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第2041話 哀れな従魔たち
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さすがに人数がいるので、仕事がかなり早く終わった。グリエルたちの処理速度から考えれば、一人ひとりの処理速度は、10分の1程度かもしれないが、それでも終わったので問題は無い!
後半になるにつれて、ドンドン処理速度が速くなっていたので、5分の1程度にはなっていただろう。慣れていないとはいえ、グリエルたちってすごいんだな……
途中でシンラたちが起きて、手が減った事を考えても、まぁ健闘した方だろう。
グリエルたちの部下に、今日の仕事について確認したが、特に問題はなさそうだった。余計な仕事を増やした形にはなるが、それでも残業をすることなく帰れるといっていたので、助かった気分だ。もしこれで残業とかになったら、目も当てられなかった。
シンラたちが早く帰ると騒ぎ出しているので、さっさと帰らないと暴れ出しそうだ。
俺はシンラを小脇に抱えて、庁舎を後にする。周りから見るとシンラを雑に扱っているように見えるが、こいつの場合、普通に抱っこするより小脇に抱えた方が喜ぶので、今はこんな形で運ぶことになっている。
抱っこすると嫌がり小脇に抱えろと訴えるのだ。なぜこの体勢を好むのか良く分からん奴だ。それなのに俺以外……妻たちが抱っこをすると、嫌がることなく抱きかかえられたままでいるのだから不思議だ。手足をバタバタさせているので、俺を攻撃したいのだろうか?
「また変なこと考えてる。シンちゃんが苦しそうだから、私が受け取るわ」
と、リンドに突っ込まれた。ブルムたちはいいのかと思ったが、大きくなったシエルの甲羅の上に乗っているので、問題ないようだ。いや、甲羅の上に立っているのは、かなり危ないから止めてほしいのだが!
プラムたちが羨ましそうにしているが、絶対に乗せるんじゃないぞ!
シンラはリンドに抱かれて、先ほどまで手足をバタバタさせていた奴と同じには見えないな。
珍しく大勢で歩いているところを見られ、いろんな人から声がかかった。この街の領主ではあるが、慣れたのかフレンドリーに接してくれて、個人的には嬉しい限りだな。グリエルたちが見たら、小言を言われそうだが気にしない!
ディストピアでは特に、俺よりグリエルたちの方が敬語を使われている気がする。そんな状況も改善したいようだが、俺に改善する気が無いので半ば諦めているらしい。
プラムとシオンは、声をかけられるとビクッとして、母親たちに顔を押し付けて隠れてしまうが、シンラだけは違った。空気を呼んでなのか、声をかけられると満足そうに手を上げている。
どうせ意味なんて分かっていないのに、無駄に空気を呼んでその状況に合わせた行動をとるのだから、不思議な奴だ。ってか、そのドヤ顔ヤメレ。なんかデコピンしたくなる。
そんなことを考えていると、シンラが不意におでこを押さえた。そして俺を睨みつけてくるので、俺の考えていることを読まれたか? 後ろからぺちっと音がしたので振り返ると、ミーシャたちもおでこを押さえていた。俺のせいか?
