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第1737話 俺と猫たちの仁義なき戦い
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俺にできることは終わった。違うか? やらなきゃいけないことは終わったというべきかな。やろうと思えば、土木組より頑丈な建物を建てることだってできるし、早く建てることも出来る。けど、俺がそれをやったら、みんなの仕事を奪っちゃうからね。やらないよ!
と言いつつ、仕事は全部グリエルに丸投げしてるから、押し付けているようなものだ。俺はともかくグリエルは要領がいいから、部下にしっかりと仕事を割り振ってできる範囲でこなしている。優秀な人材である。
家に帰ると、上の子たちは下の子たちを囲んで遊んでいた。楽しそうにしているから何をしているのかと思うと、タブレットを使って街の作成ゲームみたいなことをしていた。
ミーシャたちがよくても、プラムたちにはまだ早いだろ! とか思っていた時期もありました。短い単語でしか話せない下の子たちですが、しっかりと自分の意思を伝えて何を作りたい、みたいなことを言っていました。
正直驚きしかない光景だったわ。
内容が分かっているのかわからないが、何となく見た目は綺麗に揃ってたりするので、プラムたちには才能があるのでは? と思ってしまうほどだ。
仲よく遊んでいるみたいなので、邪魔をせずにそっと子ども部屋を出た。
子どもたちと遊ぼうかな? と思っていたので、ちょっと出鼻をくじかれた感じだな。さて、何をしようか?
そんなことを考えていたら、家猫集団に襲撃をうけた。
何事かと思ったが、暇そうだから相手をしてやろう、みたいな雰囲気を出していやがる。こいつらは気分屋だから、俺の遊びたい時にはなかなか来てくれなかったりするんだよな。しょうがない、お前らの思っている通り、暇だから相手をしてやろう!
俺が本気になったと分かった猫たちは、俺から距離を取った。
俺と猫たちが遊ぶときは、大体オモチャで暴れさせるか、追いかけっこになるのだ。もちろん、俺が追いかけられる方だ。
多少Lvの上がった猫とはいえ、俺と勝負して逃げ切れるわけもない。なので、俺が鬼となって追いかけるのは、初めの2~3回だけだったな。
その後は、俺1人が逃げて猫たち全員で、俺のことを捕まえようとするようになった。
ってかさ、猫って普通集団で狩りとかしないのに、こういう時ばかり気持ちがシンクロするというか、意見が合うというか、普段から協調性を持ってほしいものだ。
なんて考えていると、1匹の猫が高い位置から咥えていたビー玉を落とした。
コツンッ!
ビー玉が落ちる音と同時に俺は走り出す。
猫たちは追いかけても捕まえられないことは分かっているので、追跡班と待ち伏せ班に分かれて行動をするのだ。
今のところ俺の方が勝率が高いが、あの猫たちは頭がよくて困る。自分たちだけでは捕まえられないと分かっているので、援軍すら呼ぶのだ。こいつらの援軍に来るのは、スライムたちだけなんだが、うまく連携を取るから厄介なんだよな。
初めて捕まった時は、スライムたちが遊ぼうとせがんできて、相手をしながら逃げていたのだが、気付いたらスライムたちに囲まれていて、捕らえられたところに猫たちが突っ込んできたのだ。
そういうことを警戒しながら、こいつらとの鬼ごっこはしなきゃいけないのだ。
ちなみに捕まった判定は、触れるだけじゃなく服に爪をたてたり、腕にしがみつく形でも、一瞬だけじゃなくそれなりの時間、2匹以上で俺と接触することが条件である。
爪たてられて服にしがみつかれた所で、力業で回避することはできるが、猫相手の遊びでそれをやるのは大人げない。それにそんな事をしたら、猫たちが怪我をしてしまうかもしれないからな。
さて、どうやって逃げますかね。
俺が今いるのは1階、階段を登って3階まで行ってみるか。
追われていた俺は反転して、猫たちの頭上を飛び越えて階段へ向かう。
階段では何度か不覚をとっているから慎重に行かないとな。あいつら、予想もしてなかったところから、降ってきたりするから回避できない事もあったんだよな。
階段へたどり着く。登る前に上を確認して、いない事に安心する。駆け上がり、2階の廊下へ。
そのまま3階に行ってもいいのだが、後ろから追いかけてきている追跡組と、距離が離れないように調節しながら……おっと、あぶねえ。
2階の廊下をしばらく逃げてから3階へあがろうと考えていたら、梁とかで死角になっている場所から猫が3匹も飛び出してきたので、スライディングみたいな感じで回避することとなった。
うっひ~、久々にやってきた攻撃だったので、すっかり油断していたな。1匹ならキャッチしてリリースすればいいのだが2匹以上となると、キャッチアンドリリースが難しくなるので、回避という形をとった。
すたこらさっさ、おや? 追跡していたメンバーがいつの間にか入れ替わってるな。だから何だということはないのだが、猫によって攻撃方法が違うのが面白い所でもあるんだよね。
にしても、さっきからニャーニャーうるさいにゃー。色々情報を連絡しあってるんだと思うが、よくにゃーにゃーだけで連携が取れるもんだな。声の出し方で意味が違うのかね?
