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第1849話 混ぜるな危険
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魔力爆発……マナエクスプロージョンがあった2日後、国王から情報が届く。国王派のナントカ伯爵が、寄子を使って何やら画策していたことが判明したようだ。ゴーストタウンが手中に収められるなら、多少のリスクは度外視して色々動いていたらしいのだ。
多少のリスクがあっても、こちらは王国の中心に近い領地で王都を挟んで反対側に、樹海があるのだし、ゴーストタウンは樹海の中心にある街だ。この立地条件なら、国王も自分たちの領地を優先する……と考えていたらしい。
普通なら、王国の中心に近い領地であれば、反乱などが起きれは被害はとてつもなく大きくなるが……それは、普通の国の話である。ゴーストタウン……ディストピアは普通ではないのだ。
トップの俺が所有している商会が王国から撤退すれば、おそらく食料の値段が跳ね上がるだろう。特に、俺の懇意にしている街では、食料の増産が行われているので問題ないのだが、そこから食料を購入している街は……一気に食糧不足になると考えられている。
国王は、それを理解しているので、各街でも食料を増やす政策を打ち出しているが、食料より稼げる特産があると、ほとんどの貴族がそちらを優先して、安い食料を他の街……俺の懇意にしている街から購入しているそうだ。今回動いた伯爵も、そんな領地の1つなのだ。
俺が懇意にしている街と言っているが、俺の商会が懇意にしているんだけどね。商会が出資をして、街の周りを開拓し壁を建て野菜や品種改良した豚などを育てている。
何かあればこの国に根差していない商会からなら、国の強権で取り上げれば問題ないと考えていた伯爵は、ゴーストタウンを狙う画策をしたのだとか。商会の実力を理解していない奴らの考え方だな。
食料が増産できているのは、街の敷地が広くなり作付け面積が増えたからだけではないのだ。きちんとノウハウを理解して、自分たちが撤退すれば数年後に、収穫が激減する土地を選んで出資しているのだそうだ。
品種改良した豚、オーク豚は、糞を発酵させると良質な堆肥になるし、そういった街には魔導列車で定期的に腐葉土なども届けられているのだ。きちんと管理された畑なので多くの収穫が見込めるが、商会が撤退すれば街の人間だけでは、管理しきれないのだとか。
国王は、詳しい内容までは理解していないが、資金に困っていた貴族が商会の畑を取り上げたことを知っていたそうだ。一時的に貴族は収入を増やすことに成功したが、1年後には街の中が病人だらけになり、そこから半年後には半数の住人が飢えと病気で亡くなったのだとか。
その街では、オーク豚が各家庭や食堂から出る生ごみを処理しており、その糞が適切な処理で堆肥となり、食料の増産に繋がっていたのだ。取り上げられた際に、オーク豚は全部処分しており、衛生面を管理していた商会が街から撤退すれば……その街は廃退の道をたどるしかないだろう。
そこの貴族は、商会の人間が毒を撒いていったから、賠償金を! みたいなことを言っていたらしいが、街に行けば衛生管理がずさんなのは一目瞭然で、至る所に蛆が沸いていたのだとか。
そんな街を立て直すのには、廃退にかかった年月の数倍は必要である。
国王は、俺の商会に食料を依存している状況を良しとしていないが、街を立て直すのに労力と時間を費やすくらいなら、伯爵を切り捨てることを選んだようだ。
何度も商会に手を出すような計画をするな、俺の関係者には手を出すな、と勅令を出していたにもかかわらず、自分たちが優先されると思っていたアホどもの所為で、国が未曾有の危機に瀕していると考え、伯爵は国家反逆罪で一族郎党処刑され、傍流中でまともな人間を領主にしたそうだ。
手伝っていた寄子たちは、関与の度合いを調べて随時対処していくことになったようだ。
元々王国には出陣する予定はなかったが、綾乃に知らせるためにゴーストタウンの領主館へ来ている。相変わらず人造ゴーレムとS級スケルトンが鎮座しているが、その一角で聞き覚えのある声が2つ……
綾乃とライガだった。待て待て、今の状況でこいつらが混ざるのは……危険どころの話ではないのでは?
