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第1971話 やっと……
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「とりあえず、お前たちは今日中に帰れるぞ。綾乃やロジーを送り帰しているし、お前たち自身にあれをやらせれば問題ないからな。それに人殺しじゃなくて魔物を殺す分、気分的には楽だろうしな」
俺たちが帰れる手段を持っていることに驚くが、続けて何を言っているのか分からないといった様子で、首を傾げている。神から教えてもらった情報で、一定以上の強さを持つ対象を50以上殺す、という条件を教えてやる。
こいつらも、あの世界に染まってきており、悪を一方的に裁くことには忌避感を感じていないが、自分たちが帰るためとはいえ、殺しを強制するようなこのゲーム盤の上での殺しは難しいようだな。
こいつらと俺たちの違いは何なのかね。タイミング的に考えれば、シンジたちより綾乃の方があの世界にいる時間は短い。だけど俺と同じように、自分のためであれば殺しも行う。どこでこの違いは生まれたんだろうな。
俺から言わせてもらえば、殺しを半強制している世界を作り出した神たちがすべて悪い。そのルールに従って殺し合っているので、俺たちの責任ではないと考えている。責任転換にも聞こえなくないが、こんな世界がどんな娯楽になるというんだかね。
準備ができるまでは休んでもらう……なんていう甘い考えは俺たちにはなく、送り帰すのでしっかりと情報を持たせて帰らせるべきと判断して、知りえる情報を可能な限り覚えてもらった。持ち物がどうなるか分からないが、一応ノートのような物も作り書き込んでいる。
明後日には帰れるだろうが、時間の進みが違う可能性を考慮して、そこは伝えてもらうことにした。こいつらでも時間の進みの違いを説明できると思うが、綾乃がこの話を聞けば大半を理解して妻たちに教えてくれると思う。
あいつの事だから、時間の進み方が違うことに気付いている可能性の方が高いけどな。
おやつの時間には、必要数を揃えることは出来たが、情報の伝え忘れがないかを確認して、夕食前にBランクのアンデッドを倒させた。カウントはちょうど50だったので、本当に誰も殺していなかったということだ。放置して死んでもカウントされない可能性もあるけどな。
「結局、シュウ殿のフラグは回収されたでござるな。行動する前に、何もなければ……みたいなことを言うのは、無しでござるよ。他にもフラグを立てかねないから、突っ込むにツッコめないでござる」
あの時には気付かなかったが、フラグの様なセリフを言っていたのを思い出す。今回の件は、フラグを立てようが立てまいが、向こうからやってきたのだからノーカンだと思うぞ。自ら行動してフラグを回収したのなら分かるが、不慮の事故で回収したモノなんだからな!
これ以上余計なことをしないように入り口には蓋をして、外に出ることを禁止とした。俺たちが殺されたりしなければ、数日の誤差しか生じないのだが、早く帰るためにその誤差を無くす手立てを講じた。
何事もなく朝を迎え、バザールの報告から、今日のお昼頃には必要数が揃うとのことだ。ただ、俺たちを帰したくない神共の仕業なのか、近隣で戦闘が何件も起きたらしい。
今まで俺たち以外の衝突を、複数感知することがなかったのに、ここにきて複数の戦闘が俺たちの拠点の近くで行われることを、不自然に感じていた。
俺たちが元々いた世界よりは干渉しやすいゲーム盤だと思えば、この状況にもしっくりくる。シックリくるだけで、実際は的外れなんてこともあるが、的外れで名誉棄損の様な状態になっても、その相手がクソ神だから気にしないけどな。
しかもその戦闘が、洞窟のコミュニティーを襲撃した際に若干被るのだ。少数の女性が男共に嬲られる未来しかないシチュエーションだったらしい。あの時はたまたま助けたけど、バザールの話ではまったく見知らずの北欧系の顔だったようで、助けるに値しなかったのだとか。
これで日本人だったら、まだ介入した可能性はあるが、縁の無い外人では動くことは無いな。地球でこんなこと言えば顰蹙を買うだろうが、安全圏でのほほんとしている奴らに言われたところで、俺は何とも思わないけどな。
むしろ、名誉棄損なんかで訴えてやるわ。
帰る手段を持っていて、目の前で蹂躙される女性たちを助ける力があっても、助けなければいけない義務はないのだから、放置するのは当然の判断である。見返りがあれば……みたいな話になっても、同じ世界に帰れるわけではないので、それも意味がないモノだろう。
自分たちの体で払うと言われても、俺は帰れば妻がいるし、バザールはアンデッドで性欲なんかないし、ライガは家族にいい生活をさせてあげたいと働いている青年だからな。それに帰れば、こいつにも内縁の妻の様な存在がいるって聞いたことがある。
押しかけ女房みたいな娘らしいが、妹とも母親とも関係が良好で、外堀を完璧に埋められているので、後は許可さえ誰かが出せば結婚すると思うって、誰かが言ってたな。
なので女体を報酬とされても、俺たちが受け取ることは無い。それに地球からきている奴らだったら、助けてすぐに殺す羽目になるんだけどね。
元々数が少ないのに、都合よく女性のダンジョンマスターや勇者が、周辺で戦闘するなんていう偶然は起こりにくい。可能性としてあげられるのは、神たちに事情を聴いてここに送り出され、わざと周辺で戦闘をした……というところだろう。
もう帰れるのだから、色々考察するのは止めにして、帰る準備を始めようか。
予定している数より10体ほど多く作ったが、カウントは間違っていなかったようで、帰る際にバザールが影に回収して持ち帰ることになった。
体感時間で2週間ちょっとぶりに、ディストピアに帰れることになった。
チビ神に軽く文句を言って、帰ることを選択すると……意識が遠のき、視界が暗転する。
俺たちが帰れる手段を持っていることに驚くが、続けて何を言っているのか分からないといった様子で、首を傾げている。神から教えてもらった情報で、一定以上の強さを持つ対象を50以上殺す、という条件を教えてやる。
こいつらも、あの世界に染まってきており、悪を一方的に裁くことには忌避感を感じていないが、自分たちが帰るためとはいえ、殺しを強制するようなこのゲーム盤の上での殺しは難しいようだな。
こいつらと俺たちの違いは何なのかね。タイミング的に考えれば、シンジたちより綾乃の方があの世界にいる時間は短い。だけど俺と同じように、自分のためであれば殺しも行う。どこでこの違いは生まれたんだろうな。
俺から言わせてもらえば、殺しを半強制している世界を作り出した神たちがすべて悪い。そのルールに従って殺し合っているので、俺たちの責任ではないと考えている。責任転換にも聞こえなくないが、こんな世界がどんな娯楽になるというんだかね。
準備ができるまでは休んでもらう……なんていう甘い考えは俺たちにはなく、送り帰すのでしっかりと情報を持たせて帰らせるべきと判断して、知りえる情報を可能な限り覚えてもらった。持ち物がどうなるか分からないが、一応ノートのような物も作り書き込んでいる。
明後日には帰れるだろうが、時間の進みが違う可能性を考慮して、そこは伝えてもらうことにした。こいつらでも時間の進みの違いを説明できると思うが、綾乃がこの話を聞けば大半を理解して妻たちに教えてくれると思う。
あいつの事だから、時間の進み方が違うことに気付いている可能性の方が高いけどな。
おやつの時間には、必要数を揃えることは出来たが、情報の伝え忘れがないかを確認して、夕食前にBランクのアンデッドを倒させた。カウントはちょうど50だったので、本当に誰も殺していなかったということだ。放置して死んでもカウントされない可能性もあるけどな。
「結局、シュウ殿のフラグは回収されたでござるな。行動する前に、何もなければ……みたいなことを言うのは、無しでござるよ。他にもフラグを立てかねないから、突っ込むにツッコめないでござる」
あの時には気付かなかったが、フラグの様なセリフを言っていたのを思い出す。今回の件は、フラグを立てようが立てまいが、向こうからやってきたのだからノーカンだと思うぞ。自ら行動してフラグを回収したのなら分かるが、不慮の事故で回収したモノなんだからな!
これ以上余計なことをしないように入り口には蓋をして、外に出ることを禁止とした。俺たちが殺されたりしなければ、数日の誤差しか生じないのだが、早く帰るためにその誤差を無くす手立てを講じた。
何事もなく朝を迎え、バザールの報告から、今日のお昼頃には必要数が揃うとのことだ。ただ、俺たちを帰したくない神共の仕業なのか、近隣で戦闘が何件も起きたらしい。
今まで俺たち以外の衝突を、複数感知することがなかったのに、ここにきて複数の戦闘が俺たちの拠点の近くで行われることを、不自然に感じていた。
俺たちが元々いた世界よりは干渉しやすいゲーム盤だと思えば、この状況にもしっくりくる。シックリくるだけで、実際は的外れなんてこともあるが、的外れで名誉棄損の様な状態になっても、その相手がクソ神だから気にしないけどな。
しかもその戦闘が、洞窟のコミュニティーを襲撃した際に若干被るのだ。少数の女性が男共に嬲られる未来しかないシチュエーションだったらしい。あの時はたまたま助けたけど、バザールの話ではまったく見知らずの北欧系の顔だったようで、助けるに値しなかったのだとか。
これで日本人だったら、まだ介入した可能性はあるが、縁の無い外人では動くことは無いな。地球でこんなこと言えば顰蹙を買うだろうが、安全圏でのほほんとしている奴らに言われたところで、俺は何とも思わないけどな。
むしろ、名誉棄損なんかで訴えてやるわ。
帰る手段を持っていて、目の前で蹂躙される女性たちを助ける力があっても、助けなければいけない義務はないのだから、放置するのは当然の判断である。見返りがあれば……みたいな話になっても、同じ世界に帰れるわけではないので、それも意味がないモノだろう。
自分たちの体で払うと言われても、俺は帰れば妻がいるし、バザールはアンデッドで性欲なんかないし、ライガは家族にいい生活をさせてあげたいと働いている青年だからな。それに帰れば、こいつにも内縁の妻の様な存在がいるって聞いたことがある。
押しかけ女房みたいな娘らしいが、妹とも母親とも関係が良好で、外堀を完璧に埋められているので、後は許可さえ誰かが出せば結婚すると思うって、誰かが言ってたな。
なので女体を報酬とされても、俺たちが受け取ることは無い。それに地球からきている奴らだったら、助けてすぐに殺す羽目になるんだけどね。
元々数が少ないのに、都合よく女性のダンジョンマスターや勇者が、周辺で戦闘するなんていう偶然は起こりにくい。可能性としてあげられるのは、神たちに事情を聴いてここに送り出され、わざと周辺で戦闘をした……というところだろう。
もう帰れるのだから、色々考察するのは止めにして、帰る準備を始めようか。
予定している数より10体ほど多く作ったが、カウントは間違っていなかったようで、帰る際にバザールが影に回収して持ち帰ることになった。
体感時間で2週間ちょっとぶりに、ディストピアに帰れることになった。
チビ神に軽く文句を言って、帰ることを選択すると……意識が遠のき、視界が暗転する。
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