気になったので聞いてみたら、何故かおでこを押さえないといけない気がしたから! と言われたので、俺がシンラに考えていたことが、伝播したのかもしれないな。
前にも、同じようにおでこを押さえている姿をみたな。子どもたちの誰かにデコピンをした時に、周りの子たちもおでこを押さえて、ジタバタしてたっけな。
おや? みんなの歩く速度が遅くなったと思ったら、前を歩いていたクロとギンにいつの間にか合流した、コウにソウが地面に伏せて頭を押さえていた。お前らもか……
特に初めの従魔のこいつらは、かなり自由に過ごしているから、度々俺のデコピンくらってるんだったな。それにしても、こいつら伝播しておでこを押さえたのかね。
伏せてしまった従魔たちを立たせて、さっさと家に帰るように命令する。
この場からさっさと離れたいのか、周りに迷惑をかけない速度の全力で走り去っていった。
シンラも隠れたかったのだろうが、リンドは嫁の中でも小柄な方なので、顔を隠せずに首元に顔を埋めていたな。
家に到着すると、何故か先に帰った従魔たちが並んでいた。その前にはスカーレットが浮いていたので、おそらく何か悪さをしたのだろう。本当にバカな奴らだ。玄関に入る前にスカーレットの「今日の夕食はペットフードです」という声が聞こえた。
その後に情けない声で「クゥーン」と聞こえてきたので、落ち込んだ鳴き声で同情を誘っている感じだな。無視して中に入ると、スカーレットの怒る声が聞こえてきた。ったく、学習しない奴らだな。俺たちがいるからって、そんな声を出しても誰も助けないぞ。
もし助けようものなら、俺たちが怒られるからな。前にミーシャたちが同情で助けようとしたときに、スカーレットにめっちゃ怒られてたもんな。その様子をシンラたちも見ていたので、シンラたちは絶対に助けようとしないんだよな。
ペットの従魔たちが悲しい鳴き声を出していれば、助けたくなる心情は分からなくもないが、俺もそれでミスって3日ほど食事が保存食になったからな……絶対に助けようとは思わなくなった。
おろしてもらったシンラたちは、廊下の先でこちらを見ていた家魔物猫を見つけ、端って追っかけて行った。慣れたもので、付かず離れずの距離でシンラたちを翻弄するため、毎回ムキになっている姿を見るんだよな。
たまにケットシーが先回りして、追い詰められたりしていることもあるっけな。追いかけっこの時は、スライムたちは我関せずを貫くので、仲間になることは無い。じゃれ合いみたいな物なので、自分たちの力でやれといったところだな。
そういえば、最近ハクを見かけないけど、どこで何してるか知ってるか?
妻たちも食事時以外見ていないようで、一緒に首を傾げる結果になった。
こうなると何しているか気になるので、マップ先生にお願いして検索をしてみた。
ハクのいる場所は……庭だな。光点のついている場所で、大体どこにいるのか見当がついた。世界樹のどこかにいるのだろう。寝心地のいい場所でも見つけたのかね? 機会があったら、何をしているか見てみたいモノである。
ユグドラシルの分体に聞けば、何か教えてくれるかな?
後半になるにつれて、ドンドン処理速度が速くなっていたので、5分の1程度にはなっていただろう。慣れていないとはいえ、グリエルたちってすごいんだな……
途中でシンラたちが起きて、手が減った事を考えても、まぁ健闘した方だろう。
グリエルたちの部下に、今日の仕事について確認したが、特に問題はなさそうだった。余計な仕事を増やした形にはなるが、それでも残業をすることなく帰れるといっていたので、助かった気分だ。もしこれで残業とかになったら、目も当てられなかった。
シンラたちが早く帰ると騒ぎ出しているので、さっさと帰らないと暴れ出しそうだ。
俺はシンラを小脇に抱えて、庁舎を後にする。周りから見るとシンラを雑に扱っているように見えるが、こいつの場合、普通に抱っこするより小脇に抱えた方が喜ぶので、今はこんな形で運ぶことになっている。
抱っこすると嫌がり小脇に抱えろと訴えるのだ。なぜこの体勢を好むのか良く分からん奴だ。それなのに俺以外……妻たちが抱っこをすると、嫌がることなく抱きかかえられたままでいるのだから不思議だ。手足をバタバタさせているので、俺を攻撃したいのだろうか?
「また変なこと考えてる。シンちゃんが苦しそうだから、私が受け取るわ」
と、リンドに突っ込まれた。ブルムたちはいいのかと思ったが、大きくなったシエルの甲羅の上に乗っているので、問題ないようだ。いや、甲羅の上に立っているのは、かなり危ないから止めてほしいのだが!
プラムたちが羨ましそうにしているが、絶対に乗せるんじゃないぞ!
シンラはリンドに抱かれて、先ほどまで手足をバタバタさせていた奴と同じには見えないな。
珍しく大勢で歩いているところを見られ、いろんな人から声がかかった。この街の領主ではあるが、慣れたのかフレンドリーに接してくれて、個人的には嬉しい限りだな。グリエルたちが見たら、小言を言われそうだが気にしない!
