ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1904話 戦闘!

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 この話でストックが無くなりました。これからは1日1回の投稿ペースになります。これからも、ダンマスをゆるく読んでいただけると嬉しいです。
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 ウルの指揮で6階を進んでいく。昨日までは、シェリルやネルがウルの近くにいたのだが、今は娘たち4人で陣形を組んでいる。昨日もその前も、戦っているのは娘たちだけだったが、いつでも手助けできる位置に2人はいた。

 いないのは、サポート無しでもできると言うことを、証明するために頑張るんだとさ。出発前にミーシャが、鼻息荒く言っていた。ステータスや装備を考えれば、大きな怪我をすることは無いが、問題はそこじゃない。

 昨日は警戒が度々疎かになっていたし、1つの事に集中してしまい夜の反省会で、ミリーたちに注意されていたからな。リベンジという意味もあるのだろう。

 でもさ、10代半ばの冒険者が出来ていないことを、娘たちの歳に求めてはいけないと思うんだけど、そこらへんはどうなんだろうか? ミリーに視線を向けて聞いてみた。あの子たちがやりたいって言うんだから、仕方がないんじゃない? だってさ。

 向上心が高いのか、無謀なのか、良く分からないが頑張ると言うなら、見守ろうと言う話になったそうだ。見守るにしても、娘たちの近くに20匹もスライムがいれば、苦笑せざるを得ないけどな。

 それに背負っているリュックの中から、ケットシーたちが戦闘を見守っているし、ピンチになる前に従魔たちの誰かが止めるだろう。そのピンチにならないように、訓練しているところではあるけどな。

 娘たちの攻略速度は昨日と同じくらいなので、俺は暇になってしまう。そこで俺と綾乃とバザールは、ウィスプが見つけてくれた、この階ではありえないほどLvの高い魔物の所へ行くことにした。もし、娘たちと戦闘になれば、怪我するかもしれないからな。

 妻たちの許可を取って、バザールがエルダーリッチを呼び出し、S級スケルトンたちの指揮をとらせダンジョンを進んでいく。

 目指すのは階段とは別の方向で、何でそこに強い魔物が配置されているのか、良く分からない場所だ。平均Lvが60ほどのこの階層で、Lv200を超えている魔物が1匹と、150ほどの魔物が3匹いるのだ。

 マップ先生で敵の詳細もある程度分かっているんだけどね。200を超えている方がオークキングで、150の方がオークジェネラルの強化種だ。

 ステータスを制限している娘たちと遭遇すれば、娘たちの攻撃がほとんど効かない、調整するのもそこそこ手間なので、俺たちに討伐許可が下りたのだ。あ、監視のために聖獣4匹と猫3匹が付いてきているよ。メグちゃんとシリウス君は、見向きもしなかったけどね。

 俺たちが本来の力で戦えば苦戦のくの字もないのだが、それでは面白くないのでステータス制限の腕輪を俺とバザールは付けている。綾乃は、人造ゴーレムを取り出していたが、強さを調整した人造ゴーレムだった。使われている素材が、3ランクほど下の物でLv200位の魔物と同程度の強さらしい。

 何でそんなピンポイントな人造ゴーレムがあるのかと思ったら、50刻みで400までの人造ゴーレムを準備してたんだとさ。もちろんコントローラーで操って、敵をボコボコにするために! とドヤ顔していたので、ハリセンで叩いておいた。

 オークキングたちのいる部屋に到着する。

「お~思ったより広いな」

「マップ先生だと、実際の広さは分かりにくいでござる。部屋が大きいだけで、鑑定した感じでも普通のオークキングでござるね」

「くさい」

 綾乃は一言、匂いについて発しただけだった。

「さて、割り振りはどうする?」

「普通に私がタンク、シュウがアタッカー、バザールが魔法でいいんじゃない? 弓でも戦えないことは無いけど、やっぱり前で戦いたい!」

「気持ちは分かるでござるが、人造ゴーレムでタンクは難しいでござるよ。ヘイトを稼げないタンクなんて、タンクじゃないでござる!」

「ふっふっふ、私がいつまでも人造ゴーレムの弱点を、そのままにしておくと思ったのかね。スキルは再現できていないけど、ヘイトを集めることには成功したのよ!」

 生物ではない人造ゴーレムではヘイトが稼げずに、ポンポンとターゲットが飛んでしまうのだ。中には敵と認識できない魔物もいたっけな。

 そのため、人造ゴーレムは遊撃の様な扱いが多かった。強引に間に割り込み攻撃を受けたりすることはあったが、自分に攻撃を集めることが出来なかったのだ。それを綾乃は、克服してしまったらしい。

 簡単に言えば、盾に魔核を埋め込んで、敵が向かってきたくなる何かを発することに成功したんだとさ。魔物にだけ効くフェロモンみたいなものかね? 原理は違うだろうが、目の前で実際に注意を集めている人造ゴーレムをみれば、信じるしかない。

「バザール、魔法使う時は綾乃を中心に方向と魔法名をよろしく。俺は、勝手に綾乃に合わせるわ。操作している時のこいつなら、どうとでもしてくれるだろうからな」

 俺は普段あまり使わない、短剣を両手に持って戦闘に躍り込む。

「右にロックランス」

 綾乃の後ろに近付きながら、どっちに攻撃しようかと思ったら、バザールが魔法を使い、右側にいるジェネラルの1匹に石の槍を叩き込んだ。

 ステータスを下げているので、バザールのロックランスでは、大きなダメージを稼げていなかったが、動きを鈍らせるための攻撃だとすぐに理解した。

 狙っていた場所が足だったからな。膝に当たれば歩けなくなったかもしれないが、ステータスを下げて調整しないままの戦闘だったため、少し狙いやすい太ももを狙ったみたいだ。

 俺は、バザールの意図をくみ取り、ロックランスの当たったジェネラルに肉薄し、皮膚を薄くでも切り裂くように、細かく細かく足を中心に攻撃を加えていく。

 綾乃は、盾を上手く使い攻撃を逸らして、短槍でちょこちょこと反撃している。うわ、あれって結構えげつないんだよな。血は流れるし、動きは鈍くなるしな……

 ジェネラルの動きが鈍ったところで、

「右にアースバインド、主殿止めを」

 ほとんど歩けなくなっているジェネラルに、足枷をつけ俺にとどめを刺すように言ってきた。後ろに回り込み、心臓の位置にナイフを深く突き立てる。逆の手で喉を切り裂き止めを刺した。

 残りの2匹のジェネラルの内1匹は、運悪く心臓にでも槍が刺さったのか、既にドロップになっていた。もう1匹も動きが鈍くなっており、攻撃に精細をかいていた。俺とバザールでサクッと倒したが、キングだけは譲らない! というので、戦闘を見守ることになった。

 大斧を持っているキングは、何度も何度も攻撃を仕掛けるが、全ての攻撃を受け流している。反撃でちょこちょこと鎧の隙間を攻撃している。魔核による補助のおかげもあってか、攻撃位置が的確だな。

 おそらく一対一で同じステータスなら、亜人系の魔物や俺たち以外の人間に負ける気がしない位に強く、安定した戦い方で守りに長けた感じだ。キングもお亡くなりになり、娘たちの所へ戻ることにした。

 でも、何であいつらがそこにいたのかは、謎のままだった。
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