待ち伏せの攻撃を回避しながら3階へ上り、あえて行き止まりの部屋へ向かう。
追ってきていた猫たちが、あからさまに警戒をする。こいつらもこの先がどん詰まりだということは知っている。なのにここに来た理由が分からないから、迂闊に近付けないのだろう。下手すれば、また頭上を飛び越えられるとか考えてるんだろうな。
だがな、今日は初めて実戦投入する必殺技を見せてやろう。必殺技とは言うけど、殺傷力は無い。
一定の距離を保っているので、俺はゆっくり歩きながらどん詰まりの部屋へ入っていく。
入ると同時に猫が飛びかかってきたが、優しく受け流すように軌道をずらしてやる。この家は天井付近にキャットウォークがあり、どの部屋にでも自由に出入りできるようになっているのだ。だから、この部屋に俺が入る前に先回りしていた猫たちが飛びかかってきた。
見た感じ追い詰められるような格好だが、ここで俺の新必殺技が炸裂する。窓を開けて外へ飛び出す。
この追いかけっこは、敷地内を逃げ回るゲームなので、俺としては外の方が有利なんだよね。すぐに出ないで、3階から飛び降りる。卑怯とは言わせないぞ!
着地して衝撃を殺すマネとして、前転する。追って来れまい……とか思って上を見上げると、次々に猫たちが飛び出してきた。そうだった、身体能力が上がっているのは俺だけじゃなかったわ。
慌てて駆け出し庭を逃げ回る。30分位逃げ回っていると、上の子たちが下の子たちを抱っこして現れた。呼んでいるので向かってみると、シンラに抱っこをねだられた。
抱きかかえるのと同時に、上の子たちの背中に張り付いていたと思われる猫たちが、俺に飛びついてきた。あ~これはあかんです。シンラを抱いているのに激しい動きはできない。
そして、この流れが猫たちの仕組んだ罠だった事に気が付いたのは、
「「「とーたんの負け」」」
と、ミーシャたちが宣言したからだ。
俺に抱かれているシンラは、めっちゃ笑っていたので、必殺【お腹に顔をグリグリの刑】に処すことにした。子どもたちからすると、これがくすぐったいみたいなので、単純に罰である!
食堂へ移動して、猫たちにおやつをみんなで与えた。
と言いつつ、仕事は全部グリエルに丸投げしてるから、押し付けているようなものだ。俺はともかくグリエルは要領がいいから、部下にしっかりと仕事を割り振ってできる範囲でこなしている。優秀な人材である。
家に帰ると、上の子たちは下の子たちを囲んで遊んでいた。楽しそうにしているから何をしているのかと思うと、タブレットを使って街の作成ゲームみたいなことをしていた。
ミーシャたちがよくても、プラムたちにはまだ早いだろ! とか思っていた時期もありました。短い単語でしか話せない下の子たちですが、しっかりと自分の意思を伝えて何を作りたい、みたいなことを言っていました。
正直驚きしかない光景だったわ。
内容が分かっているのかわからないが、何となく見た目は綺麗に揃ってたりするので、プラムたちには才能があるのでは? と思ってしまうほどだ。
仲よく遊んでいるみたいなので、邪魔をせずにそっと子ども部屋を出た。
子どもたちと遊ぼうかな? と思っていたので、ちょっと出鼻をくじかれた感じだな。さて、何をしようか?
そんなことを考えていたら、家猫集団に襲撃をうけた。
何事かと思ったが、暇そうだから相手をしてやろう、みたいな雰囲気を出していやがる。こいつらは気分屋だから、俺の遊びたい時にはなかなか来てくれなかったりするんだよな。しょうがない、お前らの思っている通り、暇だから相手をしてやろう!
俺が本気になったと分かった猫たちは、俺から距離を取った。
俺と猫たちが遊ぶときは、大体オモチャで暴れさせるか、追いかけっこになるのだ。もちろん、俺が追いかけられる方だ。
多少Lvの上がった猫とはいえ、俺と勝負して逃げ切れるわけもない。なので、俺が鬼となって追いかけるのは、初めの2~3回だけだったな。
その後は、俺1人が逃げて猫たち全員で、俺のことを捕まえようとするようになった。
ってかさ、猫って普通集団で狩りとかしないのに、こういう時ばかり気持ちがシンクロするというか、意見が合うというか、普段から協調性を持ってほしいものだ。
なんて考えていると、1匹の猫が高い位置から咥えていたビー玉を落とした。
コツンッ!
