1,996 / 2,518
第1996話 期待バク上がり?
しおりを挟む
土づくりが終わり2日間、ミーシャたちは何か変化があるわけでもないのに、1日に何回もプランターや畑を見に行く姿が微笑ましかった。ドリアードから土の変化は無いと説明を受けていたが、タネをまく日まで待ちきれないのか、ワクワクしている様子が見られた。
普段は大人びていると感じるウルも一緒に、プランターや畑を見に行く姿を見て、年相応の行動もとるんだな、と思っていた。
妻たちも同じように考えていたが、ミリーたち3人は、あっちの世界に連れていかれて、退行した可能性を心配していた。年相応であれば退行しても構わないと思うが、心がやんでいないか心配をしているのだ。様子を見ると言って、シルクちゃんとツィード君にはお願いしていないからね。
ん~心配になるが、俺には機微は分からん。様子を見るのは妻たちにお願いして、俺はいつも通りに娘たちを甘やかす役を引き受ける。
急に行動が変われば、子どもたちの不審に思うし、いつも通りに振舞うということは、自分たちが思う以上に周りに安心感を与えると分かっているので、俺はいつも通りに娘たちを甘やかすことにした。
いつも通りに振舞うことが大切なのは、グリエルやガリアだけでなく、ゼニスやレイリーにもことあるごとに言われている。俺だけでなく妻たちも言われているのは、街のトップ……俺の妻たちだから、最低限必要な振る舞いとして色々教わっているのだとか。
レイリーの話では、指揮をする人間が取り乱す姿を見せれば、下の者たちが不安になり士気が下がる。戦略的にも良くないのだが、戦術的には部下たちにこの人についていってもいいのか? と不信感を募らせてしまうので、どんな時でも落ち着いていることが大切だと教わった。
ゼニスからは、商売をするうえでポーカーフェイスは、大切な技術だと聞く。予想外の事があっても、それを覚らせるとこちらが不利になるので、いつも通りに振舞うことは大切なんです! と言われている。
かみ砕いた内容であるが、精神的支柱の人間が落ち着いているだけで、集まっている人間は落ち着ける要素になる。どんなことがあっても、平常心・いつも通りを心掛けるようにグリエルたちにも言われている。
俺がいなくなっていた期間、妻たちが落ち着くまでは、かなり大変だったとグリエルたちが言っていたので、相当取り乱していたんだろうな……でも、俺たちが安全だということが分かって、心配だけど安心できる状況になったから、ディストピアに何もなかったんだろうな。
もし俺の様子が分からなかったら、妻たちが暴走しただろうし、それに応呼して従魔たちも制御不能になり、子どもたちも暴走すれば……街の1つや2つ無くなってもおかしくない戦力が、暴れ出すところだったんだよな。
街を破壊するだけなら、メグちゃんとシリウス君がブレスを吐けば一発だしな。
そう考えると、かなり危ない状況だったんだな。
本日何度目か分からないが、プランターや畑を見に行く娘たちの後に続いて、俺も一緒に様子を見に行く。それを発見したシンラがいち早くスライムに指示して、追いかけてきた様子は面白かったな。何か必死になってこっちに来るんだから、何事かと思うわな。
別にくっ付いていたわけでもないのに、シンラが移動したと分かるとプラムとシオンも追いかけてくるのは、もはや見慣れた光景だな。そういえば、追いかけられている姿は見るけど、寝てるとき以外に抱き着かれている姿を見る機会が減っている気がするな。
ウッドデッキに出た俺とシンラは、先に出ていた姉たちをみる。土の様子を見ているだけではなく、プランターに何を植えるか、どこにどういった色の物を配置するか考えているようだ。
自分のタブレット端末を取り出して、いろいろ相談している。追いついてきたプラムたちは、そのまま姉たちのもとへスライムを進めて、話し合いに参加し始めた……何をするのか理解しているのかね?
ズボンに重さを感じるので見てみると、シンラが俺の服に捕まり体をよじ登ってきていた。どうやら、抱っこをしてほしいみたいだな。スライムの上の方が気持ち良くないのか? とも思うが、俺がいいみたいだな。たまには可愛いことを言ってくれるじゃないか!
