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第1749話 今日も頑張る
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グリエルが奥さんとのクルーザーデートから帰ってきた。
「グリエル、腕の方は大丈夫だったか?」
「ええ、この通り何の問題もありません。それに四肢が無くなったとしても、シュウ様が何とかしてくださると分かっていましたので、痛み以外には気になることはありませんでした」
「……その痛みが問題だと思うのだが、本当に面倒な役割を押し付けてしまって、すまんな」
「痛かったですが、その後にゆっくりさせてもらいましたので、久しぶりに妻とゆっくりできました。本当にありがとうございます」
「ゆっくりできたのならよかったよ。明日からはグリエルが忙しくなるから、病み上がりだけど頑張ってくれ。ガリアにもゆっくりしてもらいたいからな」
「大丈夫です。調子が悪かったのは、目が覚めて3~4時間ほどだけでしたから、早くここへ戻ってきたかったくらいです」
ワーカホリックか?
「それに、シュウ様の仕事ぶりの報告も受けてますよ。ガリアと部下たちは及第点と言っていましたが、私たちが政務にあまり関わらせなかったのに、ここまでの判断ができるなら十分だと思いますよ。元々学生で、にこ働いたことの無いのですから」
褒められているようだが、そうでもない気もする……
「ほどほどに頑張ってるよ。仕事を覚えればできるようになるとは思うけど、グリエルたちのように仕事をこなせる気はしないな。それにデスクワークより、畑仕事とかのうほうが好きだからな。仕事を教えるなら、俺の子どもたちの中で興味を持った子にお願いするよ。
可能な限り俺も頑張るけどさ、優秀なグリエルとガリアがいるから、俺が頑張りすぎるとおかしことになっちゃうかもしれないしね。だから、2人が元気な間は頑張ってもらいたいね」
「それはもう、動けなくなるまで頑張ります。動けなくなる前に後継者を育てないといけないですから、人選を考えないといけませんね」
グリエルとガリアは、大きな声で笑い合っていた。後継者か、自分の子どもたちかね? それとも部下から引き上げるのかね?
「私たちは業務の引継ぎをしますので、シュウ様は昨日まで通りに報告書を読んでいてください。何かありましたら相談に乗りますので、先に仕事を始めていてください」
「りょーかい。現場でしてもらいたい判断だったら送り返す中に入れておくぞ」
「それで問題ありません。ですが、送り返す報告書は私たちも確認しますので、別でまとめておいてもらえると助かります」
俺だけの判断で送り返すのは、良くないか。何人かでチェックするべきだもんな。
裁決権を戻してからは、俺に上がってくる報告書は減ったが、それでもグリエルたちが確認していたときよりも倍以上はある。
個人的には、数字の報告書……収支報告書のような物の方が気が楽だな。あれは、数字を見るだけでいいからシンプルでわかりやすい。それに違和感があればすぐに確認できるのもいいね。
例えば、購入費の異常なんかは、過去や他の報告書の類似品を見ればわかるしね。相手の商会とかも関係していると、嘘に嘘を塗り固めているからすぐにボロが出るもんな。
それに対して、業務報告書だと書いている人の主観とかも入って、確認するのも大変だったりするんだよね。違和感があってもすぐに確認を取れないし、記憶を掘り起こして話をしてもらうことになるから、ズレていることもあるからね。
っと、そんなことを考えている間に収支報告書に違和感を発見する。
一部の支出が高いと何かしているとすぐにバレるが、全体の値段を少しずつ上げていると、需要と供給の差で上下する値段だと勘違いしてスルーされるだろうな。
だけど俺の目はごまかせないぞ! 全体的に値段が上がることはあるだろうが、全部が全部値上がりすることはほとんどない。なのに、全部が値上がりしているこの報告書は、違和感を覚えるのだ。
俺のカンで言うと、通常の値段から1割は多くなっていないが、結構な差額があると思われる。
俺の商会を調べて、そこを基準にこれ以下の料金や値段で取引されているのであれば、企業努力によるモノだろう。これ以上の料金や値段であるなら、不正の可能性が高い。これは経験則だけどね。
ゼニスが本気を出せば、俺の商会以外を駆逐することも出来るが、それでは健全な経済活動とは言い難い。なので、俺の商会の料金や値段は、工夫をすれば問題なく利益を生み出せるあたりに設定されている。全部、ゼニスの仕事だけどね。
で、実際にその街を調べてみると、全体的に見ると例年より1割ほど商品が安く、施工費なども少しだが安くなっていることが判明する。この街の商人や大工、その他の職種も頑張ってるんだな。
俺がそんなことを知れるのは、ゼニスが管理してくれている俺の商会の情報を全部閲覧することができるからな。
この街の商人や職人たちは頑張っているのに、そこにつけ込む屑が庁舎内にいるようだな。どんなお金の流れになっているか分からないが、その金は街のために使われるものであって、屑が触れていい物ではない!
