてもらう時間を作ったため、報告書が細かい。その中からヒヤリハットを抽出する形をとったのが、俺の管理下の街である。それでも漏れは沢山あるが、自主性に任せるよりは多くなったと聞いている。
普通の企業で行っても、効果はあまりないだろうが、グリエルたちがしっかりと教育し管理して人材が上にいるので、これが上手くいっている。ヒヤリハットを抽出する部署もあるみたいだけど、俺は何処にあるか知らない……それでいいのか俺!
ヒヤリハットの件はともかく、現場の意見は最大限に聞き入れているので、現場の人間が爆発することは今のところない。聞き入れていると言っても、全部が全部ではない。しっかりと聞いて、吟味し、妥当性があれば改善という形をとっている。
現場と上の人間ではズレることが多いので、訴えが多くなれば上の人間が現場に入り、現場の人間は上の人が働いている場所を見学するようにしている。お互いの考え方、感じていることを知ることができるから導入されたシステムだ。
現場上がりの人間も多いので、効率的に仕事ができる方法を教えたりすることもあるのだとか。反対に現場の人間は、書類仕事に忙殺されている上の人間を見て、顔を青くする者もいたと聞いている。お互いが理解できていなかったと、判断されることもちらほらあるそうだ。
大半は、俺が遊び半分で提案したことを、グリエルたちが使えるように落とし込んだ結果が、俺たちの街なのだろう。
よっし、今日の仕事は終わり! 明日が終われば、2人が戻ってくるってことだな。
書類の量は……大体10倍くらいはある気がする。妻たちはいつもこの書類たちを、俺が見るのに必要な物だけを抽出して、渡してくれるのだろう。俺から見れば、何が違うのか分からない書類もあるが、妻たちから見ると、俺が見る必要がない書類もあるのだとか。
「う~~ん、分からん。だって、ほぼ同じ内容じゃん。なのにこっちは確認してほしくて、こっちは別に俺じゃなくてもいいんだろ? 何が違うんだ?」
「シュウ様は分からないかもしれないですが、書類を書いている人ですね。こっちは、領主代行をして長い人で、こっちは領主代行になって間もない人ですね。他にもこれとこれなのですが、報告の上がったに日時ですね。こっちは4日前の事、こっちは昨日の事ですので、昨日のは確認してもらう必要がありますね」
何で4日前だと確認が必要なくて、昨日だと確認が必要なんだ?
「4日前のものであれば、シュウ様がわざわざ確認する必要はありません。もう解決しているか、解決できなかったためあげられた書類ということになります」
「後者なら、俺が確認する必要があるんじゃないか?」
「後者の方が確認する必要ありませんね。自分が無能だと言っているような物です。そんな者の報告書を読んでもら必要はありません。この者に関していえば、教育のし直しが必要ですので、提出された報告書を使い再教育することになりますね」
良く分からんが、妻たちやグリエルたちには、きちんとした基準があり俺が確認する必要がないと考えているのなら、それは間違っていないのだろう。気にするだけ無駄というのはあれだが、遅れて報告するような奴は邪魔ということかな。
対処できるかできないかは別として、問題が起きたならすぐに報告するべきだということは分かった。言われるまで気付かなかったが、言われてみれば確かに報告が遅くなったことは問題だ。だけど、そんな報告書を読む必要がない……というのはわからん。
問題があるのだから、反対に俺が読む必要だあるのではないかと感じている。
妻たちの話では、読んだところで意味は無いので、時間の無駄だと言われた。読んだところで、どんな問題が起こりどうして解決できないのかが分かるだけで、俺の時間を使うだけで何の線の無い事だ! と言い切られてしまった。
それなら、再教育が終わった後に、結果だけを報告するのが正解だとのことだ。
俺が再教育をするわけではないので、そんなどうでもいい報告書に俺の時間を使うくらいなら、子どもたちと一緒に遊んでいる方が俺のためでもある、と言い切られた。
俺が全てをやっているのであれば、このいい分は無視も出来るだろうが、俺は色々な人に協力してもらい、その人たちのおかげで色々自由に行動することができている。
ならば、ここは妻たちやグリエルたちの方針に従うべきだな。仕事の量を減らしてもらっているのに、文句を言ってはいけないよな。