王国の詳細については、やっぱりそうなったか! と納得した様子だったが、聖国の方はどうなっているのだ! と綾乃に詰め寄られた。
昨日までに判明した情報を伝えることにする。
聖国の混乱に乗じて攻めてきた2つの勢力は、トップが物理的に潰されて挿げ替えられている。教皇から見ても、邪魔だった2つの勢力は、ゴーストタウンで問題を起こしたという理由で、弁明させるまでもなく首を切り落としたんだってさ。
この世界って生臭いよね。理由が無ければ、邪魔者を排除するのに遠回りをしてネチネチ攻撃するのに、理由があれば問答無用で首を飛ばすんだもんな。おっかない世界やで!
そんなことを考えているシュウも、理由があれば人を殺すし、死刑囚であれば人体実験に使うからな。人のことは言えないと思う。
元凶となった勢力で教皇派の枢機卿は、情報を聞き出した後に精神を壊して更に情報を引き出し、今は傀儡にして便利に使っているのだとか。最終的にゴーストタウンで問題を起こしたことを理由に処刑するのだが、連座として邪魔者を排除するのにも使うのだとか。
俺には良く分からんが、元凶の国の情報を早く手に入れるように命令しておいたので、傀儡にした枢機卿を使って情報を仕入れてくれるだろう。
綾乃にもそれまでは待機しておくようにお願いしておく。そして、ライガ……綾乃姐さん! とか言って、そいつを慕わないでくれ。お前と綾乃が混ざると、本当に面倒なことが起きる気しかしないんだよ。
ライガはただでさえ強いのに、綾乃の勇者の加護を得たら、俺たちで止められる気がしねえぞ。綾乃が関わってなくても止めるのに苦労するのに、そこに人造ゴーレムにS級スケルトンが合わせて1000体……もうね、無理!
シリウス君を使えば、綾乃とライガの暴走は止められるけど、人造ゴーレムとS級スケルトンはシリウス君だけでは、絶対に止めきれない……呼吸を必要としていない魔物でも、シリウス君なら問題なく倒せるんだけどね。時間がかかってしまうのだ。
そういえば、勇者の加護を得た人造ゴーレムとS級スケルトンは、シリウス君の攻撃に耐えるんだよね……倒されもしないけど倒せもしない、果てしなく無意味な攻防が繰り広げられることになるのだ。
マジで、頼むから! ライガだけでも暴走はしないでくれ。
多少のリスクがあっても、こちらは王国の中心に近い領地で王都を挟んで反対側に、樹海があるのだし、ゴーストタウンは樹海の中心にある街だ。この立地条件なら、国王も自分たちの領地を優先する……と考えていたらしい。
普通なら、王国の中心に近い領地であれば、反乱などが起きれは被害はとてつもなく大きくなるが……それは、普通の国の話である。ゴーストタウン……ディストピアは普通ではないのだ。
トップの俺が所有している商会が王国から撤退すれば、おそらく食料の値段が跳ね上がるだろう。特に、俺の懇意にしている街では、食料の増産が行われているので問題ないのだが、そこから食料を購入している街は……一気に食糧不足になると考えられている。
国王は、それを理解しているので、各街でも食料を増やす政策を打ち出しているが、食料より稼げる特産があると、ほとんどの貴族がそちらを優先して、安い食料を他の街……俺の懇意にしている街から購入しているそうだ。今回動いた伯爵も、そんな領地の1つなのだ。
俺が懇意にしている街と言っているが、俺の商会が懇意にしているんだけどね。商会が出資をして、街の周りを開拓し壁を建て野菜や品種改良した豚などを育てている。
何かあればこの国に根差していない商会からなら、国の強権で取り上げれば問題ないと考えていた伯爵は、ゴーストタウンを狙う画策をしたのだとか。商会の実力を理解していない奴らの考え方だな。
食料が増産できているのは、街の敷地が広くなり作付け面積が増えたからだけではないのだ。きちんとノウハウを理解して、自分たちが撤退すれば数年後に、収穫が激減する土地を選んで出資しているのだそうだ。
品種改良した豚、オーク豚は、糞を発酵させると良質な堆肥になるし、そういった街には魔導列車で定期的に腐葉土なども届けられているのだ。きちんと管理された畑なので多くの収穫が見込めるが、商会が撤退すれば街の人間だけでは、管理しきれないのだとか。