その街のデータベースへアクセスし、担当者の情報を閲覧する。
街の大店商会のコネで入ってきたのか? コネだけじゃ入れないはずなんだけどな……面接担当者もグルか? 確認できるけど、細かい捜査は俺の分野じゃない! ということで、
「グリエル、ガリア、ちょっと来てくれ」
2人を呼んで、更にその街を担当している部下を呼んで、不正をしている疑いのある人物の話をした。
担当者は寝耳に水だったのか、目を白黒させていた。しばらくすると落ち着き、自分で気付けなかったことを悔しがっていた。多分だけど、たまに報告書を確認している俺だからこそ、気付けるものだったと思うぞ。
君は君でしっかり仕事しているのは、2人から聞いているから、そんなに落ち込まないでくれ。今悔しがっている担当者が来る前に、2人が必死に擁護していたから悪い人じゃないのは分かってるから。別に悪いことをしていないなら、何もしないっての。
グリエルたちは、俺が不正などに厳しいのを知っているから、部下を守ろうとしたのだろう。確かに怖い存在かもしれないけど、俺だって闇雲に切り捨てているわけじゃないからな! 2人が俺のことをどう思っているのか、一度聞いてみたいところだな。
暗部を使って調べるとは言うけど、鬼人たちには向いてないんじゃないか? あいつらは荒事専門だろ?
だけど、問題なく対応できることが分かった。ってか、俺の知らない間に暗部で働くモノが増えていた。前々から重宝していた、陰に潜むシャドー君をグリエルたちがスカウトして、内部調査などを請け負ってもらっているようだ。
どこにでも侵入できるシャドー君、誰にも見つけられないシャドー君、これほど調査に向いた人材はいないな。何か欲しい物はないかね? 活躍しているみたいだから、ボーナスを出すぞ。
後日連絡があり欲しい物を聞いて、首を傾げた。
『遮音に優れ、光も入ってこない空間が欲しい』
だってさ。理由はすぐに分かったんだけど、シャドー君たちにとって静かで暗い場所は落ち着くんだってさ。俺の素敵空間みたいなものらしい。それが分かったので、暗部の待機場所には遮音暗黒部屋を作った。
「グリエル、腕の方は大丈夫だったか?」
「ええ、この通り何の問題もありません。それに四肢が無くなったとしても、シュウ様が何とかしてくださると分かっていましたので、痛み以外には気になることはありませんでした」
「……その痛みが問題だと思うのだが、本当に面倒な役割を押し付けてしまって、すまんな」
「痛かったですが、その後にゆっくりさせてもらいましたので、久しぶりに妻とゆっくりできました。本当にありがとうございます」
「ゆっくりできたのならよかったよ。明日からはグリエルが忙しくなるから、病み上がりだけど頑張ってくれ。ガリアにもゆっくりしてもらいたいからな」
「大丈夫です。調子が悪かったのは、目が覚めて3~4時間ほどだけでしたから、早くここへ戻ってきたかったくらいです」
ワーカホリックか?
「それに、シュウ様の仕事ぶりの報告も受けてますよ。ガリアと部下たちは及第点と言っていましたが、私たちが政務にあまり関わらせなかったのに、ここまでの判断ができるなら十分だと思いますよ。元々学生で、にこ働いたことの無いのですから」
褒められているようだが、そうでもない気もする……
「ほどほどに頑張ってるよ。仕事を覚えればできるようになるとは思うけど、グリエルたちのように仕事をこなせる気はしないな。それにデスクワークより、畑仕事とかのうほうが好きだからな。仕事を教えるなら、俺の子どもたちの中で興味を持った子にお願いするよ。
可能な限り俺も頑張るけどさ、優秀なグリエルとガリアがいるから、俺が頑張りすぎるとおかしことになっちゃうかもしれないしね。だから、2人が元気な間は頑張ってもらいたいね」
「それはもう、動けなくなるまで頑張ります。動けなくなる前に後継者を育てないといけないですから、人選を考えないといけませんね」
グリエルとガリアは、大きな声で笑い合っていた。後継者か、自分の子どもたちかね? それとも部下から引き上げるのかね?
