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第1719話 それってあり?
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エリクサーをかけた俺の腕は、シュワシュワ泡を立てている。そういえば、ふりかけてポーション系のアイテムを、自分に使うのは初めてかもしれないな。
飲んで治したことはあるけど、かけるとこんな感じで治るんだな。視覚的なものはかけた方が圧倒的にいい気がするな。飲む方だと治っていく過程が分かるので、地味に気持ち悪いのだ。だけど、かけて何とかなるのは、外傷だけなんだよな。
外相を伴わない体の中の負傷だと、かけても多少は治るが飲むより効果が薄くなってしまう。飲ませる余裕がない時とかはかける感じだろうか? 今までも妻たちが使っている所を見たことあるが、意識的に見ていなかったので気付けなかった。
部屋の温度が氷点下になったと思われる。
ここで魔法を止めると、溶岩の川がまた動き始めると思う。なので気は抜けない……
「状況確認! 動いている敵はいるか? 追加で増えそうな気配は?」
俺は自分の目でも確認はしているが、自分以外の目でもしっかりと確認してもらうために指示を出す。
どうやら、今のところ敵については問題ない様だ。
「負傷に関してはどうなってる?」
全員の治療が終わったとキリエから報告がある。だが、俺と同じで攻撃をくらって溶岩が体にまとわりついたメンバーの装備に関しては、メンテナンスが必要なほどに痛んでいる部分があった。
ドッペルの体とはいえ、心臓によくないな。なんて呟いたら、妻たちから総スカンをくらったよ。俺の方は2回目なので、めっちゃ小言を言われた。
どうするか?
魔法を止めるわけにはいかないが、続けているわけにもいかない。魔力が枯渇すると大変だからな。
「少し馬鹿げた話だけど、聞いてもらっていいか? あくまでも仮説として聞いてほしい。この部屋の魔物は、実は1匹ってことは無いか? 隔離したのに同じサイズのマグマゴーレムが復活したのに疑問を感じて、溶岩の中からマグマゴーレムが出てきて更に疑問が深くなった。
明らかに変だと思う。増えるにしても、気配が直前までなかった。ゴーレムの特性かもしれないけど、動いたのに気配が薄いってことは、操られているんじゃないかなって。だから、この部屋自体が魔物の可能性か、この部屋のどこかに核となる何かがあるんじゃないかと考えてみた」
俺は自分の考えたことをみんなに伝える。納得してくれたようで前衛組は、俺たちが冷やしている溶岩の川の中を調べるために、叩き壊し始めた。他のメンバーは、確認するように部屋の壁や床などを叩き始める。遠距離組は、天井や壁の高い位置に攻撃をしている。
反応らしき物は無いな。俺の勘違いだったかな?
結構魔力を使ったな。魔法を行使しながら、魔力を回復するためマジックポーションを飲む。
ずっと続けているわけにはいかないんだよな、魔力は無限じゃないからな。無限……魔核で何とか代用できねえかな?
冷やしたい場所に置くタイプならいけるかな? 魔核の周囲を冷やす感じにしておけばいけるか?
さすがに今の状態でクリエイトゴーレムするのはしんどい。
「ちょっと試したい事があるから、一時的に俺の場所を肩代わりしてくれ」
そういうと、魔法組の妻たちがアイコンタクトを取り、少しずつ自分たちが受け持っているエリアを広げた。
俺はAランクの魔石を大量に取り出し、周囲が-100度になるような魔法をイメージして書き込んでみるが、ただ周囲を冷やすだけじゃこの部屋が際限なく冷やされるよな。
ある程度範囲を指定して冷やす、そんな感じにした方がいいか?