「別にそう言うことじゃないと思うかな。スライムたちだと高さがないから、ちょうどいいところにシュウさんがいたから、体をよじ登ったんだと思いますよ」
プラムたちを追いかけて、ライラたち母親が追いかけてきたようだ。ライラが言ったように、ある程度の高さがあればいいのか、ライラを見つけると移動したがるので、シンラを受け渡した。
娘たちの輪に入ろうとしたら、プラムとシオンが何やらスライムに指示を出したようで、集まってきたスライムに行く手を妨害される……俺の従魔なのに何で俺がハブられるんだろうか? そして、プラムとシオンに嫌われることなんてしてないと思うんだけどな。
本当にあの2人は良く分からないから困るわ。それに下の子たちは、俺でも指示に苦労するスライムたちを、意のままに操るんだから恐れ入るわ。
シンラにもフラれ、娘たちにもフラれ、俺は意気消沈である。
ウッドデッキに設置した椅子に腰を掛け、しばらく様子を見ることにした。
どうやら当初の予定通り畑には花を植えるので花を選んでいるが、プランターには野菜を植えるようだ。自分たちも良く知らない野菜を植えるらしく、成長後の野菜をみて雰囲気で決めているようだな。
でもな、根菜類はそのプランターじゃ無理だから、植えちゃだめだぞ。妻たちよ、誰か注意してくれ。せめて、横に寝るような感じで根っこが伸びるように、塩ビ管でも使わないとおかしなものができるぞ。
グリーンカーテンを作るのはどうかと思ったが、ウッドデッキの大きさを考えると無理だな。準備に時間がかかるし、それだけになっちまうからな。
時期的に育たないようなものまで植えようとしているけど、そこらへんは勉強ということで、育たなかったらその原因を考えさせてもいいかもな。
初めての事だから、本人たちに考えてもらうのが一番だろう。アドバイスはドリアードたちに任せてるからな。
話し合いが終わったのか、ミーシャたちが俺の椅子付近に集まってきた。俺の背中にミーシャ両足にスミレとブルムが張り付いたので、両腕が空いている……ウルに向けて両手を開くと、恥ずかしそうな表情で胸のあたりにピトリとくっ付いてきた。
ミーシャたちも何かわかっているのか、ズルいとかいうことなくニコニコしている。
普段は大人びていると感じるウルも一緒に、プランターや畑を見に行く姿を見て、年相応の行動もとるんだな、と思っていた。
妻たちも同じように考えていたが、ミリーたち3人は、あっちの世界に連れていかれて、退行した可能性を心配していた。年相応であれば退行しても構わないと思うが、心がやんでいないか心配をしているのだ。様子を見ると言って、シルクちゃんとツィード君にはお願いしていないからね。
ん~心配になるが、俺には機微は分からん。様子を見るのは妻たちにお願いして、俺はいつも通りに娘たちを甘やかす役を引き受ける。
急に行動が変われば、子どもたちの不審に思うし、いつも通りに振舞うということは、自分たちが思う以上に周りに安心感を与えると分かっているので、俺はいつも通りに娘たちを甘やかすことにした。
いつも通りに振舞うことが大切なのは、グリエルやガリアだけでなく、ゼニスやレイリーにもことあるごとに言われている。俺だけでなく妻たちも言われているのは、街のトップ……俺の妻たちだから、最低限必要な振る舞いとして色々教わっているのだとか。
レイリーの話では、指揮をする人間が取り乱す姿を見せれば、下の者たちが不安になり士気が下がる。戦略的にも良くないのだが、戦術的には部下たちにこの人についていってもいいのか? と不信感を募らせてしまうので、どんな時でも落ち着いていることが大切だと教わった。
ゼニスからは、商売をするうえでポーカーフェイスは、大切な技術だと聞く。予想外の事があっても、それを覚らせるとこちらが不利になるので、いつも通りに振舞うことは大切なんです! と言われている。
かみ砕いた内容であるが、精神的支柱の人間が落ち着いているだけで、集まっている人間は落ち着ける要素になる。どんなことがあっても、平常心・いつも通りを心掛けるようにグリエルたちにも言われている。