「私たちは業務の引継ぎをしますので、シュウ様は昨日まで通りに報告書を読んでいてください。何かありましたら相談に乗りますので、先に仕事を始めていてください」
「りょーかい。現場でしてもらいたい判断だったら送り返す中に入れておくぞ」
「それで問題ありません。ですが、送り返す報告書は私たちも確認しますので、別でまとめておいてもらえると助かります」
俺だけの判断で送り返すのは、良くないか。何人かでチェックするべきだもんな。
裁決権を戻してからは、俺に上がってくる報告書は減ったが、それでもグリエルたちが確認していたときよりも倍以上はある。
個人的には、数字の報告書……収支報告書のような物の方が気が楽だな。あれは、数字を見るだけでいいからシンプルでわかりやすい。それに違和感があればすぐに確認できるのもいいね。
例えば、購入費の異常なんかは、過去や他の報告書の類似品を見ればわかるしね。相手の商会とかも関係していると、嘘に嘘を塗り固めているからすぐにボロが出るもんな。
それに対して、業務報告書だと書いている人の主観とかも入って、確認するのも大変だったりするんだよね。違和感があってもすぐに確認を取れないし、記憶を掘り起こして話をしてもらうことになるから、ズレていることもあるからね。
っと、そんなことを考えている間に収支報告書に違和感を発見する。
一部の支出が高いと何かしているとすぐにバレるが、全体の値段を少しずつ上げていると、需要と供給の差で上下する値段だと勘違いしてスルーされるだろうな。
だけど俺の目はごまかせないぞ! 全体的に値段が上がることはあるだろうが、全部が全部値上がりすることはほとんどない。なのに、全部が値上がりしているこの報告書は、違和感を覚えるのだ。
俺のカンで言うと、通常の値段から1割は多くなっていないが、結構な差額があると思われる。
俺の商会を調べて、そこを基準にこれ以下の料金や値段で取引されているのであれば、企業努力によるモノだろう。これ以上の料金や値段であるなら、不正の可能性が高い。これは経験則だけどね。
ゼニスが本気を出せば、俺の商会以外を駆逐することも出来るが、それでは健全な経済活動とは言い難い。なので、俺の商会の料金や値段は、工夫をすれば問題なく利益を生み出せるあたりに設定されている。全部、ゼニスの仕事だけどね。
で、実際にその街を調べてみると、全体的に見ると例年より1割ほど商品が安く、施工費なども少しだが安くなっていることが判明する。この街の商人や大工、その他の職種も頑張ってるんだな。
俺がそんなことを知れるのは、ゼニスが管理してくれている俺の商会の情報を全部閲覧することができるからな。
この街の商人や職人たちは頑張っているのに、そこにつけ込む屑が庁舎内にいるようだな。どんなお金の流れになっているか分からないが、その金は街のために使われるものであって、屑が触れていい物ではない!
その街のデータベースへアクセスし、担当者の情報を閲覧する。
街の大店商会のコネで入ってきたのか? コネだけじゃ入れないはずなんだけどな……面接担当者もグルか? 確認できるけど、細かい捜査は俺の分野じゃない! ということで、
「グリエル、ガリア、ちょっと来てくれ」
2人を呼んで、更にその街を担当している部下を呼んで、不正をしている疑いのある人物の話をした。
担当者は寝耳に水だったのか、目を白黒させていた。しばらくすると落ち着き、自分で気付けなかったことを悔しがっていた。多分だけど、たまに報告書を確認している俺だからこそ、気付けるものだったと思うぞ。
君は君でしっかり仕事しているのは、2人から聞いているから、そんなに落ち込まないでくれ。今悔しがっている担当者が来る前に、2人が必死に擁護していたから悪い人じゃないのは分かってるから。別に悪いことをしていないなら、何もしないっての。
グリエルたちは、俺が不正などに厳しいのを知っているから、部下を守ろうとしたのだろう。確かに怖い存在かもしれないけど、俺だって闇雲に切り捨てているわけじゃないからな! 2人が俺のことをどう思っているのか、一度聞いてみたいところだな。
暗部を使って調べるとは言うけど、鬼人たちには向いてないんじゃないか? あいつらは荒事専門だろ?
だけど、問題なく対応できることが分かった。ってか、俺の知らない間に暗部で働くモノが増えていた。前々から重宝していた、陰に潜むシャドー君をグリエルたちがスカウトして、内部調査などを請け負ってもらっているようだ。
どこにでも侵入できるシャドー君、誰にも見つけられないシャドー君、これほど調査に向いた人材はいないな。何か欲しい物はないかね? 活躍しているみたいだから、ボーナスを出すぞ。
後日連絡があり欲しい物を聞いて、首を傾げた。
『遮音に優れ、光も入ってこない空間が欲しい』
だってさ。理由はすぐに分かったんだけど、シャドー君たちにとって静かで暗い場所は落ち着くんだってさ。俺の素敵空間みたいなものらしい。それが分かったので、暗部の待機場所には遮音暗黒部屋を作った。
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