国王は、詳しい内容までは理解していないが、資金に困っていた貴族が商会の畑を取り上げたことを知っていたそうだ。一時的に貴族は収入を増やすことに成功したが、1年後には街の中が病人だらけになり、そこから半年後には半数の住人が飢えと病気で亡くなったのだとか。
その街では、オーク豚が各家庭や食堂から出る生ごみを処理しており、その糞が適切な処理で堆肥となり、食料の増産に繋がっていたのだ。取り上げられた際に、オーク豚は全部処分しており、衛生面を管理していた商会が街から撤退すれば……その街は廃退の道をたどるしかないだろう。
そこの貴族は、商会の人間が毒を撒いていったから、賠償金を! みたいなことを言っていたらしいが、街に行けば衛生管理がずさんなのは一目瞭然で、至る所に蛆が沸いていたのだとか。
そんな街を立て直すのには、廃退にかかった年月の数倍は必要である。
国王は、俺の商会に食料を依存している状況を良しとしていないが、街を立て直すのに労力と時間を費やすくらいなら、伯爵を切り捨てることを選んだようだ。
何度も商会に手を出すような計画をするな、俺の関係者には手を出すな、と勅令を出していたにもかかわらず、自分たちが優先されると思っていたアホどもの所為で、国が未曾有の危機に瀕していると考え、伯爵は国家反逆罪で一族郎党処刑され、傍流中でまともな人間を領主にしたそうだ。
手伝っていた寄子たちは、関与の度合いを調べて随時対処していくことになったようだ。
元々王国には出陣する予定はなかったが、綾乃に知らせるためにゴーストタウンの領主館へ来ている。相変わらず人造ゴーレムとS級スケルトンが鎮座しているが、その一角で聞き覚えのある声が2つ……
綾乃とライガだった。待て待て、今の状況でこいつらが混ざるのは……危険どころの話ではないのでは?
王国の詳細については、やっぱりそうなったか! と納得した様子だったが、聖国の方はどうなっているのだ! と綾乃に詰め寄られた。
昨日までに判明した情報を伝えることにする。
聖国の混乱に乗じて攻めてきた2つの勢力は、トップが物理的に潰されて挿げ替えられている。教皇から見ても、邪魔だった2つの勢力は、ゴーストタウンで問題を起こしたという理由で、弁明させるまでもなく首を切り落としたんだってさ。
この世界って生臭いよね。理由が無ければ、邪魔者を排除するのに遠回りをしてネチネチ攻撃するのに、理由があれば問答無用で首を飛ばすんだもんな。おっかない世界やで!
そんなことを考えているシュウも、理由があれば人を殺すし、死刑囚であれば人体実験に使うからな。人のことは言えないと思う。
元凶となった勢力で教皇派の枢機卿は、情報を聞き出した後に精神を壊して更に情報を引き出し、今は傀儡にして便利に使っているのだとか。最終的にゴーストタウンで問題を起こしたことを理由に処刑するのだが、連座として邪魔者を排除するのにも使うのだとか。
俺には良く分からんが、元凶の国の情報を早く手に入れるように命令しておいたので、傀儡にした枢機卿を使って情報を仕入れてくれるだろう。
綾乃にもそれまでは待機しておくようにお願いしておく。そして、ライガ……綾乃姐さん! とか言って、そいつを慕わないでくれ。お前と綾乃が混ざると、本当に面倒なことが起きる気しかしないんだよ。
ライガはただでさえ強いのに、綾乃の勇者の加護を得たら、俺たちで止められる気がしねえぞ。綾乃が関わってなくても止めるのに苦労するのに、そこに人造ゴーレムにS級スケルトンが合わせて1000体……もうね、無理!
シリウス君を使えば、綾乃とライガの暴走は止められるけど、人造ゴーレムとS級スケルトンはシリウス君だけでは、絶対に止めきれない……呼吸を必要としていない魔物でも、シリウス君なら問題なく倒せるんだけどね。時間がかかってしまうのだ。
そういえば、勇者の加護を得た人造ゴーレムとS級スケルトンは、シリウス君の攻撃に耐えるんだよね……倒されもしないけど倒せもしない、果てしなく無意味な攻防が繰り広げられることになるのだ。
マジで、頼むから! ライガだけでも暴走はしないでくれ。
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