ディストピアでは特に、俺よりグリエルたちの方が敬語を使われている気がする。そんな状況も改善したいようだが、俺に改善する気が無いので半ば諦めているらしい。
プラムとシオンは、声をかけられるとビクッとして、母親たちに顔を押し付けて隠れてしまうが、シンラだけは違った。空気を呼んでなのか、声をかけられると満足そうに手を上げている。
どうせ意味なんて分かっていないのに、無駄に空気を呼んでその状況に合わせた行動をとるのだから、不思議な奴だ。ってか、そのドヤ顔ヤメレ。なんかデコピンしたくなる。
そんなことを考えていると、シンラが不意におでこを押さえた。そして俺を睨みつけてくるので、俺の考えていることを読まれたか? 後ろからぺちっと音がしたので振り返ると、ミーシャたちもおでこを押さえていた。俺のせいか?
気になったので聞いてみたら、何故かおでこを押さえないといけない気がしたから! と言われたので、俺がシンラに考えていたことが、伝播したのかもしれないな。
前にも、同じようにおでこを押さえている姿をみたな。子どもたちの誰かにデコピンをした時に、周りの子たちもおでこを押さえて、ジタバタしてたっけな。
おや? みんなの歩く速度が遅くなったと思ったら、前を歩いていたクロとギンにいつの間にか合流した、コウにソウが地面に伏せて頭を押さえていた。お前らもか……
特に初めの従魔のこいつらは、かなり自由に過ごしているから、度々俺のデコピンくらってるんだったな。それにしても、こいつら伝播しておでこを押さえたのかね。
伏せてしまった従魔たちを立たせて、さっさと家に帰るように命令する。
この場からさっさと離れたいのか、周りに迷惑をかけない速度の全力で走り去っていった。
シンラも隠れたかったのだろうが、リンドは嫁の中でも小柄な方なので、顔を隠せずに首元に顔を埋めていたな。
家に到着すると、何故か先に帰った従魔たちが並んでいた。その前にはスカーレットが浮いていたので、おそらく何か悪さをしたのだろう。本当にバカな奴らだ。玄関に入る前にスカーレットの「今日の夕食はペットフードです」という声が聞こえた。
その後に情けない声で「クゥーン」と聞こえてきたので、落ち込んだ鳴き声で同情を誘っている感じだな。無視して中に入ると、スカーレットの怒る声が聞こえてきた。ったく、学習しない奴らだな。俺たちがいるからって、そんな声を出しても誰も助けないぞ。
もし助けようものなら、俺たちが怒られるからな。前にミーシャたちが同情で助けようとしたときに、スカーレットにめっちゃ怒られてたもんな。その様子をシンラたちも見ていたので、シンラたちは絶対に助けようとしないんだよな。
ペットの従魔たちが悲しい鳴き声を出していれば、助けたくなる心情は分からなくもないが、俺もそれでミスって3日ほど食事が保存食になったからな……絶対に助けようとは思わなくなった。
おろしてもらったシンラたちは、廊下の先でこちらを見ていた家魔物猫を見つけ、端って追っかけて行った。慣れたもので、付かず離れずの距離でシンラたちを翻弄するため、毎回ムキになっている姿を見るんだよな。
たまにケットシーが先回りして、追い詰められたりしていることもあるっけな。追いかけっこの時は、スライムたちは我関せずを貫くので、仲間になることは無い。じゃれ合いみたいな物なので、自分たちの力でやれといったところだな。
そういえば、最近ハクを見かけないけど、どこで何してるか知ってるか?
妻たちも食事時以外見ていないようで、一緒に首を傾げる結果になった。
こうなると何しているか気になるので、マップ先生にお願いして検索をしてみた。
ハクのいる場所は……庭だな。光点のついている場所で、大体どこにいるのか見当がついた。世界樹のどこかにいるのだろう。寝心地のいい場所でも見つけたのかね? 機会があったら、何をしているか見てみたいモノである。
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