範囲を決める、その範囲内の温度を下げる。あれ、そこまで広くできないな。範囲を考えるとこの部屋に使う魔核は30個程必要だった。
出し惜しみする必要もないし、多めに40個用意した。そして、少し間隔を詰めて設置していく。
一応、回収する時のことを考えて、音声でオンオフが出来るようにプログラムを組んでおいた。
「一先ず、これで時間は稼げるかな? 溶岩の方は何かあったか?」
「特に気になるものはありません。まだ4分の1も掘り返していないので、結論を出すには早いと思いますが、壁や床は何かあった?」
シュリが前衛を代表して答え、部屋の隅々を攻撃していたメンバーに途中経過を聞いた。
「こっちも、特に変わった様子はありませんね。ただ、他のダンジョンの壁より全体的に脆い気がします。鉱石がとれる場所よりは、はるかに頑丈だと思いますが」
アリスがそう答えた。
ダンジョンの壁の硬さって、結構まちまちだったりするんだよな。それこそ、鉱石を生み出す壁だと結構簡単に掘れたりするんだよな。ダンジョンの壁はかなり頑丈だけど、壊そうと思えば壊せるからな……ん?
壊せるんだから、いちいち扉をくぐる必要なくね?
「なぁ、聞いてくれ……」
俺は、今思ったことを素直に伝えてみた。
「……盲点でしたね。倒すのに時間がかかるなら、扉の近くに穴をあけて進めば問題ありませんね」
そうなると俺たちの行動は早かった。
35階へ降りる階段のある方の壁を壊し始めた。10分もしないうちに人一人が通れる隙間が空いた。
魔核は放置して、マグマゴーレムが復活しないように置いておくことにした。もしかして、後ろから追ってこられても迷惑だからな。
それにしても、俺たちがここまで攻撃を受けたのって久しぶりじゃないか? 回復が必要なメンバーが8人も出たんだよな。不意打ちとはいえ、さすがにやられ過ぎたな。まさか、ここまで格下のダンジョンに手こずるなんてな。
もっと気を引き締め……ても、無理か。今回はさすがにどうにもならなかっただろうしな。
予想外のことが多すぎた。あそこまで索敵に引っかからない魔物がいるなんてね。予想外過ぎるわ! 気合を入れて索敵してたのに、最後の部屋でまさかの溶岩の川からの不意打ち、気付けるわけないっての。
倒し方の分からない魔物もこれが初めてだよ。放置できそうだから助かった感じだな。
飲んで治したことはあるけど、かけるとこんな感じで治るんだな。視覚的なものはかけた方が圧倒的にいい気がするな。飲む方だと治っていく過程が分かるので、地味に気持ち悪いのだ。だけど、かけて何とかなるのは、外傷だけなんだよな。
外相を伴わない体の中の負傷だと、かけても多少は治るが飲むより効果が薄くなってしまう。飲ませる余裕がない時とかはかける感じだろうか? 今までも妻たちが使っている所を見たことあるが、意識的に見ていなかったので気付けなかった。
部屋の温度が氷点下になったと思われる。
ここで魔法を止めると、溶岩の川がまた動き始めると思う。なので気は抜けない……
「状況確認! 動いている敵はいるか? 追加で増えそうな気配は?」
俺は自分の目でも確認はしているが、自分以外の目でもしっかりと確認してもらうために指示を出す。
どうやら、今のところ敵については問題ない様だ。
「負傷に関してはどうなってる?」
全員の治療が終わったとキリエから報告がある。だが、俺と同じで攻撃をくらって溶岩が体にまとわりついたメンバーの装備に関しては、メンテナンスが必要なほどに痛んでいる部分があった。
ドッペルの体とはいえ、心臓によくないな。なんて呟いたら、妻たちから総スカンをくらったよ。俺の方は2回目なので、めっちゃ小言を言われた。
どうするか?
魔法を止めるわけにはいかないが、続けているわけにもいかない。魔力が枯渇すると大変だからな。
「少し馬鹿げた話だけど、聞いてもらっていいか? あくまでも仮説として聞いてほしい。この部屋の魔物は、実は1匹ってことは無いか? 隔離したのに同じサイズのマグマゴーレムが復活したのに疑問を感じて、溶岩の中からマグマゴーレムが出てきて更に疑問が深くなった。
明らかに変だと思う。増えるにしても、気配が直前までなかった。ゴーレムの特性かもしれないけど、動いたのに気配が薄いってことは、操られているんじゃないかなって。だから、この部屋自体が魔物の可能性か、この部屋のどこかに核となる何かがあるんじゃないかと考えてみた」
俺は自分の考えたことをみんなに伝える。納得してくれたようで前衛組は、俺たちが冷やしている溶岩の川の中を調べるために、叩き壊し始めた。他のメンバーは、確認するように部屋の壁や床などを叩き始める。遠距離組は、天井や壁の高い位置に攻撃をしている。
反応らしき物は無いな。俺の勘違いだったかな?
結構魔力を使ったな。魔法を行使しながら、魔力を回復するためマジックポーションを飲む。
ずっと続けているわけにはいかないんだよな、魔力は無限じゃないからな。無限……魔核で何とか代用できねえかな?
冷やしたい場所に置くタイプならいけるかな? 魔核の周囲を冷やす感じにしておけばいけるか?
さすがに今の状態でクリエイトゴーレムするのはしんどい。
「ちょっと試したい事があるから、一時的に俺の場所を肩代わりしてくれ」
そういうと、魔法組の妻たちがアイコンタクトを取り、少しずつ自分たちが受け持っているエリアを広げた。
俺はAランクの魔石を大量に取り出し、周囲が-100度になるような魔法をイメージして書き込んでみるが、ただ周囲を冷やすだけじゃこの部屋が際限なく冷やされるよな。
ある程度範囲を指定して冷やす、そんな感じにした方がいいか?
範囲を決める、その範囲内の温度を下げる。あれ、そこまで広くできないな。範囲を考えるとこの部屋に使う魔核は30個程必要だった。
出し惜しみする必要もないし、多めに40個用意した。そして、少し間隔を詰めて設置していく。
一応、回収する時のことを考えて、音声でオンオフが出来るようにプログラムを組んでおいた。
「一先ず、これで時間は稼げるかな? 溶岩の方は何かあったか?」
「特に気になるものはありません。まだ4分の1も掘り返していないので、結論を出すには早いと思いますが、壁や床は何かあった?」
シュリが前衛を代表して答え、部屋の隅々を攻撃していたメンバーに途中経過を聞いた。
「こっちも、特に変わった様子はありませんね。ただ、他のダンジョンの壁より全体的に脆い気がします。鉱石がとれる場所よりは、はるかに頑丈だと思いますが」
アリスがそう答えた。
ダンジョンの壁の硬さって、結構まちまちだったりするんだよな。それこそ、鉱石を生み出す壁だと結構簡単に掘れたりするんだよな。ダンジョンの壁はかなり頑丈だけど、壊そうと思えば壊せるからな……ん?
壊せるんだから、いちいち扉をくぐる必要なくね?
「なぁ、聞いてくれ……」
俺は、今思ったことを素直に伝えてみた。
「……盲点でしたね。倒すのに時間がかかるなら、扉の近くに穴をあけて進めば問題ありませんね」
そうなると俺たちの行動は早かった。
35階へ降りる階段のある方の壁を壊し始めた。10分もしないうちに人一人が通れる隙間が空いた。
魔核は放置して、マグマゴーレムが復活しないように置いておくことにした。もしかして、後ろから追ってこられても迷惑だからな。
それにしても、俺たちがここまで攻撃を受けたのって久しぶりじゃないか? 回復が必要なメンバーが8人も出たんだよな。不意打ちとはいえ、さすがにやられ過ぎたな。まさか、ここまで格下のダンジョンに手こずるなんてな。
もっと気を引き締め……ても、無理か。今回はさすがにどうにもならなかっただろうしな。
予想外のことが多すぎた。あそこまで索敵に引っかからない魔物がいるなんてね。予想外過ぎるわ! 気合を入れて索敵してたのに、最後の部屋でまさかの溶岩の川からの不意打ち、気付けるわけないっての。
倒し方の分からない魔物もこれが初めてだよ。放置できそうだから助かった感じだな。
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