ビー玉が落ちる音と同時に俺は走り出す。
猫たちは追いかけても捕まえられないことは分かっているので、追跡班と待ち伏せ班に分かれて行動をするのだ。
今のところ俺の方が勝率が高いが、あの猫たちは頭がよくて困る。自分たちだけでは捕まえられないと分かっているので、援軍すら呼ぶのだ。こいつらの援軍に来るのは、スライムたちだけなんだが、うまく連携を取るから厄介なんだよな。
初めて捕まった時は、スライムたちが遊ぼうとせがんできて、相手をしながら逃げていたのだが、気付いたらスライムたちに囲まれていて、捕らえられたところに猫たちが突っ込んできたのだ。
そういうことを警戒しながら、こいつらとの鬼ごっこはしなきゃいけないのだ。
ちなみに捕まった判定は、触れるだけじゃなく服に爪をたてたり、腕にしがみつく形でも、一瞬だけじゃなくそれなりの時間、2匹以上で俺と接触することが条件である。
爪たてられて服にしがみつかれた所で、力業で回避することはできるが、猫相手の遊びでそれをやるのは大人げない。それにそんな事をしたら、猫たちが怪我をしてしまうかもしれないからな。
さて、どうやって逃げますかね。
俺が今いるのは1階、階段を登って3階まで行ってみるか。
追われていた俺は反転して、猫たちの頭上を飛び越えて階段へ向かう。
階段では何度か不覚をとっているから慎重に行かないとな。あいつら、予想もしてなかったところから、降ってきたりするから回避できない事もあったんだよな。
階段へたどり着く。登る前に上を確認して、いない事に安心する。駆け上がり、2階の廊下へ。
そのまま3階に行ってもいいのだが、後ろから追いかけてきている追跡組と、距離が離れないように調節しながら……おっと、あぶねえ。
2階の廊下をしばらく逃げてから3階へあがろうと考えていたら、梁とかで死角になっている場所から猫が3匹も飛び出してきたので、スライディングみたいな感じで回避することとなった。
うっひ~、久々にやってきた攻撃だったので、すっかり油断していたな。1匹ならキャッチしてリリースすればいいのだが2匹以上となると、キャッチアンドリリースが難しくなるので、回避という形をとった。
すたこらさっさ、おや? 追跡していたメンバーがいつの間にか入れ替わってるな。だから何だということはないのだが、猫によって攻撃方法が違うのが面白い所でもあるんだよね。
にしても、さっきからニャーニャーうるさいにゃー。色々情報を連絡しあってるんだと思うが、よくにゃーにゃーだけで連携が取れるもんだな。声の出し方で意味が違うのかね?
待ち伏せの攻撃を回避しながら3階へ上り、あえて行き止まりの部屋へ向かう。
追ってきていた猫たちが、あからさまに警戒をする。こいつらもこの先がどん詰まりだということは知っている。なのにここに来た理由が分からないから、迂闊に近付けないのだろう。下手すれば、また頭上を飛び越えられるとか考えてるんだろうな。
だがな、今日は初めて実戦投入する必殺技を見せてやろう。必殺技とは言うけど、殺傷力は無い。
一定の距離を保っているので、俺はゆっくり歩きながらどん詰まりの部屋へ入っていく。
入ると同時に猫が飛びかかってきたが、優しく受け流すように軌道をずらしてやる。この家は天井付近にキャットウォークがあり、どの部屋にでも自由に出入りできるようになっているのだ。だから、この部屋に俺が入る前に先回りしていた猫たちが飛びかかってきた。
見た感じ追い詰められるような格好だが、ここで俺の新必殺技が炸裂する。窓を開けて外へ飛び出す。
この追いかけっこは、敷地内を逃げ回るゲームなので、俺としては外の方が有利なんだよね。すぐに出ないで、3階から飛び降りる。卑怯とは言わせないぞ!
着地して衝撃を殺すマネとして、前転する。追って来れまい……とか思って上を見上げると、次々に猫たちが飛び出してきた。そうだった、身体能力が上がっているのは俺だけじゃなかったわ。
慌てて駆け出し庭を逃げ回る。30分位逃げ回っていると、上の子たちが下の子たちを抱っこして現れた。呼んでいるので向かってみると、シンラに抱っこをねだられた。
抱きかかえるのと同時に、上の子たちの背中に張り付いていたと思われる猫たちが、俺に飛びついてきた。あ~これはあかんです。シンラを抱いているのに激しい動きはできない。
そして、この流れが猫たちの仕組んだ罠だった事に気が付いたのは、
「「「とーたんの負け」」」
と、ミーシャたちが宣言したからだ。
俺に抱かれているシンラは、めっちゃ笑っていたので、必殺【お腹に顔をグリグリの刑】に処すことにした。子どもたちからすると、これがくすぐったいみたいなので、単純に罰である!
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