おっと、話してないで仕事をしないとな。気になることを聞いていると、仕事が進まなくなりそうだ。時間がある時に聞けばいいだろう。
ふむふむ……ぺったんぺったん。
あ~、これも報告後少し遅いな。2日前の奴を今頃か。妻たちからするとこれはどっちなんだい? これもアウトなのか。だけど、再教育ではなく忠告で済ませるみたいだな。2日はギリセーフで、3日以降はアウトらしい。
2日と言っても、俺が呼んでいる報告書は昨日のものなので、実質1日が猶予ってところみたいだな。2日でもきちんと解決しているなら、問題ないらしい。ここら辺が一つの線引きらしい。
次いこか。
いつも読んでいない報告書は新鮮ではあるけど、確かに読まなくても問題ないものが多いな。どうでもいいとまではいは無いが、上申する報告書や日常の街のトラブルについてなど、細かい報告も多い。
うちの報告書は細かいことが多いが、これには理由がある。
厚生労働省でもピックアップされているヒヤリハットだが、多くの場合現場では、細かいヒヤリハットを書くことが難しい。
難しい理由は現場それぞれだろうが、書く暇がない・このくらいなら問題ない・書こうと思っていて業務に忙殺される・書き始めたらきりがない・そもそもヒヤリハットだと思っていない……等々、理由は様々だが、自主性に任せるヒヤリハット報告は、数が少なくなる傾向がある。
酷い所では終業後に書いて帰れみたいなところもあると聞いている。大きな事故を防ぐための物なのだが、時間外労働を無償で強制させられることで、大きな事件に発展しまったケースもあるのだとか。
高校時代の友達から、その友達の父親の働いている会社の違う部署で、時間外労働を強制させていたらしく、現場の声を無視して営業していた結果、乱雑に積まれた資材が崩れて部署の偉い人が怪我をしたという事故が起きたそうだ。
その事故があったため、その偉い人が現場の人間に責任があるとして、現場の人間に頭ごなしに怒ったそうだ。訴えを無視して、タダで強制的に働かさせられていたため、現場の人間が爆発して傷害事件に発展したそうだ。
もちろん裁判になったのだが、強制的な違法の時間外労働と理不尽な叱責など、色々なことが加味された結果、心神喪失状態にあったとして傷害を起こした社員は無罪。怪我した偉い人と会社は、反対に強制的に違法な時間外労働をさせたとして訴えられ、敗訴し多額の罰金を払ったらしい。
業績の良かった友達の父親が働いていた部署もとばっちりを受け、内部改革のため忙しくて、家に帰ってきても不機嫌だと言っていたな。
大きな事件を防ぐためとはいえ、問題になることをしては意味がない。
ならば報告書(日報に近い)として、業務の一環で書いてもらう時間を作ったため、報告書が細かい。その中からヒヤリハットを抽出する形をとったのが、俺の管理下の街である。それでも漏れは沢山あるが、自主性に任せるよりは多くなったと聞いている。
普通の企業で行っても、効果はあまりないだろうが、グリエルたちがしっかりと教育し管理して人材が上にいるので、これが上手くいっている。ヒヤリハットを抽出する部署もあるみたいだけど、俺は何処にあるか知らない……それでいいのか俺!
ヒヤリハットの件はともかく、現場の意見は最大限に聞き入れているので、現場の人間が爆発することは今のところない。聞き入れていると言っても、全部が全部ではない。しっかりと聞いて、吟味し、妥当性があれば改善という形をとっている。
現場と上の人間ではズレることが多いので、訴えが多くなれば上の人間が現場に入り、現場の人間は上の人が働いている場所を見学するようにしている。お互いの考え方、感じていることを知ることができるから導入されたシステムだ。
現場上がりの人間も多いので、効率的に仕事ができる方法を教えたりすることもあるのだとか。反対に現場の人間は、書類仕事に忙殺されている上の人間を見て、顔を青くする者もいたと聞いている。お互いが理解できていなかったと、判断されることもちらほらあるそうだ。
大半は、俺が遊び半分で提案したことを、グリエルたちが使えるように落とし込んだ結果が、俺たちの街なのだろう。
よっし、今日の仕事は終わり! 明日が終われば、2人が戻ってくるってことだな。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる