ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,905 / 2,518

第1905話 意外な才能?

しおりを挟む
 7階に行く前に娘たちと合流することに成功。俺は、このダンジョンの構造を、ウィスプを使い完全把握しているので当たり前の話だな。

 妻たちは俺と同じ権限のマップ先生を使っているので、俺の位置は把握できているし、見た目はスマホ? と言えばいいのか、それにトランシーバーのよな機能を付けている魔道具で、単体でもある程度の距離までなら連絡可能である。実験では4キロメートルくらいなら問題なく届いたのを確認している。

 忘れられているかもしれないが、マップ先生には俺というか、ダンジョンマスターは何故か表記されないので、俺の護衛をもとに居場所を特定するのが妻たちである。護衛もあるのだが、いる場所の特定のためにダマたちが一緒にいたりもするんだよね。

 ちなみに、バザールは表示される。ダンジョンマスターだけど、ノーライフキングという魔物がダンジョンマスターのスキルを持っているだけ……なのではという予想だ。予想と言っても、ほぼ確定と考えている。最近はあっていないが、ゴーストタウンに連れ帰ったハイフェアリーのロジーもマップ先生に表示されるからな。

 多分、俺みたいに直接送り込まれた状態では、検索できないんだと思う。現地産のダンジョンマスターは、ダンジョンマスターというスキルを持っているだけに過ぎない。俺は種族自体がダンジョンマスターらしいからな。一応人間みたいな表記をされていたときもあったっけな……

 そう言えば、ロジーって最近何してんだ?

 娘たちが調子よく進んでいるので、久々に思い出したロジーの事を考えて居た。

「ロジー? あの子なら最近、私の部屋に入り浸ってるわよ。ケンジたちにかかせたBL本を見て、ムッホーとか言ったり、そう言うタイプのゲームを見てヤバい顔したりしてるわよ」

「娘たちの目の触れるところには、置いてないよな……」

 綾乃が爆弾を落としてきたので、俺は威圧して問い詰めた。

「それは大丈夫よ。あの部屋に入る時は、絶対に収納のアイテムをブラウニーに預ける必要があるからね。持ち出しは不可能よ。それに監視兼書籍の管理人造ゴーレムも置いてあるからね。前に1度持ち出そうとして、1ヶ月出禁をくらった上に、甘味を全部取り上げられてから、入り浸ってるわよ」

 持ち出せないなら、ここに住む! みたいな感じで、綾乃の部屋に入り浸っているんだとさ。

「あいつ、本当に自由だな……そんなゲームだけじゃなくて、いろんなゲームをして楽しんでるんだろうな」

「たまに某の農場にも遊びに来ているでござるよ。骨が畑仕事しているのが面白いのか、観察しているでござるな。そういえば、ロジーもクリエイトゴーレムで、色々作れるようになっていたと思うでござる」

「あれ? シュウにはいってなかったっけ? あの子、妖精の特性か悪戯が好きなのよね。全力で悪戯するのに、クリエイトゴーレムを覚えて魔核まで作成してたのを見て、最近は一緒に開発もしているわよ」

 ここにきて、ビックリする内容の事実が……ロジーって、アホの子じゃなかったか? それが綾乃と一緒に開発って、綾乃も基本的にはアホの子だったな。同じようなタイプで、馬が合うのかもな。引きこもりだった気がするし。

「誰が引きこもりよ! それは昔の話でしょうが!」

 ハリセンで叩かれた。

 その音に反応して、娘たちが全力で警戒をした。音に驚いて、魔法を使ってしまうくらいには、ウルが慌てていたのにはびっくりしたな。魔法は、メグちゃんによって無効化されたけど、綾乃はウルたちを驚かせたとして、昼休憩の時に従魔たちに圧迫面接みたいなのを受けていた。

 今日は、10階の階段までたどり着くことができた。大体このダンジョンの3分の1を踏破したことになるな。全部で30階のそこまで大きくないダンジョンなので、こんなもんかね? 明日からは、少し進むペースが上がると考えている。

 オークとかが出てくるようになっていたが、通路は狭く部屋もそこまで大きくなかったので、下の階と比べると入り組んでいるのだ。下に行けば、敵は強くなるが道は短くなる感じだろうか? 娘たちがどう判断するか分からないが、階段を見つけるまでの時間は早くなると思う。

 夕食を食べてお風呂に入ってから、娘たちはドッペルに憑依して下の子たちの相手をするようだ。俺は、遊ぼうと思ったが、グリエルに呼ばれたので、ドッペルに憑依して庁舎の執務室へ来ている。

「来るように言われたけど、なにかあった?」

「簡単な宗教についての報告みたいなものですね。王国と帝国ですが、乗っ取られそうな金持ちの街は、既に制圧が済んでおり問題なかったのですが、真偽判定の魔道具をいくつか融通してほしいと言われまして、シュウ様にその判断を仰ぎたく来ていただきました」

「ん? いちいち来る必要あった? お前も、この時間まで残らなきゃいけないのに、面倒じゃなかったか?」

「面倒なことはございませんよ。シュウ様の言われた方法で、休みもいただいていますし、何の問題もありません」

 俺の言った方法とは、グリエルとガリアは不測の事態で働く時間が長くなることがあるので、今日3時間残業したのなら、他の日に3時間遅く出社か、早く帰れるようにしている。あ、仕事が早く終わった場合は、グリエルとガリアで決めて、どちらかが早退することもあるね。

 仕事を細分化して専門性のある物を割り振ったりしているおかげで、グリエルたちが大分休めるようになってきている。今まで無理させていたので、喜ばしい事である。

「で、真偽判定の魔道具が欲しいって? それは問題ないけど、対価とかについてはどう考えてるんだ? お金を積まれても困るんだけど、それはグリエルも分かっているよな」

「そうですね。いろいろな街へ投資していても、シュウ様個人にお金がかなり集まっているので、お金は困ることは理解しています。なので、裏取引みたいな感じで、今回の件とは別にシュウ様の邪魔をしそうな貴族を、2~3潰してもらえれば、無償で渡すのはどうかと考えています」

「あ~、それいいね。俺の邪魔というよりは、傲慢なタイプの貴族を切り捨ててほしいね。住人のためにすべてを捧げろとは言わんが、毟り取るだけ毟り取る奴はいらんだろ。領主の命令で魔物や盗賊の討伐に行った兵士が死んで、税金を払えなくなった家族を追い出すとか意味わからんしな」

 そんなことがまかり通る世界は、俺は認めたくない。貴族は贅沢をするのが仕事じゃない! 大半の街では、貴族たちが無茶なことや贅沢をしすぎなければ、死んだ兵士の家族の面倒を看ることだって、出来ることは分かっているからな。

 国より俺たちの方がそういうことを把握しているんだよな。不正とかし放題でよく国がつぶれないもんだよね。

「そこらへんはゼニスと相談して、5つくらいピックアップしておきます。潰してもらうことの報酬に、真偽判定の魔道具を渡しておきます」

 それが報酬かと言われれば、絶対に違うと思うが、俺が見返りとして潰してほしいわけだから、報酬としても成立するってこだな。

 いくつかグリエルと話をして、ダンジョンへ戻っていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ユウ
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう

味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく

処理中です...