俺がいなくなっていた期間、妻たちが落ち着くまでは、かなり大変だったとグリエルたちが言っていたので、相当取り乱していたんだろうな……でも、俺たちが安全だということが分かって、心配だけど安心できる状況になったから、ディストピアに何もなかったんだろうな。
もし俺の様子が分からなかったら、妻たちが暴走しただろうし、それに応呼して従魔たちも制御不能になり、子どもたちも暴走すれば……街の1つや2つ無くなってもおかしくない戦力が、暴れ出すところだったんだよな。
街を破壊するだけなら、メグちゃんとシリウス君がブレスを吐けば一発だしな。
そう考えると、かなり危ない状況だったんだな。
本日何度目か分からないが、プランターや畑を見に行く娘たちの後に続いて、俺も一緒に様子を見に行く。それを発見したシンラがいち早くスライムに指示して、追いかけてきた様子は面白かったな。何か必死になってこっちに来るんだから、何事かと思うわな。
別にくっ付いていたわけでもないのに、シンラが移動したと分かるとプラムとシオンも追いかけてくるのは、もはや見慣れた光景だな。そういえば、追いかけられている姿は見るけど、寝てるとき以外に抱き着かれている姿を見る機会が減っている気がするな。
ウッドデッキに出た俺とシンラは、先に出ていた姉たちをみる。土の様子を見ているだけではなく、プランターに何を植えるか、どこにどういった色の物を配置するか考えているようだ。
自分のタブレット端末を取り出して、いろいろ相談している。追いついてきたプラムたちは、そのまま姉たちのもとへスライムを進めて、話し合いに参加し始めた……何をするのか理解しているのかね?
ズボンに重さを感じるので見てみると、シンラが俺の服に捕まり体をよじ登ってきていた。どうやら、抱っこをしてほしいみたいだな。スライムの上の方が気持ち良くないのか? とも思うが、俺がいいみたいだな。たまには可愛いことを言ってくれるじゃないか!
「別にそう言うことじゃないと思うかな。スライムたちだと高さがないから、ちょうどいいところにシュウさんがいたから、体をよじ登ったんだと思いますよ」
プラムたちを追いかけて、ライラたち母親が追いかけてきたようだ。ライラが言ったように、ある程度の高さがあればいいのか、ライラを見つけると移動したがるので、シンラを受け渡した。
娘たちの輪に入ろうとしたら、プラムとシオンが何やらスライムに指示を出したようで、集まってきたスライムに行く手を妨害される……俺の従魔なのに何で俺がハブられるんだろうか? そして、プラムとシオンに嫌われることなんてしてないと思うんだけどな。
本当にあの2人は良く分からないから困るわ。それに下の子たちは、俺でも指示に苦労するスライムたちを、意のままに操るんだから恐れ入るわ。
シンラにもフラれ、娘たちにもフラれ、俺は意気消沈である。
ウッドデッキに設置した椅子に腰を掛け、しばらく様子を見ることにした。
どうやら当初の予定通り畑には花を植えるので花を選んでいるが、プランターには野菜を植えるようだ。自分たちも良く知らない野菜を植えるらしく、成長後の野菜をみて雰囲気で決めているようだな。
でもな、根菜類はそのプランターじゃ無理だから、植えちゃだめだぞ。妻たちよ、誰か注意してくれ。せめて、横に寝るような感じで根っこが伸びるように、塩ビ管でも使わないとおかしなものができるぞ。
グリーンカーテンを作るのはどうかと思ったが、ウッドデッキの大きさを考えると無理だな。準備に時間がかかるし、それだけになっちまうからな。
時期的に育たないようなものまで植えようとしているけど、そこらへんは勉強ということで、育たなかったらその原因を考えさせてもいいかもな。
初めての事だから、本人たちに考えてもらうのが一番だろう。アドバイスはドリアードたちに任せてるからな。
話し合いが終わったのか、ミーシャたちが俺の椅子付近に集まってきた。俺の背中にミーシャ両足にスミレとブルムが張り付いたので、両腕が空いている……ウルに向けて両手を開くと、恥ずかしそうな表情で胸のあたりにピトリとくっ付いてきた。
ミーシャたちも何かわかっているのか、ズルいとかいうことなくニコニコしている。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる